第18期 建設局関係の都議会各委員会での質疑
| 2009年9月17日 | 環2地下トンネル(仮称)築造工事の請負契約について | 環境建設委員会 | かち佳代子(大田区選出) |
| 稲城大橋有料道路の無料化について |
環2地下トンネル(仮称)築造工事の請負契約について(2009年9月17日環境建設委員会)
〇かち議員 それでは、第百四十号議案、環二地下トンネル(仮称)築造工事(二十一 一−環二新橋第二工区)請負契約の件について、質問させていただきます。
環状二号線という幹線道路計画は、もともと終戦直後に都市計画決定された、新橋から神田佐久間町までの九・二キロメートルのものが、負の遺産ともいえる臨海部へのアクセスのために延伸して、環状三号線をも突き抜けて、有明までつなげる総延長十四キロの幹線道路計画であり、膨大な税金投入となるこのような整備計画に日本共産党は一貫して反対をしてきているものです。
今回の契約案件は、都施行による環状二号線新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業の一環として、立体道路制度を活用して行う道路整備です。その地下トンネル一・四キロについての道路事業を、建設局所管ということで、その一区間の築造工事の契約案件として提出されているものです。
したがって、市街地再開発事業全体との関係に言及しなければなりません。
その点でいうなら、この再開発事業、計画は、都市整備局管轄ですけれども、総額二千二百四十億円の投資計画であり、それに地下道路部分の、今回、建設局関係の部分を入れると四百七十億円、計二千九百十億円の事業となるわけです。全長一・四キロメートルの道路と開発事業ですから、一メートル二億円規模の道路と開発事業になるということです。
先日、ご協力いただきまして、現地を視察させていただきました。この一・四キロの区間、虎ノ門から新橋までずっと歩いてみたんですけれども、二〇〇二年ごろにも一度行ったんですが、そのころはまだ本当にまばらに住宅が抜けていましたけれども、あそこは現道のない地域で、ほとんどが住宅と商店などが密集している地域だったんですけれども、今はほとんど、もう建物はなくなって、工事用の重機などが作業しておりました。
そこに住んでいた方々は約千人、九百四十数人いたわけですけれども、この方々が一体どこへ行ったのかなというふうに、ちょっと都市整備の方に聞いてみたんですけれども、そうしますと、地権者と借家人合わせて九百四十二人のうち、地権者で残る人は二四%、借家人においては四百八十四人のうち、たった七人ということでした。従前住民で、中にはこれを機に転出したという人もいるでしょうけれども、多くの住民が住み続けたり、営業を続けることができなかったというまちづくりだということです。
そして、道路整備と一体の再開発計画、これは、住み続けられることがメリットだとか、それから効率的な土地活用ということで、立体道路制度を導入しているわけですけれども、ここにできる建物が容積率九四〇%、二百五十メートルという、超高層ビルと一体の道路建設だということなんですね。
本当にこういうことが、地域の住みなれた、住み続けられるまちではなく、変貌してしまう。また、巨額の投資をする。環境問題でも非常に問題があると思います。
環境面でいえば、この地下トンネルの開通によって、日量六万台の車が発生すると聞いておりますが、これまでは現道がなかったわけですから、ほとんどNO2などの環境基準が超えていなかったわけですけれども、そこに車を呼び込むということで、悪化することは目に見えているわけです。
昨今、地球温暖化対策からCO2削減、これも大きな課題になっておりますけれども、このような超高層ビル、このビルの分のCO2の計算だけでも、年間二万四千トンを超える排出量が推計されているわけです。このような税金の使い方は改めて見直すべきだと申し上げておきます。
その上で、今回の契約案件について若干伺います。
今回、環二地下トンネル築造工事、この入札は、契約の相手方は鹿島・鉄建・泉建設のJVで、三十一億円であり、落札率は五四%ということです。近年続いている低入札のあり方が、これまでにも当委員会でも議論されてきているところですが、共通して危惧されることは、こういう低入札が、結局、工事の品質確保、安全性や下請業者の営業、労働者の賃金低下等の懸念が指摘されているところです。
