2015年第1回定例会文書質問趣意書 3月25日

徳留道信(板橋区選出)

一、米軍横田基地の運用・訓練問題と整理・縮小・返還問題について

 日本共産党都議団は、一定の代表質問、予算特別委員会で、米軍横田基地において、軍用機による危険な飛行と訓練がここ数年強まり、これまでなかった大規模なパラシュート降下訓練がくりかえされていること、そのもとで事故の発生と騒音の増大への不安が、基地周辺の住民に広がっていること、人口密集地に70年間もの間、米軍基地が居座り、危険な飛行や訓練をおこなうという異常な状態が、続いていることへの認識をうかがい、本気になって米軍基地の整理・縮小・返還に取り組むよう求めて質問しました。
 その上に立って、横田基地の運用・訓練、米軍基地の整理・縮小・返還に関して、質問します。
 いま東京・首都圏は、横田基地や厚木基地などを中心にして、「沖縄の負担軽減」ということを口実にして、オスプレイなど米軍の飛行と訓練の「日常化」が進みつつあります。
 「安全保障の厳しさ」や「国の専管事項」という言葉で、住民の安心安全を危険にさらす事態を放置して、自治体としての独自の責任を曖昧にすることは許されません。
 知事は、住民の安全・安心を脅かすような横田基地の運用や訓練について、「日米安全保障体制」のため、「地域の平和と安全」のためと答弁しています。
 しかし、横田基地は、ベトナム戦争以来、アフガニスタンやイラクなどでのアメリカの侵略戦争を進めるうえで中心的役割を果たしてきています。
 横田基地には、在日米軍司令部、第五空軍司令部があるほか、C130輸送機などの常駐機と巨大輸送機C5や、各地の戦闘機などが利用する中継出撃基地となっています。
 イラク戦争でも、横田基地から空軍の整備・通信・建設・医療要員が派兵され、空からの攻撃を支えています。米本土と戦場との輸送中継拠点として、軍事物資や兵員を大量輸送し、イラクやアフガニスタンでの戦争を進めるテコになっています。
 在日米軍は、2004年12月から2012年3月までの期間に、アフガニスタンやイラクに繰り返し出撃し、派遣した人数は、延べ7万7千人を超えていることが、17日の参議院予算委員会のわが党の質問でも確認されています。

Q1 アフガニスタン戦争は、アメリカによる報復戦争であり、イラク戦争は、「大量破壊兵器の所有」という虚偽の口実による無法な侵略戦争でした。このような戦争に横田基地から部隊が参加していることについて、「地域の平和と安全のため」と言えるのですか。認識をうかがいます。

 近年、パラシュート降下訓練が、横田基地で急増しています。地元の平和委員会など周辺地域の市民グループの監視活動によると、2012年には延べ降下人員で約600人、2013年には、延べ降下人員約300人、2014年には、延べ降下人員567人となっています。夜間の降下訓練もやられています。今年に入っても、降下訓練が繰り返され、1月だけでも市民グループの監視によると、37人の降下人員になっています。
 横田基地でのパラシュート降下訓練の規模は、住民の反対で訓練中止となった沖縄の読谷補助飛行場の18年間の降下訓練人員総数は延べ6878人、年平均382人、また、読谷補助飛行場から代替された嘉手納基地の14年間の降下人員総数は延べ307人であり、沖縄県での降下訓練の年間平均を大きく上回る異常な規模です。

Q2 横田基地で年間100人を超えるパラシュート降下訓練が開始されたのは、いつからですか。

Q3 大規模な訓練の開始にあたって、米軍などから、都をはじめ、関係自治体に対して、説明や意見の聴取等はあったのですか。
 もし説明や意見の聴取もなく、一方的に実施しているとしたら、米軍及び政府に説明や意見の聴取を求めるべきだと思いますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

Q4 横田基地でのパラシュート降下訓練は、日米地位協定に照らして、どのような法的根拠に基づいて実施されているのか、国から聞いているのですか。
 聞いていない場合、都としてどのように判断するのか。また、法的根拠について、都として国に説明を求めるべきだと思いますが、いかがですか。
 それぞれお答えください。

Q5 横田基地でのパラシュート降下訓練は、横田基地における重要な運用変更ではないかと思います。日米地位協定にも基づき、日米合同委員会での協議と合意が必要ではないかと考えますが、いかがですか。

Q6 都は、この間、国及び米軍に対する要望として、「日米地位協定都の運用について適切な見直しを行うこと」という項目を設け、第25条について「日米合同委員会の場で、施設及び区域の運用等に関して、地元自治体の意向を聴取し、それを協議することを明記すること」を求めています。
 「施設及び区域の運用等」とは、具体的にどのようなことをさしているのですか、お答えください。

 さらに横田基地は、アジア・太平洋区域を受け持つ米太平洋空軍の中継拠点基地としての役割を担い、航空自衛隊総司令部も配備されて、ますます日米の軍事的一体化を強めています。
 そういう中で各種の軍用機の横田基地への飛来・離着陸が、福生市の調査によると、2012年には約8千回だったものが、2013年、2014年には、約1万1千回を大きく超え、昨年は、この10年間で最高となるなど激増すると同時に、基地周辺での低空飛行や旋回飛行などによって、騒音が増大し、部品の落下事故も頻発しています。
 横田基地周辺の航空機騒音は、1月9日に都が行った横田基地への騒音防止対策の要請によると、16ヶ所の都の定点調査結果で2009年以降、2013年までの5年間で16ヶ所中、4ヶ所が毎年のように環境基準を超えています。しかも、その内の2ヶ所である昭島市役所、瑞穂町農畜産部直売所は、環境調査以来、35年間、環境基準に適合しない状況が続いています。

Q7 今年度、都が行った米軍及び国に対する「横田基地対策に関する要望書」では、騒音防止対策についてのまとまった要望を行っています。これに対して、米軍、国からはそれぞれの項目について回答が会ったのですか。回答があったとしたら、その内容はどのようなものだったのですか。それぞれお答えください。

 米軍基地の整理・縮小・返還の問題に関連し、具体的な取り組みについて、うかがいます。都は米軍基地の整理・縮小・返還について、わが党の代表質問に対して、「都内米軍基地の整理、縮小、返還や横田空域の早期全面返還を求める都の方針は何ら変更しておらず、引き続き国に対して働きかけをおこなう」と都は答弁しています。
 しかし、この10年間をとってみても、神奈川県では、県内の米軍基地の中で2ヶ所の全面返還と、5ヶ所の一部返還が実現していますが、東京ではほとんど返還について進展していません。とくに市長会からも強い要望のある多摩サービス補助施設と、港区からも要望の強い都心の赤坂プレスセンターンについては、都も即時返還を求めています。多摩サービス補助施設については、レクリエーション施設の機能しかなく。安全保障の厳しさを口実にすることは成り立ちません。

Q8 なぜ返還が進展してないのか、都の認識をうかがいます。合わせて、関係自治体と一体になり、住民世論も広げて、強力に働きかけるべきだと思いますが、都の見解をうかがいます。

Q9 横田基地へのオスプレイの飛来・訓練について、米軍への情報提供を求めるのは当然ですが、神奈川県が南関東防衛局からの情報提供を機敏に県のホームページで公表しているように、都としても北関東防衛局からの情報提供については、ただちに都のホームページなどで都民に公表すべきではありませんか。いかがですか。

 以上