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3月11日 予算特別委員会 原田あきら都議の一般総括質疑


2021年3月11日の予算特別委員会で、原田あきら議員(杉並区選出)が一般総括質疑を行いました。

動画(都議会ホームページです。令和3年第1回定例会 >3月11日(木曜日)予算特別委員会・総括質疑をご覧ください)
★質問全文(都議会速記録速報版より)

 1.外環道について
 2.環境と大型開発について


○原田委員 初めに、外かく環状道路についてお聞きします。
 外環事故現場の被害は深刻です。陥没、空洞地域をボーリング調査しますと、地中深いところの地盤がぐずぐずになってしまっていることがわかりました。もはやどこに空洞があるのか、いつ落ちるのか、住民の不安は募るばかりです。
 車がドアを閉めるバタンという音でもびくっとする毎日、地震が起きたときは生きた心地がしなかったと嘆いています。
 こうした現地の声に耳を傾ける姿勢を知事に問います。
 知事、現場を見に行き、現地の被害住民と話をするつもりはありませんか。

○小池知事 今回の事象によって、地域の皆様、不安を感じておられることと存じます。
 外環事業でございますが、国と高速道路会社によって事業を進められているのはご承知のとおりでございます。
 現場の確認、住民の声を伺うということについては、事業者が対応していると、このように認識をいたしております。
 都といたしまして、住民の不安払拭に向けて、引き続き、国など事業者に対しまして、誠意を持って対応するよう求めてまいります。

○原田委員 冷たいじゃないですか、知事。事業者が対応すればいいという話じゃないでしょう。知事の公約は、都民と決めるじゃないんですか、都民ファーストじゃないんですか。まず知事が現場に足を運び、被害住民の声に耳を傾けるべきです。
 被害住民連絡会が結成されていますから、NEXCO東日本の社長も現場を訪れて謝罪するという当然のことを行うよう、厳しくいってください。
 知事は、我が党の代表質問において、調布の陥没、空洞事故は外環道計画が原因とされたことについて、まことに遺憾と答弁しましたが、みずからの責任については言及しませんでした。
 改めてお聞きしますが、知事はみずからの責任はないとお考えですか。

○小池知事 先ほども申し上げましたように、外環事業というのは、国と高速道路会社によって事業が進められているのはご承知のとおりでございます。
 都は、事業の実施に当たって、国など事業者に対しまして、安全を最優先にして整備を進める、そのことを求めてまいりました。
 そして、昨年十月に発生いたしました地表面の陥没についてでございますが、先般の有識者委員会において、陥没、空洞の発生メカニズムが示されて、外環シールド工事が要因とされたということはまことに遺憾である、このように述べているわけであります。
 今回の事象で、地域の皆様は不安に感じておられることと存じます。
 有識者委員会において、緩んだ地盤の補修の実施、再発防止対策の基本方針が示されております。今後、さらに検討を進められまして取りまとめがなされる、このような予定でございます。
 都は、引き続きまして、国など事業者に対して、住民の不安払拭に向け、丁寧な説明、きめ細やかな対応を確実に行う、また、都や地元自治体との情報共有を図ることを求めてまいります。
 さらに、有識者委員会によります検討結果を住民の安全・安心の確保に向けた取り組みに反映させまして、確実に行うことを強く求めてまいります。

