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2012年都議会第1回定例会 予算特別委員会総括質疑 3月13日

清水ひで子(八王子市選出)

 

外環問題について
防災対策について

外環問題について

〇清水議員 日本共産党都議団を代表して質問いたします。
 まず、外環問題です。
 本日は、外環ノ2の計画について伺います。
 四十年以上もの間、立ち退きの不安、住居の建てかえも、改築もできない苦しみを受けてきた多くの沿線住民は、外環道の建設の是非とは別に、本線の地下化に伴い、もはや外環ノ2の地上部道路はなくなったと認識し、心配から解放されたと思いました。ところが、実際は残されていたことに、強い怒りと批判の声を上げています。
 例えば、二〇一〇年に外環ノ2の訴訟弁護団が三千人に実施したアンケートでは、八百二十五人の回答者のうち八四%の方が、外環ノ2計画は廃止されるべきと回答し、四五%の方が、外環本線を地下式にすれば、今の住居に住み続けられるといわれていたので、だまされたと感じると回答しているのです。
 私も先日、外環ノ2の都市計画が残されている杉並区のさくら町会を訪ねましたが、東京のまちでは珍しくなってしまった路地が残り、車の通りも少なく、子どもたちが遊び、走り回る風情のある場所です。ここでも昨年五月に、町会として住民に面接し調査したところ、面接したほぼ全員が、もはや地上はないと思っていたといっているのです。
 東京都は、沿線住民のこうした声をどう受けとめているのですか。住民の願いにどうこたえるんですか。伺います。

〇飯尾都市整備局長 外環の整備区域の地上部に計画されております道路につきましては、都内の都市計画道路ネットワークの一部でございまして、また地域の利便性向上など、地下化された高速道路の外環本体とは別の機能を持つ道路として計画をされております。
 この道路につきましては、関係区市等から出された要望を踏まえまして、広く意見を聞きながら検討を進めることとしておりまして、現在、整備のあり方などに関して、話し合いの会などを開催しているところでございます。

〇清水議員 広く意見を聞きながら検討するとか、話し合いの会などを開催しているといいましたけれども、話し合いの場で都がとっている立場というのは、基本的に、あくまでも道路機能が必要だということを崩さず、その前提の上で住民の意見を聞いているのです。
 それが、知事が住民に対していってきたこととは違っていることに、住民の方々は怒っているのです。知事が、もう安心なんだよといったことを、住民の方は信じてきたわけです。
 二〇〇六年の四月の記者会見で、知事は、古い家にしがみついていて我慢して、どうなるかわからないから、不安で不便な生活を送ってきたが、家をリニューアルされるのも結構でしょう、そういうご迷惑をかけないよう、とにかく下をくぐる工法でやっていくので、その点はご安心いただきたいと呼びかけたのです。
 また、これを受けて、国と都が住民に対し、移転の必要がなくなることから、これまでどおりの生活が可能ですと、公式に見解を示したのです。住民の方が、約束が違うと怒るのは当然です。
 知事自身、昨年十二月に記者会見で質問されたときに、地下に通さざるを得ないと私は思ったのだけれども、さらにその上に新しい都道をつくろうというの、また、道路計画として今残っているのと首をかしげたではありませんか。
 都市整備局長に伺いますが、いつの間にか、都市整備局などが知事の発言とは別の方向に進めていた、これが事実ではありませんか。

〇飯尾都市整備局長 お話の外環のあの整備区域の地上部に計画されている道路でございますけれども、この道路につきましては、外環本体の都市計画を地下方式に変更いたしました際に、関係区市等から出された要望を踏まえまして、広く意見を聞きながら検討を進めることとしたものでございます。
 現在、この方針に基づきまして、整備のあり方などにつきまして話し合いの会などを開催しているところでございます。

〇清水議員 同じ答弁を繰り返されているわけですけれども、いろいろいわれましたけれども、とにかく道路機能が必要だということを前提とした都の立場では、住民は納得できないんですよ。石原知事が就任してからだけでも十三年間、いまだに沿線住民の方は、家もリニューアルできない、不安で不便な暮らしを強いられているのです。
 知事は外環ノ2について、昨年十二月二十二日の記者会見で、問題があるならもう一回現場へ行って確かめてきますと発言し、ことしの一月二十日の記者会見でも、改めて近々行きますと発言されました。いつ現場に行くのですか、伺います。

