第18期 総務局関係の都議会各委員会での質疑

2009年9月16日 オリンピック招致問題について 総務委員会 古館和憲(板橋区選出)
首都大学東京について
2009年10月22日 職員の給与に関する報告と勧告について
「十年後の東京」について
オリンピック招致にむけた四千億円の基金について
2009年10月29日 東京オリンピック招致委員会への都の外郭団体からの寄付について
首都大学東京について
市町村交付金について
都区のあり方について
三宅島のバイクフェスタについて
2010年3月5日 全国瞬時警報システム・Jアラートの整備促進補正予算について
2010年3月17日 「10年後の東京」への実行プログラム2010
2010年3月18日 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案について
2010年3月19日 東京都青少年健全育成条例についての意見開陳
2010年5月6日 東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例の都民等に対する説明について 吉田信夫(杉並区選出)
2010年6月14日 東京都青少年健全育成条例の改定案に関する意見表明
2010年12月7日 青少年健全育成条例改定案への意見表明

オリンピック招致問題について(2009年9月16日総務委員会)

〇古館議員 それでは、何点か質問させていただきます。
 十月二日のIOC総会で開催都市が決まります。知事のコメントでは、開催理念や環境を重視したコンパクトな大会計画、そして充実した輸送システムや財政力、こういうことについて、評価委員会から非常に高く評価されたというコメントがありました。
 そこでお尋ねをいたしますけれども、二〇一六年のオリンピック・パラリンピック競技大会に立候補しているのが、東京、シカゴ、マドリード、それからリオデジャネイロの四つの都市であります。そこでお聞きしますけれども、総括として最も高い評価を受けた、これはどの都市でしょうか。

〇中嶋招致推進部長 今回のIOC評価委員会報告書は、各立候補都市の立候補ファイルの内容や現場視察などを踏まえまして、大会計画のすぐれた点や課題とすべき点について、具体的に記述したものでございます。昨年六月の立候補都市選定時とは異なりまして、数値により評点をつけるというものではございません。
 これは、この報告書が、各IOC委員が十月二日の開催都市決定の投票の際の参考にするために作成されたものでございまして、立候補都市の間の優劣をつける目的のものではないからでございます。
 なお、オリンピック・パラリンピックの招致活動におきましては、他の立候補都市と比較するようなコメントはできないという招致ルールでございますので、改めて申し上げさせていただきます。

〇古館議員 私の手元にあるものでは、サマリーの概要ということで、それぞれ評価があって、リオデジャネイロが、立候補ファイルだとかプレゼンテーションは、詳細で質は非常に高いと。これは、非常に高いといういい方をしてあるのはここだけなんですね。
 あとは、マドリードは質はさまざま。それからシカゴは質は高い。東京も質の高いものだと。ですからそういう意味でいう、私のさっきの質問でいうと、ここでいわせていただくと、リオデジャネイロが非常に高い、こういう評価があるんですね。
 そういうことの中で、〇九年度の九月三日の資料、これが今私がいったもので、東京はシカゴとともに質は高いという評価、それでお聞きしますけれども、それぞれの開催都市でのIOCの世論調査、これはどのようにあらわれているんでしょうか。四都市についてお尋ねをいたします。

〇細井企画部長 IOC評価書における世論調査の結果でございますけれども、委員会資料にも記載してございますけれども、東京での支持率は五六%、シカゴは六七%、マドリードは八五%、リオデジャネイロは八五%でございます。IOCによりますと、この調査はことしの二月に行われたということでございます。
 二月以降、三月の東京マラソン、また衆参両院での招致決議、市町村や経済界、運輸業界、観光業界などの民間団体との連携した招致機運の盛り上げなどによりまして、都民、国民のオリンピック・パラリンピック東京招致に対する支持は非常に高まっておりまして、四月後半に実施した調査では八〇%を超える支持率でございました。
 また、六月から七月にかけて行われました十代の若者を対象とした調査でも、支持率は約八割に上がっており、支持は着実に拡大していると認識しているところでございます。

〇中嶋招致推進部長 先ほどの理事のご質問の中に、立候補ファイルやプレゼンテーションの質についてのIOC評価報告書のコメントについてご発言がございましたけれども、一言申し添えさせていただきますが、今回のIOC評価委員会の報告書の、四都市の評価の要約である最後のサマリーというのがございますけれども、その中に確かにそのような記載がございました。
 ただ、これは中身を見てみますと、それぞれの計画の総合的な評価としてこれをコメントしているというものではございませんで、立候補ファイルにおける表現ですとか、評価委員会訪問時のプレゼンテーションにおける技術面での方法、こういった方法論についてすぐれているかどうかというような評価でございまして、そういう意味では部分的な評価というふうに私ども受けとめてございます。
 したがいまして、リオデジャネイロが、そういった高い評価、その部分においては高いコメントをされているというのは事実でございますけれども、これをもって大会計画の全体が総括されたというものではないというふうに、私どもとしては考えてございます。

〇古館議員 私が今挙げたところは、部分的ではない−−というふうにいっているんですけれども、この概要の中で、今私がいった、非常に高いとか、質は高いとかといった部分、最初に何が書かれているかといったら−−総括という部分についてです。だから、総括だから、全体について評価しているんだということを、まずはきちっとそこは改めていただきたいし、私はそういう理解でこの質問をさせていただいていますので、まずここに書いてある1、2、3、4という数字が、その後に並ぶんです。最初にぼんと来たのが、総括という中で、今私が指摘をしたような内容になっているんだということをいっておきたいなと、このように思っております。
 東京の場合は、賛成が五五・五%で、反対が二三・三%。シカゴが賛成が六七・三、反対が一二・二。マドリードが賛成八四・九で、反対が六・八。リオデジャネイロが賛成八四・五で、反対は九・二と。局の資料の中で、東京オリンピック招致に関する世論調査についてというのがあって、局がやっているものについては大体、WEBとかの調査で六千人、三千人、三千人。最後の方の、二十一年四月について招致委員会がやったという支持率調査では、七三・五%というふうに出ているんですね。
 この七三・五%って随分高いなと思ったんですが、これは電話で調査をしたということなんですね。電話で調査、しかも会話しての回答だというふうに私に説明をしております。一千人ですね。大体ほかは六千人だったり四千人だったり三千人だったりと、そういう調査のサンプルなどがやられているんですけれども、しきりに、この七三・五%、高くなっているよという。これは、いわゆる電話調査によって一千人、しかも、実際に出た人と会話をして、それで、支持するかしないかということを聞いているわけですからね。これはすぐに、あ、そうですかというふうに納得するというわけにはいかない。そういうふうに私は考えているところであります。
 それで、同じ時期に各新聞社などがそれぞれやっているんですけれども、二十一年四月ですが、共同通信社が五五・六%とか、毎日新聞が五七%とか、それから読売新聞社が五五・一とか、朝日新聞社が五五。だから、各マスコミがちゃんとやっているやり方でいいますと、ほとんどが五割台というのが、今の都民のオリンピックに対する実態だというふうに、私は思っているところであります。
 そういう状況の中で、ナンバー9の競技及び会場というところで、会場視察において、既存会場の幾つかは実際には建設が必要だ、今のままでは使えないよと、こういうふうにいっている箇所がありますね、この中で。先ほどいったサマリーの概要の中でも。
 これについては、どこのことを具体的に指しているんでしょうか。

〇中嶋招致推進部長 競技会場の施設関係につきましては、立候補ファイルの中で、全く新しくつくる新設会場と、既存会場を改築などしながら活用するものと、既存会場をほぼそのまま使うもの、あと、オリンピックだけのために仮設でつくるものと、こういう四区分で、立候補ファイルとしてIOCに提出いたしました。
 私どもとしまして、その既存会場の中で、大規模なものも含めまして、改築や改修を施した後、オリンピックにふさわしい会場としていくというものにつきましては、この基準に照らして、既存会場として分類して出したものでございます。
 その部分につきまして、今回IOCが実際に現場を見て、これは分類のうちの新設会場に当たるという指摘があったのは事実でございます。ですからこれが恐らく曲解されまして、東京としては、既存会場をそのまま立候補ファイルに出しましたが、来てみたら、実際には非常に改修が必要だというのが初めてわかったというようなことのように、曲解された形で一部報道もされておりますけれども、これは正しくございません。
 今いいました、IOCの方から、新設会場として分類しますよというふうに報告書で書かれました会場につきましては、以下の六会場でございます。(「六会場」と呼ぶ者あり)六会場です。
 東京辰巳国際水泳場。それと夢の島公園。それと夢の島につくりますユース・プラザというのがございますが、これはIOCの基準からいきますと、それぞれホールごとに会場というふうに位置づけますので、そのユース・プラザのアリーナのA、B、C。それと大井のホッケー競技場。以上、この六会場でございます。

〇古館議員 そういう形で、今、六会場ということで明らかにされました。ですからそういう部分でいうと、いい方によっては、東京の立候補ファイル自身が、本当にそういう意味でオリンピックの会場としてたえられるかどうかということについての信憑性もやっぱり問われているというふうに、私はいわざるを得ないと思うんですね。
 あと、選手村の建設に供される敷地の広さについても懸念があるとか、あるいは宿泊施設についても、ホテル客室の提供に関する保証期間は開会式から閉会式のみを対象にしているとか、これだと、保証期間が延長されなければ、早期に到着する必要のある関係者は実質的に、より高い宿泊料金を払うことになるだろうという、こんな指摘などもあるんですね。
 それと、やっぱり選手村とオリンピックスタジアムの周辺の交通が課題であると。こういうような状況がいろいろ厳しく指摘されているということでありまして、私どもはこのオリンピックの問題については、これまでも、東京の招致ということについて疑問を投げかけておりますし、この立場から引き続き、今後とも質疑をしていきたい。
 以上で私の質疑を終わります。

〇中嶋招致推進部長 一言、ちょっと申し添えさせていただきます。
 先ほど、立候補ファイルの信憑性ということをお話しいただきましたけれども、繰り返しになりますが、東京は、先ほど申し上げました六会場につきましては、大規模なものも含めまして、恒久施設工事が必要という認識に基づき、その整備計画や建設費用など、必要な事項についてはすべて立候補ファイルに盛り込みましてオープンにしております。
 したがいまして、今回のIOCの指摘というのは会場の分類の問題でございまして、これによって、追加的な施設整備など、抜本的な計画変更が生じるというものではございませんので、立候補ファイルの信憑性云々の問題というのは当たらないというふうに考えてございます。
 それと、最後にもう一言申し添えさせていただきますが、先ほどの総合評価の観点でございますけれども、総務委員会の資料でご提出いたしました資料にもありますように、各都市とも、すぐれている点、課題とされた点、それぞれ具体的にあげつらってございます。
 その中で、他都市の比較はできませんけれども、事東京に関して申し上げさせていただきますと、課題とされた点につきましては、先ほど理事の方からもご指摘ございましたが、各テーマについての技術的な側面についての指摘でございます。これらは計画の根幹にかかわるものや、開催能力自体を問うようなレベルのものではございません。
 しかも、これらにつきましては、IOCの評価委員会の視察が終わりました六月に、IOCで計画の説明の場がございましたが、テクニカルミーティングというふうに申し上げておりますけれども、そういった機会におきまして、既にこういった問題点についてIOCに説明済みでございます。
 一方、計画の強みとして、かねてからアピールしてございました開催理念ですとか環境を重視したコンパクトな大会計画、それと充実した輸送システムや財政力といったものにつきましては、今回の報告書で評価委員会から正当に高く評価されてございます。したがいまして、総合的に関していいますと、東京の計画につきましては全体として、IOCから非常に高い評価をいただいているというふうに考えてございます。

〇古館議員 今お話がありましたけれども、そういう指摘というのは、別に東京だけじゃなくてシカゴだとかマドリードだとかリオデジャネイロだとかに、そういうことでこういうところはちゃんと改善しなさいよとか、こういうことはちゃんと修復しなさいとか、そういうことというのはやられているわけですからね。そういう意味で、別に東京だけに指摘があったということ−−だけではないというふうに思うんですね。
 だからそういう部分でいうと、私たち日本共産党としては、先ほどオリンピックの問題でいいましたけれども、そういうところにお金を使うんだったら、やっぱり今、都民の福祉だとか暮らしだとか教育だとか、そういうところにちゃんとお金は使うべきだということをずうっといい続けてきておりまして、この問題についても、引き続き私たちは注目をしながら、やっぱり暮らし最優先の方向で質疑をしていきたい。
 以上でございます。

首都大学東京について(2009年9月16日総務委員会)

〇古館議員 それでは、私も、公立大学法人首都大学東京業務実績評価書の件について、何点かお伺いいたします。
 三ページで、大学の今後の可能性が非常に大きいと、そういう評価がありまして、その中で、大学が、学生に対して提供するサービスだけじゃなく、卒業生や地域住民に向けた間接的な効果も含めて、大学全体としてどう社会に貢献できるのか、こういう視点から、新たな可能性にチャレンジして首都大学東京のブランドを高めていってほしいと。
 これは皆さん、そのように思っているし、その場合に、次に書かれているんですけれども、学生支援、都との連携、教員の給与体系の見直しなど、具体的に改革が進んでいる点は評価される一方で、想定していなかったマイナスの影響にも配慮する必要があると、こういうふうに述べているんですが、この、想定していなかったマイナスの影響にも配慮する必要があるというのは、どういうことかというのをまずお尋ねしたいと思います。

〇岸上首都大学支援部長 首都大学東京では、より効率的、効果的な業務運営を目指しまして、教授及び准教授につきましては平成十九年三月に、助教につきましては平成二十年六月に裁量労働制を導入いたしました。本年五月に開催しました評価委員会におきまして、評価委員と大学の教員とが意見交換を行った際に、この裁量労働制が話題になりました。
 大学における裁量労働制は、みなし労働時間を一日八時間としまして、実際の始業時刻及び終業時刻を各教員にゆだねるというものでございます。この制度の導入につきまして、自分の裁量で時間がやりくりできるという、そういう評価をする意見が大半でございましたが、一方で、教員の時間の融通がきくのでついやり過ぎてしまうということがある、というご意見もございました。
 こうしたことを受けまして、本制度について、全体としては評価するものの、運用に当たり評価する必要がある側面もある、ということを指摘したものでございます。

〇古館議員 それはちょっと置いておいて、四ページ目で、戦略的大学連携支援事業ということが出されておりますよね。
 これは、文部科学省が支援を開始した戦略的大学連携支援事業、これも一層活用して国公私立の枠を超えた教育研究の連携を進めていくことを期待すると、こういうことですので、これはどういう中身なのかと。これについて、首都大としてはどういうふうな形で実行されているのかということを聞きたいんですが。

〇岸上首都大学支援部長 この戦略的大学連携支援事業といいますのは、国公私立大学間の積極的な連携を推進しまして、各大学の教育研究資源を有効活用することにより、大学が地域の知の拠点として地域と一体となった人材育成の推進を図ることを目的に、平成二十年度から開始された事業でございます。
 大学にとりましては、この事業に選定されるということは、国から補助金を得られるということに加えまして大学の事業が国に認められたということになりますので、大学に対する社会的な評価の向上にも資するというふうに考えております。
 首都大学東京といたしまして、平成二十一年度に、新潟医療福祉大学、札幌医科大学、埼玉県立大学、及び日本社会事業大学と連携した事業が選定されております。

〇古館議員 ごめんなさい、今の最後の、連携した事業というのはどんなことなんですか。ちょっと参考までに教えてください。

〇岸上首都大学支援部長 首都大が参画しましたこの事業でございますけれども、QOL向上を目指す専門職間連携教育用モジュール中心型カリキュラムの共同開発と実践というものでございます。(「よくわからない」と呼ぶ者あり)私も専門ではございませんけれども、QOL、つまり健康、生活の質の向上を目指す、そういう専門職を育成するに当たって、連携して教育していく、そういうモジュール、どういうカリキュラムを組んだらいいのかと、そういうことを共同で開発しようというプロジェクトでございます。

〇古館議員 それで、七ページのところなんですけれども、ここの真ん中あたりで、また環境問題とあわせて、少子高齢化が進む中においても持続可能な社会を目指すことも日本の課題だ、東京都は最低の出生率にもかかわらず、人口流入のおかげで子どもの減少という問題に直面はしていないが、本当の意味での持続可能な社会の実現に向けて、子どもの幸せや、高齢化による孤独、介護などの問題の取り組みを進めていってほしいと、こういうふうに述べています。
 これは、法人いわゆる行政法人としての見解なのか、それとも、これ自体は東京都自身もかかわってこういうような形で出てきているのか、その点はどういうふうな状況になっているんでしょうか。

〇岸上首都大学支援部長 この評価自体は、先ほども申し上げましたけれども、大学のあり方、運営、それから教育の質の向上等、そういったものに資するということを目的としたものでございますので、直接的には、この評価書自体は法人に対して発せられたものでございます。

〇古館議員 なかなか大きなテーマみたいなのがたくさん書かれております。やっぱりこの首都大に対する都民の期待というのは、大きいものがあると思うんですね。ですからその点について、必要ならばさらに東京都としての財政支援をと。
 私が気にしているのは、法人という形になっていくと、やっぱりどうしても勉強ですから、大学だからそこで何かもうかるという話にはなかなかならないわけですよね。したがって、これだけの知的な財産という部分を、東京都自身が、全国に知らしめられるような大学になってきているというふうに−−大学だというふうに感じているわけでして、最後に私がいいたいのは、ここに対する東京都としての必要な財政力、投入するべきところについてはきちんと財政を使うと、こういうことを強く求めて、私の質問を終わります。
 以上です。

職員の給与に関する報告と勧告について(2009年10月22日 総務委員会)

〇古館議員 それでは、私も、職員の給与に関する報告と勧告について何点か質問します。
 昨年来の急速な景気悪化を理由として、人事委員会は、例月給それから特別給ともに引き下げて、年間給与は、資料第1に示されていますけれども十七万六千円のマイナスと、先ほどからるるありますように過去最大の減収を勧告しました。これは、五月の臨時勧告に引き続いて賃下げありきの勧告だ、このようにいわざるを得ません。
 そこでお尋ねですが、人事委員会事務局に対して組合からさまざまな要請などがあったと、このように思いますが、どのような内容の要請などがあったんでしょうか。

