超えてはならない一線超え、議会の尊厳をじゅうりん

 【3月29日、都議会本会議で、無所属クラブ・三浦政勝都議の討論から】
 しかし、つい先日、議会と執行機関の関係を根底から脅かしかねないことが起こったのであります。それは、私自身傍聴者として出席しておりましたが、三月十六日の予算特別委員会における知事と共産党質問者との間で起きた騒動、私はあえて騒動と申し上げますけれども、これはまさに奥山、藤田両先生が杞憂し、諫言したことが現実に起きてしまったといわざるを得ないからであります。
 お断りいたしておきますが、私は政治家である石原知事がどのような表現で発言をされようと、また、特定政党をどのように批判し、また評価しようと、それに関与するつもりは一切ありません。さらに私自身は、日本共産党の思想信条や、それに伴う行動などには全く相入れない立場であることをも申し上げておきます。
 先ほども申し上げましたけれども、私はその委員会傍聴者として、その場にいたわけでありますけれども、問題は、そのやりとりの中で、あろうことか、知事ご自身が質問者である議員に質問をし、さらに、その答弁を数回にわたり求めたことであります。しかも、議事録をして私は確認をいたしましたけれども、質問者に対し、「答えなさいよ」と、また、私ども議会の共通の公職にある委員長席に座っていた副委員長に対して、「しっかりしろよ委員長」などと、上位者が下位者に、下位にある者に命令しているかのような発言を続けてきたことであります。しかも、「ちゃんちゃらおかしい」という言葉さえ答弁席で発言されたということは、何をかいわんやであります。本当にこれでよろしいんでしょうか。
 共産党のチラシによる事の発端は発端として、このことは私ども議会全体として真剣に考えるべきざんきにたえないことであります。
 改めて申し上げるのをはばかりますけれども、知事を初め執行機関側の方々は、議会の要請によって説明員として出席されているのでありまして、議会において議員に対する質問権はないのであります。何かを指示することももちろんできないのであります。したがいまして、知事の一連の発言は、どう強弁をされようといたしましても、これは議会の尊厳をじゅうりんする、執行機関としては、超えてはならない一線を超えていたといわざるをえないのであります。(「なめられる議員もいけないよ、なめられる議員も」と呼ぶ者あり)全くそのとおりだ。
 また、さらに私が驚いたことは、その場におられた理事者、説明員席の最前列で、大きな声でやじを飛ばしていた者がいたことであります。<注>あれで知事を後方から支援していると思っておられるのでありましょうか。その行為がどれだけ知事ご自身の品位を汚すことになるのか、お考えをいただきたいのであります。知事の信頼を得れば得るほど、トラの威をかりた何とかとならないように、自戒をされますよう、発言された方には申し上げておきたいと存じます。
 要は、このたびの騒動が特定の会派であるから起きたことと見逃してはならないことではないでしょうか。(「そうだ」と呼び、その他発言する者あり)まあ、抑えて。今後、議会がこの種の発言を、また言動を看過するならば、いつの間にか議会の持つ権能に深刻な影響を及ぼすことになりかねません。議会は、議会みずからがその尊厳を守り維持する努力をしてこそ、執行機関との間に、よい意味での緊張関係が生まれ、そこにこそ真に都民の負託にこたえ得る都政が、そして議会論戦が展開されるものと思っております。

 <注>説明委員席からは、浜渦武生副知事がヤジをとばしていたのが確認されています。


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