2013年12月16日 都議会総務委員会 猪瀬知事への徳洲会からの資金提供問題の質疑

徳留道信議員(板橋区選出)  ○徳留議員 委員知事への五千万円の資金提供問題と資産公開をめぐる問題について、前回に続いて質問いたします。
 この間の代表質問、一般質問、そして総務委員会で約百項目にわたって質問を行ってまいりました。その質問に対する知事の答弁を通じて、ますますごまかしが明らかになり、新たな事実も判明をいたしました。
 一方で、この間のつじつまの合わない答弁で、新たな疑問点も矛盾点も次々と明らかになって、ますます疑惑が広がったといわざるを得ません。五千万円の資金提供の問題は、国民、都民の常識的な見方からしても、資金提供の経過、その資金の処理の仕方、借用書の作成と返却を見ても、本当に不自然であり、多くの都民の納得を得られていないだけではなくて、知事への信頼が一層失われつつあるのではないかと思います。
 一連の事実から見ても、公職選挙法、政治資金規正法などに抵触する疑いが一層深まり、法的にも、政治的、道義的にも責任は免れないところまで来ていると思います。こうした事件にかかわる過去の裁判の判例から見て、今回の資金提供の問題は、裏献金と判断をせざるを得ない状況となってきたと思います。
 この間の質疑と答弁を通じて明らかになった疑問点や疑惑について、明らかにしていきたいと思います。現時点で知事がやるべき最大の仕事は、多数の都民が求めている疑惑解明のために、誠実に真実に基づいて答弁をしていただくことが大事だと思います。これまでの知事の答弁は、二転、三転、くるくる変わる。そして、と思いますとか、覚えていないとか、秘書に聞いてくれとか、ごまかしてすり抜けようとしている、そういう立場がありありだと思います。
 知事、先ほど出されましたが、この「人生を変える手帳術」、先ほども紹介がありました。この中身からいえば、オリジナルのスケジュール法でいけば、本当にその日に何があったかすぐわかると、知事はこういっておられます。きょうは、ぜひ五千万円の資金提洪の問題の疑惑も、記憶にないとか、と思いますなどという曖昧な答弁ではなくて、事実を誠実に答えていただくよう、まず最初に強く要望しておきます。
 それでは、最初に、まず、資産公開条例に基づいての五千万円の未報告の問題について伺います。資産等公開条例にっいて、都の担当者に確認したところ、知事選後に鈴木特別秘書に説明をしたということでしたけれども、知事は、いつ鈴木秘書からこの資産等公開条例についての説明を受けられましたか、お答えください。

○猪瀬知事 選挙のころの記憶は、ほとんど走り回っているというか、挨拶回りとかそういうことで、いっ報告があったかという記憶はありません、それは。

○徳留議員 鈴木秘書は、知事に対する報告責任を果たさなかったということなんでしょうか。全く受けた記憶はないということでしょうか、お答えください。

○猪瀬知事 報告はしていたんだと思いますが、僕の方で、いつ報告受けたのかははっきり覚えていないということです。

○徳留議員 知事が資産公開等条例を遵守するかどうか、今度の疑惑の最大のポイントの一つがここなんです。資産公開条例に基づいて、なぜ五千万円を記載ができないのか、そこに大きな疑惑の目が向けられているんです。知事は、もし鈴木秘書が説明をしていないとしたら、その責任も問われなければなりません。そして十二月十六日、知事に就任してから三月二十五日までに必ず資産報告しなければいけなかった。政治家として当然の責任を果たしていないといわなければなりません。知事は、報告書を出さなければいけないということを知らなかったということでしょうか。

○猪瀬知事 報告書を出すということについて全て任せてありましたので、自分自身ではやっておりません。それともう一つ、鈴木特別秘書は、僕が五千万円借りたということについて認識がありませんので、記載するということはなかったと思います。

○徳留議員 そうすると、知事の責任が最も問われるんじゃないでしょうか。とんでもないことだと思うんです。政治家として無責任だといわなければなりません。知事個人の資産公開の問題なんです。
 スタッフに任せておいたといわれました。その任せておいたスタッフ、一体誰なんでしょう。三月二十五日で、不十分だけれど出ております。誰がこの資産報告を行ったんでしょう。お答えください。

○猪瀬知事 その前に申し上げますと、借りたお金はもう既に二月か三月に返している予定でしたので、資産報告に載せることは(発言する者あり)、そのときの状況では返済しているつもりでおりました。資産報告書は、うちの鈴木ともう一人の女性スタッフがつくります。

○徳留議員 あなたは、その資産報告の中身を確認しましたか。あるいは、短期的な借り入れであっても報告をしなければいけない、その自覚はありましたか。お答えください。

○猪瀬知事 短期的な借り入れであったので、自覚はありませんでした。

○徳留議員 スタッフが資産報告のためにつくった文書を見ましたか、確認しましたか、それもお答えください。

○猪瀬知事 資産報告書等を全部提出してあるということについては認識しています。

○徳留議員 中身について、当事者として確認をしているのかという問題です。それでなければ、この資産公開条例の意味がなしません。政治家として責任持って、みずからの資産を公にして、政治の刷新、清潔な政治を支えていこうという制度なわけですから、そこはどういうことでしょうか。

○猪瀬知事 資産について、それほどの資産を持っているという意識はないので、資産報告を普通にやってもらえればいいと思っていました。

○徳留議員 資産というのは借金も入ります。私もちゃんと、借金が中心ですけども、資産報告を書いております。六月に七百万の貸し付けをちゃんと修正報告をしています。その気になれば、五千万はいつでも資産報告にちゃんと掲載することができたんです。そうすれば、今度のようなことは起きてないんです。そういう重大な問題なんですよ。六月に七百万の修正報告をやった。その責任者は一体誰なんですか。知事は、それを確認しましたか。お答えください。

○猪瀬知事 鈴木特別秘書か、うちの女性のスタッフだと思います。

○徳留議員 これはね、同罪ですよ。当事者である知事もちゃんと確認をしなかった。鈴木秘書は、担当者から説明を受けて、あえて、まあ、五千万は知らなかったということでしょうけれども、本当にこれは無責任だと思うんです。こういう法令を都の最高責任者が曖昧にする(発言する者あり)条例ですね。本当に、発言を聞いてもそのことを痛感をいたします。七カ月間も借りていたということは、決して五千万、短期間ではありません。短期間だったという理屈は、絶対に通用いたしません。本当に五千万を一刻も早く返そうか、あるいは返せないんだったら、資産報告にすれば、今度のような窮地に陥ることなかったんです。知事は、そこのところをどういうふうに反省をされているんですか。

○猪瀬知事 全くそのとおりで、すぐに返していればよかったと思っています。

○徳留議員 後でも触れますけれども、なぜ書けなかったのかという問題もあるんですよね。書けば裏献金としての性格がばれてしまう、あるいはそれが、自分の手元にお金が戻ってこない、そういうおそれもあるということがあって、意図的に、確信的に書かれなかったんではないかというふうに思います。今、知事の資産報告書を作成する会計責任者、一体誰になっていますか。

○猪瀬知事 うちの女性の会計責任者です。

○徳留議員 結局、十一月二十二日、既にお金は返したことになっている。そういう状況のもとで、資産報告に五千万円を記載することになりました。なぜか。それはご存じのとおり、九月十七日、徳洲会グルーフ選挙違反事件で家宅捜索が入ったことによって、五千万円の資金提供の発覚を恐れて、急遽記載をしたということが本音でありませんか。どうでしょう。

○猪瀬知事 記載の訂正をしましたが、既に返却したお金だというふうな認識はあります。

○徳留議員 なぜ十一月二十二日になって、急遽記載をすることになったんですか、その動機、きっかけは何だったんですか、これが私の質問です。お答えください。

○猪瀬知事 記載ミスが明らかだったからです。

○徳留議員 記載ミスだったら、ずっと記載ミスは続いているんですよね。先ほどいったように、六月に七百万の貸し付けの修正報告やってるんですから、気づくことは、何回でもチャンスはあったんです。それをあえて隠して未報告を続けていった、それが本質ではないでしょうか。知事が貸し付けたオフィスイノセへの七千四百七十四万円は、事務所運営費の赤字にも充てているという答弁がなされました。七千四百七十四万円の貸し付けは、今どう使われて、どうなっているのか、わかるように説明をしていただきたいと思います。