〇宮川任用公平部長 古館理事のご質問にお答えいたします。
 人事委員会事務局では、ことしの勧告に向けまして、三月四日から勧告直前の十月二日まで計九回にわたり職員団体の代表から要請を受けております。人事委員会には、その内容を報告をしております。
 その主な要請内容についてでございますけれども、職員給与に民間給与を正確に反映すること、勧告の基礎となる民間給与実態調査の対象企業の規模を五十人以上から百人以上に見直して職員給与及び一時金を引き上げる改善勧告を行うこと、国とは制度的に異なる住居手当については引き下げや廃止の勧告はしないこと、超過勤務縮減のための実効ある取り組みを推進すること、仕事と子育ての両立支援策やメンタルヘルス対策の充実を図ることなど、多岐にわたっております。

〇古館議員 職員給与に民間給与を正確に反映することということと同時に、今お話がありましたけれども、この民間給与実態調査は対象企業の規模が五十人以上なわけですよね。組合の方は、この問題について少なくとも百人以上にしてもらいたいと。もともと、いわゆる東京都の公務員の人数というのは物すごい多いわけですから、こういう状況の中で五十人以上というのが適切かどうかということはやっぱり論議のあるところだし、組合としてこの点で見直しをする必要があるという点は私は理解できますし、また、住居手当について引き下げるとか廃止というのは、もともと住居というのはある意味で固定した金額で来るわけでありまして、それを下げるとか下げないとかというのは、給与の問題ですからもちろんあり得ないことじゃないんだけれども、住居手当などをこういうふうに引き下げだとか廃止だとかということについてはやっぱりすべきではない、なじまないと、こういうふうに私なんかも思いますね。
 それで、仕事と子育ての両立支援策だとかメンタルヘルス対策の充実ということについては、これ今、本当に深刻な問題として起こってきている。こういう問題についてはやっぱり東京都などが率先して、どのようにしてこの子育ての両立支援、メンタルヘルス対策−−これはやっぱり先駆的に東京都としてやっていかなければならない仕事だというふうに認識をしておりまして、充実を図っていくという点でも、私も含めて強く求めておきたいなと思っております。
 そこで二つ目の質問ですけれども、組合からの切実な要求は、まさしく生活実感に基づいたものであって真摯に受けとめるべきだと考えております。人事委員会は一連の要求をどのように受けとめ、勧告に反映したんでしょうか。

〇宮川任用公平部長 人事委員会の勧告制度は、申し上げるまでもない話でございますけれども、職員の労働基本権制約の代償措置である。各人事委員はこうした基本認識に立ちまして、職員団体の要請を真摯に受けとめ審議を行っております。
 これまでも都人事委員会は職員の給与について、都民の理解と納得が得られるよう、民間給与の実態を的確に把握し、適正な水準を確保するため勧告を行ってきております。ことしも、民間従業員の給与をできるだけ広く把握し職員給与に反映させることが適当との判断に基づき、企業規模五十人以上でかつ事業所規模五十人以上の事業所について調査を行い、勧告の基礎といたしました。
 こうした人事委員会としての基本姿勢を堅持しつつ、職員団体の要請については可能な限りしんしゃくをしております。具体的には、住居手当について、国と都では制度の趣旨、要件や、職員の住宅事情が異なることから、ことしの勧告におきましては国と同様の見直しは行わず、ただし今後、制度のあり方を検討するとしております。
 また、超過勤務の縮減や、仕事と子育ての両立支援のための取り組みのさらなる充実、職員の心の健康保持の観点からパワーハラスメント問題の研究の必要、などについても言及をしております。
 今後とも、職員の給与を初めとする勤務条件が社会一般の情勢に適応するよう、第三者機関として適切な役割を果たしていく考えでございます。

〇古館議員 いわゆる公務員が、ずうっと職員の労働基本権が制約のまま、その代償措置としてこういう形で勧告がある、本来は、そういうような状況が私はない方が適切だと思っているんですね。だけれども、そういう意味での労働基本権制約の代償措置としての勧告として、いかにしてそこで働いている人の、いわゆる賃金を含めた、それこそ生活権を守っていくのか、こういう点では非常に大事な部分があると思うんですね。
 しかも、東京都のような大きな人員がいるところで、どれだけの賃金を引き上げるかということについては、それこそ東京全体の賃金ベースに大きな影響を与えていくものであって、私はそれをプラス要因に転化していかなければいけないなと、こういうふうに考えているものであります。
 ですから、先ほどもちょっと述べましたけれども、企業規模が五十人以上、事業所規模が五十人以上の事業所と、こういうような状況でして、その点について先ほどの答弁だと、職員団体の要請については可能な限りしんしゃくをしてきたということ、この問題については、ここで今そのようにいわれているとおりであります。
 具体的に住居手当の問題、先ほどちょっと私指摘をしましたけれども、国と同様の見直しを行わない、今後制度のあり方を検討するという点については、やっぱり職員の立場に立ったあり方の検討ということをぜひ求めておきたいと、このように思っております。
 超過勤務の縮減だとか仕事と子育ての両立支援、こういうための取り組みのさらなる充実ということも出された、これも貴重なことだと思っています。同時にパワーハラスメント、この問題の研究の必要性についても言及をしてきたという点は極めて重要なものだというふうに思いますので、これはぜひ、緊急な大きな課題として取り組みを進めていってもらいたいと思っております。
 そういう中で、今後とも第三者機関として適切な役割を果たしていく、こういうふうに今述べられましたけれども、その立場をぜひ堅持していただきたい。
 最後に私の意見でありますけれども、今回の勧告は、行革の名のもとで過重労働にあえぐ職員の生活を直撃するばかりか、都内企業が勧告に追随をしていけば景気のさらなる悪化を招いていくものでありまして、これは、負の連鎖を生じかねないやり方だというふうにいわざるを得ません。人件費削減ありきの行革では、官製ワーキングプアを生み出すだけで都民サービスの向上にはつながらない。人事委員会には、いたずらに政治に追随することなく第三者機関としての使命、役割、そうした責任を想起するように強く求めて、私の質問を終わります。
 以上です。

「十年後の東京」について(2009年10月22日 総務委員会)

〇古館議員 それでは、私からも「十年後の東京」についてお尋ねをしたいと思います。
 知事がオリンピック東京招致に言及したのが平成十七年九月二十日の本会議でありました。「十年後の東京」は、翌年の十八年に刊行されたんです。ですから、知事の言及というのは、はっきりいってトップダウン的に出されてきた。
 石原知事はその巻頭で、今夏、東京は二〇一六年オリンピック競技大会の国内立候補都市に選定された、そして、十年後のオリンピックは、成長のステージを経て成熟を遂げつつある東京がさらに機能的で魅力的な都市に生まれ変わるための絶好の機会でありますと記しております。この「十年後の東京」がオリンピック招致の構想を具体化するものとして出されてきた、これはもう明らかでありました。「十年後の東京」の裏表紙では、これもまた「オリンピックを東京に、二〇一六年!」と、こんなふうに印刷されております。
 さらには知事の巻頭のあいさつで、今夏、東京は二〇一六年オリンピック競技大会の国内立候補都市に選定されました、このように始まっているんです。東京オリンピック、「東京」がなくても、オリンピックという言葉が、この「十年後の東京」の中で四十カ所ほどあるんですね。多くの施策がオリンピックに関連づけられて出されているというのが「十年後の東京」の特徴の一つだと考えております。こうした構想から打ち出されてきたのが、この「十年後の東京」であります。
 インフラ整備については、申請ファイルで、環状五号線の改良工事など既存インフラ整備で一千億円とか、圏央道、首都高速中央環状道路など一兆円を超える莫大な費用がかかる計画、これらがメジロ押しになっているものであります。
 しかし、オリンピック招致が結局は実現しませんでした。そこでお尋ねしますが、そのことで実行プログラムはどのような影響が出るとお考えでしょうか。

〇梶原計画調整部長 「十年後の東京」でございますけれども、「十年後の東京」は、東京が近未来に向けて、都心インフラの整備だけではなく、環境、安全、福祉、文化、観光、産業、またスポーツの振興といったさまざまな分野でより高いレベルの成長を遂げていく姿と、それに向けた政策展開の方向性を都市戦略として内外に明らかにしたものでございます。
 この「十年後の東京」は、オリンピック・パラリンピック招致の成否にかかわらず、東京がさらなる成熟を遂げ、より機能的で魅力的な都市に生まれ変わるため、着実にその実現を図るべきものでございます。
 また、「十年後の東京」への実行プログラムは、「十年後の東京」で掲げました八つの目標の実現に向けた政策を着実かつ迅速に実施するための三カ年のアクションプランでございまして、個々の政策はオリンピック・パラリンピックの招致結果に影響を受けるものではないと考えております。こうした考え方はこれまでも繰り返し答弁をさせていただいております。
 今後とも、社会情勢の変化や新たな都民ニーズに対して、迅速かつ的確に対応しながら、「十年後の東京」で描いた二十一世紀の都市モデル実現に向けた先進的な取り組みを着実に進めてまいります。

〇古館議員 今、一生懸命、オリンピックというのをどっちかというと否定的にしゃべって、そうじゃないんだよといっているんですけれど、結局はオリンピックに名をかりて、やることは、今おっしゃったように、大きな道路を初めとする大型開発、これらを大盤振る舞いしていくと。こういう形で計画として出され、具体化されていったものもあります。
 結局は、おっしゃったように、オリンピックにかかわりなくて大型開発が進められてきたし、ですから今後も、オリンピックがあろうがなかろうが関係なく、この開発がどんどん進んでいくと。その代表的な事業計画が、三環状道路が生まれ変わるなどというアピールで三環状道路等の整備促進などが据えられて、それで平成二十年度の事業費が一千六百十四億円。三カ年事業費としては五千七百六十六億円が予定されているんですね。
 そこでお伺いしますが、道路計画についていうと、批判の強い外環道路などの根本的な見直し、これを私は求めますが、いかがでしょうか。

〇梶原計画調整部長 まず頭に、「十年後の東京」の中で、さらなる成熟都市に向けた三つのねらいというのが書いてございます。これは、残された二十世紀の負の遺産を解消すること、より機能的で魅力的な東京の姿を明らかにすること、東京の価値や信用力を高めその貴重なレガシーを次代に継承していくこと、この考え方、いまだにその考え方にのっとってこの「十年後の東京」は進めていくべきものだと考えております。
 外環のお話でありますが、今、理事からは、批判の強い、というお話もありましたけれども、外環道につきましては、都市計画変更後も八十回を超える住民との話し合いを重ね、本年四月に地元の意見や要望に対する国と都の考え方を示し、五月には国において事業化された道路でございます。
 外環道は、東京から全国に放射状に延びる高速道路を環状に連結し、東京のみならず広く全国にその便益が及ぶ重要な道路でございます。費用対便益は二・九と全国でもトップレベルであり、渋滞解消や環境改善などの効果も非常に大きい、早急に整備されるべき路線だと考えております。
 都としては、外かく環状道路の一日も早い完成に向けて、引き続き国に働きかけてまいります。

〇古館議員 そういう形でどんどんどんどん大型開発は進めていくと。
 私どもは、そうした計画そのものの転換をぜひこの際だからやっていく必要があるということをいって、このインフラ整備について考えられる−−これはちょっと違ったらまた正確に教えてほしいんですが、インフラ整備で七兆五千億円ほどかけようとしていたと、こういう形で今我々は試算をしているんですが、その点について、違ったらまたご指摘いただければと思います。
 それで、私は各決の総務局の質疑で、東京国体にこそしっかりと力を入れる必要があると、こういうことを指摘いたしました。なぜかというと、はっきり決まっているのは東京国体だったんです。オリンピックは受かるか受からないかわからないという中で、国体というのがきっちりと年度も決まって、やることは間違いないと。だから、こういうところにこそ力を入れる必要があるんだということを指摘いたしました。
 知事本局の分掌事務を見ていますと、東京オリンピック・パラリンピック招致本部との連絡に関すること、こういうような形なんかがあるんですね。こういう中で、やっぱり、オリンピックじゃなくて国体というのをきちんと位置づけをしていただきたいと。
 そこでお尋ねしますが、この「十年後の東京」で、平成二十五年度に東京国体、全国障害者スポーツ大会開催、その準備が掲げられております。知事本としてもぜひ後押しして進めていただきたい、このように思いますが、いかがでしょうか。

〇梶原計画調整部長 まず、七兆五千億のお話ですが、これはオリンピックに要するインフラ整備ということでのご発言かと思いますが、これも私どもの立場とはちょっと違いますが、試算されている内容については、立候補ファイル、申請ファイルに含まれていない道路、それから、実行プログラム、「十年後の東京」にも記載されてない、例えば羽田と築地の道路だとか、そういうものも全部含まれた数での試算で出された数ということでございまして、私どもが計画として出している数を積み上げるとこうした数にはなりません。
 それから国体の関係でございますけれども、「十年後の東京」におきましては、目標8に、スポーツを通じて次代を担う子どもたちに夢を与えることを定めまして、スポーツの振興を通じて競技力の向上と世界の子どもたちの健全育成に貢献し、生涯を健康的に過ごせる社会を実現することを目指した政策の一つとして、東京国体の成功を位置づけてございます。
 また、既に実行プログラム二〇〇九におきましても、施策の43、オリンピック、国体につなげるスポーツの振興として、具体的な施策、例えば国体の会場となる施設の整備でございますとか、ジュニア期からのアスリート養成、あるいは東京国体環境指針の策定などを実施することとしてございます。
 今後とも、平成二十五年の東京国体の成功に向け、都の施策、事業に関します全庁的な企画調整役である知事本局として、その役割を十全に果たしてまいります。

〇古館議員 さっきの七兆数千億円の話が、この計画、いわゆるこの冊子にはないけれども、ほかの、全体を入れたものがそうだと、そのように答弁があったというふうに今認識をいたしました。
 そして、こういう中で、特に災害に強い都市をつくると。こういう問題について、これはかなり個別政策になるんですけれども、首都東京の信頼を高めるということが実行プログラムでも述べられておって、緊急に着手する問題として、耐震化について述べております。
 二〇〇九年の「十年後の東京」への実行プログラムを見ますと、八八、八九ページで目標が掲げられておりまして、そこでは、小中学校等の校舎等については当初目標を三年間前倒しし平成二十四年、二〇一二年度までに耐震化を完了する、このうち、倒壊等の危険性が高い校舎等の耐震化を平成二十二年、二〇一〇年までに完了するとしております。私立小中学校・幼稚園等や、保育所、社会福祉施設等は新規事業として計画されているなど、これは評価をいたします。しかし、前倒しを、ぜひこれは求めたいなと思っております。
 こうした耐震化こそ−−平成二十二年、二〇一〇年、これが都立の高等学校の耐震化目標としている年度なんですね。したがって耐震化完了に横並びできるように、ほかのそれぞれの小中学校とか、幼稚園とか、そういうのもぜひ横並びで入れていただきたいなと、このように思っております。
 達成年次も思い切って前倒しをすることを求めますが、いかがでしょうか。

〇梶原計画調整部長 まず、最初の、七兆五千億あるいは九兆円、インフラ整備がオリンピックにかかるというようなご主張があるかと思いますけれども、私どもとしては、その試算というのはさまざまな問題がある−−例えば、先ほど申しましたのは、計画であるとか、実行プログラムであるとか、「十年後の東京」に書かれた路線でもない路線の数値も全部積み上げた数字が古館理事がご試算なさった数字で、私どもとしてはそういう数字は持ち合わせていないし、考えていないということをお話ししたつもりでございます。
 それから、学校の耐震化ということでございますけれども、今、理事の方からお話がありましたように、十八年十二月、「十年後の東京」に平成二十七年度までに小中学校を一〇〇%耐震化するという目標を定めました。その後、二十年五月に中国の四川大地震というのがあったわけでございますけれども、二十年十二月に策定した実行プログラム二〇〇九で、さらにこの耐震化の目標を加速させて、目標年度の前倒しを行ったものでございます。
 具体的には、財政支援と人的支援を行うことにより、公立小学校については目標年度を三年前倒しし平成二十四年度までに、私立小学校については目標年度を二年前倒しし平成二十五年度までに完了することといたしました。さらに、公立小学校のうち特に、例えばIs値の低い建物について、危険性が高いものについては、その緊急性を踏まえ平成二十二年度までに完了することとしております。
 耐震化の工事と申しますのは、学校が休みの期間中に行わざるを得ないこともあり、耐震診断から始めますと、設計、工事に通常二年から三年程度要するということになります。
 今回の目標年度は関係者の意見などを踏まえて可能な限り前倒ししたものでございまして、この目標を確実に達成してまいります。

〇古館議員 都立高校というか、高校についてはそういうふうに一番先にやりますよと。だから私なんか読んでいると、この順番に順位がついているのかなというふうに感じちゃうんですね。だから私は、できるだけ前倒しをして耐震化を実現するようにしてほしいなと、こういうふうに考えております。これは要望であります。

オリンピック招致にむけた四千億円の基金について(2009年10月22日 総務委員会)

〇古館議員 オリンピック招致に向けて、都では今日まで四千億円に上る基金が積み立てられてきました。これは、私も総務の方で、この四千億という基金についてお話をさせていただいたんです。都民は決してトップダウン事業というのを望んではおりません。先ほど述べたように、このトップダウン事業というのは都民から批判も受けてきているんです。今こそ、こうした基金を都民の暮らしや福祉、営業、教育など、都民生活最優先の都政へと転換させていく、このことを強く求めておきたいと思います。
 そういう点では、確かに財務局という声もありましたけれども、いわゆる知事本局の担っている仕事というのは政策そのものの策定でもあり、そうした事業をどのようにして進めていくかという点での大きな責任もある部署であります。私は、はっきりいって、別に褒め過ぎということではないんですが、知事本局というのは東京都の頭脳だと思っています。その知事本局が最も関心を向けなければならないのは、都民の生活実態を直視し、都民の暮らし、何を今都民は望んでいるのか、このことにこそ力を集中して、そういう中で計画を東京都として練り上げていく、そういうところに知事本局としての値打ちといいますか、真価があるんじゃないかなというふうに私は思っています。そうした点で、ぜひこの問題について力を尽くしていってもらいたい、このように考えているところであります。
 最後に、知事本局として、先ほどいったけれども、四千億円のこうした基金の使い道の問題なども含めて、全庁的に討議をしていただけないかなと。これは質問の通告の中にありませんでしたが、この点についてお答えしていただければありがたい。
 以上です。

