第18期 病院経営本部関係の都議会各委員会での質疑

2009年10月20日 がん医療について

都立小児病院について

厚生委員会 大山とも子(新宿区選出)
2009年11月30日 都立3小児病院の存続を求める請願陳情審査質疑

がん医療について(2009年10月20日 厚生委員会質疑)

大山議員 私からは、まず最初に、都立病院と公社病院におけるがん医療について伺います。
 駒込病院は、二〇〇八年二月に都道府県がん診療連携拠点病院に指定されました。院長さんにもお目にかかりましたけれども、院長さんは、駒込病院はがんだけでなくて、合併症を持っていても総合診療ができる病院なんですということで、非常に自負を持って当たっていらっしゃるなというのが伝わってきました。
 がん診療連携拠点病院は、全国どこでも質の高いがん医療を提供することができるようにということで、国が整備を進めているもので、昨年三月一日付でがん診療連携拠点病院の整備に関する指針を出しました。
 まず、がん登録ですけれども、がん登録は、都道府県や市町村といった地域を対象に、その地域に居住するがん患者の情報を登録して整理することで、がんの種類や進行度、治療内容などを初めさまざまなデータを蓄積して、地域や国のがん予防、がん治療に向けた対策や患者支援などにとって重要なものです。
 駒込病院は、都道府県の診療連携拠点病院として、がん登録指導者を置いて都内医療機関の実施する院内がん登録の指導を行うことも求められています。現在は委託で行っている院内がん登録ですけれども、拠点病院としての役割を果たすためにも、職員の定数化、増員が求められていますが、どうでしょう。

〇黒田経営企画部長 駒込病院では、院内がん登録の業務の性格や業務量等を勘案しまして、委託職員を活用して対応をしているところでございます。今後、状況の変化を踏まえまして適切に対応していくとしているところでございます。

大山議員 がん登録は基本ですので、ぜひ充実をしていっていただきたいと思います。
 都道府県がん診療連携拠点病院の指定要件には、外科のほかに放射線療法部門、それから化学療法部門それぞれ設置して、専門的な知識及び技能を有する常勤の医師をそれぞれ配置することになっていますね。
 放射線治療で注目されているのが医学物理士です。医学物理士は、医師の指示のもとで放射線照射量を計算して精密な治療計画を立てたり、機器を管理して適正に照射できるかを確認したりするのが仕事です。
 私が目を通した資料によりますと、カリフォルニア大学サンフランシスコ校総合がんセンターの放射線治療部には八人の医学物理士がいるとのことでした。そして、例えばそのうちの一人の医学物理士が、顔と首などに三つのがんがある患者さんに対して七通りの治療計画を立てたんです。それだけで丸一日かかるというんですね。しかし、だれ一人として全く同じがんを持つ患者はいないからと、この医学物理士さんはおっしゃっています。
 この大学の放射線治療科教授で、医師ですけれども、この人は、放射線治療機器は急速に高度化しており、日本のように医師や放射線技師だけで使いこなすのは難しくなっている、医学物理士なしには放射線治療は考えられない、こう指摘しています。がんの放射線治療の品質や、それから制度管理のためには、新たに医学物理職の配置が求められているわけですが、これについてはどうでしょうか。

〇黒田経営企画部長 医学物理士は、一般財団法人医学物理士認定機構の認定資格でございまして、全国では四百名と、いまだ有資格者が少なく、人材が限られております。こうした状況を踏まえつつ、その活用の可能性等については既に検討を行っているところでございます。

大山議員 既に検討したんだということですけれども、積極的に活用する方向で取り組んでいっていただきたいわけですけれども、日本では現在、医学物理士さんというのは、放射線技師が研修などを受けて資格を取得することが一般的だといわれています。せっかく医学物理士の資格を取っても、放射線技師と兼務では治療できる患者数はふえないわけですし、医療の質の向上もしにくいわけですね。
 ですから、例えば放射線技師が医学物理士の資格を取得したら、治療に専念できるよう、治療というか、医学物理士の職に専念できるようにすることが必要です。つまり、医学物理士を放射線技師から医学物理士の部署に異動するとともに、放射線技師は新たにきちんと雇用する。実質的に職員数全体がふえなければならないと思っていますけれども、それについてはどうですか。

〇黒田経営企画部長 医学物理士とは、医学物理学の観点から放射線治療に貢献する医療職でございまして、比較的新しい分野の取り組みでございます。その活用の可能性については、医学物理士というものの、現在、先ほども答弁いたしましたが、まだ全国で四百名と有資格者が少ないこと等々の状況を踏まえまして、活用の可能性について検討しているところでございます。

大山議員 積極的に活用する方向で検討していただきたいと思います。
 もう一つの治療の柱であります化学療法ですけれども、化学療法、抗がん剤の組み合わせというのは、患者のがんの種類や進行ぐあいなど、さまざまな要素によって異なっていて、駒込病院だけでも千二百種類もの組み合わせがあるというんですね。その上、患者の当日の体調によっても変化するので、細心の注意を払いながら行う抗がん剤のミキシング、それから外来の抗がん剤治療だけでも年間一万件を超えるという駒込病院ですけれども、大忙しでやっていらっしゃる職場も見せてもらいました。
 年間一万件を超えるということで、本当に過密な薬剤師さんの状況ですけれども、定数増、求められていますけれども、どうですか。

〇黒田経営企画部長 抗がん剤による化学療法に対しましては、業務に見合った定数を既に措置をしているところでございます。平成二十一年四月には定数を八名増員したところでございます。

大山議員 業務に見合った定数を配置したんだとおっしゃるわけですけれども、駒込病院でもふえているわけですよね、外来での抗がん剤の投与。ですから、そのミキシング、これが本当に手だけ入れて、陰圧のところで二人がかりで、ミスしないようにやっているわけですけれども、そのミキシングが年間約一千件ふえているんだということなんですね。ですから、業務量に見合った定数が必要だという認識なんですから、ふえている外来患者、外来での化学療法患者の業務に見合った定数配置を、来年度もきちんと配置できるようにすることを求めておきます。
 国立がんセンター中央病院通院治療センターが編集した「がん外来化学療法マニュアル」というのがありまして、それによりますと、外来化学療法の直面する問題は、標準的な治療法と日常生活をいかに両立させるのか、そのことがQOLの維持にどの程度貢献できるのか、限られた外来診療においてそれをいかにコントロールするかなど多岐にわたる。単に抗がん剤の治療成績が上がればいいというものじゃなくて、日常の生活だとか、社会生活だとか、経済的な生活の土台の上に構築されるものだから、患者の日常生活にかかわる外来化学療法に携わる医療従事者は、ある側面からいえば、入院化学療法よりさらに専門的で総合的な能力を要求される、こういわれています。
 また、今後、がん薬物療法専門医、がん看護専門看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん専門薬剤師、がん薬物療法認定薬剤師など、がん薬物療法に精通した専門家が外来化学療法に中心的に関与していくことが望ましい。さらに、極めて多岐にわたる諸問題に対応するためには、多職種によるチーム医療の構築が不可欠である、こうなっているんですね。こうした方向で、駒込病院における外来化学療法の医療体制、さらに拡充していってほしいということを求めておきます。
 大久保病院でも、外来での抗がん剤の治療が行われていて、外科のドクター中心にがん研究グループができていました。意欲が伝わってくるわけですけれども、せっかく外来での抗がん剤治療を実施しているのですから、先ほど述べましたがん薬物療法専門医だとか、がん看護専門看護師だとか、がん化学療法看護師認定看護師だとか、がん専門薬剤師だとか、がん薬物療法認定薬剤師などを配置して、公社病院の大久保病院でもより充実させていくことが求められていますが、どうですか。

〇黒田経営企画部長 大久保病院では、抗がん剤のミキシングに当たりましては、薬剤師が二人体制で対応しておりまして、外来治療におきましては、看護師を専任で配置しまして、ギャッチベッドと呼ばれるベッド四台、これはベッドを自由に上げ下げしたり、背もたれの角度を調整できるものですが、このベッドを四台配置しまして化学療法を実施しているところでございます。

大山議員 今後、より医療水準を向上させるためには、専門職の配置というのが不可欠なわけですよね。薬剤師二人、外来治療専門の看護師専任です。ギャッチベッドですかね、四台対応しているんだといいますけれども、より医療水準を向上させるためには、専門性の向上、これが欠かせないわけですね。
 先ほどからご答弁していただいているように、放射線の医学物理士、全国ではまだ四百人、全国でも四百人しかいないということですけれども、医学物理士もそうですが、そのほかのさまざまな専門資格の取得、そのための研修などについて都としても支援していく、支援を充実させていくことが重要だと思いますけれども、どうですか。