実際、私自身もこの間、二件の公共工事に携わった四次下請の方が未払いということで、いろいろ相談も受けております。これまでの当委員会でも、低価格入札問題がかなり議論され、その中では、建設業界とも意見交換をしたり、また、国からも新たな低入札対策が打ち出されてきているとのことですけれども、今日、一向に改善していないというのが現状だと思います。
そこで伺いますが、公共工事の契約における予定価格の出し方の根拠は、原材料とか燃料とか工賃などが積算されて決められていくと思うんですけれども、ここ十年、十五年の間の動向というものはどういうふうになっているでしょうか。
〇鈴木企画担当部長 本契約案件におけます代表的な資材でございます鋼材と生コンクリートの動向についてご説明申し上げますと、鋼材類の単価は、先生のご要望、十年ということでございましたが、昨年四月から急騰いたしまして、昨年の十月にピークを迎えました。その後、世界経済の急速な減速の影響を受けまして、下落を続けてございましたが、ここ数カ月は、例えば鉄筋でご説明申し上げますと、一トン当たり六万円程度となってございます。
また、生コンクリートにつきましては、鋼材類の動きとは異なりまして、一立米、一立方メートル当たりですね、一万一千円程度で安定してございます。
さらに、労務単価についてでございますが、例えば、土砂の掘削や資材の積み込みなどの仕事を行います普通作業員でございますが、一万四千円程度で過去五年間推移するなど、安定している状況でございます。
〇かち議員 今のご説明では、工事費の多くを占める鋼材費、また生コンとか、労賃コストも、相場ではそれほど下落をしているという状況ではないということですよね。
こういう中で、落札率五割を引き出すということがどうしてできるのかということなんですけれども、鹿島という大手ゼネコン企業がこういう入札の仕方をすれば、中小の建設業者にも大きな影響をもたらすことは否めません。
今回の入札経過調書によると、八つのJVが応札して、一JVが辞退、七つのうち、一つが八〇%、あとはほとんど、この鹿島とドングリの背比べというような状況だったわけですけれども、その経過の中で、備考に、低入札のため低入札価格調査制度に基づいて調査をした結果、契約の内容に履行がなされると確認したので落札者として決定したとありますけれども、どのような調査を行い、何によって確認できたのかお聞きします。
〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 まず、環状二号線についてでございますけれども、環状二号線は、都心に集中する交通を適切に分散し道路交通の円滑化を図る上で重要な役割を担う区部の環状道路の一つでございます。今回の臨海部から虎ノ門に至る区間の整備につきましては、都心部と臨海部との連絡強化や、地域交通の円滑化を図るとともに、緑豊かな都市空間のネットワークを形成する上でも、極めて重要でございます。そうしたことから、今回、契約に至った次第でございます。
低入札価格調査内容についてでございますけれども、公共工事は、完成後、数十年の長期にわたり、その機能が維持される必要があり、工事品質の確保は極めて重要な課題でございます。そのため、一定水準を下回る価格が入札であった場合、大規模な工事では低入札価格調査制度を適用し、当該工事契約の履行が可能かどうかを判断しております。低入札価格調査は、入札価格の内訳書や配置予定技術者の実績などの資料を提出させた上、低価格により入札した理由、積算内容、施工体制、品質確保等についてヒアリングを行うものでございます。
今回工事において、会社の利益を極端に抑えることで、諸経費の削減を図り、低入札としていること。また、あわせて低入札で積算されている主な項目といたしましては、地盤改良でございます。さらに、下請への影響についても、下請予定金額、労務費及び下請会社からの見積書及び同意書を提出させ、問題がないことを確認しています。
以上によりまして、確実な施工が可能であることを判断いたしました。
〇かち議員 今お聞きしましても、適格かどうかの確認というのは、第一の落札者としかやらないということなんですね。本当にドングリの背比べでどうなんだということで、相対判断はできないということだとか、それから、特に調査するについても、その当事者からのヒアリング、主なヒアリングでしかないということからすると、その担保になるようなものは、その時点ではないということがいえると思うんです。
