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認証保育所「小田急ムック成城園」の虚偽申請・補助金不正受給疑惑について

認証保育所「小田急ムック成城園」の虚偽申請・補助金不正受給疑惑について


2008年9月29日
日本共産党東京都議会議員団


 小田急電鉄の子会社である株式会社小田急ライフアソシエ(土屋忠之社長、本社・川崎市、06年9月に小田急商事から分社)が設置・運営する、東京都認証保育所A型「小田急ムック成城園」(世田谷区)における虚偽申請と補助金不正受給の疑惑が明らかになりました。


1、(株)小田急ライフアソシエによる虚偽申請・補助金不正受給疑惑
 \亀の保育従事職員8人のうち6人が、「架空申請」の疑い
 東京都および世田谷区に提出された開設申請書類では、正規の保育従事職員は8人(世田谷区から開示された職員名簿によれば、有資格7人、無資格1人)です。しかし、そのうち6人(有資格5人、無資格1人)について、「架空申請」の疑いがあります。
 わが党の調査によれば、この6人は、「小田急ムック成城園」の保育従事職員として働いた事実がありません。そのうち内田敦子氏をはじめ2人は、小田急ライフアソシエ本社勤務の社員でした。内田氏は、当時から現在まで小田急ムック全園を統括するマネージャーです。
 また、実在した2人のうち1人は、フルタイムの正規職員ではなく、勤務実態は非常勤(パート)でした。
 世田谷区から開示された職員名簿と、わが党の調査結果によると、毎月のように職員の変動がありますが、06年10月の開設時が正規職員8人のうち6人、11月、12月は6人のうち4人、07年1月、2月は6人のうち2人、3月は6人のうち1人が、「架空申請」とみられます。内田敦子氏は、開設時から07年3月まで、「小田急ムック成城園」の正規・フルタイムの保育従事職員として、職員名簿に記載されています。
 認証保育所の職員配置基準では、「小田急ムック成城園」では、パート職員の常勤換算をふくめ9人の保育従事職員が必要であり、わが党の調査によれば、パート職員の数を加えても、開設から半年にわたり認証保育所の職員配置基準違反です。
 小田急ライフアソシエは、保護者に説明する「重要事項説明書」でも正規職員8名としており、「入園のご案内」では、職員配置の国基準を示したうえで「ムックではこの基準より若干保育職員の数を多く配置しています」と記載しています。これらの保護者への説明も、偽りだったことになります。


◆。娃暁度2,750万円の補助金が都と区から支出されている
 「小田急ムック成城園」には、開設準備経費として06年度1,560万円、運営費補助として06年度(10〜3月)1,190万円、07年度2,477万円、08年度(4〜7月)1,080万円の補助金が、公費から支出されています(07年度までは都と区が2分の1ずつ、08年度から都の制度変更により区が全額負担)。
 わが党の調査結果が事実であれば、都と区に対する虚偽の申請で「認証」を受けたうえ、少なくとも06年度分の補助金については、虚偽申請による不正受給の疑惑があります。


 無届けの職員(保育士)を0歳児クラスの担任に
 「小田急ムック成城園」の定員は43名(08年4月から37名に変更)で、開設時から、ほぼ定員いっぱいの子どもたちが来ていました。
 これだけ多くの乳幼児に対応する正規でフルタイムの保育従事職員は、06年10月から12月までの間、1人しかいませんでした。07年1月、2月がようやく3人です。 ほかにパート職員は数人いますが、ほとんどが無資格か、資格はあっても児童福祉施設等で働いた経験(保育経験)なしであり、「保育の専門家がほとんどいない保育園だった」という証言が寄せられています。
 「架空申請」による職員不足をとりつくろうため、小田急ライフアソシエは、世田谷区から委託を受けて同社が運営している「おでかけひろば」の責任者(保育士、非常勤)を、区に無断で「小田急ムック成城園」の0歳児クラスの担任にしたことが、わが党の調査で明らかになりました。
 これは、世田谷区との委託契約違反であると同時に、認証保育所の職員ではない人を担任にするという、二重の不正です。
 わが党が入手した「小田急ムック成城園」の園だより「むっくむっく」(06年10月1日発行)で、この「おでかけひろば」の責任者が、0歳「ひよこぐみ」の担任として、旧姓で記載されています。
 この不正は、「おでかけひろば」に行っても育児相談ができる職員がいないという区民からの苦情で世田谷区に発覚し、区が小田急ライフアソシエに対し改善をもとめたことで、07年4月以降ようやく改善にむかいました(世田谷区の開示資料より)。