○猪瀬知事 七千四百、幾らでしたっけ(発言する者あり)七十四万円は、オフィスイノセという会社、自分の会社ですけれども、貸し付けてあります。それは、累積して貸し付けたものだということです。

○徳留議員 この委員会の答弁で、赤字にも充てているという答弁がなされました。その七千四百七十四万円の実際の使われ方について、知事はご存じないんですか。もう少しわかるようにご説明ください。

○猪瀬知事 余り事務所の経営の細かいところについては、会計責任者に任せてあるので、僕自身はよく知りません。大体、事務所が幾らで回ってるかとかということぐらいしか認識はありません。

○徳留議員 一方では、五千万円の借り入れを説明するために事務所の運営が大変だと、お金が大変だということをいってるんです。その中身の理解がなければ、そういうふうにいっていることも、ごまかしだと受け取られてしまうんじやないでしょうか。五千万円の返済について、知事はすぐに返そうと思った、一月、二月には返そうと思っていた。ことし二月四日には返そうとしたが、直前に相手方の都合で返す相談ができなかった、忙しかったなどといって、一年近く返済が延びていたことのいいわけをしています。
 しかし、これはいいわけになっておりません。相談するも何も、知事は徳田毅議員の携帯電話番号を知っているんでしょう。一月に徳田毅議員に連絡をとって、返そうと思えば返すことができたんじゃないですか。わざわざ三人カイ可か集まって返す相談しなくても、返す気を伝えて、できるだけ早く返したいといえば、五千万円はいつでも返すことができたんじゃないでしょうか。その証拠に、九月の二十六日にも、大変遅くなってから返すことができました。何度でもチャンスはあったんじゃないですか。いかがでしょうか。

○猪瀬知事 借りたものをお返しするに当たつで・いきなり携帯電話でお返しするというわけにいかないので、二月四日に会って、そしてその話をしようとしていました。

○徳留議員 それは、携帯電話だけでは返せないでしょう。でも、相談することはできるんです6わざわざ日にちを決めて三人、四人集まらなくても、こちらの返す気持ちを伝えれば、必ず返すことはできると思うんです。九月二十六日だって、決して何か事前に集まって相談をして、返す結果になったんじゃないと思うんです。先ほどいいましたように、九月十七日の、あの徳洲会事件がきっかけになっているといわざるを得ないと思います。相談する場所は木村氏が手配したと述べています。本当にその証明する証拠、間違いない証拠があるんでしょうか。お答えください。

○猪瀬知事 返す、二月四日の話でしょうか。二月四日にパレスホテルのある店で予約を木村氏がしております。その予約は、記録を見ればわかると思います。

○徳留議員 そのときの予約の証拠は提出されているんでしょうか。もし証拠もなしに信じてくれといっても、この間の経過から見ても信ずるわけにはまいりません。二月の四日に返済する相談する予定だったというのは、今になって、もっともらしくいわれているんじゃないか、そういうふうに思われても仕方がないと思います。
 二月四日といえばどういう状況かといえば、徳田毅議員のスキャンダルが週刊新潮に書かれて、発覚しそうだということが報道されて、徳田毅議員が政務官を辞任した日であります。この日とぶつければ会合がキャンセルになる、そういう理由を後づけしたんじゃないか、そういうふうにも思われてしまいます。本当に二月四日、ちゃんと場所を確保する、予約をする、そういう証拠があれば、ぜひ出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○猪瀬知事 証拠があるはずですので、それは証拠を見つけたら提出します。

○徳留議員 冒頭にご紹介したような「人生を変える手帳術」にしっかり書いてなければ、この評価もちょっと引き下げなければいけないと思います。仮に、百歩譲って知事が忙しかったということを認めたとしても、鈴木秘書なり、信頼できるスタッフなり、木村氏や徳田毅事務所と連絡をとれば、九月まで待たなくても連絡がとれないわけがないし、五千万は返すことができたんじゃないでしょうか。巨大な借金です。本当に借り入れとしら、一刻も早く返すために力を尽くすべきだったと思いますが、いかがでしょうか。

○猪瀬知事 全くそれはおっしゃるとおりで、できるだけ早く返すつもりでいて、その努力をしたりしながら、ずるずる延びてしまったと。これは、仕事が本当に忙しかったということもあります。そういう中で、返すチャンスを逸したというふうに事実として説明します。

○徳留議員 九月二十六日に五千万を返したのは鈴木秘書です。そして、そこの中には木村氏も介在をしています。そして相手方は、徳田虎雄氏の奥様、秀子女史であります。そういう可能性を探れば、徳田毅氏だけを当てにしなくても、返済することができたんじゃないでしょうか6そういう努力はどうだったんでしょう。鈴木秘書あるいは木村氏に相談などされなかったんでしょうか。

○猪瀬知事 それはおっしゃるとおりですが、鈴木秘書に、五千万円を借りているということを打ち明けたのは八月十日ぐらいのことですので、それ以降について、鈴木秘書にはいろいろとやってもらいました。

○徳留議員 そういうふうにいってるから疑われるんじやないでしょうか。木村さんだっているでしょう。そして、去年の十一月六日話し合った、徳洲会グループ、徳洲会マネー、そういう方々とのつながりもあるんじゃないでしょうか。本当に返す気になれば返せたはずなんですよ。そういう気がなかった、そういうお金じゃなかった。贈与といわれても仕方がないお金だったから、ここまでずるずる来たんじゃないでしょうか。十日の総務委員会で、私が知事の記者会見での発言について、五千万円の資金提供の問題が二転、三転、四転とくるくる変わっていることを指摘しました。改めて答弁を求めたところ、知事は、私の質問やパネルについて、あえて違うところを取り出して、書いている、ある部分を切り取った紙、当方は一貫して同じことを述べている、割に明快に答えていると思うと、そういう答弁をされました。
 であるならば、多くの都民の皆さん、国民の皆さんも、もっと納得して、それが解明されて納得して、知事へのこれだけの批判の声は広がらなかったというふうに思います。しかし、この質問後に、私にかかってきた電話では、徳田虎雄氏の田舎、私も同じ田舎なんですが、鹿児島とか沖縄からも電話がありました。北海道からありました。そういう方々は、テレビなどの報道を通じて、部分的ですけども、知事がいうことがいつも違う、ごまかしている、あれでは誰が聞いても納得できないよ、こういう声が共通して寄せられました。都民多数の声ではないでしょうか。資金提供をめぐっての知事の記者会見の全体をよく見れば、つじつまが合わない。くるくると変わっていることがたくさんあります。
 今、お手元に資料をお届けをしました。五千万の貸し主をめぐる問題でも、その認識をめぐっても、次々と変わっております。(パネルを示す)今こちらでパネルがあります。お手元には資料があると思いますが、借りた相手についてどういっているか。ことしの十一月二十二日は、徳洲会だということは当然認識している。徳洲会側に返済すればいいというふうに思っていましたといっています。ところが十二月十日には、突然言葉を翻して、徳田毅議員と徳洲会とはイコールだとは思っておりませんと、こういう答弁を行っています。本当にこの答弁はひどいと思います。そういう答弁したこと、否定しませ紋ね。どうでしょうか。

○猪瀬知事 この件についてですか。借用書は戻っていますよという報告は受けているという……はい、わかりました。徳洲会側だということは当然認識している、徳洲会側に返済すればいいというふうに思っていましたというところが、徳田毅氏と徳洲会はイコールだとは思っておりません。借りたのは徳田毅さんですから、そういう意味でイコールだと思っておりませんといったわけです。

