文書質問 二〇一五年都議会第二回定例会 六月二二日

あぜ上三和子(江東区選出)

都内公立小中学校及び都立高校・都立特別支援学校のトイレの洋式化について

 子どもたちが長い時間をすごす学校の環境整備は、不可欠な課題です。そのなかでも、トイレは子どもたちが一日に何回も使用する場所であり、子どもたちや保護者から「早く洋式トイレを増やしてほしい」という声が寄せられています。
 いま一般家庭のトイレの洋式化率は、90%をこえているにもかかわらず、例えば江東区では平成26年12月の時点ですが小学校の洋式化率で60%、中学校で55%と、家庭と学校との間には大きなギャップがあるのが現状です。
 ある小学校の関係者から、「洋式のトイレが少なくて、その前に行列ができ、休み時間に間に合わず、結局そのまま教室に戻る子がいるので早急に洋式トイレを増やしてほしい」という声も寄せられました。
 また東日本大震災において多くの学校が避難所としての役割を果たしましたが、避難所となった福島県、宮城県の学校への文科省調査では、問題となった施設の第一位がトイレだったという結果が示されました。
 子どもたちのより良い教育環境のため、さらには地域の避難所としての役割を果たすためにも早急に学校トイレの洋式化等を進めることを求めるものです。
 以下、具体的に伺います。

Q1.現在、トイレの洋式化率は、都立高校で42.8%、特別支援学校で75.5%ですが、あと何年でどこまで洋式化率を引き上げる計画ですか。

   また避難所となっている都立学校もあることから、体育館のトイレの洋式化も急ぐ必要があると考えます。昨年12月、国立教育政策研究所文教施設研究センターの調査では、体育館のトイレの整備状況は高校で約7割で、そのうち洋式化率は6割となっており、体育館トイレの設置と洋式化は待ったなしの課題となっています。
Q2.都立学校の体育館のトイレの設置状況と洋式化率は、どうなっていますか。

 さらに、車椅子使用など障害のある生徒や、性同一性障害の生徒などのために、全ての学校に多目的トイレ設置が求められています。また、地域の高齢者や障害者等からも要望されています。
Q3.都立学校における多目的トイレの現況と、全校設置についての見通しをお示しください。

Q4、都は、大規模改修や老朽化したトイレ設備の改修工事に合わせて、洋式トイレの整備を進めるとしていますが、近い時期に改築・改修予定のない都立学校については、トイレの洋式化を優先的にすすめていただきたいと思います。いかがですか。

 都内の公立小中学校の洋式化率は、設置者が同じでも学校間のアンバランスが大きくなっています。大規模改修や改築にあわせての改修が中心のため、改修・改修予定が具体的に決まっていなかったり、予定があっても何年も先の学校の保護者からは、見通しが持てない、何とかならないかとの声が寄せられています。自治体によっては、配管などの関係で各階1か所ずつの洋式化にとどまるなど、なかなか進まない状況もあるとうかがっています。
Q5、都内公立小中学校のトイレの洋式化率の実態調査を求めます。

Q6、公立小中学校も都立学校と同様に、多目的トイレの設置が要望されています。2013年5月1日現在の設置数は、区市町村立小学校は全学校数1299校に対し896室、中学校は全学校数620校に対し474室でした。現在はどの程度すすんでいますか。小学校、中学校の全学校数、多目的トイレ設置校数、多目的トイレ数について最新の状況を教えてください。

 トイレの洋式化が大規模改修や改築に合わせて行われるのは、効率的に工事を行うという面もありますが、トイレ改修も含めた国庫補助の対象となる工事の下限が400万円であり、小規模な改修は補助の対象外となってしまうという事情もあります。
Q7、市長会からも改築・改修の国庫補助の下限額の引き下げや対象工事の拡大などが要望されています。都としてもこれらのことを国にくり返し求めていただきたいと思いますが、いかがですか。

Q8、都として、国の補助への上乗せ補助や国の補助の対象外となる工事への、きめ細かい補助をおこなうことを求めます。

以 上