〇黒田経営企画部長 都立病院におきましては、都立病院が高度な医療を提供していくため、従前より看護職や医療技術職の専門性向上を目指しまして、それぞれの分野の専門資格取得について積極的な支援を行っております。今後もその方向性に変わりはございません。

大山議員 ぜひ、より拡充する方向でお願いします。
 患者さんが抗がん剤の治療を受けるときのアメニティーといいますか、の問題です。大久保病院の外来で抗がん剤を受けるところはどこですかといったら、ここですと見せてくれたんですね。さっきギャッチベッドとおっしゃっていましたけど、本当に外来の診察室の処置ベッドですよね。そこで長い患者さんだと四時間ぐらい点滴を受けるというんですね。
 例えば癌研有明病院などでは、ゆったりしたスペースに、リクライニングのいす、音楽が聞けたり、テレビが備えつけられたりというわけですけれども、今どき、献血センターに行っても、リクライニングのいすでゆったりと献血できるというような状況になっているわけですが、もちろんリラックスできる条件というのは、環境というのは人それぞれ違うとは思いますけれども、つらい治療なわけですから、せめて好きな音楽が聞けたり、テレビが見られたり、ゆったりできるような、リクライニングできるようないすがあったり、そういうものも設置して、抗がん剤の治療が受けられるようにする、これが求められていると思いますが、どうですか。

〇牛島サービス推進部長 外来での抗がん剤による化学療法は、点滴に長時間を要し、治療を受ける患者さんの負担を軽減するために、治療環境の整備が必要だと認識しております。都立病院及び公社病院では、患者さんに少しでも快適に治療を受けていただけるように、現場の実情に応じて、リクライニングシートの導入や、テレビや音楽のサービスを実施しております。引き続き、病院の改築、改修に合わせて、さらなるアメニティーの向上を図っていくこととしております。

大山議員 かたいベッドで四時間こうやってじっとしてたら大変だろうなと思いますので、ぜひ少しでも快適な環境で治療が受けられるようにしていただきたいと思います。
 抗がん剤治療を大体週に一回ぐらいの割合で受けて、そうすると、そのまま自宅に帰って三日ぐらいすると副作用が出てくる、これが一般的らしいんですね。副作用による苦痛にどう対応したらいいのか、さまざまな不安を持つわけですけれども、その不安をどう解決すればよいかということなどは、外来で抗がん剤を受けているだけに、自宅でその不安や苦痛と向き合わなければならないという患者さんに対して、患者さん自身が自宅で副作用に対処できるように、相談だとか指導だとか心理的なサポートが欠かせないと思うんですけれども、具体的に相談支援体制を整えることが必要だと思いますが、どうでしょうか。

〇黒田経営企画部長 都では、がん対策基本計画を策定いたしまして、計画的にがんの予防や医療の充実強化を推進しておりまして、患者、家族の不安の軽減のため、がんに対する情報提供の推進、相談支援体制の整備が求められております。
 駒込病院は、都道府県がん診療連携拠点病院に指定されておりまして、医療情報相談室を中心とした相談支援センターにおきまして、がん患者への相談や情報提供を行うとともに、セカンドオピニオン外来を設置しております。また、緩和ケアチームを中心に、患者や家族への心理的ケアを行っております。
 がん医療を重点医療に掲げるその他の病院におきましても、がん患者及びその患者の療養上のさまざまな相談に適切に対応していくこととしております。

大山議員 駒込病院では「こまどり」というようなところもありますし、対応していて、それで、ほかでも相談は受けるんだということですけれども、大久保病院なども含めて、都立でも公社病院でも、より充実する方向で、人員配置も含めて対応するように求めておきます。
 都道府県がん診療連携拠点病院ですけれども、国の指針では、各都道府県に一カ所整備するものとされているわけですね。東京では駒込病院と癌研有明病院が都道府県がん診療連携拠点病院に指定されています。全国を見るとどうかというと、宮城県も二カ所あるんですね。福岡県も二カ所、がん診療連携拠点病院が指定されています。人口や面積から考えれば、都内では多摩地域にも一カ所、がん診療連携拠点病院が必要です。その点では、府中病院のがん診療体制を大幅に拡充して、都内第三の東京都がん診療連携拠点病院を目指すことを提案したいと思います。
 府中病院は、隣に東京都多摩がん検診センターもあるわけですから、ぜひ多摩地域全体のがん診療連携の拠点病院として整備していただきたいことを強調して、次の質問に移ります。

都立小児病院について

大山議員 次は、都立小児病院についてです。小児病院に関しては請願陳情が合計三件出ていますので、本格的には第四回定例会前の常任委員会での質疑に回そうと思っていますけれども、きょうは問題を絞って質問したいと思います。
 まず、緊急の事態として、新型インフルエンザにかかわる問題について伺います。
 新型インフルエンザに関する都のサーベイランス結果を見ますと、七月二十四日以降、十月十一日までに、入院患者百六十三人です。そのうち、二十未満、未成年が百五十人で、九二%に上るんです。入院した患者の九二%は未成年だということですね。しかも、十歳未満が六八%ですから、ほとんどのケースは小児科を必要としているといえます。
 東京都三病院における新型インフルエンザ入院患者の検討の報告をされた府中病院小児科の寺川医師は、発熱後すぐに呼吸障害になるケースがほとんどで、今までのインフルエンザとは違うというんですね。ほかの二つの病院の小児科でも同じようなケースが多いということでした。基礎疾患のあるなしにかかわらず、肺でインフルエンザがふえるようだ、そう話しておられました。
 東京都は、九月二十五日にインフルエンザ流行注意報を出しました。その翌日、九月二十六日には、小児科病床を持つ都内の病院が緊急に招集され、今回の新型インフルエンザは小児患者が全体の大部分を占めており、とりわけ重症者を含む小児患者の急増が懸念されるため、特に小児科病床を有する病院にお願いしますということで、病院全体を挙げて格段の努力をもって受け入れ体制を整えていただくようお願いいたします、そう要請がされました。
 そこの会議には、清瀬小児と八王子小児病院も招集されたと聞いています。具体的に清瀬小児や八王子小児病院はどう対応したんでしょうか。

〇黒田経営企画部長 現在、新型インフルエンザの本格的な流行期に入っておりまして、都内すべての医療機関で診療を行う体制となっているところでございます。その中で、重症化するリスクの高い妊婦、小児等につきましては特段の医療体制の確保が要請されておりまして、特に小児については、患者の急増に伴い、さらなる受け入れ体制の強化が求められております。このため、今回、福祉保健局より、小児病床を有する医療機関を対象として要請がなされたものであります。
 都立病院におきましても、患者発生動向や国や都の方針を踏まえながら、清瀬小児、八王子小児病院はもちろん、総合病院においても小児の重症患者に対応できるよう入院病床確保に努めているところでございます。

大山議員 確保に努めるんだということですけれども、そんなあいまいな答弁で済ましていい問題ではないんですね。東京都として、都としてですよ、特に小児病床の確保が大変なんだ、だから民間病院にも全力を挙げてほしい、こうお願いしているときに、肝心の都立小児病院は廃止、統合します。そんな話は通らないです。
 これは清瀬小児病院のホームページに載っているものです。(資料を示す)小児総合医療センターへの移転に伴う救急診療についてのお願いです。地域の救急、入院機能についてというところで、入院が必要な急性期の内科患者さん(気管支炎、肺炎、急性胃腸炎、ぜんそくなど)や深夜などの時間外における救急患者さんの診療(二次救急)については、今後、当院との連携を保ちながら多摩北部医療センターに円滑に移行していきたいと考えています、こうなっているんです。つまり、徐々に手を引いていきますよ、そういうことですね。
 その隣のページは、こうやってわかりやすくQアンドAになっています。移転準備に入るから、ふだんの診療は身近なかかりつけ医に、また、夜など急な発熱やせき、下痢、嘔吐などで受診される際は下記のとおり受診してください、こう書いてあるんですね。
 夜間や休日に受診したいときはどうすればいいの、そうQがあって、それのアンサーは、都内では−−都内、埼玉県のもあるんですけれども、都内では多摩北部医療センターと西東京市田無にある佐々総合病院、小平市準夜応急診療所が紹介されています。これらは皆、夜十時三十分までしかやっていません。そこが開いていなかったら、「ひまわり」に問い合わせてください。そうなんですね。
 「ひまわり」はコンピューターによる自動応答サービスです。実際に私もかけてみました。コンピューターの声で、相談と案内員による医療機関の案内もありますというんですね。しかし、相談は平日の午前九時から午後八時までです、こうクールな声が伝わるんですね。新型インフルエンザの流行注意報が出されて四週間目です。この期に及んで、移転準備で徐々に手を引いていく、そんな状況ではないと思いますが、どうですか。