○徳留議員 つまり返済がおくれた理由として、徳洲会相手だと連絡がとれない理由にはなりません。その気になれば、いっでもとれると思うんです。九月二十六日もそうだと思います。私の質問に対して、徳田議員と徳洲会とはイコールではないと答弁を変えて、とにかく徳田毅議員と連絡がとれないから仕方がないんだ、そういうふうに見せかける話ではなかったんですか。先ほどの答弁も、徳田毅氏との連絡が難しいというお話でした。そういう考えじゃなかったんですか。

○猪瀬知事 借用書を書いたのは徳田毅さんで、徳田毅さんから借金したということなので、徳田毅さんにお返ししなければいけないというふうな認識でいいました。

○徳留議員 それなのに、実際に返した相手は、徳洲会グループのナンバーツーか知りませんが、徳田虎雄氏の奥さんに返すことになっているわけですよね。そういう相手も返す相手として考えれば、幾つでも選択肢はあったと思います。知事は、資金提供が発覚した直後の記者会見で、知事選の直前にして徳田虎雄氏を訪ねた際に、資金提供という形で応援してもらうことになったと発言しています。私がそのことを質問したことに対して、知事は、最初に資金提供というふうな質問を受けたので、余り意味がわからずに、そういうことを答えたと思います。個人としてお金を借りたという意味で理解して、そう答えたと述べておりました。
 しかし、記者の質問は、挨拶回りという趣旨か、資金提供のお願いをしたのかというものでした。個人かどうかのレベルのことを聞いたのではありません。それに対して知事は、資金提供という形で応援してもらうことになったということですと明快に答えています。マスコミの皆さんもみんな、そういうことだからこそ、一斉にこの発言の重みを取り上げているわけです。個人としてお金を借りたい、借りたという意味で理解して答えたなどといういいわけは絶対に通用いたしません。
 ごまかしても、知事自身は、初めは正直に、選挙応援の中身は資金の応援があることを認めていました。生活のためというのは後からつけた理屈にすぎません。選挙に出るための資金の糧にするというのが、今度の資金提供を受けた最大の理由なんです。知事自身、十一月二十二日の記者会見で、記者から、徳田氏からは資金提供という形で応援してもらう形になったと聞かれ、知事も、結果的にそうなりましたと答えています。また、結果的に選挙資金として借入金を使ったのではなかったということかと聞かれて、そうですと答えております。知事の認識はどうだったんでしょう。お答えください。

○猪瀬知事 個人の借入金ですので、選挙資金には一切使っておりません。

○徳留議員 みずからが発言して答えた、選挙応援のためという最初に発言したそれが、正直な本音じゃないのかとお聞きしているんです。どうでしょうか。

○猪瀬知事 それは、そういう質問があったときにそう答えたのですが、後でその流れの中で、個人の借金ですと、先ほどの答えと同じように説明を、よく読んでいただければ、その後説明しております。

○徳留議員 それは後づけの理由なんですよね。今問われているのは、五千万というお金があると、資産報告にも掲載されていない、選挙活動の収支にも登場しない、政治資金の収支にも登場しない。借用書も大変いいかげんだと。だから、このお金は何かおかしいんじゃないかと疑われているわけですよね。今逃れようとしたら、借入金といって逃れるしかないんです。
 ところが、実際は、平成五年に宇都宮の地裁がこういう同じような事件、判決、判例があります。三千万円のお金を賄賂として市長が受け取ったと。市長は、これは借り入れだと、ずっといい張ってきたと。ところが裁判所は、利子もついていない、そして担保もない、そしてそもそも三千万円の借り入れをするのに、どういう条件で貸すのかも全くない。これは事実上の裏金だという判例が出ています。同じようなことだと思います。知事は記者から、足りなくなった場合は使っていたわけですねと聞かれたのに対して、それは、たらればだなと答えています。知事は、選挙資金が足りるかどうか心配する発言を行っています。少なくとも足りなかったら使うつもりだったとしか、いいようがありません。どうでしょうか。そういうものとして五千万は考えていたということではないでしょうか。

○猪瀬知事 それは、事実に相違します。

○徳留議員 それが事実ではないとしたら、前の発言の真意、その経過をちゃんと知事の立場とレて説明をしなければ納得することはできないと思います。どうなんでしょうか。

○猪瀬知事 足りなかったら選挙に使うんですかという質問で、そういう質問は、たらればだといったということですよね。それは、使うんですかということを想定していっているから、それはそういう想定ではないですよとお答えしたわけですね。

○徳留議員 十二月十日の私の総務委員会の質問でも、対照表を、調べてお示ししましたけども、それを、断片を切り取ったものだといわれましたけど、その発言の中身、流れを見ると、猪瀬知事は、そういうものとして当初は受けていたと。しかし、経過的に見るとこれはまずいということになって、借入金として処理するしか、この問題を合法的にといいますか、法に違反しない方向で処理する方法ないと思って、そういうふうにされたんじゃないですか。しかし、それでも資産公開にちゃんと報告をしてない、それが大きな問題になっているんですよ。どうでしょうか。

○猪瀬知事 個人の借り入れとして借りたのは、前にも説明しましたが、あの当時、自分の先行きが全くわからない状態でありましたので、大ざっぱにいって事務所は三千万円か四千万円か五千万円で回ってますから、そういうスタッフを含めて、当面の選挙後の、つまり選挙で落選した場合に、とりあえず一年間ぐらいの見通しを持ちたいなということで、個人的な私生活の不安を含めた借金をしたつもりでいます。

○徳留議員 選挙資金として借りたものではないということになりますと、それを証明できるのは、知事の発言だけなんです。それを信用しろと、発言だけで信用しろというのは無理なんですよ。しかも、五千万円は無利子、無担保、無期限であり、事実上の贈与になっているんじゃないでしょうか。ここに、資金提供の性格、目的がはっきりと示されていると思います。だからこそ、公職選挙法、政治資金規正法に基づく報告もない、資産等公開条例にも報告をしてない。公表できない裏献金だからこそ、何とか個人的な借入金として隠そう、ごまかそう、そういうふうにしているとしか思えない。そのために説明がくるくる変わったり、問題点や矛盾点がどんどん広がっているんじゃないでしょうか。こちらの方が合理的な説明じゃないでしょうか。
 知事は、小さな事務所であっても、年間それなりの金がかかるとか、仕事も回復しないかもしれないなど、事務所運営の困難さを殊さら強調して、五千万円もらった口実にしようとしています。しかし、知事は、たとえ落選したとしても生活に困るはずはない。私は、知事の事務所、オフィスイノセと自宅の登記簿を見ました。知事が町田市に持っている土地建物には、オフィスイノセの根抵当権が設定されており、公示価格に比べて極端に差があるという不自然さはあるものの、一億二千万円までは、それを担保に借り入れることができるように、一つの取引銀行に対して根抵当権が設定されております。知事は、これご存じですか。

○猪瀬知事 自分の財産については、余りよく知りません。

○徳留議員 知りません、聞いていませんというのは、この種の事件の、いつもいい逃れの口実なんですが、もう一つ、港区のオフィスイノセの土地建物についても一億八千万円までを限度に、同様に根抵当権が設定されています。これもご存じないんですか。

○猪瀬知事 すぐに銀行からお金を借りるというのはなかなかできることではありません。そこで、とりあえず生活の不安を取り除くための準備のお金が借入金として必要だったということです。銀行からお金を借りるのには、それなりの手続とか時間を要します。

○徳留議員 自宅とオフィスイノセの根抵当権を合わせれば、必要な運転資金などは三億円まで取引銀行から借り入れることができるではありませんか。たとえ落選したとしても、銀行から借りれば資金は確保できて、十分にやっていけるような条件をお持ちです。徳洲会から、危ない五千万円もお金を借りなくても大丈夫なんです。もらったのだったら、別なんですけれども、そういうお金なんです。しかも、あなたを後継者に指摘した石原前知事は、十二月五日、読売新聞で、猪瀬氏には潤沢な政治資金、選挙資金があったはずだ、その体制を彼に引き継いだ。何で徳田君に会いに行ったのかわからない。十分な選挙資金を持っていたはずだと発言をしています。石原前知事の発言は事実ではなくて、うそだといわれるんですか。どうでしょうか。