○原田委員 あくまでもみずからの責任は認められないんですね。国に安全最優先の整備を求めてきたんだといいますが、事実と違いますよ、知事。
 二年前、掘進が始まって以来、住民から振動に関する問い合わせがたくさん来ていたのに、当時の知事は、安全や周辺の生活環境が損なわれるような事態は発生していないと伺っておりますと、国やNEXCOと同様、都も外環工事による異常な事象に目をつぶってきたじゃありませんか。
 住民の不安の声に耳を塞いでおいて、事故が起きると全て国やNEXCOが悪いと、自分は悪くないと、住民の命と財産を守る立場にもかかわらず、一貫して知事は傍観者じゃありませんか。行政の責任者としての資格が問われます。
 東京都の責任について具体的にただします。
 まず、事故原因といわれる、トンネルを掘る際に余分な土砂を取り込んでしまうのは、何%まで許されるのかという数値、管理基準値の問題です。
 日本共産党都議団は以前より、この管理基準値の情報を提供するよう繰り返し求めてきましたが、事故後、初めて一〇%であったことが明らかにされました。
 私は専門家の方にお話をお聞きしましたが、余分な土砂の取り込み許容範囲が一〇%というと、外環道工事で使われているような十六メーターの大断面シールドマシンの場合、問題が生じるというんですね。
 例えば十メートルの掘進で、二百立方メートルほどの土を余分に取り込んでも構わないとする基準なんです。これはもう、陥没箇所がすっぽりと入ってしまう土砂の量ですよ。余りにも緩い管理基準値なんです。
 トンネル施工等検討委員会に出席していた都三環状部長は、管理基準値が一〇%だったということを知っていたんですか。

○中島建設局長 東京外環トンネル施工等検討委員会におきましては、トンネル構造、施工技術等に関する技術的な検討などが行われ、トンネル掘進中の掘削土量などの計測値は、添加材、圧力、搬送設備等の調整を行っていることで適切な状態で施工されていることが確認されてきました。
 国など事業者からは、管理値については本委員会において議論がなされていると聞いてございます。
 なお、本委員会には、東京都建設局三環状道路整備推進部長が委員として出席してございますが、審議で知り得た内容については、委員会の許可なく第三者に漏らしてはならないと委員会の規約に定められております。

○原田委員 全く答えていません。ごまかさないでくださいよ。実際は、率直にいって気にもとめていなかったんじゃありませんか。
 実際、事故後、有識者委員会の小泉委員長自身が、一〇%の管理基準値は問題がある、スケールデメリットを考えなかったのは我々の落ち度と話しており、つまりは管理基準値は大き過ぎたとあけすけに語っているんですね。同じく見過ごしてきた東京都も責任は免れません。
 さらに事故後、もう外環道事業の継続は許されないという、そういう出来事が次々と明らかになっています。
 第一に、外環道工事は必要な調査が十分行われていない、また今後も行えないという問題です。
 二月十二日、有識者委員会による事故の調査結果で特殊な地盤だったと発言したことに、専門家らの批判の声が上がっています。土木工学が専門の芝浦工大稲積真哉教授にお話をお伺いしますと、そもそも地盤はどこも特殊なのであり、だから事前の調査が必要なのであり、事故が起きてから特殊な地盤だったというのは許されないと厳しく指摘します。
 外環道のトンネル工事で採用されている、シールド工法における事前調査で最も重要なのはボーリング調査です。
 今回、事故の原因になったといわれているれき層、石が堆積した地層がどのように入っているかなど、地盤の様子を知らねばまともに掘ることなどできません。ところが、外環道のボーリング調査というのは、外環のルート上で行ったものはたった二十四カ所しかないんです。
 そこでお聞きします。本線上のボーリング調査が綿密に行えない理由は何ですか。

○中島建設局長 国の大深度地下使用技術指針、同解説によれば、土地利用が複雑化、高度化している大都市では、どこでもボーリングを実施できるものではなく、ある程度の間隔で実施せざるを得ないとされております。
 また、ボーリング調査は、一般に百から二百メートル程度の間隔で行われることが多いとされ、このボーリングの間隔は目安となるが、既存文献調査等を参考にボーリング調査間隔は適切に設定する必要があるとされております。
 外環につきましては、事前調査としてのボーリング調査に加えまして、物理探査、これは地表面に振動等を与えて、その反響により地盤の状況を確認するものでございますが、そうした調査を実施して、ボーリング調査地点間の地盤の急変部が存在しないことを確認しており、他のシールド工事と比較しても遜色のない調査が行われていると、国など事業者から聞いております。