〇黒田経営企画部長 清瀬小児病院では、新型インフルエンザに対しまして、特に重症患者さんへの対応を中心に、入院患者の受け入れに対応してまいりました。移転までの間も、これまでどおり重症患者の入院患者の受け入れに対応していくものでございます。
 今後も、患者発生動向などを踏まえながら、地域の医療機関と連携をしまして、実情に応じまして柔軟な対応を含め、適切な医療体制を確保していくこととしております。

大山議員 熱が出たら、ホームページにですよ、清瀬小児病院じゃなくてほかのとこに行ってくださいよ、そう実際ご案内してるわけでしょう。しかも、死亡例や重症例を見ると、びっくりするほど進行が速いんですよ。
 いつもファクスでいただきますけれども、六日に亡くなった五歳児、十月二日の午前中に発熱をして、せきが出ていたから近くのお医者さんを受診して、翌日の午前中には熱が四十度にも上がってタミフルを処方されて、その日の夕方には嘔吐と意識障害、けいれんが出現して救急搬送されて、その日の夜には多臓器不全、人工呼吸器装着して、六日には亡くなってしまってるんですね。最初の発熱から四日目です。
 十四日に亡くなった四歳児も、夜発熱したので、翌日、近所のお医者さんを受診して、タミフルを処方されたけれども、帰宅途中でけいれんをして、救急搬送して、その翌日には意識障害の増悪、血圧低下、呼吸停止で人工呼吸器を装着、急性脳炎が疑われる状態になって、本当にあっという間なんですね。
 清瀬、八王子小児病院の存続を願う皆さんから、身近な地域にあってこそ小児病院だ、こういわれてきましたが、子どもの命を救うために、まさに一刻を争う事態が明らかになっているときに、身近な地域の都立小児病院存続がどうしても必要なんです。しかも、これから、新型インフルエンザだけじゃなくて、季節性のインフルエンザの流行が重なる時期に入るわけですから、移転の準備などということをやってるような状況じゃない。この流行は来年も続くだろうといわれていますね。身近な地域の小児病院の必要性がますます高まっていると思いますが、どうなんですか。

〇黒田経営企画部長 インフルエンザの症状が急速に進行することにつきましては、この新型インフルエンザに限らず小児患者に多く見られる事象でございます。このため、小児病院が転出する地域の小児医療体制につきましても、北多摩北部医療圏におきましては、多摩北部医療センターで病床の整備を図るなど、その強化を行っているところでございます。
 また、移転統合後の小児総合医療センターでは、重症患者に対応できる小児ICUを今まで以上に確保することになっておりまして、新型インフルエンザ対策に強化を図っていくところでございます。

大山議員 急速に悪化するのは他のインフルエンザだって同じなんだと、そうおっしゃいますけれども、東京都が主宰した都立病院の小児科のお医者さんたちが、今までのインフルエンザとは違います、呼吸障害があっという間に来るんですよって、そういってるんですよ。
 きちんと今の新型インフルエンザ、そういう違う、明らかに違うんだ、速いんだということは、重症化したケースから見たって明らかですし、それから、今の小児総合医療センター、別にいいですよ、それはそれでやってくださいよ。しかし、今の地域医療が崩壊しちゃいますよ。今、移転のための準備なんか清瀬小児病院、八王子小児病院でやっていて、移転のための業務までやっていて、それで最大限、病院を挙げて格段の対応をしてくださいよって民間の病院にも頼んでいるのに、都立病院が、移転の準備はしている、受け入れますよ、そういっている。しかし、軽い患者さんは、ほかの病院に行ってくださいよってホームページでは案内している。軽いけれども、あっという間に悪くなるんですよ。
 東京消防庁が都内の救急病院の一覧を診療科別にホームページで紹介しています。毎日、朝昼夕、三回程度、情報が更新されることになっています。きのうの午後五時現在の情報では、多摩北部医療圏で小児科の救急に対応できるのは、清瀬小児、小平市の公立昭和病院、西東京市の佐々総合病院、わずか三カ所しかありません。
 東京都は多摩北部医療センターを充実させるんだといってますけれども、きのうの午後五時現在では、多摩北部医療センターの小児科はバツ印ですから、受けられませんよ。さっきも見てきましたけれども、さっきもバツ印でした。
 新型インフルエンザのことを考えても、このまま清瀬小児病院がなくなってしまったら、この地域は本当に大丈夫なのか。今、流行してるのは、新型インフルエンザでも弱毒性だといわれている豚由来のインフルエンザです。強毒性だといわれる鳥由来の新型インフルエンザの流行も時間の問題だといわれているわけですよね。強毒性が流行した場合、入院が必要になる重症患者は今の比ではないといわざるを得ません。清瀬小児病院も八王子小児病院も、残すことはどうしても必要なんです。
 清瀬小児病院をなくさないでください、私の願いということで、障害を持つお子さんの保護者の方々が、これを書いていただきました。(資料を示す)いただいたものです。
 例えば、七歳の長女も原因不明の重度知的障害で、ぜんそくで熱性けいれんでてんかんで感染症に弱いなど持病があって、一歳の次女も染色体異常なんだと。清瀬小児病院には、二人とも日中も夜間もフォローしていただいています。清瀬小児病院には本当にお世話になり、私自身も精神的に支えられてきました。持病もあり、そして新型インフルエンザが広がる今、毎日が不安でいっぱいです。多摩北部医療センターのベッド数で足りるのか、府中まで間に合うのか、手おくれになってしまうのではないか、本当に不安でいっぱいです。
 こういう声がたくさん書いてあるんです。持病を持っているお子さん、障害を持っていたら持病をたくさん持っていますよね。しかも、新型インフルエンザは小児が多い。不安がいっぱい。障害を持っているから清瀬小児病院のそばに引っ越してきたという方もいらっしゃいます。家から一キロのところにある清瀬小児病院に行くにも、タクシーでないと熱が出てしまう。それを府中に行け。いかに理不尽なことかということなんです。
 次に、八王子地域の問題について伺います。病院経営本部は、八王子市内の二つの大学病院、東海大学八王子病院と東京医大八王子医療センターが小児病院廃止後の受け皿になると説明してきましたし、先ほども質疑の中で答弁されていましたね。
 しかし、本部長が本会議などでも答弁していた八王子の二つの大学病院の一つ、東京医科大学八王子医療センターのホームページに、産科、婦人科の診療について、急告と書いてあったんです。これ、急告が赤字なんですね。何だろうと思って、あけるわけですよね。
 その内容は、いいですか、当センターでは今まで新生児は小児科の医師が診療していましたが、諸般の事情により小児科が新生児医療から撤退することになりました。今後は産婦人科の医師が新生児を診察することになります。このため、出産後に新生児に異常が発生した時は当センターにて入院治療することは難しく、他の入院可能な施設に搬送される可能性がありますということなんです。東京医大八王子医療センターのセンター長名で、これホームページに掲載されているものです。
 病院経営本部は、この事実、承知していらっしゃいますか。

〇斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ただいまのご指摘につきましては、今、初めて聞いたものでございますけれども、東京医大病院から、六床の増床について、これができないというような、六床の小児医療の増床につきましては、これをやっていくという回答を得たままになっておりますので、その方向で検討されているものというふうに思っております。ただいまのご指摘については、後ほど調べさせていただきます。

大山議員 初めて聞いたなんていうのは、本当に無責任だといわざるを得ませんよ。さっき、ほかの委員とのやりとりで何ていってたんですか。地域医療体制についてつぶさに把握しと、さっきもいってたんですよ。で、今聞いた、初めて聞いた。これ、六床の増床とは関係ないですよね。NICUの問題ですからね。
 私たちは八王子医療センターにも確認しました。病院経営本部は、八王子市内の二つの大学病院で対応できるだとか大丈夫だとかいってきましたけれども、いってる先から実態はどんどん後退をして、地域医療崩壊が進んでいるんですよ。病院経営本部が、大丈夫だ、そういってきたことが根底から崩れてきている、そう強く指摘せざるを得ません。まさに綱渡り状態じゃないですか。
 これ、ちゃんと、どういう状況なのか、どう対応してるのか、今どうなってるのか、今後どうするのか、きちんと把握をして、そして病院経営本部どうするのかということを含めて、今度の委員会に報告してください。いいですか。

