2013年都議会第3回定例会を終えて
2013年10月11日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 大山とも子
今議会は、6月の都議選後はじめておこなわれた定例会です。都議選で争点になった認可保育園や特養ホームの増設をはじめ、都民のくらし、福祉、雇用、中小企業支援、防災対策などをどうすすめるのかが、するどく問われました。
日本共産党都議団は、8議席から17議席へと躍進させていただき、議案提出権もえた力を生かして、都民要求実現のため全力をつくしました。
1、躍進した力を生かして少子高齢化対策の拡充に全力
�’Р鎚欅蕷爐寮鞍�促進へ、用地費補助の条例提案
私たちは、今定例会で「東京都保育所建設用地取得費補助条例」を提案しました。認可保育園を整備するための土地取得費にたいし、区市町村には2分の1、社会福祉法人には4分の3を補助するものです。年間必要予算の推計は50億円です。
待機児問題は深刻な状況がつづいています。東京都がこの4年間で認可保育園を2万4千人分増設したことは重要な前進ですが、今年4月1日現在では、認可保育園に申し込みながら入れなかった乳幼児は全都で2万1360人、昨年同日よりも1500人以上ふえています。待機児解消はまったなしです。認可保育園建設の最大のネックになっているのは、用地の確保です。そのため、用地費補助の条例を提案しましたが、残念ながら他会派の賛同がえられませんでした。
反対理由としてあげられた、認可保育園でも園庭がないところがふえており、必ずしも園庭は必要ではないとの意見についていえば、園庭が確保できない原因の多くは、土地の確保が困難なことです。東京都は保育園の基準をさだめる条例で、園庭は幼児ひとりあたり3・3�岼幣紊�原則だとしています。この原則を実現できるようにすることが都の役割です。
また、予算をともなう条例は、予算編成権をもつ知事と事前調整が必要だとの反対意見については、これは議員の議案提出権の範囲を、みずから大きくせばめてしまうものです。議案提出権は、地方議員にあたえられた重要な権利であり、議会活性化のためにも、予算をともなう議案もふくめ、議員の議案提出権をひろく保障することこそ必要です。
用地費補助の実施は、区市町村や保育関係者、多くの都民の切実な願いであり、条例に反対した会派は、この願いにこたえる姿勢にたつべきです。都も、少子高齢化が社会や生活の存立そのものをあやうくしかねない根本的問題として本腰を入れてとりくむというなら、率先して、用地費補助にふみだすべきです。
同時に、私たちはこれまで、用地費補助にとどまらず、総合的な対策の拡充をもとめてきました。その点では、自民党が代表質問で都有地活用の促進を要望し、厚生委員会では定期借地で認可保育園をふやすことに言及しましたがこれは、私たちがかねてからもとめてきたものです。
また私たちは、認可保育園だけでなく認証保育所も小規模保育も、質の底上げをはかるために、施設の拡充と職員の待遇および配置の充実をすすめることをもとめてきました。この点でも、民主党は代表質問で、認可保育園をふやすことは簡単ではないと主張し、もっぱら認証保育所の推進を強調しましたが、条例の審議のなかで、多くの都民の願いを受け、自民党、公明党が「認可保育所はもちろんのこと」「認可保育所はもとより」と言って、認可保育園の増設の必要性に言及したことは重要です。
私たちは今後もひきつづき、認可保育園を中心とした保育施策の総合的な拡充、待機児解消にむけ、一致点をひろげつつ力をつくしてまいります。
��都有地の活用で重要な前進が
保育園や特別養護老人ホームなどの整備促進には、都有地の活用も重要です。これまで東京都は、未利用都有地の情報を公表してきませんでしたが、私たちがくりかえし、きびしく公表をもとめた結果、今回はじめて財務局と公営企業3局の普通財産となっている未利用都有地232ヶ所の所在地と面積をあきらかにさせることができました。
そして私たちの代表質問にたいし、都が「都有地の活用を有効な手段として考えてまいります」と答弁したことは重要です。また、都有地活用を促進するための都庁内各局や区市町村との連携をすすめるシステムづくりについても、「庁内各局や区市町村との連携を適切にはかっていく」、区長会や市長会が求めている都有地の貸付料等の負担軽減についても、「適切に区市町村を支援していく」との答弁がありました。
保育園などの整備に使うことができる都有地は、今回あきらかになったほかにも各局が保有している未利用の都有地など、たくさんあります。ひきつづき、活用促進の具体化と、低価格または無償での譲渡・貸付けなど対策の拡充をもとめていきます。
��少なすぎる多摩地域のNICU増床をもとめる
未熟児の命を救うNICU(新生児集中治療室)の増床は、切実な課題です。私たちは、とりわけ多摩地域のNICUが少なすぎることをあきらかにし、身近な地域への整備をすすめるようもとめました。都が、現在のNICU病床数は23区231床にたいし、多摩地域は63床にとどまる事実を認めたように、大きな格差があることはあきらかです。私たちは今後も都にたいし、多摩地域での増床計画を明確にして、格差をうめる努力をすすめ、安心して出産できる環境をととのえるようもとめていきます。