〇飯尾都市整備局長 知事から、現場を見ると指示を受けておりまして、公務の予定を見まして適切に対処してまいります。

〇清水議員 知事は、ぜひ現場を見て、住民の話を聞いていただきたいと思います。
 そして、まずは外環ノ2の都市計画を廃止してください。それによって住民の不便を解消した上で、住民の皆さんとともに関係地域のまちづくりを考えるということを強く要望して、次の質問に移ります。

防災対策について

〇清水議員
 防災対策について伺います。
 初めに、東京湾を襲った津波で、過去の記録に残っているものは、どういうものがありますか。発生した年と地震の名称、被害の概要をお示しいただきたいと思います。

〇笠井総務局長 専門家の調査によれば、一七〇三年の元禄関東地震、一八五四年の安政東海地震、一九二三年の大正関東地震による津波の記録がございます。
 元禄関東地震では、本所、品川に二メートル程度の津波が到来したと推定され、品川で、浜へ逃げた者が波にさらわれたという記録が残っております。
 安政東海地震では、船堀に一・五メートル程度の津波が到来したと推定され、佃島で船が沈んだという記録が残っております。
 大正関東地震では、品川に一・三メートル程度の津波が到来したとされておりますが、津波に起因する被害についての正確な記録は残っておりません。
 なお、昨年の東日本大震災では、晴海で一・五メートルの津波が観測されております。

〇清水議員 念のために、私は、二月五日に出された二〇二〇年オリンピック・パラリンピックの申請ファイルに、地震、津波についてどう記述されているか調べてみました。
 申請ファイルの三〇ページには、IOCから立候補都市へのリスク分析についての質問に対する東京都の回答が載っています。自然災害、地震、津波について、こう記述されています。
 東京湾は、二つの半島に囲まれた閉鎖型の海域で、津波の影響を受けにくい地形となっている。日本での津波被害の史料によると、過去三百年にわたって東京湾での津波被害は確認されていないというものです。
 ところが、今ご答弁いただきましたが、一七〇三年元禄関東地震、これは三百九年前の地震ですけれども、先ほど説明ありましたように、二メートルの津波が到来し犠牲者が出ています。申請ファイルは、なぜか過去三百年で区切って、津波被害は確認されていないと記述し、三百九年前の津波は無視しているのです。これは都の方針とも違うものです。
 都が昨年十一月に策定した東京都防災対応指針では、東京の抱えるリスクを十分認識し、これを正しく理解する必要があると、都民に対してはいっているのです。私は、申請ファイルが東京都の方針からも外れていることを指摘しておくものです。
 それでは次に進みます。東京都防災会議地震部会では、津波の想定についてどのような方針で検討されていますか。また、検討の状況と到達点はいかがですか、伺います。

〇村尾東京都技監 技術検証委員会では、これまで、堤防や水門、ポンプ所等の施設における地震や津波に対する対策の現状を把握しまして、耐震性、耐水性の向上策などについて検討を進めております。
 今後、都が公表する被害想定等を踏まえ、地震、津波対策への提言の取りまとめを行う予定でございます。
 重要なことは、ただ不安をそういうふうにおっしゃるのではなくて、正しく分析して、最新の知見やシミュレーションによって得られたデータを踏まえて、真に必要な対策を講じることが大事だというふうに考えております。

〇清水議員 防災会議の地震部会では、津波の想定についてどのような方針で検討されているかということについてはいかがですか。

〇笠井総務局長 東京都防災会議地震部会では、津波の想定に当たりまして、首都直下地震よりも東京における津波の影響が大きいと考えられるマグニチュード八クラスの海溝型地震である元禄関東地震を対象として検討しております。
 同部会におきましては、先般、文部科学省の五カ年プロジェクトが発表いたしました、フィリピン海プレートが従来の想定よりも十キロメートル程度浅いという研究成果も取り入れた最新のモデルにより、詳細に検証を進めているところでございます。
 結果につきましては四月に公表し、今後の防災対策に生かしてまいります。

