2013年12月11日 都議会総務委員会 猪瀬知事への徳洲会からの資金提供問題の質疑

清水ひで子議員(八王子市選出)

東京電力病院の問題について

○清水議員 私は、知事の便宜供与にかかわる問題について伺います。
 まず、東京電力病院の問題です。
 日本共産党都議団は、さきの一般質問で、東京電力病院売却に対し徳州会が入札していた事実を明らかにしました。昨年六月二十七日の東電株主総会で、猪瀬知事、あなたが東電に対し病院を売却するよう激しく迫ったことは、あなた自身がネットなどで株主総会の記録を公開するなど大々的にアピールしたことにより、広く知られた事実です。
結局、東京電力は、昨年十月、あなたが徳洲会を訪ねる一カ月前に、東電病院を一般競争入札で売却することをプレス発表しました。ところが、不可解なことに、その後の経過は、一年以上もたつのに一切明らかにされていません。秘密のべ一ルに包まれているのです。
 知事は、一般質問への答弁で、東電が病院を売却する方針は承知していたが、その後のことは、実務的な問題であり、詳細な経過は承知していない。東電が売却をしたということで、東京都の目的は達成していると答弁しました。この答弁も不可解なものです。
知事は、東電病院の売却をあれほど激しく迫っていたのです。その経過を最後まで見届けようとしないとは到底考えられません。そもそも売却が実際に完了するまでは、都の目的が達成したといえないではありませんか。経過を知らなかったという知事の答弁は、極て虚偽答弁の疑いが強いといわねばなりません。
 知事にお伺いいたします。
 事実をお答えしていただきたいと思います。

○猪瀬知事 清水委員の質問にお答えします。東電病院は、東京電力が売却すべきものであると、当時もちろん指摘しました。東電病院だけ売却対象リストに入っていなかったので、ほかの売るべきものは売っているんだから、東電病院も売るべきだというふうに株主総会でいったわけですね。それは、たくさんの資産を売り、コストを削減することによって電力料金を少しでも下げることができる、あるいは上げることを少しでも食いとめることができるということで、東電病院売却について僕は問題提起をしました。
 その後の競争入札、つまりできるだけそれは高く売れれば、東電にとって、東電というか、東電の我々電気料金を払っている利用者にとって、東電病院が高く売れればそれはそれで一番いいことですから、競争入札ということで東電がやってきたわけですね。ですから、東京電力が東電病院を売却するという入札の経緯については、東京都の関知するところではありません。

○清水議員 それは、知事、おかしいんじゃないですか。知事は東電の隠蔽体質を厳しく指摘していたではありませんか。一般質問の答弁で、東京建物に売却されることを新聞報道で知りましたと答えましたが、東電は応札者や手続内容は明らかにできないとプレス発表しています。
 私たちは、東電を訪ねて直接確認しましたが、落札者が決定した事実はない。東京建物が応札したかも答えられない。いつまでに売却を決定するかも答えられないという、何一つ明らかにできないという回答でした。知事、おかしいと思いませんか。

○猪瀬知事 ζの間の答弁で申し上げましたが、新聞報道でたしか東京建物に売却が決まったというふうに載っていたものを見ました。ごらんになったと思いますが、あの新聞報道で僕も知りました。

○清水議員 今、私たちが訪ねて聞いてきたことをご紹介したわけですけれども、その矛盾というのが、おかしいと思いませんかというふうに聞いたんです。何か、この売却をめぐっておかしなことが起こっているんです。隠蔽体質の東電任せでは心配だと思わないんですか。

○猪瀬知事 競争入札ですから、それはきちんとやれば一番ちゃんとした高いところに落ちっくんじゃないですか。

○清水議員 納得できません。一般質問で我が党は、仮にこの間の経過を知らなかったなら、知事の責任で経過を調べて明らかにするよう求めてまいりました。ところが、知事はこれには答えませんでした。
 知事は、昨年十月の囲み会見がありましたけれども、ここで東電病院の売却方針決定に触れ、これからどういうところに売るか、どういう入札にするというのは、できるだけ早く決めると述べています。そして、東電はすぐに変わることはできません。東電が変わるために東京都は役割を果たさなければならないと発言しています。この十月の囲み会見を覚えていらっしゃいますよね。
 だとしたら、東電病院の入札がいつどのように行われたか、入札した事業者はどこか、なぜこれらの経過が公表されていないのか、知事の責任で調べて明らかにすべきですよ。いかがですか。

