ご意見・ご要望
ページトップヘ

質問・条例提案

2026年度予算組み替え提案

 日本共産党都議団は3月23日、「“生活できる東京へ”2026年度予算組み替え提案」の記者会見を行いました。

★記者会見する(左から)米倉春奈、藤田りょうこ、原田あきら、田中とも子の各都議(2026.3.23)


生活できる東京へ
2026年度東京都予算案に対する日本共産党の組み替え提案

2026年3月23日
日本共産党東京都議会議員団

 働く人の実質賃金は4年連続でマイナスとなり、都庁前の食料支援には900人を超える方々が並ばれています。都の調査でも、暮らし向きが「苦しくなった」と答えた都民は4年前から急増し、50年ぶりに5割を超えました。

 一方、都税収入はこの2年だけでも1兆円も増え、予算規模は初めて18兆円を超えました。都民が働いて生み出した富が、大企業や富裕層の利益へと一極集中したことに伴う税収増です。こうしたことを背景とした都の大きな財政力は、都民の暮らしと格差是正にこそ使うべきです。

 ところが知事の新年度予算編成方針は冒頭で、「雇用・所得環境が改善」したと述べ、都民の深刻な実態とかけ離れたものになっています。その結果、「都民のくらしの支援」より「国際競争力強化」に軸足を置き、富裕層・財界ファーストとなっています。環境破壊や家賃高騰を招く再開発・大型道路建設は住民の声を聞かずに進めています。税金を投入したファンドを次々と立ち上げ、自治体本来の在り方を変質させ、まるで投資会社になったかのようです。

 そこで、日本共産党都議団は、都民が「生活できる東京」へ、予算の組み替えを提案します。予算の6.7%の使い方を変え、公共サービスの充実やくらしの基盤づくりに振り向け、物価高騰に負けない賃上げの後押しや、高すぎる家賃や国保料などの負担軽減、障害者やひとり親家庭などの福祉の充実、平和と人権を守るた予算を増やします。

(1)くらしを守り、地域経済を立て直す

  1. 東京から賃上げをすすめる
  • 中小企業で物価高騰を上回る賃上げを後押しするため、一人あたり12万円の助成を行います。
  • 年間8万件、契約金額1兆8000億円にものぼる都の契約で、賃金や労働条件などの基準を定めた公契約条例制定や「第三次・担い手3法」に基づく実態調査を行います。
  • 高齢者福祉や障害福祉、児童福祉等の分野で働く労働者全体の賃上げを行います。
  • 非正規公務員となっている学校司書、学校用務員、産休・育休代替教員を正規雇用にします。また、短時間勤務を含む正規化に向けた調査を実施します。
  1. 家賃高騰への対策として、住まいの支援を強化する
  • 100万世帯に対し、月1万円の家賃補助制度(緊急対策として当面3年間)を創設します。
  • 27年間新規建設ゼロの都営住宅を、5000戸ふやします(新規建設再開、建て替え時の増設、借り上げ都営住宅の活用の「3点セット」で10年間で10万戸を供給)。
  1. 教育費無償化・負担を軽減する
  • 公立小中学校と都立学校の修学旅行、制服・学用品等への支援を行います。高校生の通学定期代の支援を行うとともに、通学費実態調査を行います。
  • 私立高校の入学金、施設費など授業料以外の学校納付金への助成を行います。また、私立学校に通う世帯への昼食費補助を実施します。
  • 金利が急上昇している有利子奨学金の利子分の返済を支援します。
  1. 地域経済を立て直す
  • 商店街まるごと耐震化の実施、商店街の街路灯の電気代を補助します。
  • 都内で減少する銭湯に対して、燃料費の補助を行うとともに、利用拡大のための「東京1010クーポン」を実施します。
  • 畜産事業者を支えるため、高騰する飼料代の支援を行います。
  1. 都民の火葬料を無料にする
  • 公共の福祉の見地から、都立瑞江葬儀所の都民火葬料を無料にします。