〇清水議員 知事に伺いますが、東京都防災会議の地震部会は、海溝型地震としては、大正関東地震と元禄関東地震を想定対象としていますが、その二つに限定してしまっていいのでしょうか。
 知事は、昨年十二月九日の記者会見で、東京湾内で過去に起こった津波について調べる必要性について言及されています。都として調査する必要があると思いますが、どうですか、伺います。

〇笠井総務局長 都が設置いたしました東京都防災会議地震部会におきましては、現在、東京湾における過去の津波の記録も踏まえ、発生した場合には大きな津波が予測されるマグニチュード八クラスの海溝型地震である元禄関東地震を対象として、津波の被害想定の見直しを行っているところでございます。

〇清水議員 おかしいですよ。知事、今の答弁でいいんでしょうか。
 知事は、東京湾内で起こった津波について、江戸時代にとどまらず、過去にさかのぼって調べる必要がある旨の発言をしたんでしょう。なぜ、そうしないのですか。

〇笠井総務局長 地震部会におきましては、現在、元禄関東地震以前も含めて記録に残っている地震の中では、都内に最も大きな津波をもたらしたとされる先ほどの元禄関東地震を対象として、学識経験者の方々が最新の科学的知見に基づき、津波の被害想定の見直しを行っているところでございます。

〇清水議員 納得いきませんよ。
 国の中央防災会議が昨年十二月に修正した防災基本計画には何と書いてあるんですか。
 津波の想定に当たっては、古文書等の資料の分析、津波堆積物調査、海岸地形などの調査などの科学的知見に基づく調査を通じて、できるだけ過去にさかのぼって津波の発生などをより正確に調査するものとすると、明記されていますよね。なぜ、この方針を受けとめないのですか。

〇笠井総務局長 先ほども申し上げましたけれども、現在、その元禄関東地震以前を含めて、記録に残っている地震の中では都内に最も大きな津波をもたらしたとされるのが元禄関東地震でございまして、それを対象といたしまして、学識経験者の方々が最新の科学的知見に基づいて被害想定の見直しを行っているところでございます。

〇清水議員 知事は、先週、三月九日の記者会見で、震度七の被害想定について聞かれて、こう答えていました。
 余り数字を羅列して大変だと考えることは、相当慎重にやった方がいい。財政にも限りがあるし、当事者の責任もある、などと述べておられました。やはり知事は、防災に余りお金を使いたくないとか、これが本音だといわざるを得ませんが、違いますか。

〇安藤財務局長 都財政におきましては、喫緊の課題に迅速に対応するということを旨としておりまして、今回の予算におきましても、安全・安心ということで、耐震性の強化を初め、地震対策についても力いっぱいの予算をつくったつもりでございます。
 今回、部会等で新たな被害想定等が出た場合には、それに応じてしっかりとした対策を、財政的にも十分なものを講じていくつもりでございます。

〇清水議員 いろいろいわれましたが、やはり大きなリスクを想定すると対策にお金がかかり過ぎる、知事はそれが嫌なのだと思います。
 しかし、中央防災会議の東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会の昨年九月の報告、これは、東京都防災対応指針の指針ともされているそのものですが、今後の想定地震や津波の考え方について、次のようにも述べているのです。
 具体的な防災対策を検討する際に、想定地震、津波に基づき必要となる施設整備が現実的に困難となることが見込まれる場合であっても、ためらうことなく想定地震、津波を設定する必要があるというふうに書かれております。知事の態度は、これとは正反対ではないですか。
 国の防災基本計画の修正を受けて、東京都も、江戸時代はもちろん、さらにさかのぼっての調査や、津波堆積物のボーリング調査を含め、全力を尽くして調査、予測するべきです。そして都として可能な、最大限の財政負担を行ってでも、ハード、ソフトを組み合わせた万全の対策をとるべきなのです。このことを強く要望しておきたいと思います。
 さて、先ほど紹介したオリンピック申請ファイルは、同じページで次のように述べています。日本は、すぐれた耐震技術を有しており、世界的に見ても、厳しい建築物の耐震基準を採用している。このことは、マグニチュード九を記録した二〇一一年三月の東日本大震災でもその真価を発揮し、東京では家屋の損壊がごくわずかで済んだという記述です。
 現在、日本が採用している建築物の耐震基準は、一九八一年六月施行の改正建築基準法における基準、いわゆる新耐震基準ですが、これは震度でいえば、六強までに対応するものです。三月十一日の地震での東京での震度は、最大でも五強でしたから、東京での家屋の損壊が、東北三県や茨城県などに比べて少なかったのは当たり前です。にもかかわらず、マグニチュード九でも壊れなかったなどと記述するのは、オリンピック精神に反する、アンフェアなものといわなければなりません。
 しかも、東京は震度五強であったにもかかわらず、東京体育館や辰巳国際水泳場では、地震の影響で使えなくなる被害が生じたのです。今、東京が抱える地震対策の上で問題なのは、震度六強とか、震度七の首都直下地震が東京を直撃した場合に、それに耐え得るかということです。競技施設が集中する湾岸部は、震度七の危険性が文部科学省から指摘されているところです。そこで伺います。現在の地域防災計画で、東京が大地震に襲われたときの家屋、建物の倒壊の被害想定はどうなっていますか、お伺いいたします。

