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二〇一二年都議会第一回定例会 中途議決討論 三月八日

あぜ上三和子(江東区選出)

 討論に先立ち、間もなく一年となります「東日本大震災」の犠牲となられた方々に対し、あらためて哀悼の意を表するとともに、被災者の皆様に、心からお見舞いを申し上げます
 わが党は、引き続き、被災地の復興と被災者支援に全力を尽くす決意です。

 日本共産党都議団を代表して、第123号議案 環2 地下トンネル(仮称)築造工事 請負契約に反対の立場から、討論を行ないます。

 まず第123号議案についてです。
 今回の地下トンネル工事は、都の骨格幹線道路の位置づけで14キロメートルに及ぶ環状2号線の道路建設工事の 新大橋工区の工事請負契約です。
 そもそも、この路線は、市街地再開発事業で進める新橋〜虎ノ門間の地下トンネルと,汐留から臨海地域を結ぶ道路の結節点に当たる、築地市場内を貫通する道路建設です。
 このため、現在営業中の築地市場の桟橋の一部では、市場関係者が隅田川橋りょうの下部工事に反対しています。
 しかも「豊洲新市場予定地」は、液状化や土壌汚染問題などの大問題が解決されていないにもかかわらず、市場移転を前提に工事を進めるものです。
 以上の理由から、わが党は、今回の新大橋工区・地下トンネル工事請負契約には反対をするものです。

 今回の最終補正予算は、税収減による一般財源の減収分を補てんするための減収補てん債を発行することや、おもには、規定予算の執行状況を精査し、現時点での不用額を減額するものであり、賛成できうるものです。
 しかしながら、厳しい現下の雇用情勢や、社会保障の切り下げのなかで、都民の雇用とくらしを守る施策の充実に全力を尽くすことが求められています。
 また、いつ起きてもおかしくない大地震や見えない放射能への不安、さらには、都内に避難している被災者の方々の困難と先の見えない苦しみが頂点に達しており、こうした不安や痛みに寄り添う都の施策の具体化は、緊急の課題となっています。 
 限られた財政のなかで、高速道路や港湾建設の従来型の景気対策ではなく、都民の仕事とくらしの安心を築いていくことで、真に持続可能な経済社会をつくる新しい都政に転換することを強く求めるものであり、わが党はこの立場で来年度予算審議にのぞむものです。

 最後に一言申し上げます。わが党が、代表質問で、石原知事の都政運営について事実に基づいて批判し、具体的対案を示して質問したことに対し、知事は、わが党を誹謗中傷する発言を繰り返しました。しかも知事に対する再質問に対しても、相変わらず答弁に立つことさえされませんでした。 
 こうした態度は、知事としての資質、品性が問われる、許されざるものと言わざるを得ません。
 住民を代表する議会に真摯に向き合い、まじめな政策論争をおこなうよう強く求めたいと思います。そのことを申し上げ、討論を終ります。

以上