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文書質問趣意書

2008年6月23日
松村 友昭(練馬区選出)

練馬の医療問題について

 練馬区の人口がこの4月14日に70万人となりました。人口が増え続ける中、区民のもっとも強い要望は安心してかかれる医療で、医療過疎ともいえる練馬の現状を抜本的に解決して欲しいという願いです。
 この間、区民、行政、議会あげての取り組みで、都に、練馬区などの病床規制を緩和させ、公的性格をもつ病院と位置づける、400床の順天堂大学病院を誘致する等、事態打開へ向けた取り組みが始まっています。
しかし、「順天堂なども開設して良かったが、既に飽和状態。そもそも病床、病院が少ないため400床増床程度では『焼け石に水』であり、抜本的にはもっと病院が増えないと対応できない」と医療関係者も指摘しています。
 わが党が3月半ばから配布をはじめた、練馬区での「医療問題アンケート」は、既に3千通の回答が寄せられ、「こうしたアンケートを待っていた」との声にみられるように、区民の医療問題に対する強い関心と、切実な、緊急に解決を図らなければならない課題が浮き彫りになりました。
 以下、その中間結果にもとづき、都政に関わるいくつかの点を質します。

第1は、練馬区は人口数に対する病院のベッド数がひきつづき圧倒的に不足している問題の解決です。
 今回改訂された東京都保健医療計画の2次医療圏では、練馬が属する西北部圏域は、239床の過少地域となりましたが、練馬区だけを見ると、人口10万人あたり302床で、全都平均の3分の1以下でひきつづき全都最低の状態となっています。
 アンケートにも「区内に信頼できる高度医療の病院を」など、医療体制の拡充、改善を望む書き込みが多数ありました。病院などの整備には時間がかかります。

Q1 そこで、今後、練馬区内で病院の新設や増設ができるようにするためには、練馬区内で人口数に見合う病床が安定して確保できるように、現在の医療圏の抜本的な見直しが求められます。
 そのために、人口70万人を越える練馬区を単独の医療圏に設定することや、医療圏内でも行政区ごとに人口の応じた配分を取り入れることなどの検討を求めるものですが、見解を伺います。

第2は、練馬区内への3次救急医療施設の整備です。
アンケートで、「練馬区の医療体制などで充実してほしいのは」の回答で「区内に高度医療、救急が可能な公的病院の増設」の要望が42,2%にのぼりました。3次救急医療は現在、都内で22箇所の救急・救命センターが担っていますが、その配置状況から見ると、練馬区はもとより、近隣の杉並区、中野区、西東京市にはありません。
すでに東京の救命センターの設置数は1993年17箇所、98年20箇所、03年21箇所、08年22箇所と整備が進み、国の指針の100万人単位を上回って、50万人に1箇所の整備となっています。
 しかし、国の「救急医療体制の構築に係わる指針」でも、第3次救急医療機関は、「人口当たりの数としては十分な整備が行われたところであるが、その地理的配置を見ると、複数の救命救急センターを持つ地域がある一方で、最寄の救命救急センターまで長時間の搬送を要する地域も多数存在するなど、課題が残されている」としています。

Q2 こうした現状からしても、練馬だけでも、人口70万人を越え、周辺の地域合わせれば、100万の人口を抱える地域がいわば空白となっている現状は早急に改善されるべきだと考えます。
 練馬区内に、都の責任で、第3次救急医療センターの整備を図るべきだと思いますが、どうか。

 第3は、練馬区のあらたな病院建設に対する都の支援です。

Q3 練馬区は、今回の都保健医療計画の改訂によって、病床を増やすことが可能になったことを受け、区内でのあらたな病院・病床を少なくとも5百床確保する検討に入りました。
 そこで、練馬区で、新たな病院の新・増設が優先的に整備できるようにすべきだと強く求めるものですが、見解を伺います。

Q4 また、区内では2箇所の病院に対して、公的病院として位置づけ、区としての支援を行っています。区内には、都立病院もない現状にかんがみ、市立病院並みの運営費の補助制度をつくって恒常的な財政支援を行うべきです。それぞれ答弁を求めます。

 第4は、都の医療施策の取り組みへの要望です。
 その一つは、都立清瀬小児病院の統廃合をやめてほしい要望です。
 アンケートでは、「都立清瀬小児病院の統廃合や都立病院を縮小していく動きについて」の回答で、反対が66%にのぼりました。人口に見合う、小児医療が圧倒的に不足する練馬にあって、とりわけ小児救急は区内の医療機関も清瀬小児病院がよりどころです。

Q5 練馬区民が多く利用している清瀬小児病院は存続させてほしいとの区民の要望にこたえるべきだと思いますがどうですか。

Q6 もし、この病院を廃止したら、北多摩北部医療圏は病床過剰地域となっていますから、新たな病院建設は出来ないことをどう認識していますか。それぞれ答弁を求めます。

Q7 二つは、現在、都の小児初期救急事業補助は、「1区1箇所」とされていますが、子供の人数や区の面積などの実態を勘案して、「複数個所の補助金制度」に拡充して、練馬などを支援すべきだ思いますが、どうか。

 三つは、リハビリテーション医療の充実です。
Q8 リハビリ医療の充実も区民の切実な要望の一つです。現在12箇所指定されているリハビリテーション支援センターも、おおむね2次保健医療ごととされているため、西北部医療圏は都立豊島病院が指定されていて、練馬を含む膨大な地域が空白地域となっています。この改善のためにも、練馬区内でのリハビリ支援センターの整備にぜひ東京都の支援を求めるものです。見解を伺います。

以上