○猪瀬知事 それは、ある程度一般論でいったんだと思います。

○徳留議員 一般論といわれても、かなり具体的な話をしているわけで、それを一般論で説明をされても理解不能です。もう少し具体的に。私は根拠を示しました。そういう、よくご存じの方のお話もある。本当に五千万円という危ないお金をつけなければ、やっていけないということではなかったと思うんです。どうなんでしょうか。

○猪瀬知事 繰り返しますが、短期的な借金のつもりでおりました。期間が延びてしまいましたが、短い期間、とにかくお金をお借りするというつもりでおりました。

○徳留議員 いや、だから短期的に返すんだったら、こういう処理の仕方でもいいといわれるんですか。世間の常識、通用しないと思いますよ。東京都知事ですからね。世間の常識に基づいて判断をして、説明をしていただけなければ、説得することできないと思います。今、提出資料を見ますと、十一月十九日に、八十二銀行青山支店の貸し金庫を妻名義で借りたとのことであります。すると、二十日に五千万円を受け取り、事務所に寄ってからわざわざ町田まで運び、妻と数えたと、そういうことになるんでしょうか。お答えください。

○猪瀬知事 二十日の夜に自宅に戻り、妻にこういう事実があると伝え、あした貸し金庫に入れておいてくれと、こういうふうにいいました。

○徳留議員 そして、貸し金庫に預けたのは翌日ということになっているんですが、また、青山の貸し金庫までわざわざ運んだことになります。青山の貸し金庫まで、どなたがどのようにして運んできて、貸し金庫に保管されたんでしょうか。

○猪瀬知事 i妻の貸し金庫ですから、妻が貸し金庫に入れました。

○徳留議員 先ほど同僚委員の質問でもありましたが、貸し金庫に関する資料が提出されましたけれども、契約者の氏名がありません。契約者は、それぞれどなたですか。代理人がいれば、その方の部署や名前もお示しください。

○猪瀬知事 八十二銀行の青山支店は妻の名義です。そして、五月に横浜銀行に移しましたが、横浜銀行も妻の名義です。で、妻が亡くなってから僕の名義に切りかえて、代理人をつけました。

○徳留議員 代理入はどなたでしょうか、お答えください。

○猪瀬知事 代理人は、うちの事務所の会計責任者です。

○徳留議員 名前は特定することできないんでしょうか。

○猪瀬知事 うちの事務所の会計責任者であります。特に名前をいう必要はないと思います。ただ、ずっとうちの事務所で働いていた人で、代理人です。

○徳留議員 後でも、五千万円の返済の処理や借用書の処理をめぐって、その貸し金庫の代理人の問題が問われてくるんですけれども、具体的に特定することできないんですか。

○猪瀬知事 非公開の席でだったらお伝えすることはできます。

○徳留議員 それでは、次に進みますが、昨年十二月十八日に貸し金庫を利用していますが、誰がどういう理由で利用したのか、お答えください。

○猪瀬知事 いつでした、今おっしゃられたのは。いつの、昨年の。昨年の十二月十八日、貸し金庫を使うとしたら、うちの妻しかいません。

○徳留議員 五千万円もの資金が入っている金庫をあけに行ったわけですが、知事の許可はされたんでしょうか。全く関係なく、奥さんがあけられたんでしょうか。

○猪瀬知事 全く関係なく、うちの妻があけたと思います。

○徳留議員 ことしの二月一日にも利用していますが、これについても、誰がどのような理由で利用されているか、お答えください。

○猪瀬知事 二月一日に貸し金庫をあけたのは、うちのi妻ですが、その日にあけた理由は特に確認しておりません。

○徳留議員 五千万円が入った貸し金庫ですけれども、どういう理由でそれをあけて使ったかというのは、知事は全然知らないということですか。

○猪瀬知事 これ大事なことですが、貸し金庫に入れたお金は手をっけておりません、全く。

○徳留議員 でも、実際に十二月人日、二月一日と貸し金庫をあけて使われていますよね。全く使わないはずの五千万のお金が入っているけども、何かのために使われているんですか。誰がどういう理由でその貸し金庫をあけたのか、お答えください。

○猪瀬知事 貸し金庫をあけて、それは妻の備品が入っているかもしれないし、それから先ほどいったのは、二月の一日は、二月四日があるから、その確認であけたのかもしれませんが、それについて、特に確認したりしたことはありません。

○徳留議員 二月の四日に対応してあけたかもしれないというのは、奥様はそんなことわかるんですか。少なくとも知事か、あるいはその時点でいうと鈴木さんもわからない。だから、本当にその動きは不明だし、どうしてそういうことが起きているのかわかりません。奥様がそういうふうにあけているということはご存じだったんですか。

○猪瀬知事 妻があけたかどうかは知りませんが、二月四日にお金を返すという、そういう話は、お金を返す算段をするという話は妻に伝えてあります。

○徳留議員 そして、わざわざ町田の貸し金庫を大きいサイズに変えて、青山の貸し金庫の契約を解除して、町田の貸し金庫に五千万円を移しています。非常におかしい話だと思うんです。なぜ身近なところにある青山の貸し金庫を解除して、町田に移すことになったんでしょうか。

○猪瀬知事 それは説明しましたが、繰り返し申し上げたいと思います。都知事になってから、麻布での生活はほとんどできなくなりまして、町田で生活するようになりました。それは帰る時間が遅く朝早いということで、町田に生活の拠点を移しました。それまでは、執筆活動を続けたりして麻布の方にいることが多かったんですが、そこでもう一月からずっと町田の生活ですので、銀行も貸し金庫も青山から町田に移したわけです。そして、それは先ほどから申し上げてますが、いつでもすぐ朝とりに行って、返済する話が、連絡がとれたら返済に行けるようにしておこうということで、妻と話し合って決めたことです。

○徳留議員 五月までは町田炉中心だったといえると思います。しかし、六月以降は港区を中心で、実態とは大変異なります。あなたの庁有車の利用記録を見ると、明確に町田に帰ったことがわかるのが七十数回、それに対して港区や江東区などで過ごしたのが百回以上になっています。また、本拠は二十三区内になっています。とりわけ、町田に貸し金庫を移した後は、ほとんど港区に帰っているんですよ。どうしてこういうことになっているんでしょうか。

○猪瀬知事 それは大変つらい話になりますが、一月からずっと五月半ばまでは町田で暮らしていましたが、五月の下旬に妻が入院しましたので、結局、町田に帰ることはできなくなり、妻の入院先と仕事と往復したりしていました。そして海外はもちろん、オリンピック誘致、招致活動ありましたので、それで五月の下旬以降は町田で暮らす時間がなくなりました。

○徳留議員 少なくとも五千万円の借入金のことを考えれば、青山の貸し金庫の方が返すのにも便利ではなかったんでしょうか。そして事務所の書籍などを入れるにしても、出し入れする代理人にとっても便利だったんではないかと思うんですね。大変おかしい話だと思いますけども、どうでしょうか。

○猪瀬知事 そういうふうにいわれても、事実をお伝えするしかありませんが、五月、とにかぐ五月二十六日までは妻が元気でしたので、町田が生活の中心でした。そして、五月中に何とか返済できないかということで金庫を移したわけです。それ以降は町田にいることはできないので、結局それは今、委員おっしゃったように、そうしたら青山に置いておいた方がよかったじゃないかと、それは後からそういうことはいえると思いますが、本当にそういうふうなことが事実であります。

○徳留議員 それでは、九月の二十五日に五千万を返すときには、誰が港区からわざわざ町田までにお金をとりに行ったんでしょう。私は、実はこの前の総務委員会で、徳田虎雄氏の奥さんにお金を返したときに、鈴木秘書が借用書も引き取らない、受領書も持ってこないと、なぜこんなことをやるのかということをお聞きしたら、それは秘書に聞いてくれといわれました。私は会いました、秘書に。そうしたら、その五千万は事務所の人から預かったといわれました。
 ということは、事務所の中で、五千万の借り入れと、括弧つきの借り入れを持っていることを知っている方がいらっしゃる。しかも、どなたかがその貸し金庫から出し入れをすることができるようになっているということなんでしょうか。いかがでしょうか。

