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質問・条例提案

2023.06.21

文書質問 保育の質の向上について 水辺環境の改善、河川の管理について 斉藤まりこ都議(足立区選出)

2023年第2回定例会で以下の文書質問を提出しました。

質問事項
一 保育の質の向上について
二 水辺環境の改善、河川の管理について

答弁
一 保育の質の向上について
二 水辺環境の改善、河川の管理について


2023年第二回都議会定例会
文書質問趣意書 提出者 斉藤まりこ

質問事項
一 保育の質の向上について

 保育の質の向上や保育士の確保のためにも、保育士の処遇改善や保育の基準の引き上げは待ったなしの課題です。都は昨年度に4年ぶりとなる「東京都保育士実態調査」を行ないました。都内の保育士資格をもつ18,239人の回答から、給与についての不満や改善を求める声が大きいことがわかります。
 また、保育士退職意向の理由や辞めた理由(いずれも複数回答可)では、「給料が安い」のほかに、「仕事量が多い」「労働時間が長い」という回答が上位になっています。

 都は実態調査の報告のはじめに、本報告書を踏まえ、保育士の安定的な確保・育成・定着に向けて引き続き取り組んでいくとしていますが、この結果を受けて、都は保育士の確保と定着にどんなことが必要だと認識していますか。

 実態調査では、給与・賞与等について、約6割(59%)が「非常に不満」「不満」「やや不満」と答え、「現在の職場で働き続けるために充実を希望する項目」(複数回答可)について、「給与」が約8割(79.4%)と、もっとも多くなっています。保育士退職意向の理由(複数回答可)では、「給与が安い」がもっとも多く61.6%になっています。
 過去に保育士就業経験がある方へのアンケートでは、復職する場合の希望年収平均額は266.5万円であり、現在の保育士全体の実態の額254.5万円から12万円の差になっています。また、正規職員のみの希望者の希望額は年収374.1万円に対して、現在の正規職員の実態額は323万円と、50万円もの隔たりがあります。

 保育士の確保と定着に向けて、給与の抜本的な引き上げが必要であることが明らかですが、いかがですか。

 実態調査を踏まえて、都として保育士の処遇改善のための支援を拡充するべきですが、いかがですか。

 近年では、保育士の仕事量は配置基準が定められた当時と比べて格段に増えています。しかし、4・5歳児の配置基準は1948年の制定以来75年、1・2歳児の配置基準も50年以上改善がされていません。全国で「子どもたちにもう一人保育士を」と、保育士の配置基準の改善を求める声が高まるなか、政府は6月13日に発表した「こども未来戦略方針」のなかに、配置基準について、1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善することを盛り込みました。

 政府はこの方針のなかで、保育について、量と質両面からの強化を図ることを掲げていますが、東京都も保育の質の向上のために、保育士の配置基準の改善が必要であると認識していますか。

 保育園を運営、経営する方、また保育士の方々から、保育士確保のために人材紹介会社を利用しているが、「手数料が高い」「職員がすぐやめてしまう」などのトラブルが多発しているという声が寄せられています。紹介する職員の年収の3割にあたる100万円近い手数料を人材紹介会社に支払い、さらにそうした職員が3か月くらいですぐに辞めてしまうことで、年に何百万と人材紹介会社に支払わなければならないなどの深刻な実態があります。「公費や利用料が紹介会社の儲けになるのは納得がいきません」「1年に何百万も使うなら、その分で私たちの給料をちゃんと上げて辞めないようにしてほしいです」という声が届いています。保育士がすぐに辞めて入れ替わってしまうことは、子どもたちへの継続的な保育、安定した保育にも大きな影響を与えます。

 都は人材紹介会社の紹介手数料等の問題をどう認識していますか。状況の把握のためにも、都として実態調査が必要だと考えますが、いかがですか。

 保育現場のほか、介護の現場からも同様に、紹介手数料の規制や、悪質な会社の取り締まりをしてほしいという声が届いていますが、国と連携して対策を行なう必要があると考えますが、いかがですか。

 高額な手数料がなくても、保育や介護の従事者を安定的に確保できるように、ハローワークや社会福祉協議会の福祉人材センターの機能強化をしてほしいという声が寄せられています。

