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質問・条例提案

2025.10.09

文書質問 外環道計画における相次ぐ事故や工事停止について 原田あきら都議(杉並区選出)

質問事項

一、 外環道計画における相次ぐ事故や工事停止について

答弁

一、外環道計画における相次ぐ事故や工事停止についての答弁

 

外環道計画における相次ぐ事故や工事停止について

1 外環道計画は深刻な行き詰まりを呈しています。昨年10月、あってはならない事故が発生しました。大泉ジャンクションから出発した通称「カラッキィー」という本線(北行)シールドマシンのスクリューコンベヤー内シャフトが折れたのです。そうならないように管理し、問題が生じれば、事前に対処するのが施工管理です。ところがシャフトが折れるまで負荷は高まっていました。いったいスクリューコンベヤー内の施工管理値はどうなっていたのでしょうか。公式の報告にはスクリューコンベヤー内の管理値は問題なかったと書いてありますが、シャフト破損時は負荷が高まっていたはずです。その負荷は一瞬にして上がったのですか。

2 施工管理値を超えたときに現場は何をしたのか、見落としたのか、何もしなかったのかお示しください。

3 応急処置を施した「カラッキィー」は今年四月から練馬区内で掘進速度が低減しています。地盤を削るカッター周辺に粘土層がまとわりついたことによる「ビット閉塞」というトラブルです。そもそも地質調査を徹底していれば粘土層があることはわかっていたはずです。なぜ「ビット閉塞」が起きたのですか。

4 シールドマシンが回転不能となった場合、地上から掘り下げてマシンを救出しなければならなくなる、まさに事業の破綻に直結する事態です。シールドマシンが「ビット閉塞」により停止するような事態になれば、どのように対処するのですか。

5 井の頭池周辺でも異変が起きています。昨年5月には、三鷹台児童遊園内の井戸が自噴し、今年に入ってからも三鷹台児童遊園近くの雨水浸透桝や個人宅の庭先で水が噴き出す事態が相次いでいます。これらの水は、塩素が検出されないことから、水道水ではなく地下水である可能性が極めて高いものです。都はこれらの噴出について、外環工事との因果関係をどのように考えていますか。

6 野川や井の頭池周辺で起きている気泡の噴出や、今回の地下水の噴出は、地下深くで掘り進められているシールド工事が、地下水の水圧バランスを崩している証拠ではないでしょうか。住民の不安に答えるためにも、徹底した調査を行うべきですが、いかがですか。

 

文書質問に対する答弁

 

一 外環道計画における相次ぐ事故や工事停止について

1 外環道計画は深刻な行き詰まりを呈している。昨年10月、大泉ジャンクションから出発した通称「カラッキィー」という本線(北行)シールドマシンのスクリューコンベヤー内シャフトが折れた。そうならないように管理し、問題が生じれば、事前に対処するのが施工管理である。ところがシャフトが折れるまで負荷は高まっていた。公式の報告にはスクリューコンベヤー内の管理値は問題なかったと記載されているが、シャフト破損時は負荷が高まっていたはずである。いったいスクリューコンベヤー内の施工管理値はどうなっていたのか、その負荷は一瞬にして上がったのか伺う。

(回答) 事業者である国及び高速道路会社からは、スクリューコンベヤーの状態を定期的に点検し、必要に応じて補修を行うことにより掘進することとしていたと聞いています。 また、今回確認された変状は、発生土有効利用のために添加材(高分子材)を増量する等の施工条件の変更があり、想定以上の負荷がかかり、接合部に繰り返しの曲げ応力が作用し、駆動軸が破断、スクリューシャフトが抜け出して回転不能となったことが原因で生じたものと聞いています。

 

一の2 施工管理値を超過したときに現場が何をしたのか、見落としたのか、何もしなかったのか伺う。

(回答) 事業者からは、スクリューコンベヤーの状態を定期的に点検し、必要に応じて補修を行うことにより掘進することとしていましたが、スクリューコンベヤーに変状が生じたこと等を踏まえ、点検頻度の強化や補修の前倒し等の保守方法の見直しを行っていると聞いています。

 

一の3 応急処置を施した「カラッキィー」は今年四月から練馬区内で掘進速度が低減している。地盤を削るカッター周辺に粘土層がまとわりついたことによる「ビット閉塞」というトラブルである。そもそも地質調査を徹底していれば粘土層があることはわかっていたはずである。なぜ「ビット閉塞」が起きたのか伺う。

(回答) 事業者からは、掘進箇所の地層は、砂礫、砂、粘土が互層をなしており、カッター面に粘土が付着したことなどにより、掘進速度が低下したものと聞いています。

 

一の4 シールドマシンが回転不能となった場合、地上から掘り下げてマシンを救出しなければならなくなる、まさに事業の破綻に直結する事態である。シールドマシンが「ビット閉塞」により停止するような事態になれば、どのように対処するのか伺う。

(回答) 事業者からは、カッター面への粘土の付着等により掘進速度が低下した場合には、添加材の仕様変更やカッター駆動の正逆回転等により粘土を剥離させることなどにより、掘進を継続することとしていると聞いています。

 

一の5 井の頭池周辺でも異変が起きている。昨年5月には、三鷹台児童遊園内の井戸が自噴し、今年に入ってからも三鷹台児童遊園近くの雨水浸透桝や個人宅の庭先で水が噴き出す事態が相次いでいる。これらの水は、塩素が検出されないことから、水道水ではなく地下水である可能性が極めて高いものである。都はこれらの噴出について、外環工事との因果関係をどのように考えているか伺う。

(回答) 事業者からは、三鷹台児童遊園等の水噴出について、周辺の地下水位等の観測結果から、外環工事による地下水への影響は確認されておらず、因果関係はないと判断していると聞いています。

 

一の6 野川や井の頭池周辺で起きている気泡の噴出や、今回の地下水の噴出は、地下深くで掘り進められているシールド工事が、地下水の水圧バランスを崩している証拠ではないか。住民の不安に答えるためにも、徹底した調査を行うべきだが、いかがか伺う。

(回答) 事業者からは、周辺の地下水位等の観測結果から、外環工事による地下水への影響は確認されていないと聞いています。 また、事業者において、周辺の地下水位等のモニタリングを継続するとともに、気泡の発生については成分分析等の調査を行い、適切に対応していると聞いています。