○猪瀬知事 先ほど来ご説明させていただいていますが、八月二十四日に支店長立ち会いで貸し金庫をあけてもらうことができるようになりましたので、うちの会計責任者の女性が、僕の名義プラス代理人として貸し金庫をあけるということができるようになりました。そしてその結果、その貸し金庫からお金を出して鈴木特別秘書にお渡しし、そして徳田秀子さんに返済したという形になります。

○徳留議員 それは、その会計責任者ですか、一人で町田まで行って、そして鈴木秘書に届けだということになっているんでしょうか。

○猪瀬知事 そのとおりです。

○徳留議員 さらに、十月の一日の利用については借用書を入れるためといっておりましたけども、わざわざ港区から町田まで、借用書を預けるために、一体誰が町田まで行ているんでしょうか。

○猪瀬知事 それは同じ女性です。それは、もうその借用書の金庫をあける代理人は、その女性しかいませんので、その女性に行ってもらいました。それは、後からいえぱ青山にしておけばよかったが、事情が途中から変わって町田に移したわけで、不便になったけれども、これはもう変えるわけにいかないわけでありまして、そのままになっていたわけです。

○徳留議員 十一月二十五日にも町田の貸し金庫を利用されてますが、誰がどういう目的でこの十一月二十五日の町田の貸し金庫の利用をされたんでしょうか。

○猪瀬知事 借用書を入れたのが十月一日でありまして、その借用書を公開しろということで、次に行ったのがその今の目付です。今おっしゃられた日付のときに借用書を出して、翌日、記者会見でこれが借用書ですと見せる前の日に行ったのかしら、そういうことになると思いますが、日付、ちょっと手元に今、未整理ですが、おっしゃっていただければ。以上です。

○徳留議員 その借用書を町田の貸し金庫に預けたといわれますが、その借用書が本物であったということを証明する何かありますか。

○猪瀬知事 この借用書が本物であると証明できる人は、徳田毅さんだと思います。

○徳留議員 徳田毅さんしかいないということですか。お答えください。

○猪瀬知事 ほかにいるとしたら、徳田毅さんからそれを預かっていた秘書ということになると思います。

○徳留議員 その預かっていた人は、どういう方ですか。

○猪瀬知事 知りません。

○徳留議員 私は鈴木秘書に会って、九月二十六日に五千万返して、どうして借用書を受け取らなかったのか、受領書を受け取らなかったのか聞きました。そうしたら、木村氏が徳田毅事務所の秘書が持っているから、自分がとりに行って郵送すると、そういう段取りになっているというふうにいわれました。あの借用書を預かっている方々が、徳田毅さん以外にいるということじゃないでしょうか。そういう話は伺っていらっしゃらないでしょうか。

○猪瀬知事 今おっしゃられた経緯で、僕も徳田毅氏の秘書から木村氏が預かったということを後で鈴木の方から聞きました。そして送ってもらったということです。ですから、徳田毅議員とその借用書を預かっていた秘書がいるということをそのときに初めて耳にしました。、

○徳留議員 この問題は大変奇径な動きなので、後でまた質問させてもらいますけれども、なぜ青山の貸し金庫を町田に移したのか、納得がいきません。青山にあった方が、事務所のさまざまな書類を入れるのにも、また五千万円を返すのにも、はるかに便利な場所だったと思うんですね。そして実際に、知事は書類など山ほど入っているといっておられました。どういいわけをしても、貸し金庫を町田に移したのは、この五千万円をその町田の貸し金庫に隠すというか私物化する、そういう思いがあったんではないですか。どうでしょうか。

○猪瀬知事 、それは全く逆だというふうにお答えするしかありません。先ほど申し上げましたが、町田市の生活が一月からずっと五月末まで続いておりました。したがっで、青山よりも町田市の方に貸し金庫を置いておいた方がいいという判断をしました。それは、いつでも返せる体制に入れるから、妻にすぐにとりに行かせて、そして僕が出発できるという一毎朝都庁にそこから出かけておりましたので、そういう状態にしました。しかし残念ながら、結局、五月二十六日に妻が入院して以降は、町田で暮らすことはほとんどできなくなってしまいましたので、移した意味がなくなってしまいました。

○徳留議員 先ほども鈴木秘書から聞いたのは、返す際には事務所のスタッフからお金を預かったといわれているように、都心にあれば、そういう形で、いざ返すチャンスが生まれたら返せるし、いつでもその五千万を返す気があれば返せる場所になっているんじゃないかと思うんですよね。今いわれだ話では、どう見ても納得できません。知事は、徳田毅議員から五千万を提供するという連絡を、十一月十九日の午前中にあったというふうに語っておられたと思いますけど、これは正確でしょうか。

○猪瀬知事 間違いありません。

○徳留議員 報道では、十一月十九日の午後一時過ぎに、湘南鎌倉病院の徳田虎雄氏の執務室に、嬉田毅議員から電話で、都知事選挙の応援について、猪瀬氏は一億五千万といったがという相談があり、虎雄氏は、とりあえず五千万を先方にとりにごさせうというやりとりがあったと報道されています。事実としたら大変おかしい話だと思いますけども、午前中に徳田議員から連絡があったというのが事実ではないでしょうか。どちらなんでしょうか。午前、午後、どちらに連絡があったんでしょうか。

○猪瀬知事 先ほど午前中だと申し上げたはずですが、徳田毅氏の電話は。

○徳留議員 そうすると、報道とは違うということになりますね。

○猪瀬知事 その報道の中身と、僕が徳田毅氏と話したことと、必ずしも整合性は必要ないと思います。

○徳留黍員それでは、その午前、午後の連絡はどこで知事は受けられたんでしょうか。自宅でしょうか、都庁でしょうか、お答えください。

○猪瀬知事 携帯電話です。

○徳留議員 携帯電話は電話でしょうけども、場所、自宅なのか都庁なのか、あるいはそれ以外なのか。

○猪瀬知事 正確な記憶はありませんが、多分、麻布のオフィスにいるときで、都庁に出かける前ぐらいのときではないかなというふうに記憶で申し上げておきます。

○徳留議員 昨年十一月二十日、徳田毅国会事務所で五千万を受け取って、自宅に直行したといいながら、実際は猪瀬事務所に立ち寄っており、これはうそだったということはわかりました。そこに、廣野専門委員と打ち合わせがあったということなんでしょうか。あるいは町田の自宅に帰るには首都高速で行けるのに、わざわざ遠回りをして事務所に立ち寄ったというのは、何か打ち合わせがあって事務所に立ち寄られたんでしょうか。その内容は、先ほどのスケジュールの確認だということもあると思いますけれども、そこら辺の中身はどういうことだったんでしょうか。

○猪瀬知事 特毅長い時間ではありませんが、スケジュー一ルの確認と、あと服をたしか一着持っていかなきゃいけないなということも含めて、翌朝の都庁出勤の準備のために麻布の事務所に寄ったということになります。

○徳留議員 寄った理由は、服をとりに行くことが最大の目標なんでしょうか。その場所には廣野専門委員は、あるいはオフィスイノセの事務員などは在室されていたんでしょうか。

○猪瀬知事 入り口の近くで廣野専門委員と話をして、立ったまま打ち合わせをして、そして部屋に服をとりに行って、そして車に乗ったということでありまして、そんな長い時間ではありませんが、翌日のスケジュール等についての確認は重要でしたので、廣野専門委員と話をしました。

○徳留議員 先ほどの質疑の中でも触れられましたけれども、五千万円のお金は事務所まで運んでますね。事務所にいたスタッフなどに、その五千万円の借入金が感づかれるということはなかったんでしょうか。誰にも気づかれずに持ち込まれたんでしょうか。どうでしようか。