○猪瀬知事 その経過について僕は承知してないので、できるだけわかるようにしたいと思いますが、これはあくまでも東電側の問題ですから、東電側に問い合わせるしかありません。

○清水議員 猪瀬知事と東電の定期会合が継続して開かれており、知事が盟友だという公認会計士もわざわざ社外取締役として入っていますよね。知事は情報等知ろうと思えば、容易に知る立場にいるのです。にもかかわらず、これほど不明朗な話を調べようともしないんですか。昨年十月の囲み会見の発言と今の姿勢が全く違ってしまったのはなぜですか。
 今、答弁で、調べるというような、調べてもいいというようなことをいいましたけど、調べますか。この経過について調べます。もう一度お答えください。

○猪瀬知事 東電に聞いてみるということです。その経緯について僕は知りませんので、東電から聞くしかないです。

○清水議員 知事がとれる情報、ルートというのはあるんじゃないですか、今ご紹介したように。その情報からきちんと調べて出していただけますか。

○猪瀬知事 東電がどういうふうな形で入札をやったかということについての経緯については知ることは僕はできませんが、東電の方に尋ねてみることはできます。

○清水議員 では、速やかにそれをわかる範囲で調査をして、調べて明らかにしていきたいと思います。徳州会は、売却話が出ていた都心部の東電病院に着目しました。東電が売却方針を公表する以前から、同会幹部が東電役員会と会い、交渉したこともあったといいます。徳洲会関係者は、病院に公的な意義づけを与え、都のバックアップをもらえたらよいだろうと考えたと話しています。そういう新聞報道もあります。
 徳州会は、我が党にも、都心に徳洲会病院の旗を立てるというのが悲願であり、タイミングよく東電病院の入札があったと、はっきり述べています。東電病院は、小さい病院とはいえ、新宿区内のJR信濃町駅前の一等地、慶応病院に近い病院として格好の立地です。徳洲会は、東電病院獲得に全力を挙げていたのです。そのさなかに、東電病院売却を主導し、その後の成り行きに強い影響力を持っ知事が、しかも都知事候補として、徳洲会を訪ねて五千万円の資金提供を受けたのです。単なる偶然だといい張るのは無理があります。違いますか。

○猪瀬知事 徳州会が東電病院に興味を持っていたということについて、全く僕は知りません。今回の徳田毅氏に対して五千万円の借り入れをしたことと全然関係ありません。徳洲会が東電病院に関心を持っていたというそういう事実を含めて、徳洲会の活動についてそれほど僕は詳しくありません。

○清水議員 おかしいです。徳洲会は我が党に、九月に地検の家宅捜査を受けるという問題が起きたから入札を辞退したと説明しています。純粋な経済行為、医療事業として入札参加しただけなら、地検の家宅捜索を理由に入札を辞退する必要などありません。しかも、家宅捜査の問題が起きなければ、徳洲会が最終的に東電病院に落札した可能性も十分にあったのです。疑惑はますます深まっているというふうに思います。
 そこで伺います。東電の株主総会をめぐる問題を伺います。福祉保健局が東電病院の立入検査をしたのは、株主総会の前日六月二十六日です。当時、副知事とはいえ、福祉保健局所管ではなかったと強調するあなたが、なぜ福祉保健局の立入検査の詳細な結果をすぐ翌日に把握していたのかという問題です。知事、どうしてですか。

○猪瀬知事 東電病院を売却したいと思ったからです。

○清水議員 どうやってその情報を得たんですか、

○猪瀬知事 東電の財産リストを調べていくうちに、東電病院だけ売却リストに載ってないということがありましたので、それで福祖保健局に、東電病院というのはどういうところなのかということを聞きました。稼働率が極めて低いということがわかりました。そうであるならば、まず調べてみる必要があるでしょうねということで、実際の稼働率を調べました。そして、結局は東電が財産として残す理由は、東電の福島に医者を派遣しているからだということになっていましたので、それは実際には土日に一人、二人医者を送るぐらいだから、結局は福島のために東電病院があるのではないとわかりましたので、これは売却して、そして電力料金にお返しすべきものだという判断で、東電病院の売却を株主総会で問題提起したわけです。