�た靴燭閉拘�ビジョンで、少子高齢化対策の事業費を2倍、3倍に
知事は、少子高齢化対策に本腰を入れてとりくむために新たな長期ビジョンをつくると表明しました。であるなら、少子高齢化対策に、これまでの2倍、3倍の事業費をあてることが必要だと提案しました。これにたいし知事は、今年度の福祉と保健の予算が1兆円をこえたという答弁をくりかえしましたが、増額のおもな内容は、高齢者の増加などにともなう社会保障費の自然増にすぎません。
新たな長期ビジョンで都独自支援を強化し、認可保育園や特別養護老人ホームなどの増設目標と計画、都独自の支援をあきらかにして、財源と施策の大幅拡充にとりくむべきです。
2、2020年オリンピックの東京開催について
日本共産党は、2020年オリンピックの東京開催を決めたIOC総会の決定を尊重し、来るべきオリンピックがスポーツを通じて国際平和と友好を促進するというオリンピック精神の実現の場となるよう力をつくすものです。同時に、東京での開催については、内外からさまざまな不安と疑問の声がだされており、無条件で信任するものではありません。国民、都民の生活や環境と調和のとれた、無理のないとりくみにすることが、オリンピック憲章にかなうことだとの立場で、東京開催にかかわる問題をとりあげ、部分的ではありますが、重要な答弁をひきだしました。
�.�リンピック東京開催の成功に関する決議に賛成
今定例会で、「第32回オリンピック競技大会及び第16回パラリンピック競技大会東京開催の成功に関する決議」が提案されました。私たちは、この決議案の共同提案者にはなりませんでしたが、私たちの提案でオリンピック憲章にもとづいて開催するとの立場が明記され、決議には賛成しました。
私たちは、東京開催を東日本大震災からの復興のさまたげにならないものにするため、そしてオリンピック憲章が真に生かされたものとなるよう、全力をつくします。
�∋楡濱鞍�や交通インフラの事業費は極力おさえよ
私たちは、競技場施設整備やすでに決まっている交通インフラ事業費を極力おさえるとともに、立候補ファイルにも記載されていない成田羽田線や京急と東急の蒲田駅をつなぐ蒲蒲線など新たな浪費はすべきではないことをもとめました。
これにたいし都は、競技施設については「適切に整備費を精査する」と答えました。成田羽田線について知事は、「事業採算性や費用対効果も見極める必要がある」「必要か必要でないかつめていく」と答弁し、蒲蒲線についても都は、多額な事業費のほか事業採算性など「さまざまな課題がある」と言わざるをえませんでした。
その一方、都は、くらしや福祉などやるべき課題が山積しているにもかかわらず、国とともに、オリンピックに必要な輸送インフラとはされていない外環道の整備を2020年までに、総事業費1兆2820億円もかけてすすめる立場を変えようとしませんでした。
�4超�と調和のとれた、無理のない計画に変更を
また私たちは、自然破壊になると批判されている、オリンピックのカヌー・スラローム競技場の葛西臨海公園への建設計画を全面的に見直すようもとめました。これにたいし都が、「江戸川区や野鳥の会の話を伺うなど、自然環境と調和した計画となるよう検討」すると答弁したことは、今後につながる重要なものです。
�な‥臑莪豸業�の放射能汚染水について
私たちは、福島第一原発の放射能汚染水について、安倍首相がIOC総会で「状況はコントロールされている」と、事実をねじまげた発言をおこなった問題について、知事の認識をただしました。これにたいし猪瀬知事は、「大事なことは、本気でとりくむことを意思表明したことだ」と安倍首相を擁護しました。しかし汚染水は、コントロールされているどころか、港の外にまでもれ出し、放射能汚染を拡大しているなどの事態が、次つぎとあきらかになっているのです。「本気でとりくむ」というなら、ごまかしをやめ、汚染水の状況もつかめず、コントロールされていない現状を直視すべきです。そして、口先だけでなく文字どおり総力をあげて汚染水対策をすすめるという立場に、安倍首相も、猪瀬知事もたつべきです。
3、都民のくらし、雇用をまもるために全力
�々駝鰻鮃�保険料(税)の負担軽減を
国民健康保険料(税)が毎年のように値上げされ、都民生活を苦しめています。国保料の通知が送られるたびに各自治体の窓口に苦情や問い合わせが殺到しています。
公的医療保険のなかで国民健康保険法は唯一社会保障と明記され、セーフティネットの役割が位置づけられているのです。私たちは、その役割をはたすために、都として必要な財政支援をおこない、高すぎる保険料をひき下げるよう、都民の実態をしめして提案しました。都は、支援を拒否する冷たい立場をとりましたが、その一方、「所得の低い高齢者や失業者などの低所得者のしめる割合が高い」と制度の構造的な問題があることを、認めざるをえませんでした。
��独自調査にもとづき、ブラック企業対策を提案