○猪瀬知事 別に普通にかばんを持っていただけですから、何の疑問も持つことはありませんでした。

○徳留議員 猪瀬事務所に五千万円を持ち込んだということは、廣野氏ら事務所スタッフも借り入れを知ることになるんではないかと思うんですけれども、そういう猪瀬都知事以外に、この五千万受け取ってきたことを知った方はいらっしゃるんですか、その事務所のスタッフに。

○猪瀬知事 誰もいません。うちの妻以外は、全く誰も知りません。鈴木特別秘書には八月十日ごろに伝えました。それから、うちの会計責任者の女性には、金庫をあけるときに説明しました。それ以外に、誰にもこのことはいいませんでした。木村三浩氏は、もちろん知っています。それ以外は誰も知りません。

○徳留議員 本来、スタッフ以外、誰にも知られたくなかったら、いかなる理由があっても、その現金を持ってですね、事務所に立ち寄るなどということはないと思いますけれども、その事務所は、オフィスイノセの事務所があるのと、それから政治資金の管理団体もある、そういう事務所ですよね。そこに五千万のお金を持ち込むということが、借り入れのお金だということと矛盾する、そういうふうには感じられませんでしたか。

○猪瀬知事 うちへ帰る途中に寄ったという認識ですから、家で家内に、このかばんの中に何が入っているかを説明しましたが、麻布の事務所でそれを説明する必要もないし、車を乗りかえたというだけですから、そこで打ち合わせも、短い時間の打ち合わせでしたから、特に何も、そのかばんのことについて、普通のかばんですから、特に聞かれることはありませんでした。

○徳留議員 選挙事務所と資金管理団体の猪瀬直樹事務所の会計責任者は、同じ女性だと思いますけれども、オフィスイノセの会計責任者も同じなんでしょうか。

○猪瀬知事 同じです。

○徳留議員 そのときに、十一月二十日に、その会計責任者も事務所におられたんでしょうか。

○猪瀬知事 その会計責任者がその日いたかどうかは知りませんが、とにかく廣野専門委員と話をして、そして急いで帰ろうとしていたということです。

○徳留議員 ・その事務所に、今の特別秘書である鈴木重雄さんは事務所におられたでしょうか。

○猪瀬知事 おりません。

○徳留議員 猪瀬事務所に、オフィスイノセと猪瀬直樹の会の資金管理団体が同居しております。それぞれに金庫があるのか。あるとしたら、どれくらいの大きさなのか。それをお答えください。

○猪瀬知事 会計責任者に任せてありますので、特に金庫がどのくらいあるかとか、そういうことについては余りよく知りません。

○徳留議員 私も、実は猪瀬事務所に行きました。一階から三階までですけれども、そんなに、探さなければ広いという感じはしませんので、金庫がどこにあるぐらいは確認できるんじゃないでしょうか。いかがでしょうか。

○猪瀬知事 会計責任者の部屋に小さな金庫は置いてあります。

○徳留議員 持ち込んだ五千万円をその金庫に預けた方が便利だというふうには思われませんでしたか。

○猪瀬知事 五千万円が入るような大きさの金庫ではありません。

○徳留議員 その五千万円の括弧つきの借入金は、公有車で自宅まで運んでおられていると思いますけど、これは公務といえるんでしょうか。そこら辺の感覚はどうでしょう。

○猪瀬知事 その日は公務で各地を回り、それから途中から私用に切りかえてタクシーにかえ、そして議員会館もタクシーで行き、麻布の事務所もタクシーで行き、そしてその後、廣野専門委員と打ち合わせをして、翌朝の服も含めて自宅に帰るので、これは公務だと理解しております。

○徳留議員 事務所のスタッフ関係者で、五千万の資金提供を受けていることを知っている方はどなたでしょう。どういう方がいらっしゃるんでしょう。

○猪瀬知事 結局、僕と妻以外で五千万円を借りたということを知っている者は、事務所にはいません。で、八月十日ぐらいに鈴木特別秘書に、実はこういうお金を借りているんだということをお話しし、八月二十四日の金庫をあけるときに、うちの会計責任者が金庫の代理人になってもらうために、こういうお金が今入っているんだということを説明しました。それ以降は、鈴木特別秘書とうちの会計責任者で、借金の、その借りたお金を返済する段取りを木村氏と詰めてもらって、返済したという形であります。

○徳留議員 じゃ、鈴木秘書とその女性の会計責任者、二人ということですか。いかがでしょう。

○猪瀬知事 今いいました八月十日ぐらいに鈴木特別秘書にその話をし、そして人月二十四印ヒ金庫をあけるときに会計責任者に借金の話をしました。その二人しか知りません。

○徳留議員 それでは、次に、借用書の作成と返却をめぐる問題について質問をしたいと思います。お手元に資料をお配りをしています。借用書のパネルをご紹介をしたいと思いますが(パネルを示す)、借用書については、十一月二十二日に囲みの記者会見では、借用書はっくられているかと聞かれて、そうですと、借用してそして返済したことも記載されていますと知事は答えられました。十一月二十二日の定例記者会見では、貸した側は徳洲会か個人かわかりませんと、貸した側の名前は見ませんでしたと答えておりました。
 ところが、十二月十日には、お金を借りましたと書きました。徳田毅さんから借りたということだが、徳田毅という名前がどういう字で書いたか記憶してなかったということを、いいわけをされました。名前がどういう字で書いたかなど誰も気にはしておりません。貸してくれた相手は誰だったかということが質問の中心でした。本当にとぼけた発言だったと思うんです。とにかく、いうことがくるくる変わって、何が真実なのかわからない。記憶力の達人といわれている知事ですけれども、本当にくるくる変わっております。一体何が真相だったのか。今パネルに示してあるこの中で、一体これが本当なんだということがあればお答えください。

○猪瀬知事 僕は、そんなに変わっているというふうには思いませんが、借用書を書いた、そしてその借用書は、徳田毅氏個人の前で書いた。そのことの事実は全く変わりませんので、どういう文字で書いたのかということについて記憶がはっきりしていないだけであって、借用書そのものは、ごらんになったと思いますが、基本的には僕の認識は、徳田毅氏から目の前で五千万円を渡され、それを確かに借りましたというふうに書いたという、その記憶であって、おっしゃられているような、何か変わって、発言が推移しているというふうには思っておりません。

○徳留議員 この資料でもわかるように、この三つの、十一月二十二日、それから黄色の十二月二十二日、十二月十日を見て、何も変わってないというふうに理解することができるでしょうか。先日の私の質問で聞いたときには答えませんでしたけれども、返済したことも記載されているというふうに答えられました。何に返済されたことが記載されているのか、どういうふうに思って答えられたのか、お答えください。

○猪瀬知事 それは多分いい間違いで、借用書が戻ってきたということで、返済されているという意識でいましたということの表現の間違いだと思います。

○徳留議員 そのときに、誤解があったら直すと答弁されましたけど、その誤解があって直すといわれたのは、今の話なんでしょうか。

○猪瀬知事 借用書が返ってくるとレ}うことで、借金の関係は終わるんだという認識でありました。だから、その自分の書いた文字のものが返ってくるんだというふうに(発言する者あり)それは、借用書が戻るということは返済が記載されているんだという、そういう表現をしたということで、その表現に誤りがあれば訂正いたします。

○徳留議員 そもそも二十六日までは、借用書は書いたが、戻っているかどうか確認できないという答弁を続けておられました。その、戻っているからという説明は、その瞬間には成り立っていないと思うんですけども、どうでしょうか。

○猪瀬知事 借用書は戻っているというのは鈴木秘書から聞いておりましたが、それがどこに置いてあるのかとかいうことについて確認はしてなかったということです。

○徳留議員 しかも、そのときに、借用書と書いたといわれました。でも今、皆さんコピーを見てわかるとおり、知事が示したのは既にプリントされておりました。しかも、借用書ではなくて、借用証という、そういう文字になっておりました。しかも、借り主である猪瀬氏の住所は、町田の自宅ではなくて港区になっています。これが個人の借入といえるのか、大変おかしいことではないでしょうか。個人としての借入金として借りたならば、本来は借入書にサインすべきときは、自宅の町田市を書くべきだと思いますけれども、なぜ事務所を、港の住所にしたのか、お答えください。

