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第一回定例会 予算特別委員会 一般総括質疑 二〇〇九年三月一三日  

清水ひで子(八王子市選出)

多摩中央部に小児医療センター、八王子、清瀬に分院という構想を覆した石原知事
このままでは熱を出している子どもが寒空のもとに放り出される、小児病院廃止条例の撤回を

都立病院統廃合のねらいは財政の支出を減らすこと

〇清水委員 都立小児病院について伺います。
 今定例会には三つの都立小児病院を廃止する条例が提出されました。これは、石原知事が二〇〇一年に発表した都立病院改革マスタープランに沿って都立病院を半分に減らす計画の一つとして、八王子、清瀬の小児病院と梅ケ丘病院を移転統合し、府中に小児総合医療センターをつくるというものです。
 そもそも都立小児病院については、鈴木知事の時代に統合問題が出されましたが、小児医療の専門家を含めた三年にわたる議論の末、青島知事時代の九七年、都立病産院小児医療検討委員会最終報告が出され、その中で、小児病院について、多摩中央部に重装備の小児医療センターを整備するのが望ましいが、それだけでは十分ではなく、手の届かない地域医療について八王子と清瀬を分院として位置づけるなどの配慮が必要と明記されていました。これを受け、八王子市は、小児病院を市内で移転改築するための用地まで確保していたのです。ところが、九九年に石原知事が就任すると、この決定が百八十度覆されたのです。
 知事に伺いますが、都立病院改革は、何のために行ってきたのですか。

〇石原知事 都立病院改革は、三百六十五日二十四時間の都民の安全と安心を支える患者中心の医療の実現と質の高い医療サービスの提供を目指すものであります。
 この理念のもとに、これまで、東京ERの新設や、近年の医師不足に対処するための東京医師アカデミーの開講など、さまざまな取り組みを行い、着実な成果を上げてきております。
 今日の危機的ともいえる厳しい医療環境においても、限られた医療資源を最大限に有効に活用し、都立病院の機能の向上を図り、高水準の医療サービスを都民に提供していく必要があります。
 今回、小児病院を移転統合し、小児総合医療センターを多摩総合医療センターと一体的に整備することは、まさにこの考え方を具現化したものでありまして、今後とも着実に準備を進めてまいります。

〇清水委員 質の高い医療の提供などといいますが、実際は、都立病院への財政の支出を減らすためではないんですか。
 知事は、都立病院改革の検討を始めたころ、売り飛ばして買ってくれる人がいるなら売ったっていい、病院だって売った方がいいなどという発言を繰り返していました。
 その中で、二〇〇〇年九月に都立病院改革会議を設置したのです。知事の諮問文には、都立病院の運営を支えてきた都財政は深刻な財源不足から早急な財政構造改革は求められている、こうした状況から都立病院の再編整備を検討する必要があると書いてあるんですよ。
 知事、財源対策のためではないんですか。伺います。

〇中井病院経営本部長 ただいま知事から答弁がございましたように、都立病院改革は、患者中心の医療を実現し、質の高い医療サービスを提供することを目指してつくられているものでございます。
 これによりまして、今回、再編整備が最終の局面に入ってくるわけでございますが、再編整備においては、府中キャンパスに日本でも最大級の建物、病院としては建物になりますが、多摩総合医療センターをつくり、小児総合医療センターをつくるわけでございます。また、駒込病院も大改修がこの四月から始まります。松沢においては、新病棟の建設も計画が着々と進んでおります。
 このように、この建設には多くの財政的な負担が必要なわけでございますが、こういったことも、都民の医療サービスを向上させるために果敢に取り組んでいるわけでございます。これが、都立病院改革の実情、中身でございます。
 そういう意味で、財政再建、財政支出の縮減のために都立病院改革があるというのは、全く当たらない論と考えます。