 東京都社会福祉協議会では、都の委託事業として東京都福祉人材センターを設置していますが、相談件数と採用件数は年間で何人なのか、過去5年間の推移を伺います。

 事業者が安心して保育士や介護従事者の確保ができるように、東京都福祉人材センターの委託事業を強化するべきですが、いかがですか。

 足立区で保育士の一斉退職により、昨年2022年の4月から休園となっていた認可保育園が、今年の6月入所から園児の募集を開始しています。この認可保育園では、区の聞き取り調査により、保育士が減ったり主任が不在になっても、園長がまともに対応しないことや、私自身も調査をおこなったなかで、職員に対するパワハラやマタハラの言動が行われていたことが明らかになっています。再発防止や対策が示されないなかでの再開は許されないことを繰り返し求めてきたなかで、都は昨年6月に保育所設置認可等事務取扱要綱を改定し、「再開」という項目をつくりました。この中で、知事が求める書類等の提出を求め、原因究明や再発防止策を講じたことを書類で提出させるということでした。今回、この認可保育園から提出された書類を足立区と都で確認をしたうえで、再開が認められているということです。

 今回、この認可保育園から、どのような再発防止策が示されたのか、具体的に講じられている対策と合わせて伺います。

 この認可保育園の突然の休園によって、通っていた園児たちの継続的な保育が断絶され、幼い園児や保護者にも大きな負担となりました。お友達同士がバラバラになってしまい、新しい保育園に入らなくてはならない、希望通りの保育園は転園できないこともあり、園児と保護者は大きな心理的負担も負うことになりました。
 また、園長の言動については、以前からも区にも数年にわたって苦情が多くあり、保育士の大量退職も繰り返されてきました。そうした中で、この保育園の再開の情報を知って、周辺の住民や保育関係者たちから、再開して大丈夫なのか、どのような改善が行われているのか、心配する声が多く届いています。

10 安心安全な保育を提供する都の責任として、この認可保育園が再開にあたって示している再発防止策について、公表するべきですが、いかがですか。

二 水辺環境の改善、河川の管理について
 「未来の東京戦略ビジョン」のバージョンアップ2023では、「緑や水辺を生かした、潤いや憩いを感じられる魅力ある空間の創出」が戦略として掲げられています。具体的には外濠の水質改善の推進と隅田川等での水辺空間の整備が挙げられていますが、こうした空間の創出の考え方は、この二つの場所に限らず、都民生活に広く潤いや憩いを感じられる場を提供するためにも重要な視点だと考えますが、認識を伺います。

 国は2013年に河川法を改正し、河川の維持、河川環境の保全などの河川の管理につながる活動を自発的に行っている民間団体等を『河川協力団体』として法律上位置付けました。河川管理者と河川協力団体が充実したコミュニケーションを図り、互いの信頼関係を構築することで、河川管理のパートナーとしての活動を促進し、地域の実情に応じた河川管理の充実を図ることを目的として制度化されたものです。河川協力団体の活動は、河川空間を活用した活動や環境学習、環境美化などが期待され、全国でその登録が進んでいます。

 東京都は河川協力団体の活動の意義をどのように認識していますか。また、都に登録している団体はいくつですか。

 河川には流下の阻害になるような自転車などの不法投棄の他にも、缶やペットボトルなどのゴミも多く捨てられているという声が寄せられています。

 都は河川敷や岸辺の清掃や、水面でのごみ拾いについて、どのような考えにもとづき、どのような方法で、どれくらいの頻度で行なっているのか伺います。
 また、生態系にも大きく影響するプラスティックなどの汚染から海の環境を守るためにも河川の清掃は重要な取り組みだと考えますが、見解を伺います。

 都は、毛長川に面した文教大学側に階段護岸を整備しており、隣接する区立毛長公園の整備に合わせ、利用できることとなっていますが、予定よりも完成が遅れている状況です。これまで川を所管する東京都と足立区の連携によって整備が始まり、区民からも期待されていますが、なるべく早く利用ができるように求めます。また、川に隣接する区立の毛長公園を川の美化活動を行なう団体が利用できるように都から足立区へ要望を行なうように求めます。
 足立区と隣接する草加市に、民間団体と連携した河川の管理についてお話を伺いました。草加市では、埼玉県独自の「川の応援団」の制度に登録している団体と協定を結んで、川の美化活動などのために必要な資材の置き場として、川に隣接する公園などのスペースを利用してもらうなど、団体の活動を支援しています。また同じ川に一箇所だけでなく、例えば伝右川にも2か所に川に降りられる場所をつくるなど、整備を進めています。
 足立区でも毛長川について、文教大学のエリアだけでなく、舎人の二つ橋あたりにも出入り口をつくって、安全に降りられる場所をつくってほしいという声があります。現地を確認しましたが、門扉の設置など少しの工夫を行なえば、出入りが可能な状況ではないかと感じました。