実際、資料を出していただきましたけれども、同じ地下トンネル工事、十六の環二東新橋区間のときには、同じ鹿島JVでとっているわけですけれども、これは九六・七%で落札しているわけです。四年前のことです。
同じ鹿島のJVで、どうしてこの四年間でこんなに落差が出るのかという点でも非常に納得がいかないんですけれども、努力や工夫でもっと、だからこの時点で、努力や工夫でもっと引き下げられたんじゃないかというふうにも思えるわけです。その辺の確認はされたのでしょうか。また、局としての見解はどうでしょうか。
〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 前回工事は平成十六年、今回は平成二十一年と、その間、五年間あるわけですけれども、今回契約に当たって、入札者にヒアリングをしたところ、昨今の経済情勢の急激な悪化による厳しい受注環境の中において、受注を確保し、技術者の育成、技術の伝承を図る目的で入札したというふうに聞いてございます。
〇かち議員 建設局としては、これまでも予定価格の五割、六割という金額で落札するに当たって、受注者は将来に対する投資である人材育成費や研究技術開発費などを削減しており、このままでは日本の技術力の低下を招き、結果として都民共通の財産である社会資本の良好な整備や、適切な維持管理に支障を来すことが危惧されるなどと、これまでにも述べておられるわけです。いろいろ努力はされているようですけれども、なかなか改善が見られません。引き続き、総合評価方式の拡充、あるいは品質確保、安全施工など、早期に実効ある対策を講ずることを求めて質問を終わります。
以上です
〇藤井委員長 この際、本案に対して意見のある方は発言願います。
〇かち議員 それでは、第百四十号議案、環状二号線地下トンネル築造工事について、意見を述べます。反対意見を述べます。
本契約案件は、環状二号線幹線道路計画に基づく一区間の地下トンネル工事契約ですが、これは、バブル期の負の遺産ともいえる臨海部へのアクセス道路として、当初の計画から大きく逸脱して延伸を重ね、膨大な税金投入となる都市再開発と一体の道路計画であります。
とりわけ、新橋・虎ノ門区間においては、従前住民の多くが居住、営業を継続できない問題や、環境負荷の面からしても、この整備計画には、我が党は一貫して反対しているものです。
今回は、新橋・虎ノ門地区の市街地再開発事業の一環で、環二道路の道路事業の一区間、新橋第二工区の工事契約であります。再開発事業、二千四百億円に加え、一・四キロメートルの地下トンネル、四百七十億円もの都民の税金を投資して整備するものであり、税金の使い方が問われている今日、改めて反対するものです。
あわせて、大手ゼネコンが筆頭JVの契約落札でありますが、予定価格の五四%という低価格入札であり、工事の品質確保、安全性、下請業者の営業、賃金低下等の懸念が払拭できません。大手企業の社会的影響、責任という観点からしても、このような低価格入札には問題があることを指摘して、意見とします。
以上です。
稲城大橋有料道路の無料化について(2009年9月17日環境建設委員会)
〇かち議員 私からも、稲城大橋有料道路の無料化についてお聞きします。
ひよどり山有料道路に続いて、今回、道路公社による稲城大橋有料道路事業の破綻処理ということになるわけですけれども、もともと生活道路の早期建設をもって有料化するということを公共事業として位置づけることがそぐわなかったということを示していると思うんです。
我が党は、ひよどり山道路も稲城大橋有料化についても、国と公営企業金融公庫から借り入れてまでして、生活道路を有料化して、三十年ローンで返済する計画自身も成り立たないことを指摘し、反対してきましたが、結果としてそのようになりました。
稲城大橋、この道路は、平成七年、九五年から供用開始になった一・九キロメートルの四車線の有料道路ですけれども、本来一・六キロのところだったんですけれども、わざわざ中央自動車道まで接続するために三百メートルを延伸したわけです。
しかし、この稲城大橋有料道路は、先ほどもありましたけれども、中央自動車道の稲城インターに接続はしているんですけれどもフルインターではないということで、新宿方向にしか行けない道路だということなんです。
高速道路でもなく生活道路にもつながらない、極めて不十分な道路なんですが、この高速道路でもない有料道路にするというものが、そもそも無理な返済計画の設定だったのではないかと思いますけれども、改めてご見解をお伺いします。
〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 稲城大橋有料道路は、多摩川中流部の交通混雑緩和が急がれる中、有料道路制度を活用し、早期整備を図り、短期間で整備し、平成七年に開通することができました。
事業に当たりましては、国が策定した第十次道路整備五カ年計画をもとに計画交通量を設定いたしまして、適切に事業計画を策定いたしました。ただ、景気の低迷や周辺開発のおくれなどの影響により、交通量の伸び率が当初見込みより低かったことなど、計画段階では予測しがたい要因によりまして、交通量の実績が計画を下回ってございます。昭和五十五年には五橋十二車線であった多摩川中流部の橋梁が、現在九橋三十二車線となるなど、稲城大橋を取り巻く環境は大きく変化してございます。
このため、地元などからの強い要望も踏まえ、今年度末をもって有料道路事業を終了し、無料化を実施することとしたものでございます。
〇かち議員 当時の有料化を決める当委員会での議事録などを見ますと、料金の基礎となる根拠、それがガソリン代やタイヤの摩耗、時間の節約などであるという説明をされているんですけれども、都民の交通の便宜を図る、混雑解消を図るために有料化するなどということは、本来生活道路としては成り立たない話だと思うんです。周辺にできている橋との公平性からも問題があり、建設先にありきで進めてきた矛盾のあらわれではないでしょうか。(発言する者あり)だから、つくるときから反対をしてきたんです。
今回、交通量の低迷などで道路公社の運営の行き詰まりを来したことにより、この事業に終止符を打ち、都道として無料化することは当然のこととして賛成するものですが、若干この間の経過についてお聞きします。
国の新道路計画貸付制度により、交通量計算も推計されて、三十年間の返済計画を立てたわけですけれども、なぜこのような状況になったのかということで資料を出していただいたのですが、十四年間の計画の中で最もピーク時の平成九年の交通量、これが計画交通量の何%だったのか。それを超えるものはないんですけれども、直近の平成二十年、ここでは何%なのか。この経過の中で、計画交通量の七〇%を超えた年はほかにあるのかどうか、お聞きします。
〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 平成九年度の年間計画交通量は七百二十七万台でございまして、計画比七三%でございます。
平成二十年度の年間計画交通量は八百十一万台で、計画比四三%でございます。
七〇%を超えた年度は、平成九年度のみでございます。
〇かち議員 最高時でも計画の七三%、最近では四三%ということで大体その辺を低迷しているというのが実態です。これでは計画推計そのものの見通しが甘かったといわざるを得ませんし、あるいはまともに推計したら料金設定をもっと高くしなければならない、そんなことをすればますます交通量が減るということになり、どちらにしてもこの事業の先に展望はなかったということだと思うんです。
改めて、道路公社運営によるひよどり山、稲城大橋の有料道路事業の破綻処理のためにどれだけの税金投入になるのか、お聞きします。
〇藤井道路建設部長情報基盤整備担当部長兼務 ひよどり山有料道路につきましては、平成十九年度に無料化に必要な経費として六十八億六千万円を支出してございます。
稲城大橋有料道路につきましては、料金収入で維持管理費が賄えておりましたが、建設元金の返済がピークを迎えたことから、一時的な資金ショートが発生してございます。平成二十年度に、資金ショート対策として十四億六千万円を支出いたしております。平成二十一年度に、無料化に必要な経費といたしまして四十一億一千万円を予算措置としてございます。
これらの合計は百二十四億三千万円となります。
今回無料化する稲城大橋有料道路は、平成七年四月に開通して以来、多摩川中流部地域の交通混雑の緩和や都民の生活を支える大きな役割を果たしてきましたが、周辺状況の変化などを踏まえ、今年度末をもって有料道路事業を終了することといたしました。無料化によりまして、今後、稲城大橋は、多摩川中流部地域の交通の円滑化や利便性向上に、これまで以上に寄与していくものと考えてございます。
〇かち議員 当時のバブル期という社会的背景もあったでしょうけれども、建設先にありきで生活道路の負担を都民に押しつけてきた結果、合計百二十五億円もの都の税金投入をせざるを得なかったということをしっかり教訓として今後に生かすことを求めて、質問を終わります。
以上