〇吉川知事本局長 お話を聞いていると、都民、都民とおっしゃるんですが、都民といった場合、都民の総意というのをどうとるかというのは、かなり、政治というか、そういう意味では、知事なり都議会議員の皆様方が都民の総意をどうとるかというのは、正確にやっぱり語っていただきたいというような気がします。
 いわれなくても、知事本局というのは東京の発展、成長、それから都民の安心と安全のために全庁的な調整役としてこれまでも努めてまいりましたし、今おっしゃったような課題については、十月二日の結果を受けて、現在、東京都だけじゃないかもしれませんけれども、今回の結果をきちっと総括をするということがまず第一義かなというふうに思っております。

〇古館議員 今そのように局長に答弁をしていただきました。
 しかし、都民の総意とか都民の思いとかという−−だけどオリンピックそのものが本当に都民からそういう形で受けとめられたかというと、私は必ずしもそうじゃないというふうに思っています。そのことが、結果として選ばれなかったということにもつながっていくわけですから、このことだけ指摘をして、私の質問を終わります。
 以上です。

東京オリンピック招致委員会への都の外郭団体からの寄付について(2009年10月29日総務委員会)

〇古館議員 それでは、私も、東京オリンピック招致本部にかかわって質問をいたします。
 二〇一六年の夏季オリンピックの招致にかかわってですが、東京都がこれまで公表していた招致活動経費百五十億円以外に、今もちょっとお話がありましたが、招致にかかわって五十億円を超える税金を支出しております。そのことについては、先ほども事実上お認めになった話をしていますね。
 招致関係経費は総額二百億円に上ることを、我が党はこの間、明らかにしてまいりました。これは今後もさまざまな形で、このオリンピックにかかわってどのような形で経費が使われたかというのは、私どもはこれからもさらに系統的に調査をしていきたいと、こういうふうに思っております。
 我が党と赤旗新聞では、東京オリンピック招致委員会が東京都の外郭団体から多額の寄附を集めていたこと、このことを明らかにいたしました。東京都はこれまで、五輪の招致経費は都が百億円を負担する、また招致委員会が集める民間資金の五十億円で賄うと、このように説明をしてまいりました。
 ところが、九月末時点で、民間資金は四十億円程度しか集まらない。十億円不足したんですね。既に集められたこの四十億円の中には、純粋な民間企業や個人からの寄附以外に、東京都の監理団体とか報告団体からのサポーター会費名目、こういう形で寄附も含まれているわけであります。
 こうした状況の中で、招致委員会が都の関連団体に駆け込みの要請をしたんですね。法人の四分の一強が都の関連団体なんです。(パネルを示す)これです。それで、東京都の関連団体というふうに私はいいましたが、この中で東京都の監理団体、報告団体、こういうサポーター会費名目の寄附もありますけれども、招致委員会が都の関連団体にさまざまな形で、はっきりいえばノルマをかけていたわけですね。で、結局これによりますと、東京都からの出資や財政支援を受けている二十六の外郭団体に対して、ゴールド会員……(「だめだよ、勝手につくっちゃ」と呼ぶ者あり)つくっているんじゃありません。これは東京都の方からつくられているものです。ゴールド会員からシルバー会員、こういうランクづけをして、寄附を要請していたんですね。
 ゴールド会員に対しては、会費が一千万円以上という形で四団体、東京国際フォーラムや東京地下鉄(株)、東京都競馬(株)、東京ビッグサイトに、ゴールド会員だといって一千万円以上、四団体に−−出したんですね。シルバーは、五百万円以上という形で九団体に、ここに九団体がありますけれども、五百万円以上で何とか寄附をしてくれと、こういうふうに要請をしているんですね。それでブロンズというのが三番目のランクにありまして、百万円以上、寄附してくれと、ここに書いてある十団体にこうした形で依頼をしている。一般会員は十万円以上で、三団体に対して申し入れしているんですね。これで二十六団体。
 この寄附は、これらの団体がオリンピック招致委員会の要請にこたえたもので、本来、民間企業や個人の寄附で賄うものにほかならなかったわけでありますが、この中には、シルバー会員と位置づけられている東京都住宅供給公社があります。ここは、いわゆる居住者から家賃をもらって運営しているところでありますけれども、こういうところにも五百万円という形で求めたんですね。
 ところが、この住宅供給公社は、五百万円じゃなくて、二倍の一千万円出してきたんです。これははっきりいって、どういう形でこのようになってきているんですか。この点についてお聞かせいただきたいと思います。

〇細井企画部長 招致活動に対しましては、都民、国民からの広範な支持が必要でございまして、民間企業のみならず、多くの個人、団体、東京都の監理団体等に対しましても、ご協力をしていただくように要請したところでございます。要請に対してノルマを課したということは、一切ございません。
 収益から寄附をするか否かは、それぞれの団体の判断でございます。趣旨に賛同し、寄附をいただいたものというふうに認識しているところでございます。

〇古館議員 全く今の私どもの指摘のとおりじゃありませんか。
 それで、聞きますけれども、東京都の住宅供給公社の場合、二回目に、五百万円だったのが一千万円、じゃあこの一千万円、いつお願いしたんですか。

〇細井企画部長 先ほど申しましたとおり、サポーターズクラブを発足させた時点から、監理団体のみでなく民間企業を広く含め、多くの個人、団体に対しまして要請をしたところでございます。

〇古館議員 今、私が聞いているのは、住宅供給公社に対して五百万円ということで依頼をして、それが二倍の一千万になっていると。だから、その五百万円、一千万円になるそのほかの五百万円、これはいつ依頼したのかと聞いているんですよ。

〇細井企画部長 先ほども答弁したとおり、サポーターズクラブの趣旨を理解していただくように要請したわけでございます。
 二回寄附を出したということは、それぞれの団体の経営判断でございまして、それぞれの団体が判断し、寄附の趣旨に賛同して提出していただいたと、このように理解しております。

〇古館議員 二回目は、招致レース最終盤のことしの九月に行われているんですよ。明らかに民間資金が目標に達しないために、追加的に寄附したものにほかならないじゃありませんか。(「何でそんなこといえるんだよ」と呼ぶ者あり)大体、到達していないんだから。
 そこでお尋ねをしますけれども、生活文化スポーツ局からもらった資料では、財団法人東京都歴史文化財団、同東京都スポーツ文化事業団には、都からの補助金収入、負担金収入、指定管理料収入などが充てられていますね。これは税金です。このうち補助金は、運営費補助金に当たるものであります。団体の自己努力では収入が足りない、赤字となるために、これはもう税金で賄っているわけでありますけれども、こういうところにも、やっぱり寄附の要請をしている。これは、都民サービスを提供するという公益的な団体に対する補助として、当然必要なものであります、この補助はですね。
 運営費に税金での支出を受けている団体が、いかなる理由であれ今回のように寄附を行うことは、第二の税金投入に当たるものだと、私どもは指摘をしておきます。
 そこでお尋ねしますけれども、居住者に値上げを押しつける一方で、東京都住宅供給公社は、もともと公社法に基づいて都民のための住宅を供給、管理することを目的としています。また、公営住宅法に基づく低所得者のための都営住宅の管理も受託し、そういう点では特殊団体であります。このような団体が、オリンピック招致という、この団体の目的から見て説明のつかないような支出、一千万円を行う。こういうことは異常であって、認められません。
 住宅供給公社は、黒字にもかかわらず、三年ごとの家賃の見直し、家賃値上げを行い、居住者に過重な負担を押しつけております。その一方でオリンピック招致に資金を提供するようなことは、私は、到底都民の納得は得られない、このように考えます。どういう見解をお持ちですか。

〇細井企画部長 それぞれの団体が経営判断をして、趣旨に賛同して寄附をいただいたものと、このように認識しております。

〇古館議員 ですからそうしたことについて−−先ほどいったように五百万円が一千万円になっている。それで、この住宅供給公社の役割から見たらちょっと違うんじゃないかということを、私は指摘しているのです。
 東京臨海高速鉄道株式会社、これは、昨年度決算は赤字でありました。にもかかわらず寄附を行う。こういうことは、はっきりいって背反行為ですね。また、東京都道路整備保全公社が二〇〇九年度で一〇%、東京水道サービスが二〇〇九年度で五%、経営が悪くて監査の指摘を受けているところであり、しかも役員の報酬もカットを実施しているところであります。こういうところからも、さっきいったけれども、ゴールド、シルバー、ブロンズ、一般会員、こういうふうにそれぞれの段階ごとに金額を決めて、こういうことでもって協力してくれというふうにいってきているというのが、実態じゃありませんか。
 こうした点で、都から出資や財政支援などを受けている二十六法人がサポーターズクラブに加入して、計一億二百三十万円余を寄附したことがわかりました。東京都の下水道サービス、あるいは東京税務協会、東京都中小企業振興公社など、これもそういう形で寄附をしているわけですね。しかも、この中に赤字企業の東京臨海高速鉄道、先ほどいいましたけれども、役員の報酬までカットしているところであります。そういうところも、こういうふうに寄附をしなければならない。
 そこで伺いますが、オリンピックを最大の旗印にしてきた石原都政のもと、オリンピック招致委員会の要請とあれば断れない。それで寄附をするということになったんではありませんか。どうですか。

〇細井企画部長 先ほども申し上げましたとおり、招致活動に対しましては、都民、国民からの広範な支持が必要であり、民間企業のみならず多くの個人、団体、監理団体等に対し、協力していただくように要請しまして、それぞれの機関で判断して、ご寄附をいただいたということでございます。

〇古館議員 それぞれの監理団体はそれぞれの役割を担っていて、それが第一義なんですよ。それを、あなたのところはゴールドですとかシルバーですとか、こういうことについてはちょっと違うんじゃないですかということをいっているのです、私は。
 それで、出資を求められた監理団体の中には、東京臨海高速鉄道のように、平成二十年度で三十八億余円の赤字を抱えているところなども入っているのです。さらに、居住者が家賃を納めている東京都住宅供給公社が、五百万円を二回にわたって計一千万円寄附するなどは−−要請されなければ寄附することなんかないんです。もともと五百万円だったんですから。ですから、これは要請されたとしかいいようのないものであります。
 法人関係者は、都の事業なので協力させていただいた、頼まれたら嫌とはいえない、あるいは、都は強制していないといっているようだけれども招致委員会と都幹部から要請を受けた、都から経営改善努力を求められている団体もある、これは本当に余分な支出だ、このように述べられているのです。
 東京都として、これらについては、やっぱりきちんと返還をして、その団体団体の運営がしっかりと回るように支援をしていくことを求めますが、いかがですか。

〇細井企画部長 古館理事がおっしゃるように、ノルマをかけたようなことは一切ございません。(古館議員「だけど目標だって出しているじゃないですか」と呼ぶ)サポーターズクラブに加入するかどうかは、各団体の経営者が判断して行ったものというふうに考えております。
 都政と密接な関係にある監理団体が、みずからの判断でオリンピック招致に協力するということに関しては、全く問題のないことでございます。招致委員会としては、寄附金を返還することは考えておりません。

〇古館議員 じゃあもう一つ聞きますけれども、こういう形でお願いをして、全く要請に応じなかったというところはあるんですか。念のため。

〇細井企画部長 民間団体、監理団体、広く要請しておりますので、もちろん、その要請にこたえていただけないところも、多々あります。

〇古館議員 監理団体のこといっている……

〇細井企画部長 民間団体、監理団体含めてです。そういうことでございます。

〇古館議員 具体的に後で、じゃお聞かせください。
 以上で終わります。

首都大学東京について(2009年10月29日総務委員会)

〇古館議員 それでは最初に、公立大学法人の首都大学東京についてお伺いします。
 公立大学法人首都大学東京が発足をして四年四カ月が経過しました。この法人のもと、現在は新大学の首都大学東京と産業技術大学、それから保健科学大学、都立高専、航空高専とが併存しております。この中で、学生増等に見合う運営費交付金の増額、この声は非常に大きなものがあります。
 学生が、平成二十年まで一万人台だったんですけれども、平成二十一年は一万一千人を超えて、とりわけ首都大学東京では、平成二十一年が前年の二十年よりも四百人も学生がふえています。
 こうした中で、学生や教職員などからさまざまな声が出ております。運営費交付金の増額などの要望も大きいわけです。きょうは、そうした中で、今、学生などから切実な声として出されていることを幾つか質問させていただきます。
 私も何度か首都大学東京南大沢キャンパスを訪問いたしました。その際に、食堂が非常に混雑していたというふうに記憶をしております。一つしかない、と思いました。
 南大沢キャンパスの食堂の現状はどうなっているのでしょうか。

〇岸上首都大学支援部長 南大沢キャンパスの食堂につきましては、季節や時間帯により利用者の変動が大きく、学生が不便を感じることがあるというふうに聞いております。
 首都大学東京におきましては、食堂の混雑緩和を図るため、昼食時の弁当販売を充実するほか、履修登録の時期であります四月から六月には臨時の食堂を設置するなど、さまざまな工夫を凝らして対応しております。

〇古館議員 ここにいらっしゃる方は、恐らく、大学というところに入って卒業したという方が多いんじゃないかと思うんですけれど、大学生というのは勉強に行って授業を受けるというだけが、そういう意味では学生の学習じゃないなということを−−例えばやっぱり食堂がちゃんと大きくあって、そこでいろいろなディスカッションができるとか、ところが、今の首都大の食堂というのは、とにかく待っている学生が多いわけです。だからそういう意味でいうと、やっぱり東京都としてイニシアチブをとって、ぜひ食堂を増設すると。
 確かに今、弁当とかそういう販売で対応しているわけですけれども、学園というのはそういうものでもないだろうというふうに思うので、そこについては、ぜひもう一度前向きに、どういうふうにしたらこうした食堂で、もう少しディスカッションができるかな、こういう観点も踏まえて一度考えていただきたいと、これは強い要望であります。
 それから二つ目ですけれど、食堂はもちろんなんですけれども、施設の老朽化に伴う修繕も必要であります。平成二十一年度は、大体、施設の修繕についてどれぐらい予算措置をしているんでしょうか。

〇岸上首都大学支援部長 施設整備の改修更新につきましては、学生に良質で快適な学習環境を提供するため、これまでも計画的に実施してきております。
 今年度は、施設費補助金として約五十億円を予算措置しております。

〇古館議員 この南大沢キャンパスにとどまらないで、先ほどいいましたけれども、ここは幾つも学校があります。
 そういう中で、五十億円を措置しているということなんですけれども、とにかく建物そのものが非常に大きなものだしたくさんありますから、ぜひそういう点では、施設整備費を初めとする修繕費用などについても、引き続き増額なども含めて進めていただきたい。
 具体的に今、どのような修繕に経費がかかるというふうに予定しているんでしょうか。

〇岸上首都大学支援部長 各施設の改修更新につきましては、各キャンパスの実情を踏まえまして、順次適切に行っております。主なものとしましては、空調設備の更新、外壁の改修、給排水設備の更新でございます。

〇古館議員 首都大学東京も、そういうところにかなりお金をかけなきゃならない、そういう年次に入ってきているんだなというふうに感じます。引き続きこのことについては大いに実施を進めていってもらいたいと。
 それで先ほどいいましたけれど、首都大の学生数も、本当に年間で四百人という形でふえています。ただ気になるのが、運営費の交付金というのが、平成二十年ですと百六十五億四千五百万かな、それがどれぐらいふえたかというと、二十一年ではほとんどふえていないという感じなんですよね。
 ですから、こういう運営費の交付金の問題についても、ぜひこの点についてはふやしてもらいたい。ただ、施設費補助金というのがふえていることはこの表の中でもはっきりしておりますが、ぜひこの点で努力をしていただきたいと、このように考えております。

市町村交付金について(2009年10月29日総務委員会)

〇古館議員 続いて、市町村総合交付金について三点伺いたいと思います。
 市町村の総合交付金ですけれども、平成十八年度に、市町村振興交付金と市町村調整交付金及び多摩・島しょ振興にかかわる交付金を統合して創設されたものであります。
 ちょうど今から十年前ですけれども、平成十二年度におけるこれらの交付金の予算額の合計は幾らだったでしょうか。

〇笠井行政部長 平成十二年度における市町村振興交付金、市町村調整交付金及び多摩・島しょ振興にかかわる交付金の予算額の合計は、二百三十五億円となってございます。

〇古館議員 平成十二年度のときには市町村交付金が二百三十五億円と。それでは今年度の市町村総合交付金の予算額は幾らでしょうか。

〇笠井行政部長 平成二十一年度予算におきましては、過去最高額を更新する四百二十五億円を計上したところでございます。

〇古館議員 今、二倍近く大幅に増加をしていると。
 このことは大いに結構なことで、多摩・島しょの地域の振興を推進していく上では本当に意義があることだと思っていますが、さらに多摩・島しょの地域振興を考えていく上で、平成二十五年度に開催される予定の東京国体、これに向けた準備を着実に推進していくことが非常に重要だというふうに考えております。
 都議会は、どちらかというと、オリンピック、オリンピックということは随分聞かれたんですけれど、私はその中でいつも、そうはいうけど確実に来るのは国体だよ、というようなことを議会、委員会の中でもいってまいりました。こういうようなことも含めて、着実に、ぜひ財政的にも大きな推進をしていただきたいなと。
 平成二十四年度には、リハーサル大会も開催されるというふうになっておりますし、今後、各市町村において施設整備などの準備が本格化することになると考えます。先般行われました決算特別委員会の分科会で伺ったとおりですけれども、国体の施設整備については、原則として補助率が二分の一だと。上限があるということで、市町村負担も生じることが見込まれております。また、国体の施設整備だけじゃなくて、多摩・島しょ地域における豊かな自然など、地域の特性を生かしたまちづくりによる、地域の活性化や市民生活の向上の視点も非常に重要だと、このように私どもも理解しているところであります。
 このような市町村のさまざまな財政需要に対して、市町村総合交付金を活用した効果的な財政支援を行っていくべきだと思いますが、その点について見解を伺いたいと思います。

〇笠井行政部長 市町村に対する包括的な財源補完制度といたしまして、「十年後の東京」への実行プログラムや多摩振興プロジェクトなど、都の施策と連携した市町村の取り組みや、地域の特色を生かした魅力あふれるまちづくりに対しては、これまでも効果的に支援を行っているところでございます。
 今後とも、市町村総合交付金を活用した適切な支援に努めてまいります。