ぁ 岷爐世茲蝓廚波表した06年度の担任配置も問題だらけ
 園だより「むっくむっく」(06年10月1日発行)によれば、0歳「ひよこぐみ」(定員9人)の担任は、世田谷区委託事業「おでかけひろば」の責任者(保育士、非常勤)と、有資格で保育経験はないパート職員(1日7時間・週3日)の2人だけです。本来は、最低3人の担当職員が必要です。
 1歳「こあらぐみ」(定員9人)の担任は2人で、1人は正規職員として申請されていますが実態はパートで、有資格者ですが保育経験なし、もう1人は無資格、保育経験なしのパート職員(1日7時間・週4日)です。
 2歳「きりんぐみ」(定員18人)の担任は2人だけで、1人は保育経験5年の正規職員、有資格者ですが、あと1人は担任をもたない「基準外職員」として申請されている無資格、保育経験なしのパート職員(1日6時間・週4日)です。
 3歳以上「ぞうぐみ」(定員7人)の担任は、「架空申請」の疑いがある本社勤務社員の内田敦子氏であり、実際は担任不在でした。このため2歳「きりんぐみ」の担任が、3歳以上「ぞうぐみ」も兼任し合同保育をしていました。
 この開設時の担任配置をみても、認証保育所の基準を満たしていないうえ、いくつもの重大な問題があります。
 わが党の調査では、「無資格者しかいない日や、1人しか保育職員がいない時が何回もあった」との証言をえていますが、13時間開所が義務づけられている認証保育所でこんな職員配置ではありえることです。
 また、保育体制を改善するため経験ある保育士をふやしてほしいと何度も小田急ライフアソシエに申し入れたが、「雇われているのに生意気だ」「会社のやることに従え」「いやなら辞めてもらっていい」などといって拒否された、との証言もあります。


2、保育内容に保護者や職員から多くの苦情、批判がだされている
 _燭發もそろわない準備不足のまま開園
 わが党の調査で、「小田急ムック成城園」は開園時、「園児の名前も顔も月齢もアレルギー、家庭環境など、何も知ることができないまま、開園当日、受け入れしなければならなかった」「ミルク、哺乳びん、オムツもそろっていなかった。なにもかもありえない状況で開園し、その後、何日たっても同じような状態だった」「おもちゃも絵本もなく、職員が自前で買ったり、自宅から持ち込むしかなかった」などの証言をえています。


◆(欷郤圓ら苦情が続出しているのに、都の指導検査では指摘事項なし
 東京都は、「小田急ムック成城園」開設から1年が過ぎた07年10月29日に、同園への定例の指導検査を実施し、文書による指摘事項「無」との結果が公表されています。
 しかし当時、職員の「架空申請」という問題は改善されていましたが、経験がある正規の保育士が少なく、パート職員も多くは無資格か、資格があっても経験なし、という状態はつづいていました。このため、保護者から改善要望の声が続出していましたが、同園は保護者会を開くことも認めず、保護者は意見を言う機会がないため、区に要望書を出そうという動きがひろがっていたのです。都の指導検査の指摘事項は「無」でも、実際は保育内容に多くの問題がありました。
 保護者の意見の主なものは、以下のとおりです。


【1日中室内の日が多い】 *「1日中室内で過ごすことがよくあり、長時間保育を受けている子ども(とくに運動能力が発達してくる2歳以上)にとってストレスになっていると感じている」
*「園庭がない分、お天気の良い日にはできるだけ外遊びをさせて欲しい旨、何度か先生方にお願いしたことがあるが、お天気に関係なく室内遊びと決めている日もあり、一日中ルームから出ない日が多いように思う」


【もっと厚みのある遊びをしてほしい】 *「紙芝居や絵本の読み聞かせ、お絵かきや折り紙、ぬり絵などもっと様々な遊びを見せてやって欲しい。午後は室内遊びが主になることが多いと思うが、もっと厚みのある遊びを展開して欲しい」


【食事のサンプルがおかれていない日も】 *「食事のサンプルが置かれていないことも多く、どのような食事をどの程度の分量で食べているかが把握しにくい」「おやつにしても、もう少し手作りおやつらしいメニューやフルーツ等を増やしてほしい」「市販品が多く、メニューの種類も少ないように感じる」


【経験ある先生を配置してほしい】 *「育児相談をできる先生すらいない」「先生方の入れ替わりが激しく、子どもとの信頼関係が十分に結べていない」「もう少しキャリアのある先生を入れて頂くか、新人や非常勤の研修制度を充実させるなど、早急に手段を考えて頂きたい」
*「営利主義に走らず、保育経験の長い、熟練した保育士を雇うべき。曜日によっては素人のような保育士ばかりにみえることがあり、子どもを預ける身としては不安」
*「ムック成城園における最大の課題は、先生方の質の向上です。この問題の一番の被害者は子どもたちです。どうか、子どもたちの命を預かる仕事を軽視しないで下さい」
*「保護者の中には直接ライフアソシエに抗議された方もいると聞いていますが、満足な対応をとって頂くこともなく、退園・転園する方も多いように見受けられます」


