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文書質問趣意書

2008年10月2日
清水ひで子(八王子市選出)

多摩地域の振興について

 わが党は、この間、各種団体及び市町村、多摩地域の党議員団などと懇談を重ねてきた。このなかで明らかとなった多摩地域固有の要望や課題について伺います。

1.総合的振興計画の策定

 都は多摩振興をすすめるための総合的、体系的な実施計画として「多摩地域振興実施計画、多摩リーディングプロジェクト」を2005年に策定し、発表した。私はその年の3月の予算特別委員会で、「この内容は知事のすすめる都市再生に沿ったもので、ハード事業中心になっている、都民や市長会が切実に求める少子化対策、高齢者介護、教育などの課題は見あたらない。NICUや乳幼児医療費助成、児童館など明らかに多摩地域の方が23区と比べて遅れている課題について、必要な方策をとることが必要だ」として都の姿勢を質してきた。その際、当時の総務局長は「都が重点的に取り組む事業を明らかにしたもので、福祉などのソフト面の事業についてはこれまでも積極的にとりくんでいる」などと答弁した。しかし、この間、多摩をとりまく社会情勢、経済情勢が大きく変化している中で、とりわけ子育て分野や高齢者分野での取り組みの強化がますます求められている。
Q1 そこで、今日の時点にたって、多摩地域の総合的な振興策を策定すべきと考えるがどうか。

2.市町村総合交付金について

 まず、市町村総合交付金についてです。
 市町村総合交付金は、23区と比べ財政力のきびしい市町村にとって、財政格差をおぎない、福祉をはじめとする住民サービスの向上を図るうえで欠かせない支援となっている。同時に、この間、法人税の増収の恩恵をうける23区との、税収格差はひろがりを見せている。
Q2 市町村から共通して寄せられる要望の一つが市町村交付金の増額です。是非、この要望に応えるよう求めるものです。

 わが党は市町村振興交付金と調整交付金を統一し、総合交付金とする際に示された「経営割り」について、「各市の自主性を尊重すべきと」主張し、毎年予算要望でもふれてきた。市長会でも同様の要望を提出している。しかし、実態は、定数、税徴収率の査定で、かなりがんじがらめにされている市が多いという。ある市では、保育士定数欠員、学童クラブ問題で市民の反発が起きていると聞く。
Q3 経営割による事実上の査定は市町村への干渉行為で地方分権に反するものと思うがどうか。あくまで市町村の自主性を尊重すべきではないか。

3.学校図書館員の増員

学校図書館は生徒・児童の学習・教育に大きな役割を果たしているが、図書館員が十分に配置されていないため、図書の管理が不十分になったり、生徒の要望に応えることができないなどが生まれている。ある市では現在、小中学校の図書室に2校に1名の図書専門員が配置されていて、1日6時間、週ごとに交代して勤務しているとのことだ。
Q4  このため生徒、教職員、保護者から、図書館員をせめて1校に1名の配置してほしいとの要望が出されている。この要望の実現のために都として支援すべきではないか。

4.スポーツ施設整備

 「多摩国体」会場地となる各市への財政支援についてです。現在、味の元スタジアムのとなりに補助競技場をつくろうとしている。以前「武蔵野の森構想」があり、スポーツ施設を5つ整備する計画であった。しかし、それが頓挫し、従来の構想で計画していたエリアに補助競技場をつくると、3分の2はなくなる。いま、残りの3分の1をどうするかという議論がされている。
Q5 従来の構想どおり、施設整備をしてほしいという声にが出されている、どうか。

 体育館や競技施設の改修が必要な自治体は、財政の持ち出しががあり、対応に困っています。市長会からも、「国体の施設基準に適合していない場合もあり、施設改修を行わなければならず、改修にあっては関連して空調設備など付帯工事に多額の改修費が必要となるため、できるだけ幅広く工事対象とすること」などと要望がだされている。
Q6 これに応えることが必要と考えるがどうか。

5.井の頭公園プール

Q7 井の頭公園のプールはビオトープにするというのが都の回答だったが、いまだに放置されており、住民からプールとして復活させてほしいという要望が出されている。これに応える必要があるのではないですか。

6.税・公共料金滞納者への取り立て

Q8 多摩地域の自治体で、税滞納者の差し押さえ件数が数十から300件、500件と増加している。「都の職員研修で人権侵害してもかまわない」といわれたといい話も聞いた。そうした事実はあるのか。

Q9 水道は3回督促すれば水道停止と上から行政指導されているのではないか。税滞納者には、給与振り込みの差し押さえ、生命保険の解約が行われているがそうしたやり方を奨励しているのか。

7.緑の保全

Q10 多摩北部丘陵は300haの緑地帯です。都のフィンガープランに位置づけられていたが、棚上げされ開発がすすんでいる。都全体の環境保護の位置付けし保全することが急がれている。稲城市の南山開発、八王子の天合峰の保全と合わせ、都の支援が求められているがどうか。

8 立川基地跡地利用

Q11 立川の基地跡地で法務省が、刑務所を関東近県のものを集約する方針があきらかになった。もともとは下水道分場を計画していたもので、当初計画では下水道場を地下に入れ、上を公園として整備する計画だった。ところが刑務所ビル建設計画が突如、浮上した。地元では公園をつくるべきとの意見がだされている。地球温暖化を防ぐうえでも、みどりを保全することは優先課題である。公園整備を検討すべきではないか。

Q また、地元住民によってオオタカの生息が確認されているが、都として調査するとともに、保護対策をただちに講じるべきと思うが、どうか。

9.農業振興策

 原油高騰は多摩地域の農業にも被害をもたらしている。対策として農業のための免税軽油制度がるが、島嶼を除くと全都で一件というように利用がほとんどない。原因の一つが、制度の存在が知られていないことであり、また、マニュアルも分厚くて理解が難しい。
Q12 制度を知らせたら農業委員会で是非紹介してほしいと歓迎される。職員員が自ら農家に出向いて制度を周知していったら喜ばれるのではないか。窓口は都税事務所になるが、多摩地域では立川事務所でしかできない。各都税事務所で受け付けるよう、それぞれ充実を求めるものだがどうか。

 生産緑地を解消しなければならない事情がうまれる場合に、市への買取申請をしても、市は買えないのが現状だ。とりわけ23区に隣接する市などは地価が高く買い取れない。ある市はファンドを考えると言うが、対応しきれない。そのため、生産緑地が減り続けている。
Q13 生産緑地を区市町村が買い取る都の支援制度をつくることが求められているがどうか。

以上