〇古館議員 要望なんですけど、どうしても多摩の話というと三環状だとかというふうにいくんですけれど、やっぱり多摩にある自然とか多摩の持っている特質というのは、非常に東京においても貴重だと思うんです。
 ですから、そこのところは東京都として−−これから多摩国体なんかが行われるわけです、前は多摩国体、今は東京国体、ちょっと修正しますが、オリンピックのときはいろいろなアイデアを考えるんだけれども、せっかくそういうふうにして考えていくということだから、スポーツと多摩地域ということについても、やっぱりいろいろな形で工夫を凝らしていっていただきたいというふうに、これはぜひ要望としていっておきます。

都区のあり方について(2009年10月29日総務委員会)

〇古館議員 次に、都区のあり方検討にかかわって幾つか質問したいと思います。
 都と区のあり方検討については長い間、さまざまな問題で行われてきております。
 最近では、平成十八年度の都区財政調整協議において、清掃関係経費、小中学校改築及び特別区都市計画交付金にかかわる課題について決着を見て、三位一体改革の影響への対応についても平成十九年一月三十一日に、調整税の特別区への配分割合が五二%から五五%、このように、変更などで決着を見たとのことであります。
 残るは、都区の役割分担を踏まえた財源配分、こういうことになっております。一定の前進が図られているんですけれども、やっぱり引き続き、都と区の関係の区に対する財源配分、こうした点での努力を求めておきたいと思います。
 そこで何点か伺います。一つは都区のあり方検討についてですけれども、都は、人口五十万人を基準に事務配分を検討していると、こういうふうに感じるんです。
 五十万人は再編の基準、こういうような尺度でいるんでしょうか。

〇塩見都区制度改革担当部長 事務配分の検討に当たりましての五十万というお話でございますが、本日先ほどのご議論もございましたように、特別区につきましては、大都市の一体性を確保する観点から、都に留保されている事務を除きまして、今までかなり多くの事務が既に移管されております。
 さらに今後、事務の移管を検討するに当たりましては、受け皿となります特別区に一定の規模がなければ、例えば専門性の確保が難しかったり、事務の発生件数の頻度の関係でかえって非効率になってしまうとのこともありますことから、そうした観点も考慮して、あくまで都庁内におきまして各局に、検討を行う際の一つの目安として内部的に提示したものでございます。
 したがいまして、都区の事務配分の検討におきます都の評価は、特別区が人口五十万人以上の規模となった場合を想定した評価とはなってございますが、これをもって区の再編を、私どもが五十万人を前提としているということはございません。

〇古館議員 今の答弁を確認しておきたいと思うんです。
 東京都としては五十万人再編ということで考えるけれども、やっぱりそれを決めるのは区のわけだから、そこのところは今どういうふうに答えていただけるかなと思ったら、そこはきちっと踏まえた答弁になっていまして、やはり二十三区という一つのそれぞれのまとまりがあるわけですから、東京都としてはそういう構想があるのかもしれないけれども、そうしたことについてはやっぱり、ぜひ慎重にしてもらいたいというふうに思っています。
 そういう点で、五十万人を前提としているわけじゃないということはまず確認をしておきます。
 区域の議論は都と区でかなり認識の食い違いがあったようですけれども、どういう議論が今日まで、都と区の間でなされているんでしょうか。

〇塩見都区制度改革担当部長 区域のあり方の議論でございますが、その前に私どもが五十万人の規模ということを想定していますのは、あくまでも都区の事務配分の検討においてでございまして、私どもが区の再編の議論をしているときに五十万人を前提としているということは全くないということでございます。
 その議論の都区間の中身でありますけれども、再編を含む区域のあり方の議論が必要である、これが都区のお互いの合意でございますので、これに基づき真摯に議論をすべきであると、私どもは一貫して主張してまいっております。
 一方、区は、区域の再編は二十三区が統一的な見解を持ち得る問題ではなく、都区の役割分担を整理した上でそれぞれの区が主体的に判断すべきと主張しておりまして、この間には認識の違いが大きくございます。
 しかしながらこうした中で、今後の検討を進める上でも、将来の都制度や東京の自治のあり方について調査研究が重要であるという点では都区間で認識が一致しまして、現在、学識経験者を交えた、都と区市町村共同の調査研究の場の設置に向けた準備を進めているところでございます。

〇古館議員 あくまでも自治というあり方を論じる上では、やっぱり住民自治という視点は欠かせないと思うんです。
 そこに住んでいる区民の声をいかに反映させていくのか、これらの点も踏まえた研究、これを研究会でどのように臨んでいくのか。この点で、都としての見解を伺いたいと思います。

〇塩見都区制度改革担当部長 この研究会につきましては、いわゆる審議会や、今やっておりますあり方検討委員会とは異なり、学識経験者を交えました部長級を中心とする実務者レベルの勉強会という位置づけでございまして、一つの結論を出すということには必ずしもこだわらず、都と区市町村が一堂に会し、それぞれゼロベースで東京の自治のあり方について、幅広い議論や研究を行っていきたいと考えているものでございます。
 そうしたことからも、自治の原点に立ち返った議論を行っていく上では、住民本位の行政のあり方という視点は、私ども、当然踏まえながら進めるべきものと考えております。

〇古館議員 本当に長い間、この二十三区の問題については−−皆さん区議をやっていた、私も区議をやっていたんですが、そういう中で結構、都区の関係というのはいろいろな形で熱い議論もあったわけであります。
 先ほど答弁もありましたけれど、いうまでもなく地方自治というのは、地域住民の意思に基づいて、憲法のもとに自主的、自立的に行う、これが大原則だと思っております。国の画一的な政策の中で、地域住民の利益と生活を守るのが地方公共団体ということだと考えております。住民生活に密着した市町村こそ地方自治の土台だということ−−私は今は都議になっていますけれども、そこに根差している自治体はやっぱり区のわけでありますから、地方自治の土台として、この問題についてしっかりとした慎重で十分な議論を求めて、次に進みたいと思っております。

三宅島のバイクフェスタについて(2009年10月29日総務委員会)

〇古館議員 三宅島のバイクフェスタについてであります。
 この間、雨が降っていたんですよね、バイクフェスタのときに。そうしたら石原知事がちょっと映っていました。何か、最後までいなかったのかなという感じもしたんですが、今回のバイクフェスタでのツアー参加者は何人だったんでしょうか。

〇鈴木特命担当部長 ことしのチャレンジ三宅島モーターサイクルフェスティバルへの、オフィシャルツアーでの参加者数は二百七十三名でございます。

〇古館議員 ことしは、このバイクフェスタで、総経費は幾らになったんでしょうか。

〇鈴木特命担当部長 このフェスティバルを主催し、実際に設営業者などと契約を行っているのはNPO法人三宅島スポーツ振興会と三宅村でございまして、ことしのフェスティバルに要した経費につきましては、NPO法人と三宅村において現在集計中と聞いております。

〇古館議員 昨年の場合に、経費は二億円程度というふうに聞いていますが、違いましたか。もし違ったら答弁に出てきてもらって、違わなければいいんですけれども。済みません、教えてください。昨年。

〇鈴木特命担当部長 昨年の経費につきましては二億二千三百万円でございます。

〇古館議員 わかりました。
 私は三宅島にはかなり行っていまして、噴火があって、そのときも総務委員をやっていたので何度か行って、その後も何度か行っています。
 それで、やっぱりここでバイクレースというのが、どうしても私はなじまないんですよね。ぜひ村民の方の声、それから村議会の声、もう一回聞いていただきたいなと、こういうふうに思っています。
 本当にバイクフェスタでないと島が振興しないのか。もっと、島の人たちの、島の振興というんだったらこうしてよというような声を吸い上げた上で、その上でのバイクフェスタということで決着がつくのなら、私は余りいいません。ただ、これは初めからもう、石原知事のトップダウン事業として入っていったというのが私の認識であります。ですから、ここの問題についてはやっぱりぜひ考えてもらいたいなと。
 私が民宿に泊まっていたら、朝、アカコッコがそこの庭で虫を食べていました。ああ、これがアカコッコなんだと。やっぱりバイクやるとどうしても、平日に結構、コンクリートの道路じゃなくて、そういう中にだあっと入ってくるというふうに村の方がいわれています。
 だから、そういうことの持つ影響、三宅島の持っている本当の意味でのよさは何なのかということ、私はバイクフェスタ憎しという形でいっているんじゃなく、三宅島の復興ということをどうしたら本当にそこの住民も喜んでいけるかということについて、東京都として、ぜひその点で知恵を出していただきたいなと思っています。
 そういう意味では、やっぱり私は、バイクイベントというのはもうやめるべきだと思うんですが、その点はいかがですか。

〇鈴木特命担当部長 まず、村民の意思でございますが、イベントの個々のメニューにつきましてはさまざまな意見があるようでございますが、三宅島の厳しい現状と、本イベントが三宅島にとって必要であるということにつきましては、村全体が一致していると聞いております。現に、去る二十四、二十五日に行われました三宅島の本島イベントにつきましては、全村民が一丸となって皆様をお迎えいたしました。
 それとこのイベントでございますが、ことしの三宅島でのイベント期間中は昨年を上回る八百四十人以上の方々が島を訪れまして、延べ三千四百人以上の方がエンデューロエキシビションや親子バイク体験教室などさまざまなコンテンツを楽しんだところでございます。またそれ以外にも、一万二千人を集めた五月のお台場でのプレイベントや八月のサマーキャンプなどを実施することで、三宅島の魅力を広く全国にアピールすることができました。
 このように、現在このフェスティバルは、マスコミへの露出を含めまして村の観光振興策の核となっており、都といたしましては、このフェスティバルを積極的に支援し、三宅島の振興を図っていくことが極めて重要であると考えております。

〇古館議員 大分見解は違いますが、どうしても、何というか長のつくような人の話を聞くとそういうふうになっちゃうのかもしれないですけれども、そこに住んでいる人たちの生活というのは本当に大変なんですよね。そういう意味でいう、根本的な村の振興というのはどうあるべきなのかというようなことについては、大いにまた、お互いに知恵を出し合っていく必要があるというふうに思っています。
 今回のバイクフェスタを除いてで結構ですけれども、これまで累積で幾らお金がかかったでしょうか。

〇鈴木特命担当部長 NPO法人の決算によりますと、三宅島でのイベントに加えまして、お台場のプレイベントやその他の計画調査費用を含めましたフェスティバル全体の経費は、平成十九年度、約二億八千七百万、平成二十年度、約二億二千三百万、合計で五億一千万円でございます。

〇古館議員 五億一千万といいましたっけ。つまり、かなりお金を使っているわけですよね。あそこは四方が海で、火山ガスが出ているとはいうけれど火山そのものだって、逆にその場所でなければ火山ガスが出ていないわけですよね。そういうところでアカコッコもいたり緑があったり、それでそれこそ広大な海が周辺にある。だから、そこのところは大いに知恵を出し合って、何が本当に村民にとっていい振興なのかということについて、ぜひお互いに謙虚にもう一回立ちどまった検討をしてもらいたいなと、このことをお願い申し上げます。
 最後にですけれども、これは意見として述べたいと思います。
 東京都関連団体によるオリンピック招致活動への寄附についてであります。(「さっき終わったよ、もう」と呼ぶ者あり)いえ、これは総務局についてちょっとお話しします。
 百五十億円の招致経費のうち、五十億円は民間資金とされておりますけれども、開催地選考が終わった今日、実際に集まっているのは四十億円程度で、十億円不足するとされております。既に集められたこの四十億円の中には、純粋な民間企業や個人からの寄附以外に、東京都の監理団体や報告団体からのサポーター会費名目での寄附も含まれております。
 幾つか問題点として私どもが感じるのは、事実上、赤字補てん、この寄附なんですけれど、これらの団体がオリンピック招致委員会の要請にこたえたもので、本来、民間企業や個人の寄附で賄うべき資金が集まらないために、オリンピック招致委員会が公的機関に泣きついた、こういうものにほかならないと考えております。
 東京都住宅供給公社が、二度にわたって五百万円、合計一千万円を寄附しているわけでありますけれども、二回目は招致レース最終盤のことし九月に支出されておりまして、これは明らかに、民間資金が目標に達しないために追加的寄附をしたものにほかなりません。
 第二の税金投入ですけれども、財団法人東京都歴史文化財団、同東京都スポーツ文化事業団などは、東京都から運営費補助が支給されている団体であります。この補助は、団体の自己努力では収入が足りず赤字となるために、税金で賄っているものであります。これは都民サービスを提供するという公的な団体に対する補助として当然必要なものでありますけれども、運営費に税金での支出を受けている団体が、いかなる理由であれ今回のような寄附を行うことは、百億円の支出に加え、第二の税金投入に当たるものだといわざるを得ません。
 居住者に値上げを押しつける一方で、実はこの東京都住宅供給公社は運営費補助を受けてはいませんけれども、公社法に基づいて、都民のための住宅を供給、管理することを目的としているのが東京都の住宅供給公社であります。また、公営住宅法に基づく低所得者のための都営住宅の管理も受託している特殊団体であります。このような団体が、オリンピック招致という、この団体の目的から見て説明のつかない支出を行うことは認められません。
 住宅供給公社は黒字にもかかわらず、居住者に三年ごとの家賃の見直し、家賃値上げを行い、居住者に過重な負担を押しつけております。その一方でオリンピック招致に資金を提供するようなことは、到底都民の納得を得られるものではありません。
 しかも、最後にですが、東京臨海高速鉄道株式会社は昨年度決算は赤字であります。にもかかわらず寄附を行うことは背反行為だと思います。また、東京都道路整備保全公社、東京水道サービスは経営が悪く、監査の指摘を受けて役員の報酬カットを実施しているものであります。
 以上、こうした点では、やはり東京都の関連団体からのこうした寄附は慎むべきだと、このことを求めて私の質問を終わります。
 以上です。

全国瞬時警報システム、Jアラートの整備促進補正予算について(2010年3月5日)

〇古館議員 それでは、第百十二号議案の二十一年度一般会計補正予算にかかわって、質疑をしたいと思います。
 その中に、全国瞬時警報システム、Jアラートというのが入っておりまして、それにかかわる予算が計上されておりますので、このことについて質問をしたいと思います。
 二年前の二〇〇八年六月三十日ですけれども、福井県美浜町で、町内全域にミサイル着弾情報が流れました。これは、これからつけようとしているJアラートの誤作動が原因だったということであります。
 この情報で町じゅうがパニック状態に陥りました。役場内にある警報受信システムの受信を知らせる回転灯があるんですが、そこにふぐあいがあって、消防庁の電話指示を受けながら管理用コンピューターを再起動させたところ、この放送が流れたということのようであります。
 また、東京新聞の三月四日付の報道によりますと、一見便利なこのシステムなんですけれども、一見便利なシステムというふうに見出しをつけて−−ところが、この津波騒動があって、各地で、いわゆる警報受信システムがトラブルを起こしていると。
 注意報の解除となった神奈川県の茅ヶ崎市では、誤作動で再びまた注意報が流れたと。市が直後に、解除ですと訂正をする放送までしなければ、混乱していたと。同横須賀市では警報が二度も流れて、驚いた市民から苦情が来た。同じく三浦市でも、既に閉鎖された避難所に、このように何度も出るということで、住民が逃げてくる騒ぎとなったと、こういうことが報じられているんですね。
 さらに東京新聞は、Jアラートは速報性を売りにするけれども、今回、津波警報や注意報は事前にテレビなどで大々的に流れていた、つまりJアラートが、そういうふうに速報性といいながら、結局はテレビなんかで−−この間も、ご存じのとおり、結局防災無線で流せば、ちゃんとそういう意味での対応は十分にできている、その方がかえって間違いが少ない、このように毎日新聞などが報じているんですね。
 この点について、私もそのように考えるのでありますけれども、都としてはJアラートについてどのように評価をしているのか、まずお尋ねをしたいと思います。

〇細渕参事 Jアラートでございますけれども、通信衛星を利用しまして、津波警報や弾道ミサイル情報など、対処に時間的余裕がない事態に係る緊急情報を、国から直接、瞬時に住民に伝達するシステムでございます。
 現在、区市町村が警報等の情報を収集、伝達する手段としましては、Jアラートと従来の防災行政無線がございますが、このように複数のルートを確保することは、住民に確実に情報を伝達する上で有効でございます。
 それぞれに特徴がございますが、危機が身近に差し迫った場合、住民がその状況をいち早く知り、避難などの対応をとる時間を少しでも確保することが大変重要でございまして、この点で、住民に直接かつ瞬時に情報を提供できますJアラートには、意義があると考えてございます。
 都といたしましては、危機管理の観点から、不測の事態に備え、区市町村におけるJアラートの整備促進に努めてまいりたいと考えてございます。

〇古館議員 今、私がJアラートについて、どういうものかというふうに聞いたのではなくて、さっきの、いわゆるJアラート自体が一見便利なシステムのようであるけれども、この間トラブルが相次いでいると。今るる述べましたので、結局これ自体の正確性というか、そういうことがなかなか担保されていないというところに、最大の今日の問題がここにあるわけですよね。そういうことを導入するということについて、当局としてどのような認識、どのように考えているかということを聞いたので、改めてもう一回答弁してもらいたいと思います。

〇細渕参事 今回のチリ地震、あるいはそれ以前に誤作動があったということは事実として認識してございますけれども、このJアラート、先ほど申し上げたように、時間的に余裕がない場合、その場合にいかに住民が避難するかという、時間を確保する、これは大変に、身を守る、財産、生命を守るという立場から非常に重要なことでございまして、その一点、大変すぐれている点がございます。したがいまして、これは導入すべきというふうに考えているところでございます。

