過去のページ

都立東村山高校のエンカレッジスクールへの転換について

2009年9月18日
日本共産党 大山とも子

7月29日に都立東村山高校で臨時保護者会が開かれました。校長先生の始めのあいさつは、終業式の日に生徒を通じて手紙を配布し、これからの学校についてということで、臨時保護者会の開催をお知らせしたが、保護者の皆さんは内容が分からず、不安や困惑を感じたのではないでしょうか。エンカレッジとしてスタートするということを、早くお知らせしたかったが、本日まで話せなかった、という話から始まりました。
東村山高校は2006年度から昨年度まで、重点支援校として、進路指導中心に取り組み、一人一人のカルテも作りながら丁寧に指導し、学校行事や部活の活性化のために積極的に取り組み、地域との連携もしてきました。そんな中で生徒が成長していることを、保護者も地域の人たちも共に感じているのです。この取り組みをさらに、発展・充実させようと意気込んでいたことは、ホームページでの校長先生の今年度のあいさつからうかがい知ることができます。「本校は昭和43年に創立され、42周年を迎えます。これまで、地域に根ざした学校として成果を上げてきました。その成果が評価され、平成18年度より3年間『地域密着型中堅進学校』として東京都重点支援校に指定されました。東村山高校には勢いがあります。今年度はさらに飛躍しようと新しい取り組みに挑戦しています。まさに新しく生まれ変わったと言っても過言ではありません。従来の良さは残しつつ、さらに面倒見の良い学校として『魅力ある学校』にしようと努力しています。」ということです。そこに、だれもが予想すらしていなかったエンカレッジスクール指定ということが出てきたのです。
このことを知った保護者がインターネットで「エンカレッジスクール」と検索すると、平成14年4月11日の教育委員会定例会で委員の方がエンカレッジスクールのことを「落ちこぼれの学校とはっきり言えばいい」との発言が出てくることに驚き、生徒たちの心が傷つくことを心配しています。在校生は今の東村山高校を選んで入学してきたのに、性格の違う学校になってしまうことへの戸惑いは、大きいものがあります。
しかも、都教委の担当副参事は説明会の場で、東村山高校のとりくみについて、「素晴らしい」と思っていると評価し、エンカレッジスクールになっても、これらの取り組みは継続するというのですから、保護者にとっては、エンカレッジスクールにする必然性が全く理解できないのは、当然ではないでしょうか。
Q1、東村山高校をエンカレッジスクールに指定した理由は何なのですか。明確にお答えください。

Q2、エンカレッジスクールにするということを、夏休みに入ってから説明会を開いて知らせ、「決定だ」と言って、保護者が何と言おうが来年度から実施するという乱暴さにも、保護者は納得できません。自分たちも、調べたり話し合ったりする時間がほしい、来年4月などと拙速に実施するのではなく、せめて、1年くらい延期できないのか。という思いは当然です。ところが都教委はそうした声を無視して8月14日、東村山高校をエンカレッジスクールに指定することを一方的に報道発表してしまいました。
なぜ、こんな当たり前の要望さえも、聞く耳をもたないのですか。

説明会を開いたと言っても、都民の声を聞く、聞いて改めるべきことは改める、話し合いで歩み寄るなど、都教委には行政として基本的な姿勢が全くないということです。東村山高校が生徒、保護者、地域と教職員で、学校をつくってきたように、学校は、都教委が勝手にラベルを張るのではなく、生徒と教職員と保護者、地域がつくっていくものです。
Q3、いくら都教委がいいことだからといっても、納得がない中での押し付けでは、学校は良くなりません。教育に押し付けや強制は最もなじまないものであり、来年、4月からの実施はやめるべきです。

Q4、説明会当日保護者に配布された資料は、07年4月に出された「新しいタイプの高校における成果検証検討委員会」の報告書から「成果」は、引用しているにも関わらず、「課題」については引用しないという、意図的な資料と言わざるをえません。
なぜ、「課題」は、引用しなかったのですか。

