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第三回定例会 政務調査費の条例改正案の討論 二〇〇八年一〇月六日

松村友昭(練馬区選出)

 議員提出議案、東京都政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例について、日本共産党都議団ほか二会派が提出する議案に賛成、自民党、民主党、公明党、生活者ネットなどが提出する議案に反対する立場から討論をおこないます。

 都議会の政務調査費は全国最高の議員一人当たり月額六十万円、年間九億円です。にもかかわらず、その使途と領収書が公開されていないことは、都民の強い批判を受けてきました。前回の都議選では、領収書の公開が大きな争点となり、マスコミのアンケートにたいし、当選した都議会議員の六割以上が「領収書添付」を公約したのです。公約を実行するために、日本共産党は都議選直後に領収書添付を義務づける条例改正案を提案しました。しかし、自民、民主、公明の三会派は三会派による非公式の協議を行なうことを理由に、否決したのです。その後、日本共産党の条例改正提案を三度にわたり継続審査にするなど、一貫して領収書公開の先送りを続けてきました。

 昨年十二月、ようやく「都議会のあり方検討委員会」が設置され、議会としての公式の協議が開始されました。この協議のなかでも、日本共産党は、ただちに領収書の一円からの公開に踏みだす条例改正を行なうよう、くり返し主張してきました。また、自民、民主、公明、生活者ネットの四会派が「使途基準」の改悪を行なうことには強く反対しました。しかし、四会派は条例改正も行なわずに、「使途基準」の改悪を強行し、今年の四月一日から実施しました。一方、領収書公開の条例改正は先送りしたのです。

 今回、遅きに失したとはいえ、一円からの領収書公開の条例改正が行なわれることになったことは、都民世論の反映であり、一貫して主張し続けてきた日本共産党は当然のこととして歓迎するものであります。しかし、実施時期は、来年四月一日となり、次の都議選前には都民に領収書は公開されません。公約を棚上げし、この四年間先送りを続けた四会派は、都民の厳しい批判をまぬがれないでしょう。

 四会派が強行した政調費問題の最大の汚点は、「使途基準」を改悪したことです。条例本体では政調費の交付対象は会派とされているのに、「使途基準」では議員個人が政調費を使えるように変更した上、政務調査活動と政党活動、選挙活動、私的活動が混在している場合、「按分」して政調費の支出ができるようにされました。これによって、議員秘書の人件費、議員事務所の賃料、新年会などの会費や視察先の土産代などにも政調費が使えるようにしたのです。このような税金の使い方は、とうてい都民の理解を得られないことを厳しく指摘するものです。

 こうした経過のなかで、日本共産党などがより良い条例改正を行なうため、独自の条例改正案を提案するのは当然です。条例改正案は、一円からの領収書の公開はもちろん、政務調査活動の位置づけをより明確にするとともに、「使途基準は、都民の理解を得られるもの」であるべきこと、政党活動、選挙活動、私的活動との「按分」はやってはならず、政調費の使途は、特定できる政務調査活動に限定することを明確にするものです。議員各位のご賛同をお願いして討論を終わります。

以上