○猪瀬知事 自分の名刺は、麻布の名刺でいつも仕事をしております。個人の自宅については、非公開にしています。

○徳留議員 今度の五千万は、個人として借入したといわれている以上、町田を書くのが当たり前じゃないでしょうか。それを、通常の仕事は港だからといって書くとしたら、これこそ疑われることになるんじゃないでしょうか。もう一度答えてください。

○猪瀬知事 自分の名前と住所は、基本的には自分は本名ですけれども、ペンネームのような意味合いがあり、そして麻布というのは、自分の実際に住んでいる、自宅ではないが、そこで暮らしている場所という意味で麻生は公開しております。そういうことで、ふだんは名前を書くときに自分の名前と麻布の住所を書きます。

○徳留議員 それでは、借用書をめぐって少し先に進みたいと思いますが、借用書を渡したはずの徳田毅氏あるいは徳田事務所からの借用書の返却ではなくて、なぜ木村氏から郵送で借用書が知事のところに届いたのか、大変大きな疑問です。貸し借りのある徳田毅氏に借用書を渡して、そして返すときも毅氏じゃなくて、虎雄氏の奥さんところに返して、そして借用書は、また別の木村氏から送ってくる。異常な姿だと思うんですけれども、なぜこういうふうになっているのか、ご説明いただきたいと思います。

○猪瀬知事 借用書は、徳田毅氏の名前で僕はお金を借りていますから、徳田毅氏側から借用書は返ってくるということで、徳田毅氏の秘書から木村氏がもらって送ってきた。で、徳田秀子さんは、借用書について認識はなかったのではないかと思います。ただし、お金を返したので、それは徳田毅さんのもとに返るだろうというふうに認識していました。

○徳留議員 それが常識的には通用しないんじゃないでしょうか。五千万のお金をめぐって借りて、借用書を渡して、そして九月二十六日に返した。返す先も、毅氏じやなくて秀子氏、そして借用書は木村氏を通じて返ってくる。これは世間には全く通用しないと思うんですよ。どういうふうになっているのか。

○猪瀬知事 それは、木村氏が徳田毅氏を、連絡うまくとれたらきっとそうなったんでしょうけれども、それはあと想像するしかありませんが、徳田秀子さんの方に連絡がとれたので、お返ししたんだと思います。

○徳留議員 前回の総務委員会でもそれを聞いたら、鈴木秘書に聞いてくれといわれて、きょう私は午前中聞きました。そうしたら、木村氏が借用書があるところを知っているから、そこに連絡をとって送るということだったといわれました。この関係自身も、一体どうなっているのか。なぜ木村氏がしょっちゅう登揚するのかも、大変大きな疑惑だというふうに思います。それでは、返却はいつ、どこで行われたのか。報道では、木村氏の発言として、夜、ホテルニューオータニで、木村氏立ち会いのもとに徳田秀子女史に渡したと伝えられておりますけども、本当でしょうか。

○猪瀬知事 これは僕が直接立ち会ったわけでないので、鈴木秘書の報告では、今おっしゃられたことだというふうに理解しております。

○徳留議員 私は、鈴木秘書に会って聞きました。五千万の返却は、実際には二十六日ではなくて、二十五日に返しに行ったということを会ったときにいわれました。木村氏が二十六日に返却したといラ報道と違うわけです。そして、きょうの委員会資料も、そう訂正されています。で、私どもが入手できる二十五日の公有車の運行記録を見ます。お手元にあると思いますが(パネルを示す)、二十五日の運行記録を見ていただきたいと思います。そうしますと、鈴木秘書は、午後五時十五分、公有車を使って、午後四十分には千代田区内に着いています。これはホテルニューオータニだと思います。そして、七時十五分に都庁に戻っています。ちなみに、都庁から千代田のホテルニューオータニは片道六キロ、したがって往復十三キロですから、この記載されていることと符合します。問題は、五千万の返却に公有車を使っているわけです。おかしいんじゃないでしょうか。五千万を返却したことは公務だということになってしまいますけど、こういうことが許されるんでしょうか。知事はどうでしょう。

○猪瀬知事 僕が都議会の代表質問、一般質問の日で、一目中拘束されているときでしたので、かわりに鈴木特別秘書がその仕事をやってくれたというふうに思っておりますが、そのときに、いつ、どの時間に行ったかについては、僕は認識は余りなかったんですが、とにかく後で報告は受けたということです。

○徳留議員 直接の知事の部下である鈴木秘書がこういうことをやっているわけですよね。知事が知らないというわけにいきませんよ。監督責任も問われると思います。そういう点では、しっかりと確認をして、厳しい改善を求めておきたいと思います。どうでしょうか。

○猪瀬知事 まず、僕が代表質問、一般質問で議会で動けない状況の中で、かわりに仕事をしてもらったという形になりますが、そういう仕事をある程度こなさなければならないときに、知事のかわりに仕事をしてくれたということになります。

○徳留議員 知事のこの間の答弁は、資産等公開条例もそうですけども、都の職員としての規律、条例などに対して、本当に無頓着だと思うんですね。みずからトップに立って、率先垂範しなければならないのに、大変曖昧な答弁をされております。本当に問われると思います。そこで、"借用書の問題について、ちょっと突っ込んで聞きますが、借用書は、鈴木秘書が返しに行ったときにその場になかったと。同席した木村氏が、徳田毅議員の秘書のところにあるものを引き取って郵送したということになっています。でも、大変おかしいのは鈴木特別秘書が、借用書は徳田議員の秘書が持っているとしたら、それを木村氏に任せて、郵送で取り寄せるなどということは本当におかしいと思います。
 そもそも、大事な借用書の返却が普通郵便だったというのも常識では考えられません。書留とか配達証明にするのが当たり前だと思うんですよ。それが普通郵便だった。これも異常だと思います。さらにいえば、猪瀬事務所と徳田毅氏の国会事務所は直線距離でニキロぐらいしかありません。溜池山王から青山墓地のところを通れば、もう本当にすぐなんです。木村氏が住んでいるというか、事務所は、新宿の下落合に一水会があります。ここも猪瀬事務所とは七キロぐらいです。ニキロといえば、この都庁から高田馬場ぐらいなんです。それをわざわざ郵便で送るというのは、一体どういうことなのか。普通だったら、とりに行くか持ってくるか、それが常識だと思います。一体、知事はこういうやりとりをどういうふうに受けとめておられるんでしょう。

○猪瀬知事 紙一枚を送るだけですから、郵便が便利だと思ったんでしょう。

○徳留議員 紙一枚といったって、紙切れ一枚じゃないですよ。五千万の借入金の借用書を返してもらうわけでしょう。それを、紙切れなんだから郵送で一番便利でしょうって、それは通用しないと思うんですよ。 逆にいえば、普通郵便であれば証拠が残らない。実際に、この借用書を返済されてきた 封筒、そういうものがどうなっているのかと聞いても、破棄して、ないといわれています。そうすると、本当にこの借用書が本物だったのかというのは、私たちも確認しようがないんですよね。
 場合によっては、この借用書を送った封筒がとんでもないところの住所であるかもしれない。それも確認しようがないんです。知事は本当に、借用書が普通郵便で送ってきても当たり前だという受けとめなんでしょうか。

○猪瀬知事 うちのスタッフに、大体、普通の郵便と書留や配達証明とどのくらいの分量なんだと聞きましたら、ほとんど書留や配達証明はないといっていました。大体そんなもめらしいです。普通に郵便が来たというだけのことです。