〇中井病院経営本部長 東京医大の今のご指摘につきましては、当方で調べて後日ご報告申し上げますが、小児医療、新生児科の医療も含めてでございますが、全国的に医師が深刻な不足状況にあるという状況の中で、大学病院ですら、そういった状況が起こるというのは、今のお話以外でもあるわけでございまして、そういう中で、都立病院においても、医師の確保というのは非常に困難をきわめる場面が多々あるわけでございます。
 そういった中で、小児医療を、どう体制を維持するかということは、かつてにないほど難しい問題でありまして、そういう状況、厳しい状況があるからこそ、医療の機能的なあり方というのをしっかり考え、それを実行していくということが必要であるわけでございまして、それは、それぞれの地域に、目の前に一次から三次の医療をやってくれている病院があれば、それは一番安心できる、それにこしたことはない、それはどなたも、どの親御さんも、恐らくそう思われるかと思います。
 しかし、現状は、そうはできないという現状にあるわけでございまして、そういう中で、では、その限られた医療資源をどういうふうに適正に配分するかというところに考えを持っていき、意見をまとめていくという、それがこの間、長年にわたって地元自治体や医療関係者とまとめ上げてきた多摩北部地域でのまとめであり、八王子地域でのまとめであったわけで、今後とも、そこのまとめを踏まえ、しっかりと都医療について対応をとっていきたいというふうに考えております。
 また、先ほどございましたインフルにつきましても、インフルの状況につきましては、新型のインフルということで、この先どういうふうな展開になるかということについては、なかなか予測しがたいところがあるわけでございまして、それだけに我々も、いかなる状況に対しても対応できるよう、既に各病院、小児の二つの病院も含めて、院内体制については状況に応じた弾力的、臨機応変な対応をするという方針で臨むようにということで、内々の体制の検討についても既にかなり前から指示をしているところでございまして、このインフルの問題については、移転準備の問題とは別の問題として、しっかりと対応させていただきたいというふうに思っております。

大山議員 これだけの問題が起こっていながら、まとめを踏まえてやっていくというのは、それは本当に納得しがたい答弁ですよ。計画を立てて十年ぐらいもうたっているわけですから、限られた医療資源、限られた医療資源といってますけど、それは人材を含めて、ちゃんと要請してふやしていく、確保していくということを長期計画でも持たなきゃいけないことなわけですよね。それが一つです。
 それで、現状はそうできないとおっしゃいましたけれども、結局、撤退するから、その地域の医療は、もうその二つの大学病院があるからいいんだ。それで、全く地域の状況なんか関心を示してないということじゃないですか。でしょう。だから、医療センターが入院治療をすることが難しいから、入院可能な施設に搬送される可能性があります。その搬送先は、まさに八王子小児病院ですよね、八王子だったら。それが一つね。
 それから、インフルエンザについては、とにかく移転の作業というのはあるわけですよね、移転の作業。それを最大限やっているときに、幾ら内部的に最大限にやりましょうといったって、対外的には、ほか行ってくださいよといってるんですから、その移転の作業を、今の、新型インフルエンザと季節性のインフルエンザが重なる時期なんですから、せめておくらせる、移転の準備は今もうとめるということぐらいやるべきじゃないですか。どうなんですか。

〇中井病院経営本部長 インフルの対応についてでございますが、先ほど申し上げましたとおり、都立の小児病院では、それぞれ院内体制について、状況に応じた臨機応変な対応等という方針で臨んでいるところでありますが、さらに地域の医師会等とも連携をとりながら、地域のそういった医療資源も最大限活用していくということで、具体的には、多摩北部地域においては、この十月から休日、日曜の救急外来を、地域の小児科医の応援を得て実施をしているというところであります。
 今後も状況に応じて、こういった地域の連携、そして都立病院の院内の臨機応変な対応、そういったことを複合的に行いながら的確な対応をしてまいりたいというふうに考えております。

大山議員 ちょっとね、検討してくださいよ、今、この質疑をもとにして。それで、今のインフルエンザの状況、それから北多摩北部医療センターだって、救急ふやしたんだといったって、結局、受け入れられない状況になっているわけですから、ちゃんと真摯に受けとめて検討をしてもらうということを要望して、終わりにします。

 

都立3小児病院の存続を(2009年11月30日 厚生委員会・請願陳情審査)(質問原稿とテープ起こしにより作成したものであり議事録とは異なります

○大山議員 都民の中に都立3小児病院を存続させてほしいという切実な声はますます広がっています。ハガキもたくさん来ていますけれども、八王子や世田谷や、それから清瀬周辺だけでなくて、地域も広がっています。
 例えば、昭和40年代、清瀬に在住して、長女出産後1週間目から小児病院に通院し、助かったことが忘れられません。身近にある病院をなくしてほしくありません。これは新宿の方です。
 それから、娘さんがダウン症なんですね。娘は今年19歳。20歳を迎えられるのは、八王子に小児病院があったから。心臓と肺が悪かったお子さんです。こんなびっしりと書いてあります。
 これは、梅ヶ丘病院に通っている患者さんですね。多分、本人ですけれども、小さな字で丁寧に書いてあります。病院がなくなると僕も困りますので、頑張ってください。 この子たちを裏切るわけにはいかないんです。それぞれの地域で署名活動をしていても、1時間で200人以上が署名してくれるなど、廃止条例が成立してもなお、存続を求める声が小さくなるどころか、ますます広がっている、これが今の状況です。

(1) 清瀬小児病院

○大山議員 まず、清瀬小児病院について伺います。
 清瀬小児病院を廃止した後は、この周辺地域の救急・高度医療は基本的に多摩北部医療センターの小児科を拡充することで補うということですけれども、それで一体、代替できるのか。これが鋭く問われていることです。
 清瀬小児病院と多摩北部医療センター小児科の外来患者数、入院患者数、夜間・休日救急の患者数は、昨年度の実績でそれぞれ何人になっているでしょう。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 昨年度、平成20年度の実績でございますが、清瀬小児病院の外来患者は1日当たり268人、入院患者は1日当たり180人、休日と夜間のいわゆる時間外の救急患者は述べ1万2092人となっております。
 また、多摩北部医療センター小児科では、外来患者は1日当たり23人、入院患者は1日当たり4人、同じく時間外の救急患者数は述べ4200人となっております。
 なお、清瀬小児病院の実績には高度専門医療が含まれておりまして、それを除いた一般小児医療の実績で申し上げますと、外来患者は1日当たり72.2人、入院患者は1日当たり36.2人という実績でございます。

○大山議員 一生懸命、数字を小さくして見せようと努力されているようですけれども、これ、事業概要できちんと書いてある数ですから。なかなかわかりにくくなっちゃうと困りますので、書いてきました。(パネルを示す)

(パネル)
平成20年度

  医師数 病床数 入院
(1日平均)
外来
(1日平均)
救急患者数
清瀬小児病院

46人

255床

180人

268人

12,092人

多摩北部
医療センター

4人

25床

4人

23人

4,205人

 多摩北部医療センターの入院患者で比べますと、清瀬小児病院は45倍です。4人と180人ですから、45倍ですね。外来患者は、268人と23人ですから、11.7倍です。
 なぜこんなにも違うのかといえば、医師の人数が、清瀬は46人、多摩北部医療センターは5人ですね。病床数も、多摩北部医療センターは25床で、清瀬小児病院は255床。多摩北部医療センター定数が5ですけれども、現在が4人ですね、医師の数は。清瀬小児から3人の派遣を受けている状況です。清瀬は小児専門病院ですから、多摩北部医療センターとは比較できるようなものではない、これはだれが見ても明らかです。
 小児病院を廃止して、多摩北部医療センターの小児科が代替をする、そんなことなどとてもできるものではありません。
 多摩北部医療センターは、平成17年に小児科を開始して、ことし6月に小児科病棟が改修されて、私たちも見せてもらいましたけれども、小児科は現在25床、当面35床にすることで対応するといっているわけですけれども、しかし、清瀬小児病院は病床規模255床です。多摩北部医療センターを35床にするとしても、病床規模としては、わずか14%に減ってしまうんです。とても代替できません。
 しかも、35床に増床するというのも確実な保証はありません。第1に、現在25床の多摩北部医療センターの小児科病床を35床にする。そのためには、現在の医師、看護師数でできるのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 多摩北部医療センターはこれまで、おおむね10床ないし20床の病床稼働状況でございましたが、これを35床の運営体制にしてまいりますためには、さらに医師については2名程度の増員が望ましく、看護師につきましては7名から8名の増員が必要と考えております。そのための人材確保につきましては、小児病棟の人員体制の確保を適宜行ってまいります。

○大山議員 医師については2名程度、看護師については7名から8名程度の増員が必要なんだということですね。すでに進めているんだ、そうおっしゃいますけれども、今、多摩北部医療センターの小児科医師は、定員は5名ですよね。現在は4名。清瀬小児から3名の医師を派遣してもらっています。
 こういう状況の中で、医師や看護師の増員のめどは立っているのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 病床体制を整備するなどの取り組みに当たりましては、清瀬小児病院からの応援、もちろんのこと、自助努力で多摩北部医療センター、保健医療公社が採用するという努力も含めまして、現在取り組んでいるところでございます。

