2016年第1回定例会 文書質問趣意書 3月23日

あぜ上三和子(江東区選出)

一、特別支援学校の体育・スポーツ振興について

 障害者スポーツ振興の上で、12000人もの生徒が学ぶ特別支援学校での障害者スポーツのより一層の強化が求められています。
Q. 長期ビジョンでは、特別支援学校を重視し、スポーツ教育・部活の充実、地域の障害者スポーツの拠点とすることを打ち出しています。大切な提案と思いますが、そのために具体的にどのように取り組むのですか。

回答 都教育委員会は、平成28年度、都立特別支援学校20校をスポーツ教育推進校に指定しました。スポーツ教育推進校では、専門の指導員を招へいするなど、ボッチャやブラインドサッカー等、これまでに児童・生徒が取り組む機会の少なかった種目を、授業や部活動等に取り入れていきます。
 また、都立特別支援学校を地域における障害者スポーツの拠点の1つとするため、オリンピック・パラリンピック準備局が実施する都立学校活用促進モデル事業と連携し、モデル校となる5校の都立特別支援学校において、障害者スポーツ団体が利用しやすくなるよう、必要な整備を行っていきます。

Q. 拠点校だけでなく、特別支援学校のすべての子ども達の体育・スポーツ教育推進に努めていただくために力を入れていただきたいと思います。とりわけ特別支援学校は、現在、複数の障害種が併置される学校が増えていますが、体育館やプールは1つしかないため、廊下で体操をやらざるをえない学校もあります。プールも加温設備があれば、気温や水温等の条件を整えやすく、入る日数を増やすことができますが、加温設備のある学校は、特別支援学校56校中3校しかありません。
 年に、2〜3回しか入れなかったなどプールの使用回数が少ないのが現状だと聞いています。特別支援学校の体育・スポーツ施設の現状をどう認識していますか。

回答 都教育委員会は、これまでも、特別支援学校の障害種別や立地条件等に応じて学校体育施設の整備を行っています。
 特に複数の障害種別教育部門を設置する学校においては、学校の規模等を考慮しながら、必要に応じて体育館を複数設置しています。プールについては、障害種別や立地条件等に応じて屋内に設置し、必要な場合には、加温設備を整備しています。あわせて、指導計画の工夫や学習集団の弾力的な編成を行うなど、体育館やプールの有効活用を図り、円滑かつ適正な体育指導を実施しています。
 引き続き、各学校の実情を踏まえて、適切に教育環境の整備を行っていきます。

 たとえば、江東特支のプールです。江東特別支援学校は、1979年に校舎ができたようですが、その当時の高校生は24人、今は142人です。来年度から高等部単独の学校となりますが、現状ではプールの広さは10m×15m、
 水深は、82〜132cmと浅く、高等部の生徒には適切ではありません。
 またプールの屋根は開閉式ですが、すでにさび付いていて危険で天井窓は開けられない、ボルトが落ちたこともある、だから暑い夏、壁の小窓をあけるしかないという、そもそも改修が必要な状態です。
 生徒が増え、高等部単独校になることを契機に、もちろん、トイレや教室などの改修も当然必要ですが、プールも高等部仕様に改修すべきです。

Q. 江東特別支援学校が高等部の単独校になりますが、どのような改修を行うのですか。

回答 都教育委員会は、これまで高等部単独校となった特別支援学校については、小学部及び中学部用の流しなど衛生設備の高さ等を変更するほか、プレイルームを高等部用の実習室に改修するなど、可能な限り学校の要望を踏まえ、高等部の生徒の教育活動の充実が図られるよう施設整備を行っています。
 江東特別支援学校についても、これまでと同様に、円滑な学習活動に必要な教室などの整備を行っていく予定です。なお、同校のプール槽を深くする改修は校舎の構造上困難ですが、老朽化したプール屋根などの改修に必要な現地調査を既に行っています。

 学校の体育・スポーツ備品の拡充整備も重要です。
 例えばボッチャも学校でやろうと思ったら10万円から20万円の備品購入費が必要だといわれています。それなのに、特別支援学校の教材費、体育用具の更新費用等は激減していて、トランポリン等の備品更新なども大変だと伺っています。

Q. 障害者スポーツの拠点として特別支援学校を位置づけており、障害のある子どもや青年が、社会で体育・スポーツを発展させる主体者としての力量を保障できるのか、そうした環境整備ができているのか、まずそうした観点で、特別支援学校の施設や備品の点検をし、現場の声をよく聞いて、体育・スポーツ環境の整備を進めていただきたいと思いますが、いかがですか。

回答 都教育委員会は、これまでも体育活動に供する備品を各学校が自らの判断で購入できるよう、予算を配付しています。
 また、平成28年度から実施する障害者スポーツ拠点事業においても、スポーツ用具の購入に係る経費について措置しています。

以上