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2011年3月8日予算特別委員会 討論

清水ひで子(八王子市選出)

 日本共産党を代表して、第1号議案「平成23年度東京都一般会計予算」ほか10議案に反対し、第19号議案「平成23年度東京都中央卸売市場会計予算」に対する修正案、及び第1号議案ほか4会計の編成替えを求める動議に賛成する立場から討論を行います。

 初めに、知事提案の予算についてです。
 都民のくらしが厳しさを増す中で、来年度予算に求められているのは、総力をあげて都民の暮らし・福祉を守ることです。しかし、知事の提案した予算案は大型開発を中心とした、投資型経費が、総額1兆円以上に膨れあがる一方で、福祉、くらしの予算は部分的に都民要望の反映はあるものの、全体としてつめたく抑えられています。
 知事は、福祉保健費は、額も割合も過去最高と言いますが、子宮頚がん等ワクチン接種緊急事業や介護保険負担金など、国事業にともなう予算の増が360億円にも達しているのです。予算が増えたのは、国の事業増によるもので、何ら知事が誇れるようなものではありません。実際、都の事業はどうでしょうか。現在でも貧弱な介護保険の利用者負担軽減事業がさらに減らされ、乳幼児、小中学生、ひとり親、障害者などに対する医療費助成予算は軒並み減額、廃止・終了される福祉の事業は43事業にも及ぶのです。医師不足をはじめ医療の危機がひきつづき深刻であるにもかかわらず、医療人材確保予算を減額し、都立病院の分娩料を大幅値上げすることも、都民の願いにそむくものです。

 石原都政12年間に、老人福祉手当や老人医療費助成の廃止、シルバーパスの全面有料化、特養ホームへの用地費助成をなくすなど、都の単独事業の多くを切り捨ててきました。
 そのため、老人福祉費の歳出総額にしめる割合は全国最下位に転落しました。老人福祉費を削った結果どうなったでしょうか。特養ホームの整備率は全国43位と大後退し、待機者が3倍に増え、4万3千人に達したことをはじめ、他の介護施設はいずれも全国最低になるなど深刻な事態に立ち至っていることが、本特別委員会の質疑で浮き彫りになりました。
 わが党の指摘に対し、知事や与党は、都合のよい数字だけでものを言っているなど的外れな批判を浴びせましたが、老人福祉費を削りに削ってきたという事実は否定できませんでした。知事の福祉切り捨ての最大のほこさきが、高齢者福祉だったからに他なりません。

 教育予算も、来年度はこの13年間で最低になりました。教育長は、教育水準は低下してないと言い張りました。しかし、特別支援学校では、1つの教室をカーテンで仕切って2つのクラスの授業が行われているのです。少人数学級も、私立高校授業料の実質無償化も、全国最低水準です。

 中小企業予算も、全国平均より大幅に少ない比率なのに、来年度は400億円も減らされるのです。都側は「単なる予算額の推移、歳出総額に占める割合による他県との比較で評価することは適当でない」と言い逃れました。しかし、東京の中小企業の数は全国でもトップクラスに多く、中小企業こそ東京の経済の担い手です。その東京の中小企業を支援する予算が全国の水準と比べてどうかという比較をしない方がおかしいのです。都の中小企業対策が後退し、東京の中小企業が衰退している現実から目をそむけさせようとする言い分はとうてい通用しません。

 その一方、大型開発や浪費的経費はどうでしょうか。投資的経費は、全国平均では、7年間に71%に減っているのに、都は142%に増えているのです。その最大の原因は、1m1億円もかかる外郭環状道路や中央環状品川線の整備など、本来都が負担する必要のない事業に気前よくお金をだしていることです。福祉は都独自の事業を切り刻み、ゼネコンがうるおう大型開発には、出す必要のないお金をだす。この逆立ちした予算の在り方を正すことこそが、いま、何よりも求められています。投資というなら、都民から切望されている都営住宅の新設や緑地の保全と拡充、耐震化の促進などにこそお金を使うべきです。

 以上の立場からわが党は来年度一般会計予算に反対し、編成替えを求める動議に賛成するものです。

 水道局予算についていえば、必要もない八ッ場ダム建設関連予算を計上している上、新たに、水道局が国際水ビジネスにのりだそうとしているため、反対するものです。わが党は水道局が、優秀な技術や管理運営ノウハウで国際貢献することは大いに賛成です。しかし、利益を稼ぐために水ビジネスに乗り出すことは反対です。国連の報告は、水問題の最大の問題は貧困層に水が供給できないことだとし、民間企業はこれに成功していないと指摘しています。このため、水メジャーが撤退を余議なくされていることも報告しています。知事はこうした事実を知らないと言いましたが、わが党の指摘は水道局長の答弁でも裏付けられました。東京都が利益を稼ぐために、水ビジネスにのりだしても水問題の解決に貢献できません。失敗して、新銀行東京の二の舞になりかねないことも指摘しておきます。

 中央卸売市場会計予算には、豊洲の土壌汚染対策費や新市場の設計費など、約21億円が計上されています。深刻な土壌汚染地にしかも欠陥だらけの対策を行うだけで、市場を移転することは許されません。

 わが党は都の土壌汚染の重大な欠陥の1つである、有楽町層内部の調査がほとんど行われていない問題について、改めて本特別委員会で質しました。わが党は、東京ガスが港区田町で実施した調査では、都がこれまで「不透水層」だと繰り返し言明してきたシルト層などの内部、そしてそれより深い地層にまで汚染が起きている事実、有楽町層上端部に汚染がなくてもその下に汚染されていた事実を明らかにしました。この事実は都の「不透水層以深」には汚染は広がらないとする主張はもとより、埋め土部分に汚染が発見されなければ有楽町層内部は汚染がないという主張、さらには有楽町層上端部に汚染があってもその下を2mまで調べて汚染の有無を確認するから大丈夫とする主張が、成り立たないことを示すものでした。

 このため都は、シルト層などであっても、それだけで不透水層としているわけではないと、不透水層の定義を訂正せざるを得ませんでした。だとしたら都は、これまでシルト層イコール不透水層としてきた答弁は偽りだったと正式に謝罪すべきです。その上で議会における汚染対策の審議をやり直すべきです。

 都は、透水係数を調べて不透水層かどうかを判断している、その結果豊洲では有楽町層上端部に不透水層があるのだともいいました。しかし、それはわずか、8本のボーリング調査による1部分の土を取り出し、室内実験でだした数字にすぎません。高低差があり、欠落したり、穴があいた地層があるなど複雑な地形をもつ現場での調査と室内実験では数値に大きな乖離があることは学問的定説です。しかも都の実験では、有楽町層上端部だけでなく、すべての深さのシルト層などでほぼ同じ透水係数です。これは、豊洲ではすべてのシルト層などは不透水層だといっているに等しいものです。同じひと続きの有楽町層で、田町と豊洲でこのような違いがあるはずがありません。都は現実に現場で調査した田町の結果を重視し、調査をやり直すべきです。

 欠陥調査が明白になりながら、調査のやり直しもせず、移転を強行することは断じて許されません。

 よって日本共産党が提案した、中央市場会計予算から豊洲関連経費21億円余の削除を求めた修正案に賛成するものです。都が公募も行い、最新の技術を結集し、オール都庁の取り組みで、業者の合意を得ながら進めていけば、早期の現在地再整備は可能であることを申し添え討論とします。 

以上