○原田委員 示唆に富む答弁なんですよね。
 ボーリング調査は、一般に百から二百メートル間隔で行われていることが多いとのことでした。しかし外環では十六キロで二十四カ所しか行われていない。六百六十六メートルに一カ所なんですよ。一般に行われる箇所数よりはるかに少ないことがわかりました。
 しかも、土地利用が複雑化、高度化している大都市ではどこでもボーリングを打てるものではないとされているとのご答弁で、これはもう、大深度法の根本矛盾をみずから認めた答弁です。
 つまり、今後も、ボーリング数をそうそうふやせるものではないってことなんですね。
 また、ボーリングに加えて物理探査を実施したといわれましたが、地層をじかに採取してその質を把握するボーリング調査を物理探査で補うことはできません。
 事業者は今回、トンネル工事の直上部については地盤の緩みを認めましたが、では、それ以外のところでは問題が起きていないんでしょうか。
 これをごらんください。トンネルの直上ではない、入間川東側の地域一帯でも深刻な現象が起きています。外づけ階段が数センチにわたってひび割れを起こし、沈下していく現象、基礎の打っていない家屋の一部が家屋本体から離れ始める現象など幾つもの家で起きています。マンホールは浮かび上がり、その周りからは砂が吹いたような跡を住民が確認しています。
 この後、もう一本の巨大なシールドマシンが、この地域の地下を通ることになっているんですよ。この下はまだ掘っていないんですよ。
 そこでお聞きします。陥没箇所の入間川東側一体で外づけ階段や家屋の附属物が落ち込んだり溝ができていたりする現象を知事は認識していますか。

○中島建設局長 外環事業は、国及び高速道路会社により事業が進められております。現場確認や住民の声を伺うことにつきましては、事業者が対応していると認識しております。
 国など事業者は、これまで、補償に関する相談窓口や専用フリーダイヤル等を設けますとともに、先月の住民説明会におきまして、補償の方針を示し、引き続き、住民から不安や被害の状況を伺っていくこととしております。
 先月末からは、一件一件戸別訪問し、陥没箇所周辺住民の方々の事情を伺っております。

○原田委員 把握していないんでしょう。知事どころか職員もろくに調査していないじゃありませんか。
 そこで一つ不思議なことがあります。事業者はこの一帯で地盤の緩みを調べる微動アレイ調査というのを行っていますが、事故調査結果はこの地域の微動アレイ調査の結果を発表していないんです。
 これは一体なぜなのかと確認をしたところ、今の今に至るまで確認中という答えが返ってきたと。地盤の緩みが疑われるこの地域のデータが、なぜ調査報告に載っていないのかと聞いたら、確認中だっていうわけですよ。極めて不自然だと指摘しておきます。
 日経新聞が昨年十二月十八日スクープしたイタリアのTREアルタミラ社の衛星解析技術による東つつじヶ丘二丁目付近の地表変化は極めて重要です。
 その日経新聞のデータをパネルにさせていただきました。陥没地域はシールドマシンが直上を走っている際、隆起を起こしており、その後、ひと月ほどで沈下に向かいます。
 何よりも重要なのは、入間川東側が沈下していることを示している点であります。
 これに対し、有識者委員会は自分たちの測量結果を時系列で示すこともかたくなに拒んでます。
 地表面高さのデータは、都としても、住民の安全・安心に資するデータとして公表を求めていますが、この期に及んでも国やNEXCOは公開していないんです。とんでもない事業者ですよ。
 そこでお聞きします。事業者が行ってきた衛星測量による事故現場とその周辺の測定結果及び水準測量の結果について、時系列の結果を明らかにすべきじゃありませんか。

○中島建設局長 住民の安全・安心確保への取り組みにつきましては、国など事業者が進めてきております。
 衛星を用いた地表面変位計測結果につきましては、使用する衛星や計測技術が異なるさまざまなデータが存在するとともに、天候などによる誤差が含まれているため、外環事業では、傾向把握などの参考情報との位置づけで活用していると聞いております。
 一方、より精度の高い水準測量を用いました地表面変位量につきまして、陥没発生後、陥没、空洞箇所周辺のトンネル掘進前からの変位に関するデータが、有識者委員会で確認後、公表されております。二月の資料に掲載されております。
 都は、適切な情報提供など、住民の安全・安心確保に向けた取り組みにつきまして、引き続き国など事業者に求めてまいります。