〇古館議員 先ほど私が指摘をしたわけですけれども、それについては今の答弁でも、確たるものがあるというふうに、私は思えない。
 なぜかというと、各市でこういうトラブルが起こっているというのが現実であって、そのことで、逆に市民が振り回されているという事態がJアラートによって起こっているということが現実なんだということを、まずきちんと押さえておかないとならないと思うんですね。こういうところでJアラートの配備ということがいいのかどうかという問題が問われているので、私は質問をいたしました。
 それで、意見を述べますけれども、本補正予算の中に、今いったように防災管理費として防災情報通信設備整備費が四億三千万円ということで入っております。先ほど私、質疑で明らかにしたように、これはいわゆる全国瞬時警報システムという名前をつけているわけでありますけれども、通称Jアラートというふうにいってもおります。
 この導入のためとのことでありますけれども、Jアラートは、まず地震などの自然災害情報について気象庁が、あるいはまたミサイル発射などの有事情報については内閣官房が、総務省の消防庁へと緊急情報を出すというような仕組みだと聞いております。そうすると、総務省の消防庁が通信衛星を使って瞬時に自治体の受信機に情報を伝達する、それで自治体の防災行政無線を自動的に起動させて、サイレンや音声で住民に伝えるというシステムのことだと説明されております。
 しかし今、結局つけているところではどういう状態が起こっているかというのは、先ほど私が質問で述べたとおりでありまして、実際には誤作動などによって住民に、大変な、逆に恐怖だとか混乱を与えている、こういう問題が発生しているわけですね。
 そもそもJアラートは、国民保護法、これに基づいて二〇〇七年から運用が開始されたものであります。国民保護法というのと防災というのは本質的に性格は全く違うわけであります。したがって、防災よりも武力攻撃などへの迅速な対応というのが主目的として出てきているという危険性を指摘しないわけにはまいりません。
 専門家も、Jアラートは防災ばかりか有事対応にも全く逆に役に立っていないと、現在までの実態、状態を見て、そのように指摘をしているものであります。ですから、専門家の方からいうと、むだの見本みたいなものだと、こういう指摘も出ている。
 こういうものでありますから、今、力を入れなければならないのは、大規模地震などに対する緊急な対応こそが必要であって、この問題にやっぱりきちんと、まずは正面切って東京都として対応していくと。したがって、このJアラートそのものの設置、これについての検証も今後十分にした上での判断で私はいいのではないか、時期尚早過ぎるというふうに考えております。
 よって、第百十二号議案、平成二十一年度一般会計補正予算の中にこれが含まれておりますので、反対するものであります。
 以上です。

「10年後の東京」への実行プログラム2010(2010年3月17日)

〇古館議員 それでは私からも何点か、「十年後の東京」への実行プログラム二〇一〇にかかわって質問したいと思います。
 八ページで、実行プログラムの事業費一覧、こういうのが載っておりまして、それにかかわって質問させていただきます。
 まず最初に、実行プログラム二〇一〇の全体像についてでありますけれども、事業費では、目標2の三環状道路の整備が全体の四〇%も占めているのに対して、目標5の少子高齢化対策は一一%程度と、相変わらずインフラ整備の目標2に、非常に重点が置かれている。そういう実行プログラムの中身だということが指摘できると思います。
 それで、渋滞が東京の最大の弱点という発想を、私は、果たしてそれでいいのかどうか、このことが問われていると思うんです。
 渋滞にこだわるというのは、結局は、果てしなく自動車優先あるいは道路整備の発想、そういう形でどんどんどんどん毎年のように巨額をつぎ込んでいく、こういう結果にならざるを得ない。そういう点でいいますと、車優先の発想を転換するべきだと、このように考えますが、いかがですか。

〇梶原計画調整部長 現在、理事から、実行プログラム二〇一〇の全体、それから渋滞の点についてお尋ねがありました。
 私ども、だれもが日々の生活の中で実感しているように、東京の都市機能の最大の弱点は道路渋滞であるというふうに思います。これは、だれもがそう感じているというふうに思っています。
 渋滞の解消、解決なくして、東京がさらなる成熟を遂げ、より機能的で魅力的な都市に生まれ変わることはできない。そのために、三環状道路を初めとする道路ネットワークあるいは鉄道の連続立体交差の整備というのは、強力に推進する必要があるというふうに思います。
 また、交通インフラの整備は、自動車によるCO2の排出量削減効果など環境の改善、物流の効率化、緊急輸送道路確保による防災力の向上などを実現する効果も見込まれております。こうしたことからも、渋滞を解消するための施策を何ら実施せずに、東京の最大の弱点を放置したままにするということにつきましては理由がなく、私ども、ご主張については理解ができません。
 また、理事から、実行プログラムの事業費の割合により福祉施策の内容が乏しいかのようなご発言がありましたけれども、今回の福祉政策は、従来の取り組みを発展、充実させるとともに、少子化打破の取り組み、あるいは高齢者の新たなすまい「東京モデル」事業など、先進的で実効性が高いさまざまな施策について、今後の事業展開を示したものとなっています。
 また、このほかにも環境対策、産業振興、耐震化の促進など、「十年後の東京」計画で示した都市戦略を実現するための先進的な政策展開を示しており、決してインフラ整備のみを重視した内容になっているとは思いません。
 なお、比率についてお話がありましたのでお話をいたしますが、実行プログラム事業を中心とする二十二年度予算の一般歳出においても、福祉と保健分野の予算は過去最高の予算額九千二百四十六億円となっておりまして、これは、いわゆるハード事業分野の都市の整備の予算額八千二百十六億円を上回っているところでございます。

〇古館議員 今、私がいったのは、そういう意味で三環状道路の整備が全体の四〇%。私が今質問したのは、「十年後の東京」の中で何を東京都が重点としているかということについて、質問しているわけです。
 その中で明らかなことは、先ほど私いいましたけれども、全体の四〇%が、この三環状道路の整備等に計画されている。このことを指摘したわけで、この事実については否定できないと思うんです、ここに書いてあるとおりの状況ですから。
 渋滞が東京の最大の弱点と、こういうふうにいうんですけれども、じゃあ、高速道路をいっぱいつくれば渋滞がなくなるのかということについて確たる根拠があるのかどうかということについても、やっぱり問われなきゃならないと思うんです。つくればつくるという形でもって、自動車というのはどんどんふえていくという可能性というのも、またこれは否定できないわけでありますから、そういう点から見て、もっと慎重なる、いわゆる検討というのが望まれる、このことを強くまず述べておきたいと思うんです。
 例えば今、全都的に、保育所に入れない、こういう待機児童が非常に多くに上っております。こういう問題について、そういうところにこそ視点を据え、どのようにして東京全体で子どもを保育所に安心して預けられるようにするかと、こういうような件については、どこを探してもこの中にはないわけです。
 例えば板橋区の場合でも、現在待機児童はどれぐらいいるかといったら、四百八十一人いるんです。これは板橋だけで四百八十一人ですから、東京全体で計算したら物すごい人数の子どもさんが保育所に入りたくても入れない、こういう実態があるわけで、だから本当に実行プログラムを実行あらしめるためには、そういうことをきちんと据えた対応策が望まれているんだということを、私はこの際、指摘しておきたいと思います。
 もう一つ、教育施策についてでありますけれども、最も都民が求め続けているのは、私は、少人数学級、これらの完全実施などを求めているのではないかと、このように思っているんです。これは、都民の大きな運動の中で、既にそのことがいかに切実であるかということはもう実証されているというように思います。
 そういう中で、今回のこの少人数学級などについて、計画段階でしっかり少人数学級を実施しますよと、こういうことは話の中には全くなかったんでしょうか。

〇梶原計画調整部長 まず、少人数学級についてお答えする前に、保育所等の整備が「十年後の東京」に全くないというご指摘でございますが、私ども、今回の実行プログラムをつくるに当たりまして、少子化打破緊急対策ということで全庁を挙げて少子化打破については取り組んで、三十五事業の新たな施策を取り組んでおります。
 その中でも、保育サービスを大増設ということで、平成二十二年度から二十四年度までの三年間で保育サービス利用児童数を二万二千人増加する、あるいは保育ママの増設、支援強化、事業所内保育施設の支援、認可保育所の整備促進、認証保育所事業の拡充、さまざまな保育施策を盛り込んでおります。都型学童クラブ、あるいはパート労働者向けということで、国の施策にもない先駆的な事業を取り組んでおります。実行プログラムには一切ないということでございますが、実行プログラムのその欄をごらんいただきたいというふうに思います。
 それから、教育についてでございますけれども、教育についてはこれまで、「十年後の東京」への実行プログラムでは、子どもたちの学力低下や学力格差の解消を図るため、児童・生徒のつまずきを防ぐ指導基準(東京ミニマム)の活用により、基礎、基本を着実に定着させること、また基礎学力の向上に配慮し、教科等の特性に応じたきめ細かい指導を行う少人数指導の実施など、さまざまな教育に係る施策に取り組んできております。
 実行プログラム二〇一〇ではこうした取り組みに加えまして、習熟の程度に応じた指導等に活用するための小中学校向け教材の開発、あるいは外部人材を活用した公立学校の補修の充実などを新たに位置づけております。
 現在ご指摘の少人数学級の問題でございますが、少人数学級について盛り込まれていないとのご指摘でございますけれども、そもそも、学級編制基準をどう定めるかは教育行政の根幹にかかわることでございまして、教育委員会がその専門的な立場から判断すべきものでございます。今回の実行プログラム二〇一〇の策定に当たりまして、教育委員会からはお話はございません。

〇古館議員 さっきの話ですけれども、確かに保育所の問題について私は指摘をした、現実に板橋区でも待機児は四百八十一人だと。さまざまな事業を保育問題でもやっていますよということなんだけれども、私がいいたいことは、本来、実行プログラムという形で進めようとするのなら、そういう一番、都民の、とりわけ若い人たちが、仕事の確保だとかさまざまな点で、保育所が不足して入れないで、働き口もない。そういうような状況に対してどうしていくのかということも含めて、やっぱりきちんとそれも視点に据えていくということが重要なんだというふうに、私は改めて指摘させていただきたいと思うんです。
 少人数学級の問題についていえば、今、いろんな教育の問題ということがいわれましたけれども、少人数学級という形では、なっていないんですよ、東京都はいつまでたっても。ほかは、ほとんど少人数学級、三十人以下の学級、そういう方向で全国的には教育行政が進んでいるにもかかわらず、東京都がそういう方向に行っていない。こういうところにこそきちんと、それこそ実行プログラムであれば、少人数学級は教育庁の分野だということで逃げないで、やっぱり正面切ってこういう問題についても東京都として対応していくことが必要なんだということを、改めて指摘させていただきたいと思います。
 知事の公約である横田基地の軍民共用化についてでありますけれども、軍民共用化についての進展は見られていませんよね。
 我が党は、軍民共用化にも、米軍の使用についても、一貫して反対をしてきております。都として基地の撤去を求める立場に立つべきじゃないか、このように考えますけど、その点についてはいかがですか。

〇新美参事 横田基地につきましては、返還を最終目標にしつつ、返還までの対策として軍民共用化の実現を目指すことが、都の基本姿勢でございます。
 横田基地の民間航空利用は、既存施設を有効活用することにより、今後とも増大が見込まれる航空需要に対応し、首都圏西部地域の航空利便性の向上を図るなど、首都圏の空港機能を補完するものであり、経済の活性化にも大きく資するものでございます。
 横田基地の共用化は、多摩地域が首都圏の中核拠点として発展していくことに大きく寄与するものであり、引き続き地元自治体等とも連携し、取り組んでまいります。

〇古館議員 知事の公約だと。ちっとも進展していないわけですよね、軍民共用化。私は、軍民共用化ということで、一体、東京都としてどれぐらいお金を支出しているのかなと思って聞いてみましたら、一億七千万円、毎年つぎ込んでいる。毎年かな、今回ですね。今回の場合にちょっといいますけれど、恐らく同じぐらいの金額を投入しているんじゃないかと思うんです。
 進展していないのに約二億近いお金が拠出されるということについて、なぜこういうことがやられるのかなということを、非常に私は不思議に思っているところです。もしそれで答弁があるんだったら答弁してもらえばいいんですけれども、私は、軍民共用化という立場をとり続けている限りは、横田基地は存在し続けていくと。これは、逆の問題をはらむと。
 つまり、なくするというのだったらなくする立場で、東京都自身も、そういう考え方をまずは捨てるということが何よりも横田基地の全面返還につながっていくんだと、こういう立場に立たない限りは、いつまでたっても、軍民共用化なんていったって、ならない。それでいて一億数千万円のお金は毎年のようにつぎ込む。こういう話というのはないというふうに、私は思うんです。したがって、これは意見にとどめますけれども、この基地の撤去の立場に立った対応、転換へと、強く日本共産党として求めておきたいと思います。
 続いて、築地市場の再整備についてでありますけれども、この実行プログラム二〇一〇の四〇ページに記述がありますが、我が党は、豊洲に移転するのではなくて、築地での再整備を求め続けてきています。また、これが都民の願いでもあり、声であります。
 都は築地での再整備に向けて方針を転換すべきだというふうに考えます。この計画をまとめたといわれている知事本局の見解を、改めて求めておきたい。

〇梶原計画調整部長 最初に保育所の問題、私どもは、それは待機児を中心として位置づけていること、これがご理解できないことは非常に残念でございます。
 それから、教育について、逃げるなということでございますが、教育委員会のあり方、権能、これを十分ご理解いただきたいというふうに思います。
 築地市場の再整備でございますが、築地市場の現在地再整備につきましては、老朽、狭隘化等の問題を解消するため平成三年から約四百億円を投じて工事を推進したが、市場業者の経営への深刻な影響などから、平成八年に工事を中断したものでございます。その後、関係者間でさまざまな案を検討し、議論を尽くしましたが、再整備は実現困難との結論に至り、業界の大多数は最終的に豊洲への移転に合意したものでございます。
 このことを受け平成十三年に、豊洲地区への移転を都の方針として正式に決定したものでございます。平成十九年には新市場予定地で高濃度の土壌汚染が検出されましたが、各分野の最高権威の学者の方々で構成されます技術会議で信頼性の高い対策をまとめていただき、平成二十一年二月に豊洲新市場整備方針を作成したものでございます。
 こうしたことから、実行プログラム二〇一〇の中では、首都圏の基幹市場として再生を図るため豊洲新市場を整備する、整備に当たっては、平成二十一年二月に策定した豊洲新市場整備方針に基づき、安全・安心な市場とすると記載したものでございます。

〇古館議員 今、実行プログラム二〇一〇で、豊洲市場での安全・安心、これが強調されているんですけれども、さまざまな、特に豊洲市場移転にかかわる当該委員会、私どもは築地市場で存続という立場ですけれども、この委員会などでの質疑で明らかなように、土壌と地下水汚染、これが深刻な状況になっているということは専門家も指摘をしているところであります。ですから、築地での現在地再整備、これを基本とするということを重ねて申し述べておきたいと思います。
 最後に、自転車の走行区間の整備にかかわって、今回のこれにも載っかっているんですけれども、四五ページにあるんですが、自転車走行区間の整備について書かれています。こうした取り組みにつきましては、都民にとって非常に重要であると。とりわけ、車と一緒に自転車が走っていくということで考えますと、この取り組みというのは、かなり先行的にやってもいい、そういう事業ではないかなと考えております。
 取り組みを積極的に進めていただきたい、このように考えますが、この件についてはいかがでしょうか。

〇梶原計画調整部長 最初の質問では、道路のインフラは疑問だというご質問があったわけですが、自転車走行区間については整備をしろということで、都はこれまでも、歩行者、自動車、自転車がともに安全で安心して通行できるよう、広い歩道の活用や、道路の新設や拡幅などに合わせて、自転車が走行できる空間の整備を進めてきております。
 実行プログラム二〇一〇では、平成二十二年度から二十四年度までの三カ年で、環状六号線や東八道路など自動車交通量が多く、安全性を向上させる区間、また観光スポットや集客施設を結ぶ区間として浅草通りなど、十二路線で約四十キロメートルを完成させることとしております。
 今後とも、安全で快適な自転車走行空間の整備を着実に進めてまいります。

〇新美参事 先ほど理事の方からご質問がありましたので、おくれましたがお答えしたいと思います。
 まず、横田基地の返還運動を進めるべきではないかということでございますが、東京都の米軍基地に対する基本的なスタンスは、基地の整理、縮小、返還でございます。しかし、現在の国際情勢等を踏まえまして、返還までの対策として、横田基地につきましては、既存施設の有効活用を図るという観点から軍民共用化を目指しているものでございます。
 また、軍民共用化は、平時は余裕のある滑走路を有効活用していくものであり、基地の恒久化につながるものとは考えておりません。返還を最終目標としつつ、首都圏の空港機能を補完し、経済の活性化と多摩地域の振興に資するため、引き続き民間航空利用の早期実現を目指してまいります。

〇古館議員 自転車走行区間の整備については、別に、外かく環状道路だとかなんとかという話を私は持ち出すつもりは全くありません。広い道路というのは一般的にどこでも東京都はあるわけで、そういうところに自転車が専用で走れる、こういう道路づくりというのは、ある種、基本に据えるべきだと、私はこのように考えておりますので、その際、この問題をそのように指摘させていただきたいと思います。
 最後に、お話にありました今の点、軍民共用の問題でいわれたんですけれども、やっぱりこの問題についていうと、横田基地はきちっと、もうなくすると、こういう立場に立った対応というのが何としても必要になっているんだということを−−東京の平和の問題を考えてもそうですし、そのことがあることによって、東京自体が、平和の問題から脅威をいわゆる招くということもあり得る話でありますから、私たちは、この東京の、首都に横田基地などが存在をするということについては、一刻も早くこれはなくして、都民が求めるような、それこそ平和な利用、こうしたことに大いに力を尽くしていく必要があると、このことを指摘して、私の質問を終わります。
 以上です。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案について(2010年3月18日)

〇古館議員 それでは、第三十号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案について伺います。
 まず、質疑を行う前提となる、私ども日本共産党の立場を明らかにしておきます。