この方針は決定だと都教委に言われても、今でも納得できない保護者は、大勢います。文化祭などの時も保護者同士が会えば、その後どうなっているのか、という話になり、最終的には、悔しいね、さびしいね、ということになるといいます。また、どこに不安をぶつければよいのかわからない保護者もいます。
Q5、PTAの役員と校長、都教委と話し合いもされたと聞いていますが、その場で出された保護者からの要望にはどうこたえるのですか。具体的に答弁してください。

Q6、また、話し合いは継続し、生徒や保護者、教職員の心配や要望について、きちんと対応し、要望を実現することは、最低限、都教委がやらなければならないことです。答弁してください。

Q7、都教委は、今回の件について再三、発表前に情報が流れたことが保護者を不安にさせたと言っていますが、問題はそんなところにあるのではありません。都教委が、当事者にも何の相談もなく方針を押し付けることこそ問題なのです。今後は、どの学校であれ、学校にかかわることはきちんと、保護者、教職員、生徒に事前に相談することを求めます。

回答

A1 エンカレッジスクールは、「都立高校改革推進計画」に基づき、力を発揮しきれずにいる生徒に、社会生活を送る上で必要となる基礎的・基本的学力を身に付けさせることを目的として指定しており、中途退学率の減少
や進路決定率の向上等の成果があがっています。
 現在、4校を指定していますが、入学選抜の応募倍率が高倍率で推移しニーズが高いこと、また、全都的な配置バランスを取る必要があることなどから、新たな指定を行うべき状況にありました。
 都教育委員会は、東村山高校を平成18年度から3年間重点支援校に指定し、生活指導の徹底、進路希望の実現、部活動の充実などの取組を支援してきましたが、依然として入学選抜の倍率低迷や中途退学者が多いなど課題の改善が見られていません。こうしたことから、学校改革に向けた更なる支援を行うため、東村山高校をエンカレッジスクールとして指定しまし
た。

A2 都教育委員会は、東村山高校について、中途退学や入学選抜など解決すべき喫緊の課題があり、早期の学校改革が必要であることなどから、平成21年8月14日付けでエンカレッジスクールとして指定し、支援することとしました。指定に当たっては、保護者等を対象とした説明会を指定前の平成21年7月29日及び同年8月8日に開催するとともに、指定後の同年8月25日にPTA役員との意見交換を行いました。

A3 都教育委員会は東村山高校を平成18年度から3年間重点支援校に指定し、生活指導の徹底、進路希望の実現、部活動の充実などの取組を支援してきました。しかし依然として入学選抜の暗率低迷や中途退学者が多い
題が改善されない状況にあることから、学校改革に向けて更なる取組を支援するため、保護者の意見も踏まえた上で、平成22年度からエンカレッジスクールとすることを決定しました。
 現在、来年度に向け鋭意準備を進めています。

A4 「新しいタイプの高校における成果検証検討委員会」の報告書における成果と課題について、都教育委員会は配布した資料と口頭により説明しています。
 なお、東村山高校においては、既設校の課題を踏まえ、実社会で耐えうる人材の育成を図るため、定期考査に代わる「エンカレッジテスト(仮称)」を導入する予定です。

A5 都教育委員会は、PTA役員等から出されたこれまでの意見や要望等については、可能な限り今後の学校運営等に活かしていきます。

A6 都教育委員会は、今後ともPTA役員、学校関係者に対しては、適宜、情報提供や説明を行うとともに、要望等については適切に対応していきます。

A7 都教育委員会は、これまでも生徒の能力・適性、興味・関心、進路希望などの多様化に対応し、都民にとって魅力ある学校づくりを進めるため、都立高校改革を着実に推進してきました。
 今後とも、都立高校の設置管理者として、社会状況の変化や都立高校に対する都民のニーズを的確に把握し、都民に信頼される学校づくりの実現に努めていきます。

以上