文書質問趣意書 二〇一五年第二回定例会 6月22日

吉田 信夫(杉並区選出)

米軍横田基地とオスプレイ配備について

 オスプレイの配備が計画されている米軍横田基地は、1945年に米軍が駐留するまでは、面積約446万u、滑走路1280mにすぎませんでしたが、それが今日では、面積約714万u、滑走路3350mの巨大基地となっています。これは、駐留した米軍によって基地拡張がすすめられた結果であり、そのために多くの住民が立ち退きを余儀なくされました。
 オスプレイ配備計画に当たり、あらためて、沖縄県だけでなく東京・横田でも住民が犠牲になってきた経過を直視する必要があります。
Q1、1945年以降の基地拡張面積と滑走路の延長距離、拡張にともない立退きを余儀なくされた住宅数を、年次ごとに明らかにしてください。

Q2、配備された戦闘機の振動によって窓ガラスがわれ入浴中の女性が負傷するなど痛ましい被害によって、掘向地区では住宅や商店街など地域ごとに移転を余儀なくされましたが、その経緯、移転した戸数を明らかにしてください。

Q3、1946年の横田基地開設以来、駐留米軍機及び基地に飛来した米軍機によって事故がくりかえされ、住民の命と生活が脅かされてきました。あらためて事故の歴史を直視する必要があります。埼玉県など近隣地域も含め以下の事故の実態を明らかにしてください。@駐留及び飛来機の墜落件数、A死傷者を発生した事故件数及び死傷者数、B部品等の落下事故件数及び住民への被害件数。

Q4、米国防総省は、軍用飛行場滑走路の周辺に事故発生の危険性が高い地域を、危険度のレベルに応じて指定するよう規定しています。規定では、滑走路から900mのエリアは最も事故発生の危険が高く、土地利用を禁止した地域(「クリアーゾーン」)に定め、さらに1500mは事故の可能性の高い地域として(「APZ1」)、住宅、学校、病院、公民館などを禁止しています。
 横田基地でのクリアーゾーンやAPZ1などの設定について、私は2010年10月の総務委員会で質問しましたが、担当部長は「国へ、個別の話も含めまして照会を続けていきたい」と答弁しました。照会の経過と結果について明らかにしてください。横田基地での米軍の地域指定はどのようになっているのですか。

Q5、宜野湾市では米軍関係資料を調査し普天間基地でのクリアーゾーンやAPZ地域を公表しました。横田基地の場合、私の調査では、クリアーゾーン内に住宅はもちろん、駅1ヵ所、保育園1ヵ所。APZ1エリアには、小学校1校、中学校1校、専門学校1校、保育園所・幼稚園3箇所、医療施設3箇所、高齢者施設1ヵ所、障害者施設1ヵ所、都営住宅2か所があると思われます。都はどう認識していますか。

Q6、知事は、米軍によって墜落や部品落下などの被害がくりかえされ、米本土では住宅や学校などが禁止されている事故可能性地域に住宅、学校、保育園もあるという横田基地の危険性について認識を質問したにもかかわらず、答弁にたちませんでした。答弁にたった都市整備局長は、危険性への認識は表明されませんでした。
 しかし東京都発行の「東京の米軍基地2014」では、「市街地に位置し、航空機による事故が発生すれば、周辺住民の生命や財産に直接損害を与える大惨事になりかねないだけに、極めて深刻な問題である」と記載されています。知事は、横田基地の危険性についてどう認識しているのですか。
Q7、オスプレイによる夜間訓練や旋廻訓練だけでなく、国会での質疑で明らかになった超低空飛行訓練による危険への認識を聞いたにもかかわらず、都市整備局長は、「低空飛行訓練についても原則として地上から約150m以上の高度で飛行することになっている」と答弁した。しかしわが党の国会質問で、最も高い障害物からわずか30mあるいは60mの超低空飛行訓練を行うことを政府は認めました。また沖縄県では150m以下の飛行がくりかえされてきました。150m以上はあくまで原則であり、150m以下の飛行も行うという認識を都はもっているのですか、それともまったく飛行しないという認識なのですか。150m以下での超低空飛行訓練の危険性について都の認識をうかがいます。

Q8、知事は、「安全保障に関することは国の専管事項であるが、米軍の運用に際しては、地元住民の生活への最大限の配慮が必要である」と答弁しましたが、自治体の長は、米軍の運用にしか意見を表明できず、配備自体の中止や撤回を求めることはできないとう認識ですか。そう認識するならその法的根拠を示してください。法的に自治体の長が配備の撤回を求めることができると認識するなら、なぜCVオスプレイ配備計画について配備撤回を求めないのですか。

Q9、米軍基地をかかえた自治体は、新たな米軍機の配備によって、住民の命と安全、財産が脅かされかねないと判断される場合には、国に配備撤回を申しいれてきました。沖縄県では、県知事を先頭に島ぐるみで辺野古への新基地建設に反対する行動が進められています。知事は、こうした行為は国の専管事項を脅かすもで、適切でないとの認識ですか。
 住民の命と安全、財産や環境を守るために、国にたいし新基地建設や米軍機の配備撤回を求めることは、自治体の長として当然の行為ではありませんか。お答えください。

以上