○大山議員 努力はしているんだということですけれども、医師や看護師がいなければ、たとえベッドはあったとしても、増床はできないわけですね。努力はするけれど、確実ということではありません。35床にするということさえ、めども立たないというわけです。
 そもそも、公社病院の中でも、多摩北部医療センターは医師不足が深刻ですね。医師の定員、全体で62人ですけれども、実員は何と50人です。12人も欠員になっています。内科は4人欠員で、呼吸器内科の先生はいません。精神科も皮膚科も婦人科も耳鼻咽喉科も常勤医師はゼロです。小児科も、5人にするのに何年もかかって、やっとことし5人になったかと思ったら、もう4人に減っています。どこにふやす根拠があるんでしょう。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 多摩北部医療センターの小児科を35床にいたしますことにつきましては、今年度当初からの予定でございますので、そのための医師確保というのは確実に行っていくために、現在調整を進めているところでございます。決してめどがたっていないということではありません。
 具体策といたしましては、清瀬小児病院からの応援につきまして、両病院で話し合いをしながら、その確実性を進めて、小児医療体制を図るための医師の確保に努めてまいります。

○大山議員 当初からの計画なんです、努力しているんです。努力するとしかいいようがないんですよ。
 東京都が医師確保に努力するといってきたのは多摩北部医療センターだけではありませんね。同じ公社病院の多摩南部病院は小児科の医師不足のために、2005年1月から入院は休止、夜間・休日救急も一部休止してしまっています。2005年の1月に地元の方々が体制の充実を求めて東京都に要請に行ったときに、都の担当部長は、都としても4月までに医師を確保し、小児科の入院診療、救急医療体制をもとに戻すよう努力します。努力しますと2005年の1月に答えているんですよ。努力するといって、もう5年近くも、もとに戻らないではありませんか。努力するなんて、どこにその保証があるのですか。空手形ではありませんか。そんなことで、清瀬小児病院の代替などにはなり得ません。
 第2に、病床数は2次医療圏ごとに決められていて、清瀬小児病院と多摩北部医療センターがある北多摩北部医療圏は病床過剰地域となっています。通常、病床過剰地域で病床が減った場合は、他の病院でふやすことは認められていません。
 病床過剰地域とされている2次医療圏で、病床の純増が認められるのは、どういう場合でしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 医療法施行規則によりますと、既存病床数が基準病床数を超える2次医療圏であっても、高度ながん診療施設、周産期医療を行う施設など、特定の病床が不足する地域における当該診療を行う医療機関のための病床整備などにつきましては、病床の新設、増設などの特例的な取り扱いが認められているということになってございます。

○大山議員 高度ながん診療施設、周産期医療を行う施設など、特定の病床が不足する地域ですね。その基準でいうと、純増することはなかなか困難だといわなければなりません。多摩北部医療センターのほかの科も含めたやりくりで小児科をふやすということになるんじゃないのですか。老人医療センターとして定着している多摩北部医療センターで、地域のほかの医療にも影響を及ぼすことになりかねない。そのことを指摘しておきます。
 清瀬小児病院の廃止で大打撃を受けるのが小児救急です。それは、清瀬小児病院では、時間外救急患者を昨年度の実績で1万2092人ですね。1日平均33人受け入れているからです。清瀬小児がある北多摩北部保健医療圏で、休日・全夜間の救急対応をしている医療機関は、清瀬小児病院を入れて3か所しかありません。医療圏ごとの休日・全夜間小児救急の実績が出ていますが、19年度実績で見ますと、清瀬小児は、救急患者の68.8%ですから、約7割の小児救急患者を受けているということなんです。その清瀬小児病院をなくすというのですから、ことは深刻です。
 現在、多摩北部医療センターは、全夜間・休日の小児救急として1系列、それから病棟の当直で1系列、合計、小児救急に対応できる当直を2系列で実施していますが、もう1系列ふやすというだけでは到底まかなえません。しかも、もう1系列ふやすことすら困難です。
 多摩北部医療センターの小児救急を1系列運営するためには、医師、看護師が何人必要なんでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 多摩北部医療センターでは、病床の35床体制を実現しますために、医師、看護師の増員を予定しておりますが、救急対応につきましては、こうした病棟配置の増員を含めた、小児科全体の体制の中で人員配置を行うものでございます。したがいまして、救急だけを取り上げて何人といえるものではございません。救急も含め、必要な医師、看護師の配置を行い、系列の増加を実現してまいります。

○大山議員 35床体制を維持する中で、ということを答弁していらっしゃいましたけれども、この35床体制にするというのは、さっきの答弁でもありましたように、当初からの計画なわけですよね。今の答弁だと、医師や看護師の体制は、今までの計画以上、当初の計画以上はふやすつもりがないということになります。
 35床体制の医師や看護師確保についても努力をする、そういう状況の中で、この救急体制についても何の保証もないということではありませんか。
 清瀬は小児総合病院だから、小児専門の整形外科などもあって、外科系にも対応できる、かけがえがない病院です。どういいつくろおうと、この地域の小児救急に大穴があくということは避けられません。地域医療を守るためには、清瀬小児病院は存続するしかありません。
 清瀬小児病院は、建物はもちろん古くなっていますし、患者1人当たりのスペースも狭いことは事実です。しかし、清瀬小児病院の敷地は東京ドームの広さに匹敵するということですから、現在の敷地の中に建てかえることは十分可能ではありませんか。その方がずっと確実で、地域の医療を守ることになります。

(2) 八王子小児病院

○大山議員 八王子小児病院は、どうでしょうか。
 八王子小児病院の特色は、新生児医療と救急医療と心臓医療となっています。患者数は1日平均79人、入院は1日66人、許可病床数は90床、昨年度の救急患者数は年間6379人で、ドクターカーは年間437回出動しています。救急患者は、南多摩医療圏の26.1%を受け入れています。24人の医師と医療技術23人、看護要員99人で支えているわけです。
 先ほどもありましたけれども、東海大八王子病院と東京医大八王子医療センターが八王子小児病院の代替ということですが、どちらも大学病院で、診療科が25科、それからもうひとつの大学病院は24科、全病床数は500床と621床、こういう巨大な総合病院ですから、小児科はその中の一診療科なんです。小児科病棟は1病棟ずつで、それぞれ病床数は片や30床、そしてもう一方の大学病院は16床です。
 しかし、小児の休日・全夜間救急医療は、この2つの大学病院が、きょうはこの大学、きょうはこの大学というふうに交代で担当しています。とても八王子小児病院の穴埋めになり得ません。
 このため、2つの大学病院に6床ずつ小児科の病床をふやしてもらうということですが、それでも36床と22床にすぎず、これでも代替にはなり得ません。しかも、病床をふやして、医師や看護師もきちんとふやすめどは立っているのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ただいまのご質問にお答えいたす前に、まず、多摩北部医療センターの増床でございますけれども、病床の純増が認められるケースには今回は当たらないわけでございますが、小児病床をふやす際には、したがいまして、他の診療科の振りかえとなることは事実でございます。
 しかしながら、これによって他の科の診療に影響を与えるというお話しでございますけれども、同センターの病床利用率は平成20年度の数字で75.2%ということになっておりまして、この小児病床を例えばある程度ふやしたことによりまして、他科の診療患者に対する影響を及ぼすことなく増床することは十分できるものと考えております。
それからもう一点、恐縮でございますが、1系列を運営するために医師、看護師が必要なのは35床と一体ではないかというお話しでございますけれども、もともと35床体制を実現するために、医師の増員、看護師の増員というものは検討してまいったわけでございまして、今回、それに加えて1系列運営をするという課題が加わりましたために、これも含めて小児科全体で医師の確保、看護師の確保に努めているという考えでございます。
 ただいまのご質問でございますけれども、東海大学及び東京医大八王子医療センターに対しましては、6床ずつの増床をお願いしておりまして、そのための体制整備につきましては、両病院において責任をもってやっていただけるというふうに理解しております。