○徳留議員 十一月二十二日から十二月の二十六日にかけて、この借用書をめぐる説明が大変、二転、三転をしました。マスコミで報道もされて、借入金としての説明が迫られました。しかし、実際には借用書が存在しなかったんではないかという疑惑もあります。そこで、急遽対応が迫られて、木村氏と相談した結果、借用書なるものを作成することになったんではないか。その作業を木村氏が担って作成して、その借用書なるものが郵送で届いて、初めて借用書現物の中身を確認することができて、それが十一月二十六日で、この現物なるものをかざして、ようやく説明が成り立ったと、そういう経過があるんじゃないでしょうか。知事どうでしょう。

○猪瀬知事 徳田毅氏の前で借用書を書いたのは本人ですから、借用書は間違いなくあります。そして、お金を返したら借用書が戻ってきた。これは非常に、ある意味ではシンプルな出来事であります。で、借用書について、徳田毅さん側に聞いていただければ、借用書を書いたということはわかりますよね。

○徳留議員 知事はシンプルだといわれたけども、多くの都民や私たちから見ると、大変奇1蚤な、普通の常識では理解できないような金の動きと借用書の動きになっているわけですよね。そこに疑惑が湧く。今回の徳洲会からの資金提供が、やましいお金ではなくてちゃんとした借入金であれば、借用書もきちんと作成して、資産公開もちゃんとやると。政治資金収支報告書などに記載すれば、何の問題も起きなかったんですよね。それがこういう大問題になっている。知事の進退問題にもなっている、そこに、今度の五千万の資金提供が裏金ではなかったのか、そして徳洲会グループは、これを徳洲会マネーとして裏献金として処理をしたかったんではないか。そこになかなか証拠が残るような借用書などを公然と書くわけがないんじゃないか、そういう疑惑が残されていると思います。
 こうした徳洲会マネーの裏献金としての処理の仕方は、徳洲会にとっては、昨年の十一月十九日、理事長の徳田虎雄氏が、足がっかないようにと指示したと報道されているように、金融機関は通さない、使わない、現ナマで受け渡しする。借用書は作成しない、残さない。資金の管理は、金融機関ではなくて貸し金庫を利用する。そういうことなんですよ。余りにもそれに似ている。だから、多くの皆さんが疑惑の目で見ているんじゃないでしょうか。知事は、そういう徳洲会マネーの動きについて、どういうふうに受けとめておられるでしょう。

○猪瀬知事 そういう一般的な事柄はあるかもしれないけれども、自分にとっては借用書を書いてお借りして、そしてお金を返して借用書が戻ってきたと、これは問違いない事実であります。

○徳留議員 それでは、もう一つ借用書の返却経過にかかわって、お手元の資料をごらんになっていただきたいと思います。
 (パネルを示す)ここに書いてありますように、借用書は九月二十六日ごろと知事はいわれました。鈴木さんに聞いたら、二十五日が返却で、二十六か二十七といっておられました。それをわざわざ鈴木秘書から知らされたといっておりますけども、そもそも届いた報告を受けたのは、最初は鈴木秘書から受けた、次は事務所スタッフから受けたと。これは代表質問で我が党の議員に答えました。総務委員会では、スタッフから鈴木秘書を経由して知事にということになっております。
 改めて聞きますけれども、どれが本当なんでしょうか。この借用書が報告をされた経過、どれが本当なのか、お答えください。

○猪瀬知事 これは非常に簡単なことで、鈴木特別秘書から、借用書が戻っているよというのは、お金を返した後にしばらくして僕が聞いています。それでもう話は終わったと思って、僕はほとんど忘れておりました。(発言する者あり)いや、スタッフから報告を受けたというのは、スタッフから鈴木秘書に報告があり、鈴木秘書から僕に報告があったということでありまして、基本的には、もうお金が返却した時点で借用書は返ってきたということを、報告を聞いた時点で僕もすっかりもう過去の話に僕の頭ではなっておりましたので、それ以後は余り考えておりませんでした。

○徳留議員 借用書が返ってくるということは大変なことですよね。しかも、いろんな方から間接的に聞いたということになっています。しかし、この借用書が届くだろうと思われる九月の二十六日から、少し見て九月の三十日まで、お手元にある資料の中にもありますけれども、公用車の運行記録を見ますと〜知事は毎日のように猪瀬事務所に出向いております。しかも猪瀬知事は、とにかく事務所に届いたさまざまな書類は全て自分の目で見ると聞いております。その知事が、毎日のように都庁から事務所にも行っている。この公用車の記録を見れば、そのようになっております。二十分というときもあります。そのときに直接事務所で借用書が返ってきていますよと聞くことはなかったんでしょうか。
○猪瀬知事 都議会の代表質問と一般質問が続いていましたので、そのことで結構疲れていましたので、借用書の話は頭にはありませんでした。

○徳留議員 委員長は、この借用書の返還をめぐるさまざまな動きに対してどう答弁しているかといえぱ、僕が都庁にずっといますので、だから鈴木秘書から間接的に連絡があるんだという、そういう答弁でした。でも、借用書が郵便で届いた時期、すなわち九月の二十六日から九月三十日の問は、知事は、事務所にも毎日のように出かけているんですよね。しかも、事務所に届いたあらゆる書類には全て自分で目を通すと、多くの皆さんが見ている知事が、本当に現物を見ることはなかったのか。どうなんでしょう。

○猪瀬知事 郵便物はたくさん届きますから、逐一自分がチェックしているわけではありません。

○徳留議員 じゃ、事務所に送られてくる郵便物、これも事務所に行きましたから見ましたけども、一つのステンレスのポストに、一つだけありますけれども、そこに投函される書類は整理をして、関係者にちゃんと連絡するのは、一体誰がやっていらっしゃるんでしょう。

○猪瀬知事 うちのスタッフが整理していますが、大体廃棄するものが多いというのが、いろんな広告を含めて、あるいはPRのものとかいろんなものが多いので、基本的にはスタッフが整理して、必要なものと必要でないものを分けたりして、そしてそれを週末に整理したり、あるいは週明けに整理したりしております。ですから、うちの会計責任者の女性が、たしか十月一日ですよね、貸し金庫に入れたのが。気づいて貸し金庫に入れたんだということだと思います。

○徳留議員 いろんな郵便物が投函をされると。猪瀬事務所は表札もありません。大きなステンレスのポストになっておりますから、いろんなもの入ってくると思うんです。それをしっかり整哩して、何が大事で何が廃棄してもいいのか、ちゃんとやらなければ、こういう借用書という大変大事なものが、大事な関係者のところに渡ることにならないと思うんですよね。
 それが、直接の当事者である知事に伝わらなくて、間接、間接で回ってくる。そこにも、ひょっとしたらそういうものはなかったんじゃないかと疑われる状況があるんですよね。本当に見ておられないんでしょうか、直接。

○猪瀬知事 会計責任者が確認してくれたから貸し金圃こ入っているわけであって、とりあえずその前に鈴木特別秘書から、借用書は戻ってきているんだよという報告がありましたから、もうそれで特に僕は確認しなかったわけです。

○徳留議員 そうしたら、その会計責任者、女性の方は、知事に…現物を見せないで、いきなり貸し金庫に保管をされているんでしょうか。そんなことってあるんですか。

○猪瀬知事 貸し金庫に女性のスタッフが入れたということは、後で聞いた話です。

○徳留議員 だから、そういう大事なものがね、一番の責任者である知事を通さないで保管をされているというところに、また疑いの目が広がっていくんじゃないでしょうか。結局どう考えてみても、誰が見ても、借用書、本当に存在したんだろうか。しかも、この借用書の中身もですね、どこでもつくれるような、そういう中身になっているわけです。これまで本委員会の質疑で、都民の、そして都議会の疑問にまともに答えようとしないで、みずからの発言が事実であるといいながら、その証拠もまともに示すことができませんでした。知事は、ひたすら事実を覆い隠そうとする、そういう立場に立っているんではないか。多くの都民は、絶対に知事の態度を容認することはないと思います。ますます知事に対する批判、都民の批判の声が広がると思います。我が党は、事実を明らかにするために、引き続き疑惑追及に全力を挙げることを申し述べて、質問を終わりたいと思います。