 保育日誌・保育計画を見本どおりに何ヶ月分もまとめて記入
 わが党には、このような実態が東京都に把握されないよう、小田急ライフアソシエは監査対策のマニュアルをつくっており、「立ち入り検査の前に、保育日誌や保育計画を見本どおりに何ヶ月分もまとめて記入させられた」という証言が寄せられています。
 また、職員不足をごまかすため、行政の検査当日、「監査の日なのでヘルプで来ました」と言って系列園の職員が来ることもあった、との証言もあります。


ぁヽ設から1年間で職員14人がつぎつぎ退職
 職員から、「無資格、未経験の職員2名で子ども達を散歩に連れていくこともあった。何か起きた時に責任が取れないと不安だと話していた」「指導してくれる人材が必要という訴えが届かず、保育ができているとは言えない。保育をしたい、学んでいきたいという切実な思いを何度伝えてもかなえられない」「その様な環境で何人ものスタッフが辞め、変動が多いため保護者、子どもたちに多大な不安を与えてしまっている」などの声も、あがっていました。
わが党の調査では、開設された06年10月から07年9月までの1年間で、「小田急ムック成城園」の職員は、会社への不信、心身の不調などにより、常勤、非常勤をあわせて、14人が退職しています。同じ場所で小田急ライフアソシエが運営している世田谷区委託事業「おでかけひろば」「ほっとステイ(一時預かり)」も入れると、1年間で30人以上が退職しています。まさに、「使い捨て」といって過言ではない状態でした。



3、このまま放置することは許されない
〜衞聾胸圓痢崗田急ムック相模大野園」でも虚偽申請の疑い
 調査の過程で、神奈川県相模原市の特定保育室(都の認証保育所と同じような制度)「小田急ムック相模大野園」の施設長についても、虚偽申請の疑惑がうかびあがりました。
 相模原市の開示資料によれば、07年4月1日から内田敦子氏が、「小田急ムック相模大野園」の施設長として申請されています。
 しかし、わが党の調査によれば、同氏は小田急ライフアソシエの本社勤務社員で、小田急ムック全園の統括マネージャーであり、小田急ライフアソシエは07年4月以降、相模原市に対し虚偽申請をしている疑いがあります。
 内田氏は、「小田急ムック成城園」の開設時も、本社勤務の統括マネージャーであるにもかかわらず、東京都に提出した開設申請書類では、「小田急ムック成城園」の正規の保育従事職員、しかも防火管理者(成城消防署に届出)となっていました。また「園だより」で、3歳以上クラスの担任として発表されていました。


開設後一時期の問題として見過ごすことは、不正と質の低い保育の拡大をもたらす
 「小田急ムック成城園」の現在の状況は、以前ににくらべれば改善されたようです。しかし、それをもって見過ごすことはできません。
 開設時の虚偽申請疑惑の内容は、初の認証取り消しとなった「じゃんぐる保育園」の職員の架空申請と同様のものです。これが許されるなら、開設時に都が「認証」するという、仕組みそのものの意味がないことになりかねません。
 しかも小田急ライフアソシエは、「小田急ムック成城園」での不正が知られていないのをいいことに、つぎつぎ事業を拡大しており、同じ世田谷区内に来年4月、「小田急ムック梅ヶ丘園」(仮称)を開設し、子育てステーション北沢として「おでかけひろば」「ほっとステイ(一時預かり)」も世田谷区から受託する予定です。そして「小田急ムック梅ヶ丘園」について、早々と「東京都認証保育所予定」と宣伝しています。このまま放置すれば、不正と質の低い保育がつぎつぎにひろがる危険がつよいと言わねばなりません。


4、東京都は事実を明らかにし、厳正な対応を


 わが党は、東京都に対し、「小田急ムック成城園」の虚偽申請という不正について事実を明らかにし、厳正な対応をおこなうとともに、小田急ライフアソシエが設置・運営する保育施設の実態調査をおこなうよう、つよくもとめるものです。また認証する際のチェック体制を万全にすべきです。
 同時に都は、小田急グループという大手企業グループがかかわる認証保育所でも虚偽申請がおこなわれ、保育の質がゆがめられている現実を直視し、営利企業が設置・運営している認証保育所の全面的な実態調査をおこなうべきであり、保育の質の向上にむけた対策を講じるべきです。

以 上


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