○大山議員 北多摩北部医療圏では、純増は認められないんだということは、もうご答弁もしたわけですよね。それで十分できるとおっしゃってますけれども、本当に他科に影響がないのかというのは、きちんとやっていかなきゃいけないことだと思います。
 小児科全体で対応をするんだといっていますけれども、この北多摩北部医療圏の救急医療体制、医療体制というのは、清瀬小児病院、多摩北部医療センター、2次医療圏の北多摩北部全体が、本当に小児科が大変な状況になっているわけですね。
 北多摩北部医療圏で、例えば西東京市の佐々総合病院は、18年9月24日をもって小児科病床の削減をせざるを得なくなった。と同時に、15年間維持してきた24時間365日の小児科当直体制を中止したことが、ホームページで知らされています。
 同じ医療圏の小平市にある、休院していた緑成会病院は、ようやく10月1日から外来診療は再開できましたけれども、やはり小児科も外来のみです。ですから、この北多摩北部医療圏全体の小児科の医療体制が大変な状況になってきている。その中で清瀬小児病院を廃止してしまうということなんですからね。
それで八王子ですけれども、八王子の12床はきちんと大学病院で確保してもらうんだといいますけれども、直接、2つの大学病院に確認したのでしょうか。東京都みずから。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 この間、東海大学八王子病院、東京医大八王子医療センターに何度か足を運びまして、引きつづきお願いをし、やっていただくという確約を得ております。

○大山議員 やっていただくんだということですけれども、第3回定例会では、やはり6床ずつを確保するんだということを答弁したときに、何をもとにしたんだといったら、この八王子市議会の議事録を持ってきてくれたわけですよね。何と書いてあるかといったら、おのおの6床をベッドコントロールなどで整備することが確認されている。ベッドコントロールでやるんだという話なんですか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ベッドコントロールで小児科病床を確保するということは、これは通常、どこの病院でも、患者さんがふえた、減ったということに対しては、毎年、診療科ごとのベッド数を調整するということはいたしております。両病院におきましても、そのような形で確実に確保していただくという確約を得ているところでございます。

○大山議員 結局、6床ずつ確保してもらうんだと、これだってやっていただくというだけですけれども、純粋に増設するのではなくて、ベッドコントロールですから、今おっしゃいましたけれども、他の科のベッドを転用するとか、12歳ぐらいになったら内科でいいだろうと大人の病床に代用するとか、そういうことじゃありませんか。
 しかも、医師確保というのは大変なんです。大学病院の幹部は、八王子小児病院は設備も高度で、スタッフも専門的。うちも医療機関として最大限こたえたいと思うが、マンパワーには限度がある。市民が安心して医療を受けられるようにするのが一番いいのではないか。こう語っています。到底、八王子小児病院の代替にはならない。これはもう明らかです。
 地元の方は、東京医大八王子医療センターも、東海大八王子病院もすごく混んでいる、八王子小児病院がなくなったら緊急の時心配。こういっているんですよ。2つの大学病院で代替できないからこそ、東京都は民主党の要請に対して、新しい小児科設立云々ということを今になっていい出してきたんです。どの医療機関が、どういう計画を都にあげてきたのか、明らかにしていただきたい。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 八王子市内の医療機関についてでございますが、現在、八王子市内の民間病院で小児科設置という移行を示している医療機関がございますので、そちらの方の病院関係者と話し合いを行っている段階でございます。現在、話し合いを行っている段階でございますので、具体の病院名などは公表を差し控えさせていただきたいと思います。

○大山議員 話し合いをしているということなんですね。医師だとか看護師の数、病床の数、それから救急受け入れ体制を示してください。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 具体的な内容については現在、病院関係者と話し合いの最中でございます。都といたしましては、外来、救急、入院機能を行う新たな開設を早期に実現できるよう、最大限努力してまいります。

○大山議員 具体的なことは、何一つこの場所でいえないということじゃないですか。全く具体的ではないし、海のものとも山のものともわからない。そんなことで都民が納得できるとでも思っているのでしょうか。話にもなりません。

(3)NICU

○大山議員 もうひとつ、新生児医療についてです。
 NICUは現在、清瀬小児が6床、八王子小児が9床持っていますが、これがなくなるわけです。
 NICUの整備については、国が新しい整備基準をつくりました。出生数1万人に対して現在は21床整備という基準だったのが、今度は少なくても25床、望ましいのは30床という新しい基準になりました。この新しい基準だと、東京には何床必要なんでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 新しい基準によりますと、都としては、250床ないし300床が必要という計算が成り立ちます。

○大山議員 19年度の数字でいうと、出生数は10万7,327人ですから、11万人とすると、少なくても275床、望ましいのは330床ですよね。
 現在、NICUは219床ですから、最低整備でも56床足りません。しかも、これは都全体のことですね。NICUの病床は、区部には177床ありますけれども、多摩地域には42床しかありません。圧倒的に多摩地域が足りないことは明らかなんです。
 国の新しい基準でいくと、多摩地域には何床NICUが必要になりますか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 多摩地域のNICU必要病床数につきましては、後ほど調べさせていただきます。

○大山議員 多摩地域と区部とこれだけ偏在している、それがもう明確であるにもかかわらず、本当に一刻を争う医療対応がより必要なNICU、設置を偏らせるのではなくて、多摩の地域、どこに住んでいてもなるべく早く到着できるようにすることは必要なわけです。だからこそ、多摩地域ではどれぐらいなんだろうというのは、きちんと発表された時点で自覚していていいことだと思うんです。
 多摩地域の出生数は、19年度は年間3万7020人でした。少なくても93床、望ましいのは111床ですよ。現在、多摩地域にわずか42床しかないNICUです。清瀬6床、八王子9床を、どうしてなくしていいのですか。府中に24床のNICUを整備しても、差し引き9床しかふえないではありませんか。全く無責任です。少なくても51床ふやさなければならないのに、減らしてなどいる場合ではありません。
 NICUの病床が多摩の地域でふえない理由は何なのですか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 慢性的な新生児科医の不足などがございまして、NICUというのはどこでも必要な整備には満たない状況が、まず前提としてございます。
 そういった中で、今回の小児総合医療センターは、多摩総合医療センターと一体的に整備をし、都内で最大規模となる周産期総合医療センターとしてオープンをすることになります。
 委員からは、不十分であるというご指摘でございますけれども、24床のNICUを整備し、さらに新たに9床のMFICUを整備することによりまして、これまでの小児病院では対応できなかった母胎搬送の受け入れも可能になります。これにつきましては、多摩地域における周産期医療は格段に充実することになるというふうに考えております。
 また、小児総合医療センターでは、医師が同乗して新生児搬送を行うことができるドクターカーを追加配備しておりまして、これによりまして、多摩地域全体の新生児医療にも適切に対応できる体制をとれるようになるというふうに考えます。

○大山議員 地域に今あるのを減らしておいて、格段に向上しますなんていうのは全く都民は納得しませんよ。しかも、私が聞いたのは、NICUの病床が多摩の地域でふえない理由は何ですかと聞いたのです。
 2005年3月15日の予算特別委員会の清水議員の質問に、当時の福祉保健局長は、区部に比べて、周産期医療に対応できる総合的な医療基盤を整備している医療機関が少ない、そう答えているではありませんか。NICUを運用できる病院自体が少ない、そういうことなんでしょう。だから、現在NICUを運営できている八王子小児も清瀬小児も、廃止などしてはいけない、そういうことじゃないんですか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 NICUを運用できる医療機関が少ない中にありまして、NICUを増床し、効率的な周産期医療を実施していくためには、小児総合医療センターを開設し、ここが中核となりまして、多摩地域全体の周産期医療の底上げを図っていくということは必要でございまして、そのために小児総合医療センターを整備するものでございます。

○大山議員 少ない中でなくすんですよ。全く自分で矛盾していると思っていないんですか。どうして2つもなくすんですか。NICUを運用できる病院自体が少ないと東京都自身がいっているのに、それを2か所も減らすんですよ。全く自分がいっていることとやっていること、違うじゃないですか。
 しかも、小児総合医療センターでMFICUもあるから万全だ、そんなことをいいましたけれども、それはいいですよ、やってくださいよ。生まれる前から危険がわかっている出産だったら、母胎搬送するのが一番いいでしょう。しかし、生まれる前から危険が分かっている出産ばかりじゃないんですよ。清瀬小児だったら、例えば出産してから、心臓や腎臓に問題があるとか、息ができないとか、仮死状態で生まれてきた、そういう新生児がNICUに運ばれてくるんです。そうおっしゃってましたよ。
 NICUのような不採算医療は、民間ではなかなか大変なことなんです。だからこそ、この分野こそ都が直接責任を持つべきではありませんか。
 東京都は、東京全体の小児医療に責任を持っているんです。多摩地域にNICUが不足しているのですから、府中にNICUをふやすのは当然です。だからといって、ただでさえ少ないNICUを運用できる病院、今あるものを減らすなんていうのはとんでもありません。
 NICUについて、多摩地域での新基準に基づく目標を決めて、達成していくことが必要で、清瀬、八王子小児病院を廃止する、そんなことはとんでもありません。