(2)福祉や医療、教育の切実な要求を前にすすめる

  1. 高すぎる保険料の引き下げ、医療費の負担を軽減する
  • 国民健康保険料(税)、後期高齢者医療保険料をひとり1万6千円引き下げます。
  • 国民健康保険料の子どもの均等割をゼロ円にします。
  • 75歳以上の低所得者の医療費を無料にします。
  • 都内全域で、補聴器購入費助成をひとりあたり上限14万4900円(所得制限なし)で実施できるようにします。
  1. 障害者やひとり親などへの福祉を充実する
  • 30年間1円も上がっていない児童育成手当(ひとり親家庭や障害児のいる家庭への支給)を月6500円増額し、対象も拡大します。
  • 心身障害者福祉手当を月6500円増額し、精神障害者や難病患者も対象にします。また、重度心身障害者手当を月1万円増額します。
  • 心身障害者医療費助成の対象を、身体・知的・精神障害の手帳を持つ人全員に拡大します。
  1. 福祉施設の整備を促進し、医療・福祉の現場を支える
  • 特別養護老人ホーム、認知症高齢者グループホームなどの整備を加速します。
  • 認可保育園の新設や園庭確保のための用地確保支援を行います。
  • 介護報酬の引き下げにより、危機に直面する訪問介護事業所の経営を支援します。
  • 病院の厳しい経営実態を踏まえ、民間病院への財政支援を強化します。
  1. 学ぶ権利を保障する
  • 中学校2年生、3年生でも35人学級を実施します。
  • 都立高校での給食実施に向け、都立高校生の昼食の実態調査を行います。
  • 産育休代替教員を正規で配置するとともに、教員を大幅に増やし、スクールカウンセラーやソーシャルワーカー、不登校別室指導員、学校司書などの配置を拡充します。
  • 老朽化した都立学校や区市町村立小中学校の改築、改修をすすめます。
  • 教室不足や大規模化を解消するため、都立特別支援学校を新設します。
  • 学校プールを温水化し、天候によらず確実に入れるようにするとともに、地域にも開放します。
  • 朝鮮学校への補助金を復活します。
  1. 文化やスポーツを充実する
  • 文化芸術団体やアーティストが活動する稽古場や事務所などの固定費に対して支援を行います。
  • 演劇の手法を利用したワークショップ等社会課題解決の取り組みを支援します。
  • 区市町村のスポーツ施設整備の補助を充実します。
  • 都民のスポーツ活動の継続に必要な会場費、活動費などの支援を行います。
  1. 多摩格差解消をすすめる
  • 多摩・島しょ地域の自治体の財政を補完する、市町村総合交付金を増額します。
  • 多摩地域の保健所増設の検討をすすめ、保健師を増員します。
  • 公立病院への財政支援を拡充します。NICUを増やします。
  • 多摩・島しょ地域で残されている、18歳までの医療費の通院1回200円の窓口負担をなくします。

(3)平和と人権を大切にする

  1. 首都東京から平和の発信をすすめる
  • 平和に関する専管部署を設置し平和関連事業を充実します。また、区市町村の平和事業を把握し支援します。
  • 東京都平和祈念館の建設準備をすすめます。
  1. 移動権・交通権を保障する
  • シルバーパスを無料化するとともに、現在対象外のコミュニティバス、都県境を越えるバス路線、ゆりかもめでも利用できるようにします。
  • 都営交通の子ども運賃を18歳まで拡大します。
  • 学生フリーパスを創設します。
  • コミュニティバスの運行補助を拡大します。
  • 地域公共交通基本条例をつくるための審議会を設置します。都内のバス路線の維持や運転士不足を解消するための協議会をつくります。
  1. 若者が権利の主体として活動できる支援を進める
  • 若者団体・グループの自主的な活動を支える補助制度を創設します。
  • 都立の青年の居場所となる拠点をつくる検討を行います。
  • 若者の美術館・博物館の入館料の引き下げます。
  1. ジェンダー平等をすすめる
  • シングル女性のくらしや住まいなどのニーズを把握する実態調査を行います。
  • 学校における生理休暇や生理中の体育の授業の対応などについての「ガイドライン」を作成します。
  • LGBTやそうかもしれない若者の居場所支援を拡充します。
  • ウィメンズプラザにおけるジェンダー平等の拠点としての役割や、調査・研究機能を強化します。
  1. 気候危機・環境対策をすすめる
  • 公立小中学校の教室の断熱改修に向けた補助制度を創設します。
  • 「i-Tree(アイツリー)」を用いて、子どもが身近にある樹木のCO2吸収量などを知ることができる体験活動を行います。
  • 脱炭素社会の実現に向け、「気候都民会議」を開催します。
  • 有機フッ素化合物(PFAS)対策として、血液検査や土壌調査を実施します。
  • プラスチックによる健康影響や環境汚染について調査します。

(4)富裕層・財界ファーストの予算を削減し、都民のくらしに軸足を変える

  • 都民の批判が強いプロジェクションマッピングや巨大噴水の予算は削除します。
  • 総額650億円かかる東京国際クルーズターミナルの第2バース計画の予算は削除します。
  • IR・カジノに関する調査予算を削除します。
  • インバウンド偏重の観光政策を改める立場から、外国人富裕層の誘致やMICE誘致の予算は削減します。
  • 一人ひとりの人権に踏み込む「官製婚活」など、結婚の機運醸成に関する予算を削除します。
  • 需要のない、化石燃料由来の水素関連予算を削減します。
  • 短期成長を目的とするスタートアップ関連予算を削減します。
  • 海外の金融企業を誘致し、リスクある投資に都民を誘導する、「国際金融都市・東京」の関連予算を削減します。
  • 公正性・公平性がなく、破たんが明らかな中学校英語スピーキングテストの予算を削除します。
  • 空飛ぶクルマの実装に向けた予算は公費を出す必要がないため削除します。
  • 住民の合意がない特定整備路線や外環道など大型道路整備予算を削減します。
  • 新宿、品川、日本橋などの再開発関連予算を削減します。
  • ミサイル攻撃を想定したシェルターの整備に関する予算は削除します。

(5)予算組み替えの規模

 知事提出予算案に計上されている事業の見直しによる歳出削減は、81項目、2748億8300万円です。

 歳出の減額により生み出した財源と財政調整基金や国からの補助金などを活用することなどにより、150項目、6534億1500万円を増額します。

 組み替えの規模は、知事提出の一般会計予算案(9兆6530億円)の6.7%です。