国民的な合意と努力で児童ポルノの被害者を出さない社会を

〇古館議員 子どもを性的対象とする児童ポルノは子どもに対する最悪の虐待行為であり、その非人間的な行為を日本共産党は絶対に容認しません。また、児童ポルノが青少年の性的自己決定能力の形成に否定的な影響を及ぼす危険に対して、十分な注意を払わなければならないと考えております。これらの点で、一人の被害者も出さない、そういう社会をつくり出すことは大人社会の重大な責任であります。
 我が党は、子どもの人権を守る立場から、児童ポルノの根絶を目指します。
 また、インターネットや携帯電話の普及が、子どもの成長にもたらす積極面を生かしつつ、その利用によって子どもが被害を受けることのないようにするために力を尽くしてまいります。
 そのための大道は、国民的、都民的合意の形成と、世論による包囲、民間の自主的な努力であります。同時に、国民、都民の内心の自由、表現の自由を侵害しないことを前提として、国や都が支援を行うことは重要であり、法令により一定の規制を行うことも必要であると考えます。
 こうした中で、東京都青少年健全育成条例は、都民の自主的、自発的な努力によって青少年の人格完成を支援することを最大の目的としているのであります。本条例の改正案に対しては、この見地に立脚して臨まなければならないと考えています。
 以上を前提として、質問をいたします。
 今回の改正案では、児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物の蔓延抑止に向けた機運の醸成及び環境の整備に関する条項を新たに設けたことが提案されております。
 そこでまず伺いますけれども、本案における児童ポルノとはどのようなものを指しているのですか。定義をご説明願います。

〇浅川参事 条例改正案では、児童ポルノについて、いわゆる児童ポルノ法で規定される児童ポルノをいうと定義してございます。その法の定義では、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を、視覚により認識できる方法により描写したものをいうとされております。第一号、児童を相手方とする、または児童による性交または性交類似行為に係る児童の姿態。
 これまで私の答弁で性交類似行為というのをたびたび申し上げておりますが、性交類似行為について、少し説明させていただきます。
 性交類似行為とは、児童ポルノ法、児童福祉法、また我々の本条例等におきまして規定されている法令用語でございまして、その内容は、手淫、口淫、肛門性交、獣姦など、実質的に性交と同視し得る態様における性的な行為を指すとの解釈が、類似の判例により確立されている用語でございます。したがいまして、この性交類似行為というものにつきましては、あいまいさ、明確さを欠くというような点はない用語であるということでございます。また、単なる裸、キス、また青少年が折り重なっているのみの描写というものは、性交類似行為には該当する余地のないものでございます。
 次に、第二号でございます。他人が児童の性器等をさわる行為、または児童が他人の性器等をさわる行為に係る児童の姿態であって、性欲を興奮させ、または刺激するもの。
 第三号は、衣服の全部または一部をつけない児童の姿態であって、性欲を興奮させ、または刺激するものと定められております。

〇古館議員 これは、国の児童ポルノ法、いわゆる児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律、この定義と同じということのようです。国会では、この児童ポルノ法の対象となる児童ポルノの中に漫画やアニメ、これらを加える改正を行うかどうか、こういう動きがありましたけれども、児童ポルノに類する漫画等をめぐる改正の動きがどのようなものに今なっているのでしょうか。ご説明をいただきたいと思います。

〇浅川参事 児童ポルノに類する漫画等につきましては、自民党、公明党案では、附則において、児童ポルノに類する漫画等と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進するとの規定を置いておりますが、かつての民主党案におきましては、仮に立法の必要性があるとしても、個人的保護法益である児童ポルノ法とは別の法律であるべきとの立場から、言及はなされておりません。
 かつての民主党案というのは、昨年の春の段階で民主党案として提案されていたものでございまして、今現在は、自民党、公明党案のみが国会に提案されておりまして、民主党案については今の段階では提案されていないことから、こういうような比較をさせていただきました。

〇古館議員 今、述べられたように、自民党、公明党の改正案でさえ、漫画やアニメを児童ポルノに加えることは見送ったと、こういうわけですね。民主党の案では触れられてさえおりません。それは、やはりこの問題は、表現の自由との関係で極めて慎重でなければならない、こういう問題だからであります。

「非実在青少年」―「正当な理由なく肯定的に描写」とは何か?

〇古館議員 そこで、東京都青少年健全育成条例の今回の改正案でありますけれども、第七条第二号、第八条第一項第二号、第十八条の六の二第二項などで、新たに非実在青少年、すなわち漫画、アニメなどの作品の中で十八歳未満として描かれた人物が登場する、そのような創作物についての規定を設けております。そして、非実在青少年の性的な描写について、その絵の描かれ方だとかストーリーと性的描写との関係だとか、そういういわば創作物の内容いかんによっては、表示図書だとか、場合によっては東京都によって不健全図書に指定できるようにしよう、このようにするものであります。
 第九条の三では、不健全図書にかかわる知事の勧告、公表の権限の強化も盛り込んでいます。ですから、当然、表現の自由が侵害される危険があるのではないかと多くの人々が心配をしています。
 今定例会の本会議や予算特別委員会でも、この点での危惧が表明され、質疑が行われました。
 その際、青少年・治安対策本部の倉田本部長は、漫画等において明らかに青少年として表現されているものを非実在青少年と定義した上で、その性交または性交類似行為に係る姿態を正当な理由なく性的対象として肯定的に描写した漫画等について、青少年に対する販売等の自主規制及び不健全図書指定の対象に追加しようとするものと答弁されました。
 そこで伺いますけれども、ある作品を、非実在青少年の性交または性交類似行為に係る姿態を正当な理由なく性的対象として肯定的に描写した漫画等と判断する基準や根拠は、何なんでしょうか。ご説明をいただきたい。

〇浅川参事 まず初めに、児童ポルノ法と、私どもが今回ご提案させていただいています条例の不健全図書指定制度との関係が、少し混同なされて受けとめられている向きがございますので、そこを整理してご説明させていただきます。
 児童ポルノ法は、実在の児童の被害防止を目的とし、その実現のために処罰規定を置くもので、その対象は、成人、青少年を問いません。一方、条例の不健全図書指定制度は、青少年の性的判断能力の形成の阻害の防止を目的としまして、その実現手段は青少年への閲覧規制にとどまるものでございます。両者は明確に、目的や手段を異にするものでございまして、今回の規定と、児童ポルノ法に画像を含めることは全く別の問題でございます。
 非実在青少年についてでございますが、年齢または服装、所持品、学年、背景、その他の、人の年齢を想起させる事項の表示または音声による描写から十八歳未満として表現されていると認識されるものと定義いたしまして、視覚的に幼く見えるなどの主観的判断によらず、年齢や学年の表示、ランドセル所持、小学校や中学校の教室で授業を受けているシーンがあるなどの客観的要素の描写から十八歳未満であることが明らかなものに限定しております。また、音声は、声の質やしゃべり方が幼いことではなく、以上の客観的要素がせりふやナレーションにより表現されている場合を想定してございます。
 また「正当な理由なく」とは、学術的見地、犯罪捜査等の目的で描くものを除外する趣旨でございます。さらに「性的対象として肯定的に」とは、読者の性的好奇心を満足させるシーンとして不当に賛美しまたは誇張して、という意味でございます。
 したがって、単に子どもや、子どもの裸の描写が含まれる漫画やアニメを規制するというものではございませんで、その内容、表現が、ただいま述べたようなものに当たるかどうかを判断するものでございます。
 なお、その判断は、自主規制におきましては出版関係者が判断することを基本としつつ、その中で著しく悪質なものに限り、青少年健全育成審議会の判断のもとに、都が不健全図書として個別に指定するものでございます。

創作物は論理で表現しきれない感動を呼び起こそうとする

〇古館議員 今「正当な理由がなく」と、このようにご説明がありましたけれども、学術的見地、それから犯罪捜査等の目的で描く漫画、アニメなどは、全体の中では限られたものであります。ほとんどの漫画、アニメ作品は、論理では表現し切れないような、人間の何らかの感情に訴えたり、何がしかの感動を呼び起こしたりすること、それ自体を目的として創作されるものです。それらをすべて一応対象になり得ると。また肯定的に描いているかどうかの境目も、読者の性的好奇心を満足させるものかどうか、不当に賛美しまたは誇張しているかどうかなど、とらえ方や感じ方が分かれる問題で、恣意的に判断される余地が大きなものであります。
 それで、一つ伺いたいんですけれども、今のご答弁によると、例えば漫画の登場人物で明らかに子どもとして描かれているキャラクターが、作品の中で自分の年齢が十八歳以上だと発言をしたら、そのキャラクターは非実在青少年とみなされないことになると解釈できますけれども、そういう理解でいいのでしょうか。

〇浅川参事 そのような理解になるものでございます。

〇古館議員 そのことは確認をして、そもそも、漫画やアニメのような創作物の中の世界に住む非実在の人間に規制の網をかぶせよう、そうすることに無理があるんですね。
 次に、改正案が、性に関する健全な判断能力の形成を阻害するとしている点について伺いたいと思います。
 今回の条例改正は、第二十八期東京都青少年問題協議会の答申、これは二〇一〇年一月十四日のを受けて提案されております。この答申では、漫画、アニメ等が青少年の性的判断能力の形成を阻害するということが当然のことのように推定されておりますけれども、論証はどこにもなされていないんですね。
 こういう大事なことについて論証もなく断定していいものかどうか、この点について、ご見解はいかがですか。

〇浅川参事 平成十九年に内閣府が行いました有害情報に関する特別世論調査においては、実在しない子どもの性行為等を描いた漫画や絵への規制について、対象とすべき、どちらかといえば対象とすべきと回答した者が約八五%となっておりました。また、平成二十一年六月には、自主規制団体であるコンピューターソフトウエア倫理機構が性暴力を描写した陵辱系ソフトの制作の禁止等などの対応を決定するなど、一部で自主的な取り組みが見られております。
 今回の改正案は、青少年の健全育成に関する知見を持ち、都の施策形成の参考になる意見を述べることが可能な委員により構成される東京都青少年問題協議会の答申に基づくものであり、加えて、先ほど答弁した調査結果や、自主規制団体の動向から類推される社会的要請なども踏まえ、提出したものでございます。
 青少年は性に関する健全な判断能力がいまだ十分ではなく、強姦などの性的描写を肯定的に描いた著しく悪質な漫画等を閲覧することで、その健全な性的判断能力の形成を阻害するおそれがあるのではないかと認識することにつきましては、学問的な知見というものをまつまでもなく、多くの都民が心配をし、またその認識については合意が得られるものと考えております。

〇古館議員 今、述べられたわけですけれども、青少年が心身ともに健やかに成長できるようにする、これはだれもが願っている共通の願いだと思うんですね。
 問題は、青少年が心身ともに健やかに成長できるようにするために、何よりも教育的な観点が必要だ、私どもはこのように考えております。
 大人である私たち都民が、青少年に対してどのような援助をすることが本当に青少年の成長、自主的な人格形成にプラスになることができるか、これが、教育学あるいは児童心理学、教育社会学、性教育などの科学的な知見と、それらを総結集して探求されなければならないものだと、このように私ども日本共産党は考えています。

「学問的知見は見出せていない」(浅川参事)

〇古館議員 そこで伺いますけれども、漫画、アニメ等における青少年の性的描写が、それを見た青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するとする学問的知見には、どのようなものがあるのですか。お答えいただきたいと思います。

〇浅川参事 ただいまの学問的知見というものにつきましては、なかなか今現在、見出せていないという状況でございます。

〇古館議員 私どもも、今の意見は一致していますから質問したんですよ。そしたら正直に、学問的知見というのはなかなか見出せないということで、紹介はなかったんですね。
 非実在青少年の性交等を描いた漫画、アニメ等が、実在の青少年への性的虐待の原因となるとする説、あるいは青少年の性的判断能力の形成を阻害するという説、これらはいずれも十分な科学的根拠をもって証明されてはいないのです。
 もちろん漫画、アニメ等の影響が全くないと証明されているわけでもないし、私もそんなことをいっているわけじゃないんですけれども、ただ、第二十八期青少年問題協議会の答申や条例改正の提案者が、青少年の性的判断能力の形成を阻害すると断定されているので、聞いているんです。
 そこで、この答弁で紹介されたんですけれども、多数の人々がそう思っている、それから多くの都民の合意が得られるものと考える、これがそちらのいい分といえばいい分のような感じなんですね。

芸術には最初は社会の多数派から非難された歴史もある

〇古館議員 しかし、それでいいのかということが、やはり問題にしなきゃならない。
 歴史を振り返っても、芸術作品の中には、最初は社会の多数派から非難されたり、場合によっては弾圧されたりした、そういう歴史がありますね。後にその価値が認められるようになり、人類の貴重な財産にまでなったという例が数え切れません。ですから、人間の創作物、表現行為の規制にかかわることには極めて慎重でなければならない、そのように考えているところでございます。
 しかも、今、議論しているのは、将来の社会を担う青少年の心と体の成長にかかわることでありますから、より一層慎重さが求められております。科学的、学問的な英知を結集して、全都民的な議論と合意によって進められなければならない、これが鉄則だと思います。
 先ほどの答弁にもありましたとおり、児童ポルノ法の改正論議の際には、自民党、公明党の改正案でも、漫画、アニメにまで規制の対象を広げることは見送り、政府は児童ポルノに類する漫画等と児童の権利を侵害する行為との関連性に関する調査研究を推進する、こういう附則を置いているんですね。つまり、漫画の描写と、現実の子どもの権利侵害との関連性あるいは因果関係は、まだ証明されていない、調査研究しなければならないといっているんです。
 日本図書館協会も、二〇〇一年のことですけれども、政府が青少年保護育成条例を法制化しようとして青少年健全育成基本法案を提出したとき、有害図書に接することが青少年の逸脱行為の原因になるという因果関係の科学的証明はない、このように指摘をして反対しました。その箇所を読み上げてみたいと思います。
 政府は、一九七七年度以来、再三、有害図書類と青少年の逸脱行動とを関係づけるべく調査を重ねていますが、有害図書類に接することが逸脱行動の原因であるという結果は得られていません、このように書いているんですね。
 表現と行動の因果関係が科学的に証明できないのですから、どのような表現が逸脱行為の原因であるかを科学的に定義することは不可能なんです、このことも、規制する表現対象の恣意的拡大を可能にする、このようにも述べているんです。
 結局、この法案は国民の幅広い反対によって成立しませんでした。
 以上のように、青少年の成長にとって極めて重要な問題であるにもかかわらず、改正案は余りにも拙速であり、しかも表現の自由との関係でも、危険といわざるを得ません。こうした条例改正は、漫画、アニメなどの創作活動を実質的に規制し、表現の自由を萎縮させることにつながりかねません。

「単純所持」の法的禁止・処罰化に反対

〇古館議員 あわせて私は、今回の改正案をめぐって、もう一つの重大な問題点を指摘しておきます。
 改正案の第十八条の六の四第一項で、何人も児童ポルノをみだりに所持しない責務を有すると規定されている点についてであります。いわゆる単純所持の問題であります。
 国の現行児童ポルノ法では、児童ポルノの個人的な所持、いわゆる単純所持については処罰の対象としていないんですよ。ところが、第二十八期東京都青少年問題協議会の答申はこれを問題として、政府及び国会によるいわゆる単純所持の処罰化の実現に向けた迅速な取り組みを強く要望し、都においても国に対しこの旨の要望を行うべきである、このように提唱しているんですね。今回の条例改正案は、このことと関連しているといわざるを得ません。
 そこで伺いますけれども、国の児童ポルノ法の改正が論議されたとき、単純所持をめぐっては、自民党、公明党、民主党はどのような提案を行い、それは現時点でどうなっているんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

〇浅川参事 先ほど理事のお話の中で、青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害し青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるものというふうに、我々は条文としてご提案申し上げておるんですが、そこを、「おそれ」という部分がないというお話であったんで、そこは、我々の提案の内容とは異なるのかなというふうに思っております。
 それから、その科学的証明がないというところで、表現の自由の方が重要なのではないかというお話をいただきましたが、我々、今回提案しているのは、その証明というものがなくても、実際、その子どもを守るという観点からやはり必要なことはやっていかなきゃいけないだろうと。そして、それは最高裁の判例の補足意見の中でも、必ずしも科学的証明はなくても相当の蓋然性があればいいというふうなこともございますので、我々はそういう立場で今回提案しているということをご理解いただければと思います。
 それで、平成二十年六月、自民党、公明党は、みだりに児童ポルノを所持、保管することについて、一般的な禁止規定を置いた上で、自己の性的好奇心を満たす目的で児童ポルノを所持、保管する行為について罰則を置くなどした改正案を国会に提出いたしました。
 これに対し、民主党は平成二十一年三月、自己の性的好奇心を満たす目的の立証は自白の強要につながり、免罪を生む危険性があるなどの理由から自民党、公明党案に反対し、その代案として、児童ポルノの定義を見直し、児童性行為等姿態描写物とした上で、それを有償または反復して取得する行為について罰則を置くなどを盛り込んだ改正案を国会に提出いたしました。
 これら両案につきましては、衆議院法務委員会で審議され、修正協議において各党が単純所持の規制に合意した旨の報道もなされましたが、最終合意に至る前、平成二十一年七月に衆議院が解散し、廃案となっております。
 その後、平成二十二年一月十八日に自民党、公明党から、何人もみだりに児童ポルノを所持し、またはこれに係る電磁的記録を保管してはならないものとすること等とされた改正法案が、衆議院法務委員会に今現在、付託されていると承知してございます。

〇古館議員 今、いろいろご説明がありました。
 民主党の考え方、それから自民、公明の案とか、そうしたこともこの答弁の中で出されたわけでありますけれども、私ども日本共産党は、もとより児童ポルノの存在そのものを、国民、都民が自主的で自覚的に克服して根絶していく、そういう社会的な活動や努力、これが必要だと考えております。だからこそ、単純所持を法律で一律に禁止したり処罰したりすることには反対をしています。
 その理由というのは二つあります。
 第一に、たとえ単純所持を法律で一律に規制したとしても、児童ポルノの流出の効果的な歯どめにはならないことは、単純所持を禁止しているはずの欧米各国の実態からも明らかであります。
 青少協答申は、主要八カ国の中で児童ポルノの単純所持を規制していないのは日本とロシアだけ、先ほどもこういうお話が他の会派からありましたけれども、このように指摘しておりますけれども、現にインターネット上に流出している児童ポルノや児童虐待の動画像は、単純所持を禁止している欧米諸国からのものが圧倒的に多数であります。
 例えば、イタリアに本拠を置く児童保護団体の「虹の電話」の調査、二〇〇七年でありますけれども、この調査では、児童ポルノの国別サイトの順位では、日本が七番目の四百五十七件。これより上位はドイツ、オランダ、アメリカ、ロシア、キプロス、カナダの六カ国と。そのうち上位三カ国のドイツ、オランダ、アメリカは、いずれも児童ポルノの単純所持を禁止している国であります。これら三カ国だけで、全児童ポルノサイト三万九千四百十八件のうち、実に約八五%の三万三千三百三件、このように占めているんですね。
 このことをとりましても、単純所持の禁止や規制が児童ポルノ流出の歯どめにならないということは、今、紹介した点でも明らかであります。
 第二に、単純所持を規制し、処罰するという場合、どのようにして所持を把握、証明するのかという問題があります。
 憶測だとか疑惑の段階から取り締まりを可能にすることにつながりかねず、捜査当局の恣意的な捜査を招く危険もあります。また、表現の自由、そして家庭生活上の写真などと児童ポルノとの関係なども考慮しなければなりません。
 以上の理由から、我が党は、単純所持の法的禁止、処罰化には反対であります。
 本定例会本会議では、公明党が代表質問で、今回の条例改正案には、何人も児童ポルノを所持しない責務を有するとの規定を初め、児童ポルノの根絶に向けた意欲を強く感じる、今後は罰則規定の導入などを検討すべきだとして知事の所見を求めたのに対し、知事も、単純所持の処罰化は国が全国一律に実施する必要があり、都としては国に対しその責任を果たすよう強く求めていく、このように答弁されました。
 私は、第二十八期青少協答申と知事及び与党が、単純所持の法的禁止、処罰化を主張していることを容認することはできません。