○清水議員 知事が今の情報を知ったのは、株主総会の前日だと思うんですけれども、それでいいんですか。

○猪瀬知事 まずは、東電病院を含めた東電の売却リストというのがありまして、資産の。東電病院だけが売却リストに載ってない主なものでね、なので、福祉保健局職員に何年か前の調査を見せてもらいましたら、稼働率がかなり低いということがわかりましたので、現在はもっと稼働率が低いのではないかということで、株主総会の前の日に立入調査して、そして実際の稼働率の低さを確認した上で株主総会に臨んで、やはりこの病院は売却して電気料金に還元すべきものだということを提案したということです。

○清水議員 今のお話だと、知事がその立入検査を前日に指示をしたんですか。

○猪瀬知事 これは急いでいたので、立ち入りをまずしないと稼働率がわからないので、売却できるかできないか判断の基準になると思ったので、立ち入りして、そしてやることにしました。

○清水議員 もう一回確認します。知事が福祉保健局に対して、前日に検査が入るように指示したんですか。知事を通じて、知事が。

○猪瀬知事 もちろん福祉保健局の人と相談して、時間的に間に合うかどうか、そういうことを含めて、間に合うならやりましょうということでやりました。

○清水議員 これは重要なご発言だというふうに思います。副知事が問い合わせた、指示をしたというのは、介入したということです。そこまでして東京電力に病院売却を迫って、そしてこれはタイムリーだと、結果的に徳洲会が入札したわけです。ご自身は関係ないといわれるかもしれないけども。知事は徳洲会への便宜供与がないといいますけれども、これは便宜供与の疑いが強いといわなければなりません。そこで、本委員会、東電の病院売却の担当者、東京建物担当者などを参考人招致し、事実を解明する必要があることを述べておきます。
 知事は、我が党の代表質問に対し、昨年十一月六日、徳田虎雄氏を訪ねたときに、徳洲会グループの都内での事業計画や病院を経営しているという認識はありませんでしたと答弁いたしました。それでは、五千万円を受け取るときに徳洲会が利害関係者か否か調べなかったのですか。代表質問では、当時そこまでの考えに至りませんでしたと答えましたが、到底納得できません。
 知事は、資金提供を受ける上でも、そもそも利害関係者からお金を受け取ってはならないという認識がなかったということですね。

○猪瀬知事 まこ、とに知識がなくて申しわけないが、東京都内に徳洲会の病院があるということは知りませんでした。

JCI認証について

○清水議員 相手が利害関係者かどうかも調べないで、五千万円もの巨額資金を平然と受け取る、こういう人に知事を務める資格はありません。そもそも徳洲会が利害関係者であるということを知らなかったという話は、到底信用できません。昨年十一月六日、湘南鎌倉病院に徳田虎雄氏を尋ねたとき、先方から徳州会についてどういう紹介がありましたか、お伺いいたします。

○猪瀬知事 徳州会は全国ネットの病院だというふうな知識はありましたが、地方を中心にした、離島とかそういうことを含めた、そういう意味での徳洲会の存在ということにっいて僕は認識しておりました。徳田虎雄氏も、そういう意味で、島の出身で、医者のいないところに病院をっくると、そういうふうな思想でやってきた人だというふうに理解しておりました。

○清水議員 我が党は、同じく先日、徳洲会東京本部、麹町にありますが、訪ねました。そのとき先方があらかじめ用意していたのが、今、知事にお渡しいたしました。実際はこういうパンフレットなんですね。タイトル、徳洲会グループ、徳洲会を紹介する基本文献です。その二ページに、徳田虎雄氏の言葉が書いてあります。広げてください。
 徳洲会グループは、現在、日本国内に六十六病院を含む四百三十余りの医療福祉施設を展開、さらに今後は、大規模な医療施設だけでなく、地域に密着した診療所の充実や高齢化社会を見据えた介護施設や社会福祉施設の開設を推し進め、引き続き全国各地の医療不足地域、離島地域に、僻地に至るまで、医療、介護i、福祉関連施設を拡充させていきたいと考えておりますと、こうやって代表が述べております。
 そして四ページには、高齢化社会への取り組み、高齢化社会へ向け、福祉への取り組みを多彩に推進と書いてあります。そして、九ページには、全国で展開している徳洲会グループの施設の一覧が、地図つきで出ております。東京西徳洲会病院や、老人保健施設、武蔵野徳洲苑もここに出ています。一二ページには、徳洲会グループの、徳洲会病院は、平成十七年に開設した。そして、老人保健施設徳洲苑は、二十四年に開設したと、都内でですね、こういうふうに書いております。そしてさらにめくって、一五ページには、全国で展開しているこの徳洲会病院の、この病院が出ているわけです。ここに、都内で展開している病院が、西徳洲会病院がここに出ております。
 知事、このパンフレットを、その徳田虎雄様に会いに行ったときに、湘南鎌倉病院で受け取りませんでしたか、知事、受け取りませんでしたか、お聞きしたいと思います。