〇笠井総務局長 平成十八年に作成いたしました被害想定では、マグニチュード七・三の東京湾北部地震が、冬の夕方十八時、風速十五メートル毎秒の条件で発生したときの建物の倒壊数は、全壊が約十二万七千棟、半壊が約三十四万六千棟となっております。なお、現在、東京都防災会議地震部会におきまして、最新の知見を踏まえ、被害想定の見直しを行っているところでございます。

〇清水議員 最大震度六強の首都直下地震が東京を直撃すれば、これだけの倒壊が起こることを、東京都自身が想定しており、しかも中央防災会議によれば、新耐震基準にしても、全壊率は一六%から五五%程度だとしているのです。したがって、仮に、二〇二〇年までにオリンピック競技会場及びそれ以外の大会関係施設のすべてが耐震基準を十分に満たすように補強、改築したとしても、震度七の地震が発生したら、それらを取り巻く東京のまち中に、倒壊した家屋や建物が相当数あるという状況になる危険が強いのです。にもかかわらず、申請ファイルは、リスクは低いといっているのですから、相当問題があると思います。
 次にお伺いいたします。首都直下地震を想定しての河川施設、海岸保全施設、下水道施設の耐震性の調査はどのように行われていますか。調査の状況と対策の到達点はいかがですか。またそれらは、どの程度の震度及びマグニチュードを想定していますか。建設局を初めとして、それぞれの所管からお答えください。

〇村尾東京都技監 地震、津波の各分野の第一人者による最新の科学知見や客観的なデータに基づきまして、東京都防災会議で示された地震等を想定して、現在、河川施設の耐震性の確認を進めております。
 また、耐震性の向上策などにつきましては、技術検証委員会等で検討を行っておりますので、これらを踏まえて、新たな整備計画を策定してまいります。また、現在、マグニチュード八クラスの海溝型地震等を想定して、河川施設の耐震性の確認を進めております。

〇中井港湾局長 東京港における海岸保全施設整備につきましては、平成十八年度に策定した緊急整備計画に基づき、水門については、これまでに想定されていた首都直下地震や関東地震を対象として、既に耐震性の強化に取り組んでいるところでございます。
 また、東京都防災会議で示された地震等を想定して耐震性の確認を進めるとともに、技術検証委員会による検討等を踏まえ、必要な対策を実施していくこととしております。

〇松田下水道局長 下水道施設の耐震化につきましては、阪神・淡路大震災などの状況を踏まえ、平成十年に策定をいたしました耐震構造指針などに基づきまして、震災時における下水道機能などを確保する観点から、既に必要な対策を計画的に実施をしております。
 今後は、東京都防災会議で示された首都直下地震を含む、想定される地震などに対して、下水道機能が保持できるよう、改めて下水道施設の耐震性能の評価を行いますとともに、技術検証委員会などでの検討を踏まえ、必要な対策を実施してまいります。

