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文書質問趣意書

2009年9月18日
たぞえ民夫(世田谷区選出)

商店会の街路灯支援について

 都内では、約10万軒の小売店があり、93万人が働いています。小売店の82%は就業者10人未満の小規模店で、年間販売額の70%は中小商店が占めています。いま、元気で頑張っている商店がある一方、長期の消費不況や大型店の影響で閉店に追い込まれる商店がふえ、シャッター通りとなっている商店街も生まれています。
 地域経済に欠かせない商店を守り、振興することは自治体の最重要課題の一つです。地元で商売をしている商店主は、地域社会の核として、お祭りに、消防団に、防犯活動にと、地元のためにがんばっています。何代にもわたって地域の伝統、分化をはぐくんできた店も少なくありません。商店、商店街は地域に欠かせない「公共財産」であり、商店街の振興は、地域経済の振興、まちづくりのカナメのひとつです。
 都内には、各地に約2800の商店街がありますが、活気のある商店街がさらに元気になるよう、また、活気をとりもどそうとがんばっている商店街にはもう一度元気を取り戻してもらうよう支援が必要です。
今回は、とりわけ要望の高い街路灯支援にしぼって質問します。
最初に、省エネ化への取り組みにたいする支援についてです。
わが党は、昨年地球温暖化対策にとりくむ商店街支援事業を提案しましたが、今年度の緊急経済対策として国の事業としても街路灯のLED化(蛍光灯や電球の比べ少ない電力で発光し長持ちする発光体)に補助金がでるようになりました。LED化は7〜8割の省エネ効果があると言われています。また、電気代などコスト削減に有効です。一つひとつの店舗のLED化、省エネ化への支援も急がれます。
ところが、国の事業は今年度限りの事業と言われており、小さい商店会などでは申請する準備をしている内に、すでにその枠はいっぱいになり受付が終了してしまいました。
Q1 街路灯のLED化については、国の事業が終了しても、都として積極的に支援を続けることが求められますが、どうですか。
Q2 都として、街路灯のLED化を希望する商店会については、その事前相談、積算など、すべての商店会に無料で対応するよう求めますが、いかがですか。

次に、街路灯維持への支援についてです
第一は、街路灯の電気代についてです。
私の地元世田谷区内には、112の商店街に4576基の街路灯がありますが、これらの街路灯は、商店街の照明としてだけでなく、防犯や地域の安全など、行政がはたすべき仕事の一部を商店街が担っている「地域の明かり」です。
商店の売り上げが減少していくなかで、商店会がこの街路灯の電気代を負担することが、とても大変になっています。
会長さんなどから、「公道に街路灯を置いており、おおぜいの区民が通勤や通学、買い物にと歩いているのに、照明代である電気代は商店会が負担するのは筋が違うのではないか」「商店のない公道は自治体が全額負担するのに、商店がある街路灯については商店会が一部負担するのは不公平だ」と語っています。現在、都道に面した商店街には東京都から、区市町村道に面した商店街には区市町村から補助が出ているところもありますが、補助はまちまちで、都の支援を求める要望が寄せられています。
Q3 国道、都道、区市町村道にかかわらず、広域自治体である東京都が商店会の街路灯の電気代を補助する支援をもとめますが、どうですか。

第二に、電球の交換についてです。
電球を交換するなどの維持管理も商店会の大きな負担になっています。電球が消耗して切れた時に、クレーン車をもっていないため脚立に登って取り換えることは商店の人にとって気苦労の多いことです。危険もともないます。電球交換を業者に委託すれば1本・1万3千円程度の経費がかかります。
そのため、少なくない商店会が交換をためらって、暗いままにしている商店会も少なくありません。
Q4 電球は一定期間の耐用年数があるので、使用期限を迎える時期に都として街路灯の一斉点検を実施するという無料点検診断事業を立ち上げてはどうですか。
Q5 電球の交換費用ですが、電球が切れるたびの部分的交換よりも、一定期間の基準にもとづいて一斉交換をした方が費用負担を考えると、安価だと言われています。商店会が共同して、街路灯電球の一斉交換する場合に、補助制度を立ち上げるよう求めます。どうですか。
Q6 世田谷区では一斉交換に、地元業者の仕事、雇用創出にもなるとして取り組みを始めています。都として実施すれば緊急の雇用対策にもつながりますが、いかがですか。
Q7 交換した電球のリサイクルについても、都として中小企業と連携した委託研究をしてはどうですか。

第三に、街路灯を更新する際の、問題についてです。
既設の街路灯をやめ、新しい街路灯に設置しなおすケースも各地で生まれています。
その場合、設置する工事契約は商店会ですが、会長や理事長が保証人となります。実際には商店会の会長など役員が個人的にむすばざるをえないケースもあります。
いずれの場合も、会長職の個人経営者が廃業などした場合には、街路灯にかかわるすべての契約を最初から取り決めることになりますが、容易なことではありません。また、商店会の会費収入がいちじるしく落ち込み、街路灯そのものが維持でなくなった場合、保証人となっている会長職の責任が問われることになってしまいます。これでは、更新の必要性を頭では理解できても、契約には二の足を踏んでしまいます。
さらに大変なのは、都内の商店会の8割を占める未組織の商店会です。契約主体そのものが、商店会の会長、理事長など、個人として契約することになるからです。会長、理事長が自分の本業で融資を受けている場合など、商店会活動にかかわる融資が自らの経営を左右することになります。
Q8 街路灯の新規設置、更新する工事契約などについて、契約をむすぶ商店会側にどのような問題が生じているのか、都として調査をおこなうこと。また、街路灯の工事契約にあたって個人負担や責任を軽減するシステムなど、具体的な支援策をつくるよう求めます。それぞれ、見解を求めて質問を終わります。

回答

A1 街路灯のLED化については、これまでも「新・元気を出せ!商店街事業」のうち、東京都の施策に協力して商店街が実施する事業を対象とする「特定施策推進型商店街事業」で都が直接補助しており、今後とも本事業により支援していきます。  なお、これとは別に今年度については、国の「地域活性化・経済危機対策臨時交付金」を活用して「商店街街路灯LED化特別支援事業」を実施しましたが、来年度以降については、国の動向を注視していきます。

A2 都は、これまでも商店街から事前に相談があった場合は、その内容に応じ、きめ細かく対応しています。

A3 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、都としては、その街路灯の電気代は、各設置者が負担すべきものと考えます。

A4 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

A5 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

A6 世田谷区の緊急雇用対策については承知しています。  しかしながら、商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置したものであり、その街路灯の維持は、各設置者により行われるべきものと考えます。

A7 蛍光灯や水銀灯のリサイクルは、都内はもちろん既に全国各地で行われています。  なお、都内中小企業が新たなリサイクル技術の開発に取り組む場合には、新製品・新技術開発に対する助成や、地方独立行政法人東京都立産業技術研究センターにより技術支援することは可能です。

A8 商店街の街路灯は、にぎわいの創出や買物客が安心して買物ができる環境を整備するため、商店街自らが設置するものであり、街路灯の工事契約は商店街自らの責任で行うものと考えます。  なお、街路灯の新規設置や更新の際には、都の職員による現地訪問や区市町村からの情報収集などによる調査を行っています。

以上