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2018年第3回定例会に提出した文書質問


2018年第3回都議会定例会
文書質問趣意書
提出者 河野ゆりえ

質問事項
一 プラスチックゴミの削減とリサイクル促進について

一 プラスチックゴミの削減とリサイクル促進について

 安価で軽量のプラスチック製品は、生活のなかで広く利用されています。プラスチックの弁当容器、レジ袋、ペットボトル、発泡スチロールなどのプラスチックゴミが海洋に流出し、マイクロプラスチックと呼ばれる微細なかけらとなって、海を汚染していることが、国際的な問題になっています。
 東京農工大学の高田秀重教授の研究によると、大量に消費されるプラスチックは、ここ10年足らずで1億トンも増え、世界での生産量は年間4億700万トンに及んでおり、その約半分が、使い捨ての容器や包装とのことです。海洋に流出しているプラスチックゴミの総量は、世界で27万トンに及んでいます。
 2016年の世界経済フォーラムの報告書によると、毎年少なくとも800万トンのプラスチックゴミが海洋に流出していて、海にたまっているプラスチックゴミは、1億5000万トンを超えるとされています。
 このまま何も手を打たなければ、2050年には海洋プラスチックゴミの総重量が世界中の海の魚の総重量を超えると試算されています。
 プラスチックは自然界では分解され難いのですが、海洋に流出したプラスチックは、太陽熱や紫外線、波の力によって劣化、細分化されて、5ミリ以下のマイクロプラスチックになって浮遊します。
 マイクロプラスチックは、鳥類、魚介類が餌と区別できずに取り込んでおり、東京湾のカタクチイワシや貝類からも検出されています。こういった魚介類を人が食べて、プラスチックが体内に入っても、プラスチック自体は排泄されます。
 しかし、魚などが食べた微細なプラスチックゴミは、消化管を傷つけ栄養を十分に取れなくなるだけではありません。石油が原料のプラスチックには、製造過程で様々な添加剤が加えられていますから、これらの有害物質によって魚の生殖異常を起こし、その魚を食する人の健康にも影響すると指摘されています。
 さらに、海水に残留しているPCBなどの有害物質をプラスチックが吸着することも、研究によって明らかになってきています。
 このような状況の下、プラスチックによる海洋汚染を止めようと、今年6月にカナダで開かれた先進7ケ国首脳会議(G7)において、「海洋プラスチック憲章」が採択されましたが、日米両国首脳は署名しませんでした。
 一方、東京都は、小池都知事が6月に「海洋プラスチック憲章」への支持を表明し、東京都廃棄物審議会にプラスチック部会を設置し、総合的なプラスチック対策に取り組むことを表明しました。持続可能な社会をめざす重要な取り組みです。
 地球環境と、生態系に深刻な影響を及ぼすマイクロプラスチック問題の解決のために、石油由来のプラスチックに依存しない社会に変えていく取り組みを進めるよう、東京都の努力を求めて、以下、質問します。

Q1 日本政府はG7で「海洋プラスチック憲章」に署名を行ないませんでした。東京都として、政府に署名を行なうよう働きかけていただくことを要望します。知事の御所見を伺います。

Q2 プラスチック問題の対策で、3R(リデュース・削減、リユース・再使用、リサイクル)のうち、最も重要なのは、リデュース・削減です。現在、飲食チェーン店やホテルなどでは、プラスチック・ストローの使用をやめ、スーパーなどではレジ袋の削減に取り組んでいます。しかし、コンビニエンス・ストアでのレジ袋削減は進んでいません。東京都は率先して、企業及び消費者にプラスチック製品削減の呼びかけが必要と考えますが、知事の見解をうかがいます。

Q3 海外ではプラスチック削減のため、思い切った取り組みが行われています。国単位でのレジ袋や使い捨てプラスチック食器の使用規制はもとより、アメリカ・サンフランシスコ市では2014年からペットボトル飲用水の販売が禁止され、水飲み場を増やしマイボトルの使用をよびかけています。
 東京都内でも武蔵野市では、市民を中心としてレジ袋削減に取り組むと同時に、ペットボトルなどの使用削減の運動が進んでいます。マイボトル携帯を奨励し、マイボトルを持参する市民のために給水スポットが設置されています。
 マイボトルやエコバッグなどの普及が進むよう、東京都が自治体と連携して、プラスチック削減に向けた創意ある取組をしていただきたいと思いますが、知事いかがでしょうか?

Q4 日本周辺では他の海域の約30倍のプラスチックゴミが存在するといわれています。海洋プラスチック汚染の実効性のある抑制策を議論するならば、この実態を調査することが肝要です。環境省は、海洋ゴミについて年一回調査結果を発表していますが、降雨時などの季節を考慮した調査が必要です。廃棄されたプラスチックの種類、形状などの調査結果をもとに対策を講じることができます。
 国に対して、年間を通した海洋プラスチックゴミの調査を求めていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
 湾岸はもちろん小笠原を含む島嶼など、広い水域をもつ東京都の努力も必要と思います。実態調査実施に向けて、国と協力しつつ取り組んでいただきたいと考えます。いかがでしょうか?

