過去のページ

第一回定例会 「石原慎太郎東京都知事の不信任決議」提案理由説明 二〇〇八年三月二十八日

植木こうじ(中野区選出)

 日本共産党都議団を代表して、石原慎太郎東京都知事の不信任決議について、提案理由の説明を行います。

 新銀行東京は、石原知事が二期目の都知事選挙で公約し、一千億円の出資に伴う重いリスクを懸念する多数の声に対し、一千億円は将来、数兆円の値になるなどと大言壮語をくり返して設立にこぎつけたものです。一千億円をこえる赤字がつくられた原因は、知事が側近らに作成させた「マスタープラン」が、三年後「赤字」という原案であったのを「黒字」に書き換えるなど、きわめてずさんなものであったにもかかわらず、新銀行の旧経営陣に対し、「マスタープラン」どおりに運営するよう強要し、実現不可能な目標の上に立って高利で預金を集め、過大な融資や高すぎる営業コストをおしつけたことによるものです。

 この間、何度も引き返す機会があったにもかかわらず、知事は、新銀行の継続・拡大に固執し、一千億円におよぶ都の出資をほぼすべて失う結果となりました。
 ところが石原知事は、新銀行東京の失敗の責任をあげて旧経営陣におしつける、見苦しい態度をとり続けています。その上、四百億円の追加出資の根拠についても、その元となる再建計画についてもまともな説明をせず、都議会に事実上の白紙委任を求めるという、ごう慢な態度をとってきました。しかし、自己資本比率四%を達成するために四百億円が必要だという説明もごまかしであり、再建計画も成り立たないこと、また新銀行が中小企業のために役立たないことも、すでに明白です。

 都民の税金を失った元凶は、石原知事です。にもかかわらず、何一つ責任をとろうとせず、都民の役に立たない銀行に対し四百億円に及ぶ追加出資を行い、傷口をさらに広げようとしているのです。どの世論調査でも、七割、八割をこえる都民が追加出資に反対しています。ところが、知事は、「世論調査を気にしていたら政治なんてできない」とまで言って、圧倒的多数の都民の意見に背をむけています。自らのメンツだけにしがみついて税金のムダ使いをつづける石原知事に、これ以上、都政のカジ取りをまかせるわけにいきません。

 よって、わが党は、石原慎太郎東京都知事の不信任決議を提出しました。
 この不信任決議は、地方自治法第百七十八条の規定にもとづくものであり、大多数の都民の気持ちにそう提案です。都政を憂えるすべての都議会議員のみなさまのご賛同を求めて、提案理由の説明といたします。

以上