○猪瀬知事 このように詳細に、いろいろと書いてあるということにっいて全く認識はありませんでした。(発言する者あり)いや、受け取ってはおりません。

○清水議員 私たちは、十数年前にも、石原前知事が就任した少し後に徳洲会を訪ねて、徳田虎雄氏と面会したことがあります。そのときも、たくさんの宣伝物を渡されました。今回も、たくさん本を持たせていただきました。
 徳洲会は、自分たちの事業の売り込みに大変熱心なんです。しかも徳田虎雄氏は、今ALSで、一文字一文字、文字盤を使って会話をせざるを得ない状態、これは知事からご説明があったとおりです。初対面の猪瀬知事に、徳洲会について、こうしたパンフレットなどを使うなりして説明しなかったとは考えられません。もう一度よく見ていただきたいんです。それはコピーですけどね。このパンフレットなんですけど見覚えありませんか。

○猪瀬知事 徳洲会について、僻地や島など、そういうところで医療活動を展開してきたということについて聞き及んでおります。で、こういう具体的なもので指を指して何力確認するとか、そういうふうなことはありませんでした。

○清水議員 パンフレットは見覚えありませんか。

○猪瀬知事 見覚えありません。

○清水議員 湘南鎌倉病院で、宣伝物などを何も受け取らなかった.宣伝に熱心なあの徳洲会が、忙しい中、遠路わざわざ大変長時間かかったと、知事もいってられました、訪ねてこられた都知事予定候補の知事に、徳洲会の事業について、とりわけ東京都での事業にっいて何ら説明しなかったなどということは、到底信用できません。もう一度お答えください。記憶をちょっと呼び戻していただきたいんですけど。

○猪瀬知事 東京の徳洲会についての説明は、特に受けておりません。

○清水議員 説明を受けたかどうかではなくて、もう一回、このパンフレット、そして宣伝物、それを一切受け取っていないんですか。

○猪瀬知事 繰り返し申しますが、東京に徳洲会の病院があるということは、本当に知りませんでした。ですから、こういうパンフレットみたいなものがあったとしても、それについての認識はほとんどありません。

○清水議員 お受け取りになったんですか。

○猪瀬知事 もらった記憶はありません。

○清水議員 記憶をたどっていただきたいと思いますが、どうでしょうか。

○猪瀬知事 不確かな記憶で申しわけないが、午後です。それではね、知事、その十一月六日、何時ごろ湘南鎌倉病院を訪ねたのか、午後に行ったという記憶は、午後の明るい時間に行ったという記憶はあります。

○清水議員 もう一つの資料が、お渡ししてあります。徳洲新聞という新聞です。これは、昨年の十一月二十六日付です。この一番下の徳田理事長の一週間というところがあります。それを、大きくしたのが後ろにあります。十一・月六日十四時、東京都、猪瀬直樹副知事、木村三浩氏、余りいいたくない徳田秀子副理事長来室ということで、二時に知事は訪問していますね。で、きのうの質疑では、同席者は、木村氏のほかは、わからないといわれましたが、徳田秀子氏が同席したことはこの新聞でも明らかです。
 注目すべきは、この日の二時間前、二時間前を見ていただきたいんです。十一月六日十二時、湘南鎌倉総合病院塩野院長、権藤副院長ほか二十一人が、同院のJCI認証取得の報告のため、徳田虎雄理事長室を来室しています。で、これは、その時間的な推移なんですけど、もう一度、前に戻りますと、この記事ではこのように書いています。湘南鎌倉総合病院は、国際的な医療施設評価機構JCIの認証を取得した。同認証の取得は、国内で四番目、四病院目、徳洲会グループでは初めて、世界基準で医療の質と安全性を担保するのが狙い、そしてこう続きます、一番最初のところにありますね。湘南鎌倉病院のJCIプロジェクト中心メンバーは、十一月六日、徳田虎雄理事長にくJCI認証の取得を報告した。職員の顔は、これまでの厳しさから一転誇らしさと達成感にあふれ、徳田理事長も満面の笑みで職員をねぎらった。この写真が、認証取得の大きな額を抱えた記念写真も紹介をされています。猪瀬知事は、その熱気のさめやらない中、大喜びをしている、さめやらない申で、この理事長室を訪ねたわけです。十二時にこの報告がされて、二時に猪瀬知事は来室しているんですね。これもう事実ですね。これ事実。で、こういう同じ部屋でしょうね、ここね、この部屋だと思います。こういうときに、JCIの認証の話は出なかったんですか、お伺いいたします。

