文書質問趣意書 2015年第2回定例会 六月二二日

尾崎あや子(北多摩第一選出)

      多摩地域の教育・子育て環境・認知症疾患対策について

(1)小中学校のクーラー設置について

 小中学校のクーラー設置について質問します。
 「小中学校の普通教室には都の補助もあり、遅れていた多摩地域でいっきにクーラー設置が進んで良かった。感謝しています。今度は、特別教室にクーラー設置をしてほしい」との要望が広がっています。
 この間、私は地元の小中学校の聞き取り調査をし、都議会本会議などで特別教室へのクーラー設置補助を求めてきました。小中学校からの聞き取りでも、「扇風機も止めて火を使う実験や暗幕をしての授業が必要な理科室、火をつかって調理する調理室、美術室などへのクーラー設置が急がれる。夏でも必要な授業なので、生徒が汗だくになって授業を受けている。集中するのにがんばっているがかわいそうだ」と校長先生から、切実な要望が出されました。
 東京都教育長が、6月15日付けで「東京都公立学校施設冷房化支援特別事業実施要綱の一部改正について」を区市町村教育委員会教育長あてに通知したことは、大きな前進です。早速、私のところに「特別教室の対象を拡大していただき、良かった」と感謝の声も届きました。
 地元の校長先生からは、特別教室以外でも「不登校になっている生徒への指導や日本語指導をしている学習相談支援室など毎日使う教室や、吹奏楽部の部活で毎日使う第二音楽室、プライバシーを守るためにドアや窓を閉め切って行う教室相談室にもクーラーを設置して欲しい」「数学の習熟別教室(少人数教室)は3つに分けているが、そのうち1グループはクーラーのない教室を使わざるを得ない状況。生徒が集中できるようクーラーをつけてあげたい」など、クーラー設置が必要な部屋があると要望が出されました。
 また、用務員や警備の人が使う事務室は、「夏は蒸し風呂状況になっている」「扇風機の風が作業の妨げになるため止めて汗だくで仕事をしていて大変」という声も寄せられました。地元の日本共産党東村山市議団が市内全ての小中学校の用務員室を調査するなかで「熱中症になった人が2人もいた」という実態も明らかになりました。
 学習相談支援室、教育相談室なども補助の対象にすべきですが、いかがですか。

 用務員や警備員の事務室なども補助の対象にすべきですが、いかがですか。

 国の補助制度が使えない400万円以下の工事も補助の対象にすることを求めますが、いかがですか。

(2)私立幼稚園等園児保護者に対する補助制度について

 私立幼稚園等園児保護者に対する補助制度について質問します。
 東京都私立幼稚園連合会が作成した「平成26年度東京都区市町村別補助金調査一覧表」によれば、私立幼稚園の保育料の補助は非課税世帯の第1子の場合、新宿区は月額21、200円で、そのうち都の補助が6、200円、区の上乗せは15、000円となっています。江戸川区は26000円で区の上乗せは19、800円で、23区で保護者への補助はのきなみ13、000円を超えています。一方、多摩地域では一番多い武蔵野市でさえ11、200円で市の上乗せは5、000円です。私の地元である東大和市は8、300円で市の上乗せは2、100円だけです。このように区市町村の上乗せの金額で、大きな差が生まれています。
 また、入園料については、都の補助はありませんが、23区のうち20区が補助を行っています。一方、区市町村では、13市で補助がありますが、金額は少額であるため、保護者の負担は重くなっています。
 市長会からは「私立幼稚園等園児保護者に対する補助制度の再構築及び拡充について」東京都に要望が出ています。多摩地域における私立幼稚園の役割の大きく、保護者の保育料負担の実状を踏まえた負担軽減が図られるよう、補助制度の再構築が求められています。
 保護者負担を軽減するため、都の私立幼稚園等園児保護者に対する補助制度の拡充を求めますが、いかがですか。

 同じ東京に住んでいながら、地域によって負担に大きな差があってはならないと考えます。「安心して子育て」するために、都として私立幼稚園の入園料補助金を創設することを求めますが、いかがですか。

(3)認知症疾患対策について

 認知症疾患対策について質問します。
 私は、昨年亡くなった義母を11年間、介護(認知症)してきました。認知症が病気であることを学ぶことからはじめ、どう対応すればいいのかと悩み地元自治体主催の「認知症サポーター」研修に参加しました。介護に携わっている施設や職員の方々に助けていただき、感謝しています。私の周りでも認知症になる方が増えています。
 東京都の推計では2025年には都内の認知高齢者は約60万人になるとされており、支援の充実は急務です。
 都は、総合的な認知症施策の推進として、認知症疾患医療センターを区市町村(島しょを除き)に1ヵ所ずつ設置するなど前進していますが、認知症の予防や早期発見・早期対応、適切な医療の提供をさらにすすめることが重要であり、医療関係者などの人材育成を、もっとすすめる必要があります。
 都が今年度から板橋区にある健康長寿医療センターに「認知症支援推進センター」を設置し、認知症支援に携わる医療専門職などのための研修を行い、他の医療機関(認知症疾患医療センター)が行う人材育成への支援も行っていることは重要です。同時に人口の多い東京ではこうした役割を持つ医療機関は複数必要です。
 「長期ビジョン」でも、多摩地域について「都心部に比べ高齢化も進んで」いることを明らかにし、福祉・医療などのサービス需要の増加を指摘しています。多摩地域の人口は420万人、静岡県よりも多く、福岡県に次ぐ全国10番目に相当します。多摩地域にも「認知症支援推進センター」を設置すべきだと思いますが、いかがですか。

 多摩地域に、東京都認知症疾患医療センター指定病院は2次保健医療圏ごとに5ヵ所ありますが、都立病院や都の保健医療公社病院は1ヵ所もありません。
 一方23区、東京都認知症疾患医療センター指定病院は7ヵ所ありますが、都立松沢病院、東京都保健医療公社荏原病院、東京都健康長寿医療センターが指定されています。
 多摩地域の都立多摩総合医療センターや都立神経病院、東京都保健医療公社の多摩北部医療センター、多摩南部地域病院を、認知症疾患医療センターとして位置づけていくことを求めるものですが、いかがですか。