(3) 梅ヶ丘病院

○大山議員 続いて、梅ケ丘病院です。
 梅ヶ丘病院は、小児精神科の病院です。小児精神科の専門病院は、梅ケ丘と三重県のあすなろ学園があるのみで、全国にたった2カ所しかない病院のひとつです。そのことは、公営企業決算特別委員会第2分科会で、病院経営本部も、全国で梅ケ丘を合わせて2カ所だ、そう答弁して確認されました。
 小児精神科は全国的には遅れた分野で、厚労省はやっと19年3月に、各都道府県に少なくとも1か所は、乳幼児期から青年期までの心の診療及び研修を専門的に行える中心的な役割を果たす医療機関が必要であると報告を出しました。
 そんな状況にあって、梅ケ丘病院の病床数は264床、子ども専用の精神科病床は全国で1千床もありませんから、梅ケ丘病院は、その4分の1以上を占めています。全国最大の子どもの心の専門病院です。外来での思春期リハビリ、幼児デイケアなどもやっています。外来患者は年々ふえて、18年度は約3万9千人でしたが、20年度は4万2千人を超えています。その内容も、医療の内容も、医師はもちろん、心理士や看護師や保育士などチーム医療を行うなど、小児精神科をリードしている本当にかけがえのない病院です。
 お子さんが梅ケ丘に通っていたお母さんは、息子は4歳児保育のときから大学に至るまで、いじめられながらも、梅ケ丘の的確な診断と治療、デイケアのおかげで引きこもりから立ち直っています、そう語っています。
 世田谷選出の民主党の議員が3人の連名で、「国内最大の小児精神科の専門病院であり、これまで半世紀以上にわたり、精神障害児及び家族にとっても安心の砦となり、障害児の社会復帰に多大な役割を果たしてきたことは言うまでもないところである。梅ケ丘病院が世田谷の財産、東京の財産と言われる所以はまさにここにある」と言っている。それほどかけがえのないものなんです。
 梅ケ丘病院の廃止統合で極めて重大な問題は、小児精神科は組織的にも物理的にも独立しているのが望ましいという声が現場から切実に上がっていたにもかかわらず、それが守られていないことです。
 都立病院改革マスタープランのもとになったのは、都立病院改革会議ですが、そこでの議論に当たり、梅ケ丘病院から出された「意見交換に向けたレポート」では、梅ヶ丘病院の将来構想として「細心の注意が求められる小児精神疾患患者にとっての良好な治療環境を確保するためには、一般の小児病院や成人の精神病院とは、組織的にも物理的にも独立していることが望ましい」「組織的、物理的独立の必要性についても、議論が尽くされるよう希望する」となっていました。ところが、3小児病院を統合して小児総合医療センターとして整備する、という計画になってしまいました。
 この現場からのレポートは、どう扱われたのでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 ご指摘のレポートは、都立病院改革会議におきまして、梅ケ丘病院から提出された資料でございまして、各病院から提出されたものとともに検討材料のひとつとして扱われた上で、平成13年7月に報告書として取りまとめられたものでございます。

○大山議員 現場からのレポートを、検討材料のひとつ、そんなことをいってますけれども、とんでもありませんよ。そんな軽々しいものではありません。
 梅ケ丘病院の元院長先生は、小児精神科医療をほかの診療科と同じ建物に入れることについて、「それではうまくいかなくなるでしょう。梅ケ丘の子どもたちは、統合される清瀬小児病院や八王子小児病院で治療している子どもたちと違って、とても動きが激しいのが特徴です。からだは元気であちこち飛び出していく子どもと、高度な手術が必要でベッドに寝ている子どもを一緒にできますか。たとえベッドを分けても、温かい目で子どもたちを見ることは、できなくなります。施設の使い勝手をめぐる、他の科と衝突することもあるでしょう。必要とするものがまるで違いますから。小児精神医療には独立した施設がいるのです」と話しています。
 だからこそ、都立病院改革会議報告書でさえ、小児総合医療センターについて、「小児精神科医療部門については、その特性を考慮し、診療を行う施設は、一般の小児科とは独立した建物とすべきである」とせざるを得なかったのではないですか。独立した建物は、どう具体化したのですか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターは、小児に関しまして、心から体に至る高度専門的な医療を提供する病院として、その建物につきましては一体的に整備することといたしました。
 新センターの施設整備に当たりましては、平成13年7月の改革会議報告書を踏まえまして、同年12月に作成されました都立病院改革マスタープランでは、一般小児部門及び小児精神部門それぞれの特性から、両部門の外来診療施設と病棟施設は基本的に分離するとしておりまして、外来、病棟ともに、心の部門と体の部門の患者の動線にも配慮しながら施設配置を行うなど、設計上の考慮がなされて現在に至っているところでございます。
 なお、その間、現在の梅ケ丘病院の医師、看護師等のスタッフの意見を十分に聞きながら、現状の設計に立ち入ったという状況でございます。

○大山議員 いろいろいいましたけれども、独立しているんですか、どうなんですか。はっきり答えてください。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターは、心から体に至る高度専門医療機関と位置づけておりますので、建物は独立はしておりませんけれども、内部の設計、それから動線等につきまして、治療上の独立性を確保するような形で設計上の工夫をしておりますし、今後の病院運営につきましても、そのような形で進めてまいります。
そういうことにつきましては、現在のハード整備において、梅ケ丘病院のスタッフにつきましても納得の上で進めているところでございます。

○大山議員 あれこれいうけれども、結局は独立していないんでしょう。改革会議報告書の内容さえも実践していないんですよ。無責任じゃないですか。
 しかも、梅ケ丘病院は、自閉症やADHDを初めとした発達障害、統合失調症などの子どもたちの治療ですから、落ちついた環境と温かい人間関係が欠かせません。ですから、現在の梅ケ丘病院は、低層の病棟で、木々の緑や土の香りなど、息づかいが感じられる広い敷地の中でゆったりと治療しています。
 梅ケ丘病院の元院長は、「現在の梅ヶ丘病院の施設は、小児精神医療を必要とする子どもたちのことだけを考えてつくりました。建築委員会を設置して、施設を掃除する人から保育士、ケースワーカー、医師まで、現場の議論を重ねてコツコツと試行錯誤しながらやりました」と語っているように、小児精神の患者にとって最善のものをつくろうということで議論してつくったのが梅ケ丘病院なんです。
 新しい小児総合医療センターも見せてもらいましたが、落ちついた環境ということから見たら、どうでしょう。横200メートル、奥行き100メートルという巨大な病院で、大勢の人たちが来ます。1階は心と体両方の外来の入口一緒ですから、広いスペース。そこにはプレイコーナーもありました。大きな模造品の木もあります。心と体の子どもたちの動線は、ここでは交差するんですよ。
 分教室は心と体それぞれですけれども、体育館やプールは心と体の分教室の共有です。救急車も、時にはドクターヘリも来る。音に敏感な子どもたちが多いわけです。救急車は、構内に入ったらサイレンはとめるといっていますけれども、病院のすぐわきが都道なんですから、かなり遠くから聞こえます。ヘリコプターは、音は消せないですよね。墜落しますから。
 多くの人が来て、忙しく動き回る人たちがいて、救急車とヘリコプター。今の梅ケ丘病院と比べたら、まさに異質としかいいようがないんじゃないですか。どう考えていらっしゃるんでしょうか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 小児総合医療センターは、小児精神疾患患者にとりまして良好な治療環境を確保するために、周辺の恵まれた自然環境との調和を図り、緑の癒しの空間としての植栽、また、子どもたちが活動できる大規模なルーフコートなどを整備しております。照明と色彩の調和を考慮した内装を行うなど、落ちついた療養環境を整備しておりまして、現在の梅ケ丘病院に比べると、患者さんにとって望ましい療養環境となっているというふうに考えます。
 また、救急車につきましては、公道から敷地内に入った時点でサイレンを消すことは、どこの病院でも同様にやっております。
 それから、ヘリコプターの音は消せないというお話がございましたので、以前、梅ケ丘病院の院長に確認したお話をご披露申し上げますと、精神的な疾患の中で、音に敏感な患者さんというのはたくさんおられるそうでございます。これは、疾患によって、個人個人によって気になる音というのは皆違うそうでございます。比較的人間の甲高い声に反応する患者さんが多いようですけれども、それでも人によって違うというふうなことをおっしゃっておりました。
 ヘリコプターが飛んできたために、大勢の患者さんが一斉にそれによって被害をこうむるというようなことはまず考えられないというお話でございました。