都議選や参院選で争点になったブラック企業の問題を、私たちは独自の調査にもとづいて都議会ではじめて本格的にとりあげ、都として、大企業について新採用後の離職率の実態把握と公表、法令上問題のある大企業の実態把握と情報の公表をおこなうなどの対策をすすめるよう提案しました。
しかし知事は、「法令に違反する企業に対しては、法に基づき厚生労働省が指導や取締りを実施」しているなどと一般的に答えるだけで、都としてとりくむ立場をしめしませんでした。このため再質問で、神奈川県ではブラック企業対策として、リーフレットをつくり、セミナーを開催するとしていることをしめして追及しましたが、知事は答弁に立つことができませんでした。
未来をになう若者が希望をもって働けるようにするため、とりわけ大企業が集中している首都東京都こそ、人を人とも見ず、労働者の使い捨てをおこなうブラック企業の根絶にむけた独自のとりくみをすすめるよう、私たちは全力をつくすものです。
�8柩僂鯒鵬�する「国家戦略特区」の提案は撤回を
私たちは、安倍政権が、雇用や医療、農業などをまもるさまざまな規制を緩和する突破口にしようとしている「国家戦略特区」の指定をうける提案を都がおこなった問題をとりあげ、「雇用を破壊する無法都市にする国家戦略特区は、すすめてはならない」とただしました。
これにたいし都は、「東京都の提案が、雇用分野などに悪影響をおよぼすとの指摘はあたらない」と答えました。しかし、都の提案自体、大企業やその経営者に大幅な減税をすすめる一方、労働者にたいしては、24時間都市の名で深夜勤務を拡大、強要するなどの危険性があるものです。さらに重大なことは、何よりも雇用分野における政府のねらいが、残業代ゼロや解雇規制の大幅緩和など労働者の働くルールを大きく切り崩す、いわゆる「ブラック企業特区」づくりであることはあきらかであり、これを受け入れることは許されません。私たちは、ブラック企業を野放しにし、全国に拡大する突破口になる国家戦略特区をやめさせるために、ひきつづき力をつくします。
�っ羮�企業支援策について
この10年間で都内の製造業の従業員4人以上の事業所数は約50%も減少し、全国でも有数の工業地帯である大田区の製造業は、仕事量が大幅減少するなど深刻な事態です。私たちは、事業所数の99%、雇用者数の6割をしめる中小企業の活性化なくして経済の立て直しはできないとの立場から、中小事業者の新分野進出、再生、事業承継への支援、異業種が集まって新ブランドの開発と製品化をおこなう事業などへの支援拡充をもとめました。
融資については、自己資金なしで創業支援融資を受けられるように改善することや制度融資についても国に先駆けて経営者の個人保証制度を原則なくすことを提案しました。都は経営者の個人保証制度について、国の検討を注視していくと答えました。
�ゾ暖饑覗�税の来年4月実施中止の一点で、力をあわせよう
安倍首相は、来年4月から消費税率を8%に引き上げることを表明しました。これは8兆円をこえる史上空前の大増税であり、国民・都民のくらしや経済を破壊することは明白です。しかも、消費税増税による景気悪化をふせぐため6兆円の「景気対策」をするというのですから、支離滅裂です。その中身も、2兆円は大企業のための大型公共事業、2兆円は大企業減税です。
私たちは知事に、消費税増税の4月実施をやめるよう国にもとめるべきだとただしました。知事は、「消費税率のひき上げにより、社会保障財源の拡充をはかることは避けてとおれない」と強弁しましたが、政府のいう社会保障改革でしめされているのは、切り捨てメニューのオンパレードです。
日本共産党は、猪瀬知事の立場をきびしく批判するとともに、消費税増税の来年4月実施撤回の一点で、さまざまな政党、団体、都民のみなさんと力をあわせてたたかうものです。
4、オスプレイの米軍横田基地への配備検討は撤回・中止を
私たちは、CV22オスプレイの横田基地配備検討の動きに絶対反対を申し入れるようもとめました。これにたいして都は、「日米両国で協議している事実はない」と答弁し、この問題について何ら対応する立場をしめしませんでした。
一方、横田基地周辺の7市1町は日本政府にたいし配備の撤回をもとめ、12市1町の議会も配備検討撤回をもとめる意見書を採択しています。沖縄へのオスプレイ配備でも、早い時期に日米両政府で協議・確認していながら、それを隠しつづけ、直前になって通告し、配備を強行しました。オスプレイ配備が正式に決まる前に断念させることが重要です。都は、横田基地へのオスプレイ配備は反対であると、日本政府および米軍に、きびしく申し入れるべきです。
同時に、私たちが提案した「横田基地へのCV22オスプレイの配備検討の撤回に関する意見書(案)」が、各会派の反対で採択にいたらなかったことは、きわめて遺憾であり、各会派の態度がきびしく問われます。
私たちは、都民のみなさんとともに、横田基地の返還にむけ全力をあげてとりくむものです。
以 上 【添付ファイル】 談話全文PDFです。
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