都民の自主的・自発的な努力によってこそ

〇古館議員 そこで伺います。改正案の第十八条の六の四第一項、何人も、児童ポルノをみだりに所持しない責務を有するという規定は、都民等の責務といういわば宣言的な規定であって、東京都として単純所持を禁止したり処罰したりするものではない、このように理解できますけれども、そのように理解してよろしいんでしょうか。

〇浅川参事 本条文の趣旨は、児童ポルノの根絶に向けて、児童ポルノは悪であり、許さないという都民の意識を醸成するとともに、正当な理由なく児童ポルノを所持しない、意図せずして所持したことに気づいた場合には速やかにこれを削除するなどの自発的取り組みを都民に心がけてもらうことにあり、他律的に禁止をするということではなく、また罰則なども設けていないものでございます。

〇古館議員 今の答弁は、東京都として禁止するものじゃなくて、罰則なども考えるものではないと、そういうご答弁ですね。
 この改正案に対して、私はこういう問題についてやっぱり改めて確認をしておきたいことがあるんですけれども、東京都青少年健全育成条例、これは青少年の健全な育成を図るために、都民の責務をどのように位置づけているのか。この問題も重要でありまして、前文の理念を踏まえてご説明していただきたいと思います。

〇浅川参事 現行条例の前文には、我ら都民は、心身ともに健全な青少年を育成する責務を有することを深く自覚し、青少年もまた社会の成員としての自覚と責任をもって生活を律するように努めなければならないとの理念が明記されております。
 青少年の健全な育成を図るためには、保護者、青少年の育成にかかわる方、及び事業者の皆さんなどの都民の方々の理解と協力が不可欠であり、昭和三十九年の条例制定時より、青少年の保護、教育に関する保護者の努力義務や、事業者による図書類等の販売の自主規制などをお願いしてきたところでございます。
 今回の改正におきましても、当然この基本理念は変わっておらず、ゆえに、児童ポルノの根絶及び青少年性的視覚描写物の蔓延防止に向けた都民等の責務など、都民の方々の自発的努力を求める規定を設けようとするものでございます。

〇古館議員 今、ご答弁いただきましたけれども、青少年健全育成条例とは、本来、都民の自主的、自発的な努力によって、青少年の人格完成を目指すべきものであります。そのためには、前文にも書いてあるとおり、都民がみずからの責務を深く自覚することが出発点にならなければなりません。
 ところが今回の改正案の発表は、圧倒的多数の都民にとっては極めて唐突なものであります。戸惑いをもって受けとめられております。都民の自覚と合意を形成し、力を合わせていくにはほど遠い状況、このようにいわざるを得ません。

改正案に反対。都民的な徹底論議を

〇古館議員 以上、ただしてまいりましたけれども、今回の条例改正案は、表現の自由の萎縮につながりかねず、漫画等の規制と青少年の心身の健全な成長との関係が科学的根拠に基づかず、都民の自発的な協力を得られにくい状況をつくり出す、こういうことなどなど重大な問題点を抱えており、私たち日本共産党は反対であります。徹底審議を尽くすべきであり、専門家の幅広い参加も含めた都民的な論議が必要と考えております。少なくとも、今定例会で拙速に結論を出すことには、断固反対であります。
 最後に重ねて、未来を担う青少年の成長と自主的な人格の完成を、私たち大人社会が責任を持って応援するために、学問的知見を含めて都民の英知を結集し、都民の合意をつくり力を合わせて取り組むことを提起して、私の質問を終わります。
 以上です。

東京都青少年健全育成条例一部改正案等に関する意見開陳(2010年3月19日 総務委員会)

 はじめに、第30号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例を一部改正する条例案にたいし、意見を述べます。
 わが党は、この条例改正案は、第1に、表現の自由の萎縮につながりかねないこと、第2に、漫画等の規制と青少年の心身の健全な成長との関係が科学的根拠に基づいていないこと、第3に、都民の自発的な協力を得られにくい状況をつくり出すことなど、重大な問題点を抱えていることを指摘しましたが、昨日の質疑を通じても、これらの問題点は払拭されず、むしろわが党の批判が的を射ていたことが明らかになりました。よって、わが党はこの議案に反対であります。少なくとも、今定例会で拙速に結論を出すことには断固反対です。
 次に、第46号議案です。都の非常勤職員の報酬等は、正規の一般職と均等待遇の原則を実行するか、少なくとも格差を縮めるべきであり、減額する条例に反対です。
 次に、第47号議案です。都民への行政サービス低下につながる職員定数大幅削減の条例に反対です。
 次に、第50号議案です。政治資金規正法の一部改正による国会議員関係政治団体に係る少額領収書等の開示手数料の新設ですが、料金設定は、都民の知る権利の保障と拡充の見地で行なうべきです。都民から「高すぎる」との批判の強い現行情報公開制度のもとでの料金に合わせる条例には反対です。
 次に、第105号議案です。包括外部監査制度は「構造改革」路線によって導入され、都民サービスを切り捨てる「行革」推進の役割をこれまでも果たしてきましたが、平成21年度においてもこの性格は変わっておらず、わが党は本議案に反対です。
 他の議案については賛成です。
 以上です。

東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例の都民等に対する説明について(2010年5月6日 総務委員会)

※ この資料は、都の議会局議事課記録担当が、速記録の作成過程における参考資料としてまとめた未確定原稿です。この後、発言の訂正等により、確定版と異なる場合があります。ご利用に際しては、この点を十分ご留意ください。

○吉田議員 それでは私からも、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例の都民等に対する説明について、質問をさせていただきます。
 まず初めに、説明等の前提問題であり、基本姿勢について確認をさせていただきたいと思います。
 それは、青少年の健全育成に関する条例の本来の趣旨から見ても、また、今回の改定が出版関係者等に非常に大きな影響を及ぼすということから見ても、条例改定に当たっては、関係者の理解と合意、協力を得るということが特別に重視されなければならないことだと思いますけれども、この点での基本認識、姿勢について、まずお伺いいたします。

○浅川参事 青少年問題協議会の答申の取りまとめの段階より、自主規制団体等との意見交換等を重ねてまいりましたほか、第一回定例会終了後は、資料に記載のとおり、団体等に対し条例改正案の説明を行うなどして理解を求めてきたところでございます。
 直接条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に引き続き詳細な打ち合わせをしていきたいと考えております。また、関係業界団体等からご要望があった場合には必要に応じて説明を行うなど、可能な限り条例改正案の趣旨に関するご説明を行っていきたいと考えております。

○吉田議員 努力はされているというご趣旨かもしれませんけれども、しかし条例案を確定し、また議会に上程した後になって説明し理解を求めるという姿勢では、私はやはり関係者の理解と協力は得られないと思います。
 実際に意見交換を重ねてきたというふうにいいますけれども、日本ペンクラブや日本図書館協会、さらに自主規制の当事者ともいえる出版倫理協議会までが条例案に反対を表明すると。そして、先ほど話がありましたけれども、著名な作家を含む多くの個人からも反対の声がわき起こっているという結果となってしまいました。こうした事態は、やはりこの条例案に対して、出版関係者等少なくない方々や団体から合意が得られていないということが改めて現時点で浮き彫りになってきていると思います。
 そして、都は手続は踏んできたというふうにいいますけれども、例えば日本ペンクラブの反対理由の一つは、表現にかかわる規制強化という重大さに比して、拙速に事が運ばれている印象はぬぐえないということを指摘しています。
 しかし、今回出された資料で、都のペンクラブへの回答は、こうした拙速な印象ということについて全く否定をし、反省するという姿勢も示していません。すなわち、専門家や事業者などから意見聴取をしてきました、学識経験者から成る専門部会においても検討いたしました、都民意見についても十分反映いたしましたという回答となっています。
 これは、今後の対応に係る基本認識なのでただしておきたいわけですけれども、日本ペンクラブや図書館協会をはじめ多くの関係団体、個人から反対や疑問の声が上がるという、この事態をどのように認識をしているんですか。その現実に照らしても、拙速ではないなどというふうにいい切れるものではないと思いますが、現状についての認識を聞かせてください。

○浅川参事 条例改正案の提案は、青少年問題協議会が平成二十年十二月に知事から諮問を受け、議論、検討の上、平成二十二年四月(ママ)に行った答申の内容を踏まえてのものでございます。また、答申の素案につきましては、作成された段階で都民向けに公表するととも
に都民意見の募集を行いました。寄せられた意見につきましては青少年問題協議会で再度検討し、これに基づき答申素案を修正しており、答申は都民意見を十分に反映したものとなっていると考えております。
 青少年問題協議会において一年余りの協議をいただいた答申に基づき条例改正案を提案しており、十分な議論を踏まえた上での上程であると考えております。

○吉田議員 手続は踏んできたんだというご答弁ですけれども、これだけ先ほどからも議論になった団体から反対が表明されているという現実を直視して、改めて都の対応のあり方が検討されなければならないと思います。また、パブリックコメント等で出された意見は反映されているんだということがご答弁でありましたけれども、パブリックコメントの全容を明らかに確認できておりませんけれども、多くがこうした方向に反対の声が多かったんじゃないでしょうか。積極的賛成というのは少なかったんではないでしょうか。にもかかわらず、拙速ではないという認識に立って事を進めるということは、私は行政の対応としてもそれこそ適切ではないと思います。
 しかも、先ほどペンクラブにかかわって猪瀬副知事が会員であるというお話がありましたけれども、私がペンクラブのホームページを見た限りでは知事自身もペンクラブの会員ですよね。猪瀬副知事はたしか、ホームページではペンクラブの理事です。その団体が反対を表明している条例をそのまま進めるということは、多くの都民の皆さんも含めて、一体どうなっているのかというふうに疑問に思うのは当然ではないでしょうか。
 拙速ではないと、拙速であるということは一切肯定しようとしませんでした。しかし、三月十九日の知事の記者会見で知事自身がこのようにいつています、「これ、私もちょっとまだ精読してないというか、詳細に考えてないんですが」と。提案者の知事自身が精読せず、詳細を理解しないまま上程したということを、この発言では受けとめざるを得ないわけです。その一つをとってみても、これがまさに拙速中の拙速ではないかというふうに思います。また、その記者会見の中で知事自身、余り拙速にすることはないということまでいっていますけれども、まさにこういう知事の発言から見ても、この間のやり方というのは拙速だというふうにいわざるを得ないんじゃないですか。知事の発言をどのように認識しているんですか。

○浅川参事 知事の記者会見でのご発言でございますが、知事が精読していないと申し上げたのは、条例案文そのものについてであろうかと思います。知事が条例案文そのものを逐一、一語一語チェックするということよりは、我々は知事に対しては、我々が条例でもって行おうとしていること、それについて的確に知事にお伝えし、知事のご判断をいただいて、今回、条例改正案を提案しているというものでございます。

○吉田議員 国の法改正などに伴って、連動したさまざまな字句上の変更などの条例提案の場合には、今の発言は認められるかもしれませんけれども、極めて影響が重大で、しかも表現の自由にかかわるという問題があるにもかかわらず、知事が精読もしないで提案をして、それでよしということは、都民的には納得できないでしょうね。私だって、改めて今の答弁を聞いてびっくりしました。そういうこと自身、まさに拙速で提案されたものだというふうにいわざるを得ないと思います。
 また、出された質問回答集の十二番で、これも先ほどから議論がありましたけれども、指定基準を、今までのものをそのまま拡大で利用すればいいじやないかという質間に対して、これまでの業界との共通了解を勝手に都が変更し、解釈を拡大することは、それこそが行政の恣意的な運用となるから、条例を改定するんだという説明をしています。すなわち、自主規制の団体との協議や合意なしで一方的に条例改定するということは、行政の恣意的なことになりかねないということに通ずる主張なわけですよ。
 それだったら、当然その事前に、自主規制団体、その代表的な団体が出版倫理協議会だと思いますけれども、こういう団体と条例を出す前に条例案にっいて合意をすると、理解を得られる努力をすべきだったんじゃないですか。あるいは現時点でもそうではありませんか。

○浅川参事 出版倫理協議会に対しましては、青少年問題協議会の答申の取りまとめ時に、答申素案の内容について説明し、意見交換を行ったほか、条例改正案の策定時においてもその内容を説明しております。
 また、先ほどご説明したとおり、第一回定例会終了後につきましても、出版倫理協議会につきましてはご説明をしておるという状況でございます。

○吉田議員 結局、説明をしています、説明をしていますということを繰り返し述べられましたけれども、肝心の、実際にこれを運用する当事者団体なわけですよね。そことは、勝手なことを行うわけにいかないという旨のことをわざわざ回答書でいっていながら、合意を得られないで条例案を出し、そして現時点でもあくまでも説明ということにとどまっているということは、この条例の性格上からいっても極めて重大な問題だということを指摘しておきたいと思います。
 こうした今回の条例改定の上程に至る経過についての反省、あるいはペンクラブや関係団体からも厳しく反対の声が上がるという事態への反省がないことが、私は、きょう文書も含めて説明をされた都民への説明等の中の重大な不十分さとしてあらわれているというふうに指摘せざるを得ません。
 それは、報告の限りでは、専ら反対を表明した団体等の主張や、要は不理解なんだということで説明をするという態度なんですよね。説明をするということとあわせて、条例案への意見や要望を聞くと、そういう努力が見られないというのが全体を通しての私の印象です。説明だけではなくて、条例案のこの文言はおかしいよとか、ここは変えるべきだよとか、削除すべきだよとか、そういう相手の意見というものも聞かせてほしいというスタンスに立つのが東京都としての現段階でのとるべき態度ではありませんか。いかがですか。

○浅川参事 各団体に対する説明につきましては、この資料に掲載してございますとおり、都としては誠意を持って条例の趣旨についてご説明し、個々の指摘事項についても誠意を持った回答をしておるということでございます。
 創作者や出版社等につきましては、それぞれの立揚からのご意見はあるものと考えますが、現に青少年を悪質な性行為の対象として描写する図書類が存在すること及び青少年の健全な成長を阻害するおそれがある図書類について、青少年に販売等しないよう区分陳列を行うことの必要性につきましては、青少年の健全な育成を図るという観点から大きなそごはないものと考えております。
 出版事業者、携帯電話事業者ともに、今後とも可能な限り説明を行い、理解を得るよう努めるとともに、施行までの間も十分な周知及び合意形成に努めていく考えでございます。

○吉田議員 あくまでも説明だけで、意見、要望を聞くという姿勢はとらないということが今の答弁で浮き彫りになりましたけれども、この点でも、知事自身、三月十九日の記者会見で、記者から、「規制の基準があいまいだというところが、皆さん、危惧を抱いているところだと思うんですけれども、そういったところをもう一遍詰め直すというような考え方で。」というふうに質問されて、「そうですね。それは好ましいと思います。」というふうに答弁をされました。この知事答弁は、知事の文言の限りでは、現在の条例案文を絶対化、固定化するものではないというふうに理解されますけれども、どのように認識でしょうか。

○浅川参事 都民からの意見につきましては、インターネット上における条例改正案についての誤った記述が流布しており、それに基づいた誤解や危惧が多数含まれていたと認識しております。
 これに対し、現在、都民等に条例改正案の趣旨や規制の範囲を正確にご理解いただき、そのような誤解や危惧を払拭するための取り組みを鋭意行っており、誤解を払拭するための努力は今後とも続けていく考えでございます。また、出版事業者や携帯電話事業者など直接条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に引き続き詳細な打ち合わせをしていく考えでございます。
 このように、現在提案中の条例改正案について、その趣旨や規制の範囲等、正確にご理解いただくことが重要であると考えております。

○吉田議員 提案者である知事自身が、もう一遍詰め直すということかと聞かれて、それは好ましいと思いますというふうに答えているんです。にもかかわらず、提案されている条例は、もう変えるものではなくて、ただひたすら説明で理解を求めるのみという姿勢は、こういう知事の記者会見での発言にも反しているものだというふうに思います。
 私は、やっぱり条例案は一度撤回して、改めて関係団体の意見を求めるという努力をするのが本来の筋ではないかと思います。
 さらに、部分的にはこの間の質疑でも出ておりましたけれども、改めて今後の対応について伺っておきたいと思いますけれども、資料で出されている説明を行った団体は、政府関係などを除けば五団体ということになっておりますけれども、今後どのような団体に対してどのような形で対応されていくのか、改めてこ答弁をお願いいたします。

○浅川参事 一般都民の方々に対しましては、ホームページ等における条例改正案に関する質問回答集を追加していくことなど、引き続き条例改正案に関する正確な情報の提供に努めてまいります。
 条例改正案に懸念を示された漫画家の方々に対しましては、条例改正案の趣旨についてご説明すべく、その機会を調整しているところでございます。
 出版事業者や携帯電話事業者など直接条例の対象となる事業者等に対しましては、施行までの間に引き続き詳細な打ち合わせを行っていく考えでございます。
 これ以外にも、関係業界団体等からご要望があった揚合には必要に応じて説明を行うなど、可能な限り条例改正案の趣旨に関するご説明を行っていく考えでございます。