○大山議員 音に敏感、個人によって違うんだと。個人によって違うから、梅ケ丘病院みたいに独立した小児精神専門の病院が必要なんだ、そういうことなんじゃないんですか。
 周りの環境に調和したといったって、ルーフコートは、芝生の所は土ですが、つくられた床じゃないですか。周りが建物に囲まれているわけですから、風だって本当に感じられるんでしょうか。本当に、甲高い声に過敏に反応するお子さんもいる。それは、1階のフロアに入ったら大勢の子どもたちがいて、本当に今よりも療養環境がよくなるなんてよくいえると、そう思うわけですね。
 独立することが望ましいというのは、何も梅ケ丘病院関係者だけがいっているわけではありません。三重県のあすなろ学園は、最初、成人の精神科と一緒だったのですが、独立するのです。なぜかというのは、20年史を見ますと、児童病棟のみ人員を厚く配置することは、病院運営の平衡から考えてなかなか困難である。それが実現したとしても、人件費の上昇によって児童病棟が繰入金増大の原因であるかのように見られる。その他多くの問題があって、小児精神科の専門病院として独立したのです。
 あすなろ学園の園長先生は、昨年、私たちが訪ねたときに、梅ケ丘病院が統合されることについて、心配です、そうおっしゃっていました。それはどういうことなんですかと伺ったら、それは、梅ケ丘は早くから児童精神病院として頑張ってきた。総合病院の中ではできないことができた。いろいろな職種の職員が混在してつくり上げてきた。障害の子をゆっくり伸ばしていく、育てていくのは、医療の面からだけ治すのではなくて、福祉・医療を一体に地域と一緒に育てはぐくむのを梅ケ丘は持っている。高度医療センターに移ると専門性が特化して、子どもがゆっくり生活できる基盤を支えていけるのか。そうおっしゃっていました。
 物理的にも、それから組織的にも独立しているというのは、欠かすことのできない条件なんです。
 しかも、三重の園長先生も心配していましたけれども、入院は長期に及ぶことが多くて、退院後の支援も必要です。60年という長い歴史の中で、地域の方々との温かい関係もつくられてきました。梅ケ丘に通う高校生の患者の家族は、次のように話してくれました。
 入院から退院するまでに、リハビリとして、まず病室から病棟内、そして病棟の外に出られるようになります。何より入院している子どもたちが楽しみにしているのは、外出許可が出て、まちに出られるときです。梅ケ丘駅前コンビニや飲食店、豪徳寺や東松原の駅方面には商店街があり、そういったお店に立ち寄るのは、入院している子どもたちの楽しみと同時に、退院と社会復帰に向けた大切なリハビリになるのです。近くには公園や遊歩道もあり、入院患者たちは、病院の職員の方とともに、ごみ拾いなどの活動もします。長年のそういった取り組みで、周辺の商店街も、まちの住民もなれているのか、静かに温かく見守ってくれています。これが梅ケ丘病院なんです。このすばらしい環境を守ることこそ、行政の責務ではありませんか。
 東京都がこの問題をごまかすいいわけとして、後から持ち出してきたのが、小児総合医療センターに統合することで、心と体の総合診療ができるから充実だ、小児精神科を取り巻く環境が変わって、心と体の合併症が大事な課題になったという話です。
 しかし、先ほど紹介した梅ケ丘病院から都立病院改革会議に提出したレポートでも、そんなことは一言も触れられていません。そうではなくて、組織的、物理的独立にくれぐれも配慮してほしい、そういうことをいったわけです。
 そこで伺いますけれども、現在、梅ケ丘病院に通院もしくは入院している子どもたちで、体の治療が必要で、他の小児科などの医療機関に通院している患者は、どれくらいいるのですか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 まず申し上げたいことは、心と体の総合的な医療ということで小児総合医療センターを整備すると私ども申し上げておりますが、これは、現在梅ケ丘病院に通院、入院している患者さんだけを対象としたものではございません。 現在通院等している患者さんの中で、体の治療を必要としている数につきましては、データとしては把握しておりませんけれども、現在の梅ケ丘病院では、例えば入院患者に対しては、耳鼻科あるいは歯科の診療を週1回行っているほか、非常勤の小児科医が各病棟を週1回回るなどの対応を行っております。場合によっては、その他の疾患で、必要に応じて近所の医療機関を受診する患者さんもあるように聞いております。小児総合医療センターが開設されれば、身体疾患の専門医が常時おりますことから、こうした状況は解消されるというメリットがございます。
 また、それ以外に、心と体の合併症の増加につきましては、これは摂食障害、あるいは虐待、その他さまざまな疾患がございますので、そういった対策は、新センターによって初めて適切に対応していくことが可能になるものでございます。

○大山議員 梅ケ丘病院で確認しましたけれども、他の医療機関に継続的に通院している、または通院が必要だという患者さんはいない、そういうお話でした。答弁にもありましたように、耳鼻科や歯医者さんは週に1回来てくれて、小児科医も巡回してくれる。少なくとも現状では、それで大きな不都合はないということなんですね。
 しかも、梅ヶ丘病院のホームページを見ますと、例えば東6病棟は男子の思春期病棟です。入院している子どもたちは、身体的には健康な中学生・高校生が大半ですので、毎日を運動、勉学にと、元気で入院生活を送っています。こう紹介されています。
 この健康で元気な子たちが府中に行かなければならない必要性、必然性はありません。違いますか。

○斎藤経営戦略・再編整備担当部長 先ほどの繰り返しになりますが、心と体の総合的な医療と申しますのは、それが必要な患者さんのためのものでございまして、梅ケ丘病院の患者さんで、一部、体の診療を必要とする患者さんにつきましては、小児総合医療センターに移る意味はあろうかと思います。
 なお、梅ケ丘病院が新しいセンターに移転した以降は、大抵の現在の医療スタッフはそのまま新センターに勤務いたしますので、これまでと同様の医療が提供できるものというふうに考えております。

○大山議員 今、梅ケ丘に行っている患者さんたちには、府中に行かなければならない必然性や必要性はないってことですよね。
 さっきからおっしゃっている、心身症だとか摂食障害のことをいわれていると思いますけれども、特に心と体の総合的医療が必要なケースについては、小児総合医療センターで受け持てばいいわけですよ。そんなことまでは否定していないわけでしょう。
 かけがえのない梅ケ丘病院を廃止して、必然性のない子どもたちまで小児総合医療センターに丸ごと移転する道理は全くありません。
 地域とのかかわりも、梅ヶ丘病院が長年の歴史で作り上げてきた大事な問題です。
 厚生労働省は、子どもの心の診療体制があまりにもお粗末なことにようやく気がついて、専門医の養成や、拠点病院の整備について検討を進めています。
 19年3月には、各都道府県に少なくとも1か所は、こころの診療を専門的に行える中心的な医療機関が必要だ、という報告書が発表されました。これを受けて、23年度以降、全都道府県に拠点整備を進める方向で検討が進んでいます。こういうときに、梅ヶ丘病院を廃止統合することは、重大な逆行です。
 もともと東京のような大都市で、梅ケ丘の1か所だけでは足りないのです。心の診療が必要な精神疾患や発達障害の子どもとその家族は、きちんと診てもらえる専門的な医療機関が余りにも少ないために、途方にくれています。梅ケ丘病院も、その他の全国の小児精神科の医療機関も満杯で、外来で診てもらうのも何か月待ちという状況です。
 梅ケ丘病院を存続させて、心と体の合併症は主に小児総合医療センターが受け持ち、さらに、都内の各医療圏ごとに子どもの心の診療の拠点となる医療機関を整備していくことこそ、東京都の役割です。
 ことしの第1回定例会では、都立3小児病院の廃止条例を東京都が提案しました。しかし、都民の廃止しないでほしいという10年越しの運動がさらに大きくなって、厚生委員会の採決では、廃止条例は6対7のわずか1票差で可決されるという、ぎりぎりのところまで来ました。さらに、民主党と日本共産党は、存続のための修正案を提案し、生活者ネットも賛成しました。
 廃止条例に反対した民主党は、都議会民主党が都議選前に発表した「政策要綱2009」では、「都立病院、市立病院など公的な病院はもちろん、必要な病院は存続させます」と公約して、廃止反対と公約して当選した民主党の議員が少なくありません。その民主党が第1党となって、廃止条例に反対した会派が都議会議員選挙では過半数になったのです。
 都民の運動は、廃止条例が成立してもなお大きくて、存続を求める署名は、きょうの3つを合わせると6万3030筆にも上ります。また、医療関係者も、もういたたまれずに、都内5千人の医師が加盟している東京保険医協会は、都立3小児病院の廃止条例撤回を求める声明を出しました。
 これらの都民の願いにこたえることこそ、わが都議会の役割です。行政が都民の願いを無視して、しゃにむに都民の福祉に反することをやろうとするときに、議会が役割を果たすことが求められているし、それができる議会なんです。
 ですから、都議選で都立小児病院は存続と都民に約束したことを、約束した各会派が責任をもって果たそうではありませんか。力を合わせれば、それができる議会になっているのです。そのことを呼びかけて、私の質問を終わります。