 都として現地調査を行い、今後出入口の設置の検討をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

 河川の浚渫について伺います。浚渫は土砂を取り除いて船の航行の安全を守り、川の流下能力を高めて洪水や高潮などによる災害を防止するだけでなく、水質の改善にもつながるものです。

 都の河川の浚渫の取り組み状況について伺います。

 足立区の綾瀬川と中川につながる垳川はヘドロが溜まり、水が流れず、夏には匂いも発生するという声が寄せられています。垳川は、かつて農業用水として利用されていましたが、近年では農業用水が減少し、垳川流域の下水道も整備されたことにより、1995年には川の西側の小溜井排水場が閉鎖され、垳川の流れが著しく停滞するようになったということです。また、生活排水の流入や降雨時の汚濁物質の流入によって、水質が悪化し、ヘドロも多く堆積したことから底質の環境が悪化したと言われています。2008年度から2010年度にかけて浚渫を行ない、川底に堆積するヘドロやゴミを除去する作業を実施していますが、それから12年以上経ち、再び水が流れず、ヘドロが溜まっている状況です。川沿いには緑豊かな散策路が続いていますが、憩える水辺どころか、近寄りたくない状況だということです。

 河川周辺の良好な環境をつくり、水害から都民の安全を守るためにも、地域住民の声に応え、垳川の浚渫工事について検討し、計画していくことを求めます。いかがですか。


2023年第二回都議会定例会
斉藤まりこ議員の文書質問に対する答弁書

質問事項
一 保育の質の向上について
1 都は実態調査の報告のはじめに、本報告書を踏まえ、保育士の安定的な確保・育成・定着に向けて引き続き取り組んでいくとしているが、この結果を受けて、都は保育士の確保と定着にどんなことが必要だと認識しているか伺う。

回答
 都は、保育人材の確保・定着を図るため、保育所向けに社会保険労務士による講座の開催や、ICT化に関する経費の補助など、働きやすい職場環境の整備が進むよう支援しています。

質問事項
一の2 保育士の確保と定着に向けて、給与の抜本的な引き上げが必要であることが明らかだが、見解を伺う。

回答
 都は、国の公定価格における処遇改善等加算に加え、独自に保育士等キャリアアップ補助を実施しています。

質問事項
一の3 実態調査を踏まえて、都として保育士の処遇改善のための支援を拡充するべきだが、見解を伺う。

回答
 都は、国の公定価格における処遇改善等加算に加え、独自に保育士等キャリアアップ補助を実施しています。

質問事項
一の4 政府は、保育について、量と質両面からの強化を図ることを掲げているが、東京都も保育の質の向上のために、保育士の配置基準の改善が必要であると認識しているか伺う。

回答
 保育士の配置基準は、国が省令で定め、都や区市町村はそれらを踏まえ、それぞれの議会等の審議を経て、条例等で定めています。基準の見直しについては、まずは、国において検討するものと考えています。

質問事項
一の5 都は人材紹介会社の紹介手数料等の問題をどう認識しているか。状況の把握のためにも、都として実態調査が必要だが、見解を伺う。

回答
 医療・介護・保育分野における職業紹介事業に関しては、令和5年6月に公表された規制改革実施計画等において、国が指導監督等を実施することとされています。

質問事項
一の6 保育現場のほか、介護の現場からも同様に、紹介手数料の規制や、悪質な会社の取り締まりをしてほしいという声が届いており、国と連携して対策を行なうべきだが、見解を伺う。

回答
 職業紹介事業に関する指導監督は、国が定期的に実施しています。

質問事項
一の7 東京都社会福祉協議会では、都の委託事業として東京都福祉人材センターを設置しているが、相談件数と採用件数は年間で何人なのか、過去5年間の推移を伺う。