都立病院を大事にしなければならない時に財政支援を大幅削減

〇清水委員 ごまかさないでださい。
 都立病院改革会議の実質的な議論がされた小委員会の記録によれば、委員の中から、八王子小児病院は離れたところにあり、これを府中と一緒にするには少し無理があります、八王子は残すべきだと思います、本当に清瀬がなくなっていいのでしょうか、梅ケ丘病院の小児精神科は置いておいた方がいいのではないですか、ないと困るのではないですかなどの意見が続出しています。
 ところが、こうした意見を押さえ込んだのは、委員長代理の、何分にも財政問題から発しているものですから、何かしないことにはという発言でした。
 実際、当初、八王子に分院を残すという案が出されたのに、お金がかかるという理由で採用されなかったんです。
 しかも知事は、九九年の財政再建推進プランで、都立病院に対する一般会計からの繰り出しを二〇〇三年までに二割削減する方針を出して、きっちり二割、百億円も減らしました。さらに、知事が導入した包括外部監査では、真っ先に都立病院が対象にされ、都立病院への繰り出しが多過ぎる、特に医師の人件費が多過ぎるという報告書が出されました。
 そして、二〇〇三年の都立病院改革実行プログラムでは、二〇〇三年四百六億円の一般会計繰り出しを、二〇〇七年度には何と二百七十二億円まで削減する方針を示しました。 この結果、二〇〇六年度には、都立病院の医師の給与は、全国の自治体で最下位まで落ち込み、墨東病院を初め医師、看護師の欠員や、診療の縮小が広がり、都立病院の現場は疲弊していったのです。
 この間、自公政権の医療費抑制政策により、医療崩壊が進みました。医療環境が悪化し、都立病院を大事にしなければいけないときに、一般会計繰り出しを大幅削減し、統廃合を進めるという、逆方向の間違った政策を進めた石原知事の責任は極めて重大です。熱を出している子どもを、寒風のもとに放り出すようなことをしたんですよ。
 一方、今は都財政危機といえる状況にないことは知事も認めています。毎年一千億円もオリンピック基金を積み立てる余裕があるのですから。
 医療環境も、都財政の状況も全く違っているのに、八年前につくった統廃合計画を、どうしてそのまま進めるんですか。抜本的に再検討し、都立病院の拡充に全力を上げるべきではありませんか。伺います。

〇中井病院経営本部長 ただいま委員ご指摘のことについて、まずお話をさせていただきますが、繰出金について、平成十五年度四百六億円が、十九年度に二百七十二億円まで減らされる、そういう計画になっているというお話がございましたが、これは、実行プログラムの収支推計のことをご指摘なのかと思いますが、これは、この中に大久保病院、荏原病院、豊島病院の公社化、これによって、要は、都立病院の繰出金は自動的に減るわけでございます。また、病院経営である以上、当然、病院として収益を伸ばす、例えば病床利用率を上げるといったようなことの努力は必要でございます。これは、財政推進プランの以前から、都立病院としてやってきておることでございますし、不断の努力で、いつ、何どきでもやらなければならない、そういうものであります。そういうものも織り込んでこういう数字になっているわけでございまして、これをもって、要は、繰出金の削減ありきというようなとらえ方をするのは全く当を得ていないというふうに考えるわけでございます。
 先ほどから申し上げておりますとおり、都立病院改革は、患者中心の医療を実現し、都民の医療サービスを向上させるということを目的にしているわけでございます。
 また、医師の処遇が全国最低だというのも、もう事実に反することでございます。四年にわたって、知事の直接的な指示のもと、医者の処遇改善を大幅に行ってきたわけでございます。
 この二十一年四月に新たな改定がされますと、四年前に比べて医者の年収は一・五倍になるわけでございまして、国、総務省から出されております統計数字が、現在十八年度までしかまだ出ておりませんので、ここに明らかにできないわけでございますが、我々の推計では、既に全国の自治体の中で東京都の医師の給与水準はもう上位、完全に上位になってきているわけでございます。

日本共産党都議団は医師の確保対策を八年前から提案してきた

〇清水委員 まともに答えていません。
 医師の処遇改善が始まったのも、一般会計繰出金がふえ始めたのも、この二、三年のことにすぎません。最近まで削減、縮減を続けてきたのです。
 私たち都議団は、二〇〇一年の私の一般質問以来、医師育成の奨学金制度創設、後期臨床研修医の受け入れ促進などを提案してきました。都立病院の医師の待遇改善を提案し、医師を都の職員として雇用し、公立病院などに派遣する制度の創設を求めました。
 ところが、この間、都は、医師確保は国の責任だといい続け、これをやろうとしませんでした。都独自の医師確保対策を始めたのも、都立病院の医師の待遇改善をしたり一般会計繰出金をふやし始めたのも、ようやくこの二、三年のことです。私たちが提案した八年前から取り組んでいたら、医師不足の事態は、これほどひどくならなかったんではないですか。どうですか。

