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質問・条例提案

2025.06.06

「東京都議会議員の政治資金に係る政治倫理の確立に関する条例案」に対する討論 白石たみお都議(品川区選出)

 日本共産党東京都議団、都議会立憲民主党、ミライ会議、自由を守る会、都議会生活者ネットワーク、グリーンな東京、の6会派共同で提案した「東京都議会議員の政治資金に係る政治倫理の確立に関する条例案」について、日本共産党都議団を代表して白石たみお都議が討論を行いました。

★討論を行う白石たみお都議

動画(都議会ホームページ。白石都議の討論は1:53:15ごろから)

討論は次の通り(原稿)


 日本共産党都議団を代表して討論を行います。

 都議会自民党の裏金問題を発端にして設置された政治倫理条例検討委員会で、わが党は、野党各会派と連携して、真相解明と再発防止のために全力をつくしてきました。
 私たちの提案で、当時の都議会自民党幹事長への参考人質疑や元職員への聞き取りを重ねてきました。新たな証言が次々と出てくるにもかかわらず、自民党は具体的な証拠を何一つ示さず、真相解明に背を向け続けました。

 自民党は、パーティー券の取り扱いに関して「何も指示していない」と主張していましたが、元事務局長の証言によって、当時の幹事長が会派の総会で、パーティー券の販売ノルマを超過した分については「ご自由にどうぞ」と発言していたことが判明しました。この発言は、裏金づくりが個々の議員の判断ではなく、会派執行部が黙認、あるいは事実上指示していた可能性が高いことを強く示唆しています。

 また、裏金システムが「いつから、誰が、どのように始めたのか」という問いに対し、自民党議員は「記憶にない」「どこからともなく聞こえてきた」などと、口裏を合わせたかのように具体的な説明を避けました。
 これは、裏金問題が個人の問題ではなく、組織ぐるみで継続されてきたものであることを強く示唆しています。
 裏金議員16人に対する文書質問への回答で、パーティー券の約9割は企業や業界団体が購入している実態も明らかになりました。これは、政治家への事実上の「企業・団体献金」です。
 特定の企業や団体による多額のパーティー券購入によって、お金と行政が結びつき、都政の主人公であるはずの都民が置き去りにされ、都民が知らないところで都政が歪められる原因になります。

 都議会自民党の裏金問題によって、都民の政治に対する信頼は大きく損なわれました。信頼を回復するためには、真相解明と実効性のある再発防止策が不可欠です。
 ところが、都民ファーストと公明党が提出した政治倫理条例案は、その期待に応えるどころか、裏金問題を数ある課題の一つに過ぎないとして矮小化するものでした。さらに条例前文から、今回の問題を引き起こした当事者である「都議会自民党」の会派名を意図的に消しています。
 しかも驚いたことに、昨日午後になって突然、「条例の施行前になされた行為については、適用しない」という規定が追加され、自民党が共同提案者になりました。「これ以上、自民党の裏金問題を追及しない」という宣言に他ならず、自民党が共同提案者となるための露骨な「配慮」と言われても仕方ありません。

 自民党、都民ファーストの会、公明党が提出した条例案は、「政治資金パーティー温存条例」であり、真相解明にフタをする「裏金自民免罪条例」です。

 それに対し、日本共産党都議団、都議会立憲民主党、ミライ会議、自由を守る会、グリーンな東京、都議会生活者ネットワークの6会派が提出した条例案は、第一に、今回、最も求められる政治資金の問題に絞り込み、第二に、裏金づくりの温床になった政治資金パーティーの自主的な禁止に踏み出すものです。この2点が、自民党などの条例案との決定的な違いです。

 都民ファーストの会も公明党も、政治資金パーティーを開催しており、自分たちの重要な資金源に手をつけることを避けたと言わざるを得ません。
 都議会自民党は、政治団体の都議会自民党が開く政治資金パーティーは廃止すると表明していますが、個人の政治団体が開く政治資金パーティーについては言及していません。

 なお、わが党は包括的な政治倫理条例の制定を否定するものではありません。私たちの条例案の見直し条項にあるように、少数会派・一人会派も参加する検討会を設置して、十分な時間をかけて、ていねいな議論を重ねて制定することが必要です。

 以上のことから、自民党などが提案する条例案には断固反対するものです。そして、私たち6会派共同案へのみなさんのご賛同を心からお願いして、討論を終わります。