回答
 東京都福祉人材センターにおける相談実績は、平成30年度が13,753件、令和元年度が12,504件、令和2年度が11,856件、令和3年度が11,482件、令和4年度が10,539件です。
 また、採用実績は、平成30年度が1,876人、令和元年度が1,530人、令和2年度が1,635人、令和3年度が1,665人、令和4年度が1,525人です。

質問事項
一の8 事業者が安心して保育士や介護従事者の確保ができるように、東京都福祉人材センターの委託事業を強化するべきだが、見解を伺う。

回答
 東京都福祉人材センターでは、職業紹介・あっせんを行うほか、福祉の仕事の魅力をアピールするセミナーや大規模な就職説明会、中高生を対象とした職場体験、福祉の現場等を体験するツアーなどを実施しており、引き続き、こうした取組を進めていきます。

質問事項
一の9 今回、この認可保育園から、どのような再発防止策が示されたのか、具体的に講じられている対策と合わせて伺う。

回答
  事業者からは、休止に至った原因や労働環境の改善等の再発防止策が示されました。

質問事項
一の10 安心安全な保育を提供する都の責任として、この認可保育園が再開にあたって示している再発防止策について、公表するべきだが、見解を伺う。

回答
 保育所の休止や再開など個別事項の公表は行っていませんが、都は、区市町村と連携して、運営を再開した保育所の状況を確認しています。

質問事項
二 水辺環境の改善、河川の管理について
 「未来の東京戦略ビジョン」のバージョンアップ2023では、外濠の水質改善の推進と隅田川等での水辺空間の整備が挙げられており、こうした空間の創出の考え方は、この二つの場所に限らず、都民生活に広く潤いや憩いを感じられる場を提供するためにも重要な視点だが、認識を伺う。

回答
 「未来の東京」戦略version up 2023(令和5年1月)においては、「緑や水辺を生かした、潤いや憩いを感じられる魅力ある空間の創出」として、緑や水辺を生かした都市空間の整備を進め、人々が憩える魅力あるまちづくりを展開することを重点政策の一つとして掲げています。

質問事項
二の2 東京都は河川協力団体の活動の意義をどのように認識しているか。また、都に登録している団体はいくつか伺う。

回答
 河川協力団体は、河川管理のパートナーとして活動することにより、地域の実情に応じた河川管理の充実を図ることを目的としたものと認識しています。
 現在、都では1団体を登録しています。

質問事項
二の3 都は河川敷や岸辺の清掃や、水面でのごみ拾いについて、どのような考えにもとづき、どのような方法で、どれくらいの頻度で行なっているのか伺う。また、生態系にも大きく影響するプラスティックなどの汚染から海の環境を守るためにも河川の清掃は重要な取り組みだが、見解を伺う。

回答
 河川を維持するためには、河道及び河川管理施設を良好な状態に保持するとともに、河川の環境を保全することが必要です。
 河川敷、岸辺、水面の清掃は、この目的を達成するため、不法投棄の是正など必要に応じて実施しています。

質問事項
二の4 都として現地調査を行い、今後出入口の設置を検討すべきだが、見解を伺う。

回答
 毛長川では、川沿いの開発に合わせて護岸整備を行っている箇所を除き、護岸が垂直で水面との高低差がある壁形状となっています。このため、安全対策として、一般の方が水面に降りることができないよう転落防止柵を設置しています。
 舎人二つ橋付近においても、同様の形状となっていることから、出入口を設けることは困難です。

質問事項
二の5 都の河川の浚渫の取り組み状況について伺う。

回答
 都は、船舶による大規模なしゅんせつを実施しています。
 令和4年度は、隅田川や新河岸川などでしゅんせつを実施しました。

質問事項
二の6 河川周辺の良好な環境をつくり、水害から都民の安全を守るためにも、地域住民の声に応え、垳川の浚渫工事について検討し、計画していくことを求めるが、見解を伺う。

回答
 垳川は、東京都足立区と埼玉県八潮市の都県境を流れる延長約2キロメートルの一級河川です。
 垳川の水質改善については、国、都、埼玉県、足立区、八潮市で構成される関係機関5者連絡会が設置されており、これまで綾瀬川からの導水など様々な対策を実施してきました。
 引き続き、堆積状況や水質について注視していきます。