〇中井病院経営本部長 医師の確保につきましては、医師自体は給与、そのことだけを病院を選ぶときに考えているわけではなくて、それと同等、あるいはそれ以上かもしれません、要は、自分のスキルをアップするために、どこの病院に勤務すればいいのかということで、要は、症例数の多いところ、要は、高度専門の医療をやっているところ、そして、周りにもいろいろな医療機関があって、相互にいろいろな連携や情報交換ができるところ、そういったところをねらって、若手の医師というのは集まってくるというのが現状でございます。
 そういう中で、都立病院は、今申し上げたような条件が幸い整っておりますので、ほかの自治体が苦しい状況に陥った段階でも、都立病院については、まだそこまでの深刻さはなかったというのが事実でございます。そういう中で、特定の診療科については、新研修制度ができて、大学の医局の対応もかなり変わってきたという中で、都立病院においても、一部の診療科で医者の欠員がかなり出てきたということで、処遇の改善に速やかに取りかかったわけでございます。
 そういう意味で、ご指摘のように、医者の処遇を長年にわたって放置してきたというようなことは全くございません。
 現に、この間、この四年間の処遇改善によって、ほかの自治体からは、東京都はもともといろいろな条件がそろっている中、その中で、これだけの医師の処遇改善をしてしまったら、我々はとてもじゃないけどついていけませんよという、そういった声も現にあるわけでございます。

都民には「医師不足」、オリンピック立候補ファイルには「世界的にも最高水準の医療提供体制」

〇清水委員 簡潔に答えてください。
 今度の議会で知事は、今日の医療人材不足の中で、限られた医療資源を最大限に有効活用する方策だと答弁しました。
 八王子、清瀬の小児病院と梅ケ丘病院を廃止して小児総合医療センターに移転統合する理由として、都財政が大変だという話ができなくなったため、最近は、医師不足だから機能集約をする必要があるといい始めたのです。
 しかし、知事がIOCに提出したオリンピックの立候補ファイルには、どう書いてありますか。東京には医療体制や医療スタッフなどすべての面において世界的にも最高水準の医療提供体制が整っている、医師が約三万六千人、歯科医師が約一万五千人、薬剤師が約三万九千人おり、すぐれた人材が豊富にそろっていると書いているではないですか。
 すぐれた医療人材が豊富にそろっていて、医療体制や医療スタッフなどすべての面において世界的にも最高水準の東京都であれば、小児総合医療センターの開設とともに、三つの小児病院を存続させることはできるのではないですか。伺います。

〇中井病院経営本部長 お話しの東京の医療水準については、質の面から見ても、人材の面から見ても、世界的に胸を張れる、そういうものである。また、国内的にも当然東京が一番その医療の中心をなしているというのは、これもまた事実でございます。そのことを記載したものだというふうに思います。
 それと、集約化を、人材不足を理由にしてそういうことをいっているということでございますが、これは医師、そして看護師、全国的に不足、深刻な状況にあるということで、国の政策が至らない状況の中で、そういうふうになっているわけでございます。
 こういう中で、今回の小児総合医療センター開設に当たっては、相当数の人員が必要なわけでございます。私どもとしては、移転統合する三つの小児病院の現有の人員を当然移すわけでございますが、より高度な、そして専門的で、より広範な医療を小児総合医療センターで提供いたします。NICUも二十四床、小児のICUも十床置くわけでございまして、これらの医療には手厚い人員配置が必要なわけでございます。
 そうしたことで、三小児病院の人員をさらに上回る人員を必要としております。このためには、当然、相当数の新たな採用を行わなければならないわけでございますが、これを行うことですら、今の全国的な医療人材不足の中では、そうたやすい話ではないわけです。それを、小児総合医療センターと三つの病院を併存させるというのは、どうやってその人材を確保するのか、今の厳しい、まことに厳しい医療人材の不足の中で、とても現実的なものとは思えません。