○吉田議員 私は、説明だけではなくて、例えば開かれたような場で希望する関係者などとフリーに意見を討論し合うと、意見交換をし合うということが、このような現状からすれば求められていると思うんですが、そうした広く関係者と意見交換を行う場を持つということを提案したいと思うんですが、いかがですか。

○浅川参事 今後の取り組みにつきましては、先ほどご説明したような取り組みを行っていく考えでございますので、一堂に会したようなそういう説明会というようなものは考えてございません。

○吉田議員 次に、条例案の内容上の聞題については、もちろん今後の委員会等で質疑をさせていただきますけれども、団体への説明や都民に対する質問回答集の文言にかかわって、何点か限ってきょうこの場で質問させていただきます。
 特に、回答でさまざまに説明していますけれども、率直にいって、条例のどの文言によって回答集の説明が成り立っているのか。逆にいうと、なぜそのような説明が条文上成り立つのかという説明が非常に不明確だというふうに私は思います。
 例えば、ペンクラブ等への回答では、要は十八歳未満をもって規制するのではなくて、悪質な性行為を不当に賛美、強調するもの等というふうに書かれています。また、回答集の六番でも、十八歳未満をすべて規制するのかの問いに、不当に賛美したり強調したりしたものに限定をするんだと書かれていたり、また、エロ漫画のうち、子どもの性行為の描写がメーンになっているものというふうに回答され、さらに四番の回答では、性交を示唆するにとどまる描写は該当しないというふうな回答が書かれております。
 そこで伺いますけれども、例えば七条の自主規制の対象に追加をする項目の文言で見れば、「みだりに性的対象として肯定的に描写すること」というのが条例上の文言です。このみだりに肯定的という文言が、回答の説明でいっている不当に賛美あるいは強調という言葉だとか、性行為の描写がメーンになっているものなどという解釈に結びつくのか。また、別なことでいえば、正当な理由という言葉も見受けられますけれども、一体何をもって正当な理由という基準をこの条文から読み取ることができるのかということは、極めてあいまいだというふうにいわざるを得ないんですが、いかがでしょうか。

○浅川参事 みだりにとは、正当な理由もなくという意味でございまして、正当な理由とは、裁判官が裁判で状況を説明するために描写する、警察官が犯罪を捜査するために描写する、そういうようなものでございます。肯定的にとは、本来、子どもは性行為などの性的対象として描かれるべきものではないにもかかわらず、子どもを性的対象として取り上げ、子どもが大人との性交を喜んでいる、子どもが大人に対して性交を誘っているなどのシーンを肯定的に描く。例えば、ストーリー上、不必要なほど強調し、または繰り返し描写するなどするもの、そういうものをすなわち不当に賛美または誇張して描写したものということで、質問回答集においても説明をしたところでございます。
 なお、条例案で「肯定的に」という文言を使っておりますが、条例八条にも「肯定的」にという文言が出てまいりまして、規則案において、その肯定的にということは、不当に賛美または誇張してという文言で表現して規定する予定でございます。

○吉田議員 みだりにといっても、肯定的にといっても、その解釈というのはその文言から見れぼ非常に幅が生じてしまうわけです。幾ら皆さん方が回答集でこうだというふうにいっても、当事者からすれば引き続き不安を感じざるを得ないというのが現状ではないでしょうか。
 また、回答十番では、そもそもあいまいではないかというもっともな指摘がありますけども、その回答自身も私からすれば極めてあいまいです。例えば、「いわゆる『エロ漫画』と呼ばれるもの」というふうにいっても私はわかりません。
 さらに、回答の中で、ストーり一性が低いか否かということまで判断基準の対象にしていますけれども、ストーリー性が高いか低いかということは、かなりの主観に属する判断にならざるを得ないというふうに思いますけれども、そもそもこれまでの実際の運用等で、ストーリー性の有無だとか、ストーり一性が高いとか低いとかということをもって判断してきたという事例はあるんでしょうか。すなわち、ストーり一性の有無とか高さ、低さで判断はできるんでしょうか、現実問題として。

○浅川参事 現在、条例第八条第一項第一号の不健全図書類等の指定基準として、その図書類等の内容が著しく性的感情を刺激する、甚だしく残虐性を助長する、著しく自殺もしくは犯罪を誘発するという三つの基準がございます。
 例えば、著しく性的感情を刺激する内容の図書類について例として取り上げて申し上げますと、その判断に当たりましては、まず描写の程度、例えば性交シーンにおける性器描写の明確さ、擬音や体液の描写の多さなどに加えまして、該当箇所の分量、全体に占める割合、当該シーンを描いている目的など総合的に勘案して、具体的な図書類個々に、総合的に、個別具体的に判断をしているということでございます。

○吉田議員 極めて抽象的で、私はやっぱり、今後の運用ということ、もしこれが現実のものになったときには、当事者の方からすればさまざまな、どう理解していいのかということにならざるを得ないというふうに思います。
 さらに、表現規制ではないんだということが回答の中では強調されています。日本ペンクラブ等への回答で、表現規制ではないという理由として、要は成人コーナーだったら自由が認められているじゃないかと、大人に売ることまで規制しないんだから表現の自由は何ら規制されていませんよという説明です。
 しかし、作家から見れば、例えば高校生のセックスを描いた漫画がこれまでどおり一般に販売できるのか、それとも一般の販売コーナーから除かれて成人コーナーに移されてしまうのかということは、極めて重大な心理的影響を受けることは明らかではありませんか。しかも、その解釈が実にあいまいなだけに、ストーリーにも影響を及ぼしかねないと、少なくともそういう影響を与えるということはどのように認識しておりますか。

○浅川参事 質問回答集でも説明しておりますが、今回の条例改正案は、青少年を性行為の対象とする悪質な漫画やアニメなどを子どもが買うことのないように、書店などのいわゆる成人コーナーに置いてもらおうとするものでございます。
 あくまでも青少年への販売を行わないということにとどまりまして、このような漫画などを描くこと、つくること、出版すること、十八歳以上の方が買ったり見たりすることは、これまでどおり自由でございます。したがいまして、憲法二十一条の表現の自由を侵害するものではございません。

○吉田議員 私は、やっぱり心理的な影響を与えかねないということを指摘したいと思うんです。
 私どもに寄せられた具体的な声を紹介いたします。一般の漫画週刊誌に連載をしている作家からの声です。中学生の男女の成長を描いた漫画を連載していますが、クライマックスとして力合わせて性交することが構想段階から予定されていますと。しかし、条例案を見て、この物語を描き切る仕事が果たせなくなるのではないかと大変な危機感を感じました。そして、私は自著で青少年をみだりに性的対象として扱っているつもりは断固としてありません。むしろ、正しい彼らの姿を描くことでしか、成長過程の不安定な時期を過ごしている少年少女への手助けになることはできないと思いながら日々作品を描いておりますというふうに手紙で書かれておりました。ある中学生の男女の成長過程の中で、クライマックスは二人の性交で完結をするということが彼女のスタート時からの構想なわけです。そのクライマックスを描くことができるのかできないのか、それがこの条例によってどのような規制対象となるのかということで、現実にこの作家から不安の声が寄せられています。
 こうしたことから見ても、心理的な圧迫が現実に作家に及んでいるということを東京都は直視すべきだというふうに私は思います。大人のコーナーに行けばいいじゃないかと、それでいいじゃないかということであってはならないと思いますし、説明するなら、そうしたことも含めて作家の琴線に触れるような説明でない限り、絶対納得を得るものではないと思います。
 最後に、拙速と指摘せざるを得ない問題の一つとして、我が党の古館議員が本委員会で質問した漫画、アニメ等における青少年の性的描写が、それを見た青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するという学問的知見について、どのようなものがあるのかというふうに質問したことに対して、参事は現在見出せない状況と答弁をされました。参事は、証明というものがなくても、実際に子どもを守る観点から、やはり必要なことはやっていかなきゃいけないというふうに発言していますけれども、ただ単に子どもを守るという言葉だけを使うのではなく、学問的知見も確認せずに新たな規制に踏み出すということは、やはり拙速以外の何物でもないと思います。
 改めて、この見出せない状況から、その後、現時点で学問的知見というものは確認されたのかどうかということをお伺いいたします。

○浅川参事 先ほどの漫画家の方のご意見につきましてですが、今回、この質問回答集の十番というところで、今の漫画家の方がご懸念していたようなことにつきまして、例えば性的対象としてというところで、ストーリー性が低く、性行為のシーンばかりが頻繁に出てくる、一話、一冊の大部分が性行為のシーンばかりの作品のように、性行為のシーンを売りにしていることを指すということでございますので、その方の描いている漫画がそれに当たるかどうかというようなこと。また、性行為のシーンがストーり一上不必要なほど強調されたもの、延々と描写されたものや繰り返し描写されたものというようなものを想定しております。その判断に当たりましては、青少年健全育成審議会でもって第三者の意見も踏まえながら、指定を行うときには具体的に指定するというような慎重な手続も経て行うものでございます。
 それから、学問的知見についてのお話でございますが、現在、諸説ある中で、確立した学問的知見は承知しておりませんが、学問的解決がなされるまで、例えば小学生が大人との性交を喜んでいるような、子どもを悪質な性行為の対象とする漫画などを子どもに自由に販売し続けてよいということにはならないと。未熟な青少年を守っていく大人の責務として、そのような漫画を子どもに見せない、売らないということは必要であるというふうに考えております。

○吉田議員 改めて、今のご答弁に対しては今後の委員会の中で質疑をさせていただきたいと思いますけれども、関係団体の多くから反対の声が上がり、学問的知見も不明確なまま、部分的な説明だけで提案を続けるべきではないと思います。
 しかも、提案者である知事自身が精読をしていなかったということが改めてきょうの答弁でも確認をされましたけれども、そもそもそのままで提案をするということ自体、許されないことだと思います。
 よって、私たちは条例案は撤回すべきだということを改めて述べて、質問を終わります。

東京都青少年健全育成条例の改定案に関する意見表明(2010年6月14日総務委員会)

 第30号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例についてです。
 そもそも、すべて国民は、18歳未満といえども、表現の自由や「知る権利」等を保障されていますが、青少年はいまだ人格形成の途上にあるため、その心身の健やかな成長の環境を整備するために、条例で、一定の基準に該当する図書類や情報を、青少年が容易に閲覧・観覧できないようにすることは、一般的に認められることです。
 しかし、この間の審議および参考人質疑等によって、それでもなお、今回の条例改定案が決して容認できないものであることが明瞭になりました。

 第一に、出版および創作活動への重大な影響です。
 改定案は、現行条例にもある、「青少年に対し、性的感情を刺激し、残虐性を助長し、又は自殺若しくは犯罪を誘発」するという規制基準を満たさない漫画等であっても、「18歳未満」とみなされるキャラクターの「性交又は性交類似行為」が描写されていれば規制対象となしうるとするものであり、その基準である「みだりに」「肯定的に」は、恣意的に判定されかねず、これにより出版および創作活動の萎縮をもたらす危険が否定できません。
 表現の自由を制約する理由となる立法事実が、「青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害」するという、抽象的な「おそれ」であり、事実として具体的に明示できないものであることも、重大な問題点です。
 また、個々の出版物にとどまらず、出版事業者への新たな規制も許されません。

 第二に、家庭教育への行政の過度な介入の問題です。
 インターネットや携帯電話の利用に関して、改定案によって新設される規制措置の多くは、国の「青少年インターネット環境整備法」に定められた、@青少年自らの主体的な情報利用・発信能力の習得、A民間の自主的かつ主体的な取り組みを国および地方公共団体が尊重すべきこと、B保護者が自らの教育方針と青少年の発達段階に応じて青少年を援助すること、という基本理念から逸脱するものです。
 法曹界からも家庭への介入として批判の声があがっています。
 以上により、本議案に反対です。

青少年健全育成条例改定案への意見表明(2010年12月13日 総務委員会)

 第156号議案、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例について、反対の立場から意見をのべます。

 知事は、青少年への図書規制について「これ以上の猶予は許されません」と強調し、わが党の代表質問にたいし「子どもにあんなものを読ませられるんですか」と発言しました。
 青少年の心身のすこやかな成長の環境をととのえるためには、図書の販売やインターネット・携帯電話の利用等に一定のルールを設けることは必要ですが、規制は最小限に抑制されるべきです。
 都は、すでに現行条例によって一定の規制が措置され、自主規制の努力がされており、けっして野放しの状態ではありません。新たな規制を提案するなら、その必要性を示すいわば立法事実が明確でなければなりません。
 また、規制を設ける場合にはその対象が明確で恣意的判断を生むものであってはなりません。
 さらに一定のルールをもうける場合、社会的合意と自主規制の努力が尊重されるべきであり、創作、出版にかかわる当事者との合意の努力が積み重ねられなければなりません。
 こうした視点でみると、本条例改正案は到底容認できるものではありません。

 第1は、新たな規制拡大の必要性、すなわち立法事実の不明確さです。
 現状は、けっして野放しにされている状況ではありません。現行条例によって「著しく性的感情を刺激し」また「犯罪を誘発するもの」などの漫画等は規制の対象となっています。しかも自主規制団体の努力もあって、不健全図書指定件数は10年間で大幅に減少しています。
 青少年健全育成協力員からの通報も一昨年は14件、昨年はわずか6件にすぎませんでした。都民から都に寄せられた図書規制に関する要望件数も、3年前は28件、2年前は6件、昨年度は27件であることも答弁で明らかにされました。
 本部長は「多くのPTAからも条例成立に向けた要望」があると強調しましたが、質疑のなかで、逆に都のほうから今年6月から81回もPTAなどに説明にまわっていたことが明らかになりました。参加した多摩地域のあるPTA会長から「どらえもんやクレヨンしんちゃんと同じ棚に置かれている」と実態を歪めて条例改定の必要性を強調した都の態度に疑問が訴えられています。 
 さらに、規制しようとする漫画などが、青少年の健全な判断能力の形成を妨げるという根拠についても、ひきつづき「実証的に確立した学問的知見はない」と答弁せざるをえなかったではありませんか。

 第2に、表現の自由にかかわることであり、規制の場合、その対象が明確でなければなりません。青少年治安対策本部も出版団体に提出した文書で「表現の自由が民主主義の根幹であり、漠然・不明確な規制や過度に広範な規制が違憲無効であることもよく承知しております」とのべています。
 本部長は本会議答弁で、「対象が不明確との指摘はあたらない」と強調しました。しかし新たに対象となった淫行処罰規定の「みだらな性行為」について、漫画でどのように当たるか否かを判断するのかの質問に、明確な答弁はありませんでした。逆に「漫画の世界で犯罪が成立するか否かを問うものでない」と答弁しました。それなら刑罰法規を持ち出す意味自体がないではありませんか。
 さらに条例改定案が新たに規制対象として「近親者間」の性行為を持ち出したことも重大です。そもそも表現の刺激性などでなく、対象の人間関係、テーマを規制対象とした条例は全国に例はありません。しかも「社会的に是認されているものであるかのように描写」すれば「不健全図書」となりうること、さらに過去の歴史的作品をモチーフにしても「かこつけた」と判断すれば「区分陳列を検討する対象となる」とまで答弁したことは重大です。表現規制への新たな拡大の一歩を踏み出す危険をはらむものです。

 第3に、知事はわが党の代表質問にたいし「関係各方面の意見などを踏まえ」「改めて提案したものでありまして、都民と議会の意思を無視するようなものでは毛頭ありません」と答弁しました。
 しかし質疑の結果、出版の自主規制団体などにたいし条文案ないし骨子を示し意見を求めなかった経過が明らかになりました。しかも「直前まで各方面と調整していたため条文そのものを見せる時間的余裕がなかった」と答弁されました。もし自主規制団体に見せる時間的余裕がなかったなら提出すべきでなかったのです。規制対象の拡大を提案するなら、その対象等について当事者団体に意見を求めるのは最優先の課題ではありませんか。
 出版倫理協議会は反対声明で次のように述べています。「青少年の健全育成はきわめて重要な課題であり、私たちは責任が重いことも十分認識しています。しかし、その責任は私たち出版人が負うべきであり、現に第3者機関であるゾーニング委員会を設け、月2000万冊に及ぶ雑誌に小口シール止めを施すなど、青少年を守るためのさまざまな自主規制を実施しているところです。再度提出された改正案は、私たちのこうした自主規制の努力を踏みにじるの」と述べています。
 都も、コミック10社構成出版社にたいし「出版者や自主規制団体の方々のご尽力により、特に表示図書として相当の漫画等を成年向け表示・包装の上で成人コーナーに置いていただいていることに、こころより感謝申し上げます」と文書でお礼を述べていたではありませんか。
 にもかかわらず、直接の当事者にたいし改定案の骨子等もなんら示さず、意見も聞かずに、提出したことは許されません。そればかりか、知事が反対を表明している団体にたいし「わけのわからんやから」と言葉汚く発言したこともこの間の数々の差別的言辞とともに、許されません。
 こうした都の態度にたいし、コミック10社会が「東京国際アニメフェア2011」への協力・参加を断固、拒否します」と表明したことは、いわば当然の結果です。
 条例改定案にたいし、短期間に漫画家協会、日本ペンクラブをはじめ作家団体、出版倫理協議会をはじめ出版団体、さらに日本弁護士連合会など法曹界のみなさんがこぞって反対の声をあげています。また、反対の立場からの請願、陳情が332件も寄せられました。それは漫画等への新たな規制が、創作、出版活動を委縮させるものとなりかねないからであり、またインターネット、携帯電話への規制が、家庭教育への行政の介入となりかねないからです。
 東京都も、議会もこうした当事者、関係団体の声に真摯に耳を傾けるべきであり、都がこれを無視して、ゴリ押しをすることにたいし、いまこそ議会がチェック機能を発揮することが求められていると思います。

 なお、慎重な運用を求めるなどの付帯決議が提案されていますが、付帯決議をもって、条例案の重大な問題点を是正させることはできません。
 以上のべてきた理由をもって、青少年健全育成条例改正案に反対です。
 最後に、都がやるべきは、なりよりも青少年みずからが性的自己決定能力や情報リテラシーを身につけることができるよう、都民の英知と努力を広く結集し、総合的施策を具体化することです。青少年行政を治安対策、取締偏重から、青少年の人格形成を支援する原点に立ち帰らせることを重ねて求めて、意見表明とします。

以上