○猪瀬知事 JCIの認証の話は出ませんでした。こうやって並んでいるとこういうふうになりますけれども、全然関係なく来ているわけですから、そこを並べてっなげうといっても無理な話です。

○清水議員 その認証の話はね、では一言も出なかったんですか。もう一回お聞きいたします。

○猪瀬知事 それは全然、僕は覚えてません。

○清水議員 覚えていないというのと、出なかったというのは違いますね。覚えていなかったというのと、出なかっというのは違いますね。

○猪瀬知事 JCI認証という言葉自体が、割と難しい言葉なので、そういう言葉をすぐに、僕は記憶しているということはありません。で、こういうことがあったと徳田理事長がいったかどうかについては、僕は、全然覚えていませんから、それとどういう関係があるのかよくわからないのです。僕は。質問の意味が。

○清水議員 ことし五月二十二日、猪瀬知事が、国の産業競争力会議に提出した国家戦略特区の提案で、特区における外国人向け医療の推進策として、アメリカの保険会社を中心にした国際的な医療施設の規格とされているJCI認証の取得支援を打ち出しました。このとき、都内で取得しているのは二病院、これを十病院にふやすため、都として支援するとしていますが、全国で、幾つの病院、どの病院が取得をしているのかは、そのときから、この五月二十二日のときに認識はあったのでしょうか。

○猪瀬知事 東京都の国家戦略特区についてのJCI取得については、その時点で、聖路加病院と関東逓信病院の二病院だけです。国家戦略局特区の中に、JCI病院、JCI認証の病院をたくさんっくるべきだということは、話し合っていました。それは例えば、都立墨東病院とか広尾病院のような、そういうきちんとした病院がJCI認証をとればいいなというふうな話でありまして、国家戦略特区内の話ですから、ほかの府県についてのJCI認証については、知識は余りありません。ただ、ほかの全国に少し、数少ないということは認識しています。

○清水議員 その認識をしたのは、いつですか。知事がその認識をしたのは、その二病院あるよと、それにどの病院が取得しているのか、その認識したのはいつですか。

○猪瀬知事 国家戦略局特区のプランをつくったときです。それは、いつだったか、ちょっとわかりませんが、確認してみてもいいですが、国家戦略局にJCI認証というものを、とにかく二病院しかないんじゃ、国家戦略特区としては弱いねという話をした記憶は、はっきりしています。

○清水議員 そうしたら十一月ね、去年の十一月六日に、そのJCIの認証を受けた、その湘南鎌倉病院で、そういうことがあったというようなことが、知事は、出なかったか、出たかということは確実にいえないということで、先ほどお答えしましたね、出たかもしれないですね、そのときは、ただそのときは認識していなかったということになりませんか。

○猪瀬知事 湘南鎌倉病院が、JCI認証をとったという事実は知りませんでした。全く。

○清水議員 あのね、とったかとらないかではなくて、JCIのその認証をとったという話などが、その十一月六日に行ったときに出たんではないですかと、確実に出なかったといえるんですかと聞いているんです。

○猪瀬知事 僕は覚えていません。そういう話まで踏み込んだような記憶はないです。

○清水議員 記憶はないということは、出たかもしれないということもいえるわけですね。

○猪瀬知事 それは、一〇〇%でないという意味であって、そういうふうな話題ではなかったんです。選挙の応援でよろしくお願いしますという話ですから。

○清水議員 医療の話をしたって、昨日いったでしょう、話したでしょう、医療の話をしたんだと。

○猪瀬知事 だから、徳洲会の理想というか、そういう話は聞きました。そして、いかに苦労されて、今日に至ったかという話を聞いているという感じでありました。

○清水議員 五月二十二日に、猪瀬知事の提案書に続いて、東京都として九月十一日に、政府に、国家戦略特区提案書を提出しています。この中には、当時の全国の取得病院、六病院が列挙され、その一つに、徳洲会の湘南鎌倉総合病院の名前があるわけです。これはご存じですよね。東京都が進める事業の中に、徳洲会の病院がはっきり出てくるわけです。この時点で、知事が、五千万円もの資金提供を受けている徳洲会がかかわる事業を、東京都として進めることについて、どう見てもね、ご自身は否定されるかもしれないけれども、どう見ても、便宜供与の疑いがあるといわれても仕方がないと、ふうに思われませんか、そういうふうに。