〇清水議員 私は、河川施設、海岸保全施設、下水道施設などについて、今それぞれお答えいただきましたが、これまで述べてまいりましたように、いわゆる新耐震基準を満たした施設であっても、震度七の地震に見舞われれば、被害が発生する危険があるという立場での対応が必要だと思いますし、とりわけ基礎部分が液状化に耐え得るかどうかについて、綿密な調査を行うべきだということを強く要望しておくものです。しかも、建物の倒壊は火災と容易に結びつきます。そこでお伺いいたします。東京が大地震に襲われた際の火災による被害想定は、どうなっているのかということをお伺いいたします。

〇笠井総務局長 先ほどの平成十八年の被害想定でございますけれども、火災による被害は、死者約四千人、負傷者約一万七千人、建物の焼失棟数約三十四万五千棟となっております。なお、先ほど申し上げましたように、現在、防災会議の地震部会におきまして、この見直しを行っているところでございます。

〇清水議員 やはり甚大な被害です。二〇〇三年にドイツの再保険会社が公表しました世界大都市の自然災害リスク指数によれば、東京は、主要五十都市の中で格段にリスクが高いとされていますが、それを裏づけるものになっています。
 これに関連して、同じく申請ファイルには、防火体制という項目があって、東京では、大会への火災リスクは極めて低いといえるというふうに書かれています。これも事実をゆがめるものです。
 そもそも、東京を大地震が襲った場合に、最も甚大な被害をもたらす危険性が強いのは火災なのです。だからこそ、不燃化、耐震化が震災対策としても重要な課題に位置づけられているのではないでしょうか。
 ところが、申請ファイルには、地震の項目に火災の問題が一言もなく、防火体制は、地震とは全く切り離されて分析されています。招致委員会のこういう姿勢自体、私は問題、大問題だと思います。
 仮にもIOCや国際社会に対する報告は、実態をそのとおりに、実態を誠実に示すべきですし、現在、検証している最中のものや対策が必要なもの、先ほど来、検証中だ、これから対策をとるんだというふうにご答弁をいただいております。それはそのとおりに記述をするということが重要だというふうに思います。
 特に、日本は東日本大震災という過酷な被害に見舞われただけに、リスクを正確に記述した上で、それに対する対策を正面に据えて、IOCに報告することが求められていると思います。
 知事にお伺いいたしますが、知事は、本会議での我が党の代表質問に対し、いたずらに不安をあおるなという趣旨の答弁をされました。しかし、私は、東京都は国際社会や国民や都民に対し、地震や津波のリスクを隠すのではなく、率直に明らかにすべきだというふうに思います。
 その上で、具体的にどのような対策をいつまでに進めるからリスクは大きく減る、東京都が責任を持って予防、応急対策としてここまでやる、あわせて都民の力もこう発揮してもらう、国際社会も、国民、都民も納得できる根拠を示して明らかにすることが求められていると思います。そうしてこそ、国際社会から、国民、都民からも信頼され、東京に住んでいてよかった、東京に行きたいという人々が大きくふえると思いますが、いかがでしょうか。

〇笠井総務局長 この一定の本会議でも、知事の方からご答弁申し上げましたけれども、都はこれまでも、津波や高潮などの発生に備えて水門ですとか防潮堤、さまざまな対策を着実に推進してまいりました。また、来年度の予算におきましても、これらの対策に加えて、例えば、高潮対策センターの二拠点化など新たな対策を盛り込んでおります。
 都は、現在、先ほども申し上げましたけれども、地震、津波の第一人者たちによって、新たな被害想定の見直しを進めておりまして、この結果を踏まえて、自助、共助、公助すべての総力を結集して万全を期してまいりたいと思っております。

〇清水議員 知事は、またもや答弁に立つこともできませんでした。そんなにご自分のやっていることに自信がないのですか。地震や津波のリスクを小さく見せて、オリンピック招致を有利にしようとする、そして防災対策に必要な財源をできるだけ使わない、その分大型開発につぎ込む、これが今の都政の姿だといわざるを得ません。
 今、東京都がやるべき最重要課題は、都民の暮らし、雇用の充実など、経済を立て直すこととあわせて、切迫した地震、津波の危険性を直視し、都民の命と財産、そして東京を訪れる内外の人々の安全を守るために総力を挙げることではないですか。
 オリンピック招致のために、リスクを隠すことは許されないし、そんなことをしたら、かえって国際社会や国民、都民の信頼を失うことになることを厳しく指摘し、質問を終わります。

以上