Q5 洗顔料、歯磨き粉などに含まれる、マイクロビーズ、また、衣類やスポンジなどの化学繊維の破片などの多くは、下水道から海洋に流れ出していると想定されています。このマイクロビーズなどの量や種類についての正確な調査が必要です。下水処理場などでの調査を求めるものですが、いかがでしょうか?

Q6 知事は、今年8月24日の第19回廃棄物審議会で、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策について諮問され、プラスチック部会が設置され、今月20日に第一回の部会が開かれました。
 この部会の委員には、プラスチック削減、リサイクルなどに詳しい専門家になるべく多く入っていただく必要があると思います。先駆的なプラスチック対策を進めていくためにも、さらに、委員の拡充を求めるものですが、いかがですか。

Q7 「海洋プラスチック憲章」では、3Rを推進するとともに、革新的プラスチック材料・代替材料の開発及び適切な使用を呼びかけています。環境省は生分解性プラスチック製品開発の委託事業を来年度から行う方針を決定しました。都内にもプラスチックを製造する業者があります。都内のプラスチック製造業者に、生分解性プラスチックなど代替製品の開発、製造を奨励し、そのための補助を行なうことなどが必要と考えます。知事の見解を求めます。

河野ゆりえ議員の文書質問に対する答弁書

一 プラスチックゴミの削減とリサイクル促進について

A1 四方を海に囲まれた島国である我が国にとって、海洋プラスチック問題は、極めて重要な課題であり、都として、いち早く、海洋プラスチック憲章を、強く支持する旨を表明しました。
 一方、国においては、平成31年に日本で開催されるG20において、海洋プラスチック憲章の内容を超えたものにしていくとの方針が表明されています。
 都としては、こうした国の動きを見ながら、東京都廃棄物審議会におけるプラスチックの持続可能な利用に向けた施策の在り方についての議論を踏まえ、総合的なプラスチック対策に取り組んでいきます。

A2 都は、レジ袋の削減に向けた取組を推進するため、平成29年11月に、スーパーやコンビニエンス・ストアなどの事業者団体や消費者団体、区市町村等とレジ袋削減に向けた意見交換会を設け、議論を重ねてきています。
 また、平成30年8月には、事業者やNGOなどに参加を呼び掛けて「チームもったいない」を創設しました。
 今後とも、「チームもったいない」参加事業者とも連携しながら、レジ袋削減をはじめとする使い捨て型ライフスタイルの見直しを呼び掛けていきます。

A3 都は、平成27年に設置した区市町村との共同検討会において、レジ袋など使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けた検討を行ってきました。
 また、平成29年11月からは、区市町村のほか、事業者団体や消費者団体等を加えたレジ袋削減に向けた意見交換会を設け、議論を重ねてきています。
 今後とも、こうした自治体との連携を密にしながら、使い捨て型ライフスタイルの見直しに向けた取組を推進していきます。

A4 国では、平成22年度から海洋ごみ調査を実施しており、調査地点や調査箇所数等を変え、一年をかけて海岸などにある漂着ごみ、浮遊する漂流ごみ及び海底に堆積した海底ごみに関して、量や種類などの調査等を実施しています。
 都では、平成26年度に東京港で海ごみに関する調査を実施したほか、島しょ部においては海岸漂着物の回収・処理事業を実施しており、回収量を国に報告しています。
 今後も、プラスチックを含む海ごみに関する調査研究を行っている国等との情報共有を図っていきます。

A5 マイクロプラスチックは、プラスチック製品のほか、多くの製品に由来すると考えられており、また、マイクロプラスチックが海洋に放出される経路について十分に判明していません。
 下水道におけるマイクロプラスチックの調査については、量や種類を正確に測定できる統一した方法が技術的に確立されていない状況です。
 現在、様々な研究機関が独自の測定方法を用いて調査を行っており、下水道局としては、情報収集に努めているところです。

A6 都は、プラスチックの持続可能な利用に向けた施策のあり方について、平成30年8月、東京都廃棄物審議会に諮問しました。
 審議会では、プラスチック対策の知見を有する2名の学識経験者を臨時委員に加えて、プラスチック部会を設置し、現在、専門的な見地から審議を行っています。

A7 プラスチックの代替素材等の開発については、国において、平成31年度概算要求の中で、産業界と連携した実証事業を予定しています。
 都としては、こうした動きも見ながら、使い捨てプラスチックの削減やリサイクルの推進など、総合的なプラスチック対策に取り組んでいきます。

以 上


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