○猪瀬知事 JCI認証を東京都の病院でとる、東京都を中心のエリアの病院でとるということは、非常に大変なことだと思っておりました。先ほどの徳洲会の病院が、昭島市の方にあるといわれましたが、それはJCI認証をとれるような、そういうレベルではないと僕は思います。つまりよほど有名な病院じゃないとJCI認証はとれませんから、国家戦略特区の中で、国家戦略特区も非常に限られた場所ですから、その中で、JCI認証をとれるところは限られているというふうに僕は思っていました。

○清水議員 そういうことを聞いているんではないんです。ここに、知事がカを入れた国家戦略特区の提案書ができたと。その中に徳洲会がかかわっているということにっいて、知事がどう否定しようとも、誰が見ても、これはそういう疑いがあるといわれても仕方がないんじゃないですかというふうにいっています。それとも、それは関係ないと、あくまでもいわれるんですか。

○猪瀬知事 国家戦略特区内に、仮に徳洲会の病院があれば、それは関係あるかもしれませんが、全く国家戦略特区内に、徳洲会の病院はありませんし、そもそも東京都内にあるという認識はなかったので、今おっしゃられたことについては、違うというしかありません。

○清水議員 知事は、ことしの六月の第二回定例会の所信表明でも、そのことを語っていますよね。JCI認証の取得支援を強調しています。外国人が海外に赴任する場合には、通常、単身ではなく家族で赴任します。家族で生活しやすい環境も整えなければなりません。
 医療面では、世界標準の質を保証するJCIという国際評価があります。現在都内で二つの病院が取得していますが、これを大幅にふやしていきたいと思います、こう述べたわけです。確かに、知事の行った湘南鎌倉病院は、その特区の中に、外ですよ。しかし、これとは直接、この知事の、この推奨していることと事業がかかわっていると、これは否定することはできないんじゃないですか。わざわざ所信表明で取り上げるほど重視したJCI認証を取得した病院は、当時、全国でわずか六病院、そのことを知らなかった、それは知らなかったといわれましたけど、わずか六カ所の病院、そういう話は通用しないと、いずれにしても、今回、五千万円もの資金提供の問題、深く、猪瀬知事が進めている事業と徳洲会の事業がかかわっている部分があるということはどう見ても、これ否定できないんじゃないですか。
 本委員会で、徳洲会担当者などを参考人として招致すべきことを求めておきたいと思います。本委員会で、日本共産党都議団は、徳洲会からの五千万円という巨額の資金提供をめぐって、猪瀬知事に対し、七十間余りに及ぶ質疑によって、事実関係をただし、法的、政治的、道義的責任をただしてきました。
 しかし、猪瀬知事は、いずれの問題についても、明確に真実を明らかにする立場をとりませんでした。都の許認可を受け、補助金を交付されている法人から資金提供を受けた問題、徳洲会に対する便宜供与をめぐる疑惑、借用証の信懸性、貸し金庫をめぐる疑惑、資産公開条例違反などについて、質問にまともに答えようとせず、証拠を隠滅し、ひたすら責任逃れの発言を行うことで、事実を覆い隠す立場を貫いてきました。
 この問題は、知事としての資格が問われることはもちろん、都政のあり方にかかわる重大問題であり、猪瀬知事の給与一年間返上などで終わらせるわけにはいきません。何よりも、徳洲会マネーと猪瀬知事の関係、そしてこの問題を通じて発生した都政のゆがみについて、その全容を解明し、二度と今回のような問題が発生しないようにすることこそ重要です。
 都政の信頼を回復するとともに、都民に開かれた、都民第一の都政に転換していく第一歩となると考えます。私たちは、真実を明らかにするためには、徳洲会関係者、東電、特別秘書、猪瀬事務所スタッフなど、必要な証人を招致し、参考人を招致し、猪瀬知事が示した借用証や貸し金庫のデータなど、必要な資料の提出を命じ、偽証罪をも問うことができる、基本的には、百条委員会を設置していくことが不可欠だと考えます。
 我が党は、改めて、百条委員会の設置を全会派に呼びかけ、質疑を終わるものです。