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都立３小児病院廃止を容認する都議会民主党の決定は再検討を
二〇〇九年十一月十八日
日本共産党東京都議会議員団
政策調査委員長 大山とも子
一、都立清瀬小児病院、八王子小児病院、梅ヶ丘病院の存続をねがう都民の運動が大きくひろがっているなか、都議会民主党は、３小児病院を存続させる条例提出はしないことを決めました。子どもの命をまもる病院を残してほしいという都民の切実なねがいに背をむけるばかりか、同党が都議選前後にとってきた立場とも矛盾しており、きわめて遺憾です。
一、３小児病院の廃止条例は、ことし三月の都議会で、自民党、公明党の賛成により可決されました。この廃止条例には、日本共産党と民主党、生活者ネットワークが反対し、厚生委員会の採決では、賛成七人、反対六人のわずか一票差でした。日本共産党と民主党はそれぞれ、３小児病院を存続させる修正案を提出しました。
七月の都議会議員選挙では、民主党が第一党となり、３小児病院廃止条例に反対した会派が過半数の議席をもつ結果となり、あらためて存続条例を可決できる可能性がうまれました。都議会民主党が都議選前に発表した「政策要綱２００９」では、「都立病院、市立病院など公的病院はもちろん、必要な病院は存続させます」と公約していました。小児病院廃止反対と公約し当選した議員も少なくありません。
さらに都議選後の九月都議会の本会議一般質問で民主党都議は、「八王子小児病院と清瀬、梅ヶ丘を継続」するよう求めました。
一、こうした経過をふまえて、都議選後、日本共産党都議団は都議会民主党と共同で３小児病院存続条例を提案することを合意し、具体的協議をおこなってきました。ところが、都議会民主党は十一月十三日、突然、３小児病院廃止を前提として、�‥圓�清瀬小児病院の受け皿としている「（東京都保健医療公社）多摩北部医療センターの医師・看護師を増員し、複数の救急受け入れ体制を構築する」こと、��八王子地域の後医療に関して「小児の救急・入院機能を有する新たな病院を早急に整備すること」、��「上記の２つの病院（小児科）に関しては、都立小児総合医療センターのサテライト病院（分院）として位置付ける」ことなどを知事宛に要請しました。
一、都議会民主党は、この要請にたいする都の回答が「及第点」であるとして、３小児病院存続条例は提案しないことを決めたと説明しています。しかし、わが党への都の説明では、民主党への回答は、�‖針猖棉�医療センターの小児救急受け入れ体制を強化していく、そのために（保健医療公社が）医師、看護師を採用するにあたってはできるかぎり支援する、��八王子市内への小児科の救急、入院設備をもった新たな医療機関（民間病院）については早急に整備できるよう努め、仮に新たな小児の救急医療機関ができたばあいは連携協力体制をとる、�Ｂ針猖棉�医療センターは、来年三月に開設する都立小児総合医療センターのサテライト病院（分院）にはできないが、「特別連携病院」という位置づけを明記し、将来にわたって都が関与していく、というものでした。この回答では、清瀬、八王子地域とも、都立小児病院がはたしてきた役割を、とうてい代替できないことは明白です。しかも都がやることは、いずれも努力する、支援するというだけです。
さらに重大なことは、都議会民主党の知事への要請と都の回答において、周産期医療のＮＩＣＵ（新生児集中治療室）が清瀬、八王子とも空白地域になる問題の打開策はなんら示されていないことです。また、全国有数の子どもの心の専門病院である梅ヶ丘病院について、同党の地元都議がせめて外来機能を残すよう求めたにもかかわらず、なんら言及されていません。
一、このように、今回の都議会民主党の要請と都の回答は、とうてい都立３小児病院廃止の代替となりえず、これをもって廃止を容認することは、都民にたいする背信行為といわなければなりません。
すでに都民のみなさんから、「民主党は存続の立場をつらぬいてほしい」という声があがっています。都内の五千人をこえる医師が加入している東京保険医協会は、今月十四日に「都立３小児病院の廃止条例撤回を求める」理事会声明を採択し、都議会各会派に要請しています。
日本共産党都議団は、都議会民主党にたいし、今回の決定を再検討し、都立３小児病院存続の立場をつらぬくよう、つよく求めるとともに、存続をねがう都民、会派と協力して、３小児病院存続へ全力をあげるものです。
以 上
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