〇清水委員 答弁になっていません。
 都民には、医師不足が深刻だといい、オリンピックの立候補ファイルでは、世界最高水準の医療体制が整っているという。どちらかがうそだということじゃないですか。

NICUや小児救急のような不採算医療は都立病院が担う必要がある

 八王子小児病院や清瀬小児病院が廃止されたら、未熟児の命を救うNICUや、一分一秒を争う小児救急に大きな穴があくことは明白です。
 伺いますが、八王子小児病院を移転した場合、八王子の二つの中核病院に、NICUはいつ整備されるんですか。伺います。

〇安藤福祉保健局長 東京都と八王子市によります、八王子地域における小児医療に関する協議会のまとめでは、NICUの整備について、八王子市は両中核病院と検討を行っていくとともに、将来的に両中核病院がNICUを整備する際には、八王子市と東京都は必要な支援を行う、こういうことになっておりますので、私どもはその検討を見守ってまいりたいと思っております。

〇清水委員 私たち都議団は、二つの中核病院に話を伺いました。
 東海大八王子病院では、NICUをいつになったらできるという話はできないといわれました。東海大学四病院で、NICUは伊勢原の本院にあるだけで、NICUの医師は二人しかいない、八王子にNICUをつくってほしいといわれても、医師がいないといっているんです。
 東京医大八王子医療センターでも、NICUを開設するという具体的なめどはない、NICUは新宿の本院の機能を強化しなければならない、八王子に機能を分散するということにはならないといわれました。
 府中の小児総合医療センターの整備でNICUが九床ふえても、それでも多摩地域ではさらに四十から五十床を増設する必要があります。
 ところが、八王子の中核病院はいずれも具体的な見通しがないではありませんか。将来的に整備する際にはなんというのは、まさに絵にかいたもちにすぎません。八王子小児病院のNICUを残すことが、どう考えても必要です。
 そもそも、深刻な医師不足など医療環境が厳しいときだからこそ、NICUや小児医療のような不採算の行政医療は、都立病院が担う必要があるんじゃないですか。しかも、都立病院は機能集約だといって地域から撤退して、民間病院には地域のために機能を分散してほしいというのも、余りに虫のいい話です。

東京医大八王子医療センターは小児病床増床を含む新病棟建設を見送り

 次に伺います。
 八王子と東京都によるまとめでは、小児病院が移転した場合に、小児医療の入院に対応するためには、二つの中核病院において小児病床数をふやす必要があると明記されています。しかし、二つの中核病院とも、小児病床を増設することは考えていません。今ある病床の枠内で、他の診療科の大人のベッドを小児科に回すしかないといっています。
 東京医大八王子医療センターについて伺います。
 医療センターは、小児病院移転後の受け皿として、市から小児病床を六床ふやすよう要請されており、二十一年度着工、二十三年度開設予定の新病棟建設のときに、小児病床をふやしたり、診療スペースを広げることを考えていました。ところが、この新病棟建設案では、医療収益が悪化しているときに認められないと、先日の法人理事会で否決され、二十一年度着工は見送りとなりました。都は、この事実を承知しているんですか。伺います。

〇安藤福祉保健局長 初めて聞くお話でありますので、承知をしておりませんが、八王子市と私ども東京都が入って公式の場で決めた協議会のまとめの中でも、八王子の医療体制を守るということを八王子市は強く計画をしているわけでございまして、今いわれたことについては、後日確認をいたしたいと思いますけれども、八王子市が府中への小児総合医療センターの整備に合わせて、地元の中核病院、あるいは、このまとめの中では、移転後の跡地において小児二次や緊急診療事業を行う等も予定されておりますので、こうした動きを見ながら、八王子の小児医療についてしかるべく私どもも協力しながら、必要な措置を講じていくと、こういうのが基本姿勢でございます。
 突然いわれましたのでお答えできませんが、後日調べたいと思います。

〇清水委員 こんな重大なことを知らずに、小児病院の廃止条例を通そうというのは、とんでもない話です。
 東京医大八王子医療センターは、夜間救急の診療スペースも目いっぱいで、これ以上患者がふえると対応できない。都から医師が派遣された場合も、その医師が診療するスペースがないという現状にあります。
 このままでは、八王子市では子どもの二次医療も重大な支障が生じます。新病棟建設が見送られた中で、八王子小児病院の廃止を強行するのは絶対に許せません。廃止条例は撤回すべきです。どうですか。

〇中井病院経営本部長 今、中核病院であります二つの大学病院に関するお話がございましたが、東海大八王子病院につきましては、東京都として専門医の派遣をするということになっております。これにつきましては、これまでも協議を重ねてきておりまして、昨年十二月から東京都の小児神経の専門医を既に先行的に派遣をさせていただいておりまして、この専門医が東海大学病院の方で小児神経の診療体制について大学病院側と調整をし、また、小児神経の専門医でございますので、小児神経のことに関する診療の指導を行っていくという形で着々と準備が進んでいるという状況でございます。
 東京医大の方につきましては、大学の方の病院の物理的な問題等々もあるということは私どもも承知しておりますが、こちらの大学病院につきましても、引き続き八王子市と連携をしながら協議を精力的に行っていきたいというふうに考えております。

小児病床整備の保障もないのに、廃止条例を一年も前に決めるのは無責任

〇清水委員 実際に市と都の協議会では、東京医大八王子医療センターに六床をふやしたいという提案に対し、新病棟の整備の中で引き受けてもらえるという感触を得ていると発言してまとめが出されました。
 大体、東京都は、全力を上げる、支援を検討するというだけで、NICUの整備も、二次医療の病床も、何の保障もないじゃありませんか。それで廃止条例を一年も前に決めるというのは、余りにも無責任ではないですか。心が痛まないんですか。伺います。

〇安藤福祉保健局長 現在の日本におけます医療の環境は、大変厳しい状況にあります。とりわけ、研修医制度導入等によりまして医師不足になっておるわけですけれども、お話のNICUについていいますと、単に病床を用意するだけではなくて、何よりもドクターと看護師が必要であります。この辺のところが、現在の日本ではそう簡単に手当てできることではないということと、もう一点、実は、NICUは経営の面でいいますと、不採算な部分がございます。
 これについては、東京都は、かねてからNICUが経営として成り立つような診療報酬を設定すべきだということで要望しておりましたけれども、現在はこういう事態の中で、産科、小児科が大変厳しい中で、NICUを国の診療報酬の中できっちり位置づけるべきであるという立場から、庁内に設けましたプロジェクトチームで分析的、実証的にその解明を行っております。ということで、NICUについては、つくるといって、そう簡単につくれるような状況にはないことも、客観的なものがあります。しかし、そういう中においても、府中においてはしっかりとしたNICUを確保するということは確かでございます。
 また、ドクターカーを設置する、ドクターヘリについても、そのような構想があるわけでございまして、トータルで見ますれば、多摩の地域においての小児、周産期についての体制は格段に充実すると、このように私どもは考えております。
 また、八王子市の地域の問題についていえば、私ども協議に参加した者の立場として、八王子市ともども、地元の医療機関とも十分話をし、地元にとってよりよい医療を提供できる体制を検討していきたい、こう思っております。

〇清水委員 あくまで廃止先にありきで、大事な子どもたちの命を一体どう考えているのですか。
 知事は、医師不足が深刻だから、医療資源の有効活用のための統廃合だといいますが、石原知事は、九九年七月号の月刊誌「文藝春秋」に、医師がだぶついている、医師は既得権を守ろうとするだけで、さぼろうとしていると書いています。
 こんな認識でつくられた統廃合計画で、母子保健院が真っ先に廃止され、大久保病院、多摩老人医療センター、荏原病院が公社に移管され、この四月から、さらに豊島病院の公社移管、老人医療センターの地方独立行政法人への移管が進められています。その上、今回の小児三病院廃止条例です。まさに、失われた十年といわねばなりません。
 小児病院廃止条例案には、関係自治体住民だけでなく、東京全域から大きな批判が寄せられ、十一日から都庁前で、連日寒い中、座り込みが行われています。この切実な願いに、どうしてこたえないんですか。
 オリンピックに使うお金はあるのに、どうして子どもの命を守る都立病院に使わないのですか。都民は絶対に納得できません。
 小児病院廃止条例の撤回を求め、質問を終わります。

以上