○原田委員 事故後、精度の高いものを公表したといいますけど、都合のいいところだけをつまんで出したもので、地表面高さの変化はわかんないんですよ。結局、トンネル直上以外にも問題のある地盤があるのではないかという疑いが全く晴れません。
 さて事業者は、マスコミに問われ、新年度からの工事再開も否定しませんでしたが、赤羽国交大臣は国会で、工事再開には、工事により影響を受けた地盤の補修などが必要となると答弁しています。地盤の補修工事には少なくとも二年はかかるといわれています。
 国と事業者はどのように考えているのか。また、知事は、工事再開についてどのような認識を持っているのか。

○中島建設局長 国など事業者からは、今後、有識者委員会で取りまとめられます再発防止対策を踏まえた対応を行うことに加えまして、工事により影響を受けた地盤の補修などを行っていくと聞いております。
 こうしたことから、シールドトンネル工事の再開につきましては、現時点で未定であると国など事業者から聞いてございます。
 都といたしましては、国など事業者に対し、住民の不安払拭に向けた丁寧な説明やきめ細やかな対応などを求め、さらに有識者委員会による検討結果を住民の安全・安心確保に向けた取り組みに反映させ、確実に行うことを強く求めてまいります。

○原田委員 工事の再開については、現時点で未定とおっしゃいましたが、これをごらんください。この事故対応の真っ最中に三鷹市の外環本線上の住宅に事業者が配ったチラシです。
 家屋調査を呼びかけるチラシですが、近いうちの工事再開を狙っているのではないかと住民から不安の声が上がっています。
 こうしたチラシを都は確認していますか。これは、工事再開に向けた動きとすればやめさせるべきだということを強く指摘しておきます。
 本当に外環道工事を進めていいのか、それはコスト面からも問われなければなりません。
 陥没が起きなければ外環の最大の問題は、昨年七月三十日に発表された総工費の激増でした。その額何と七千六百億円。当初一兆二千八百億円といわれていた総工費は、相次ぐ増額によって、これで二兆三千五百億円に膨らみました。しかも、さらなる経費増が確実なんですね。そこに加えて今回の事故が起きたわけです。
 事故による補償の費用と、地盤改良の費用、さらには、これまでの完了区間の地盤調査費用と、今後の地盤調査と地盤対策費が必要になってまいります。
 事故対応で、およそ幾らの総工費増を予想しているのかお答えください。

○中島建設局長 有識者委員会におきましては、緩んだ地盤の補修の実施や再発防止の基本方針、具体的に申し上げますと、今回の事象が特殊な地盤条件下においてシールドマシン前面のカッターが回転不能になり、それを解消するための特殊な作業などにより発生したことから、シールド掘削地盤に適した添加材の選定、あるいは排出土砂量の管理の強化などが示されておりまして、次回の委員会で再発防止対策などの取りまとめがなされる予定でございます。
 それを受けまして、事業者により具体的な対策が実施されるものと認識しております。
 こうしたことから、これらに要する費用につきましては、現時点で未定であると国など事業者から聞いております。
 都といたしましては、工事の安全に十分配慮しつつ、コスト縮減など、効率的な事業の実施を求めてまいります。

○原田委員 今後幾らの経費が積み重なるのか、皆目見当がつかないわけですね。
 昨年七月三十日、七千六百億円も総工費が激増するに当たり、東京都知事に対して国から意見照会がありました。
 知事は二十八日に照会を受け取って、なんと翌日二十九日には了承しちゃっています。たった一日です。ここにまともな分析、判断があったと思えません。
 そこで、このパネルもごらんいただきたいと思うんですが、これは、経費増の意見照会に先立って、このような動きがあることをあらかじめ予想し、都建設局が知事に行ったブリーフィングの際の資料です。情報公開で入手しました。日付は七月十七日、つまり総工費激増の照会を受ける十一日前です。
 資料の左下を見ますと、事業費の相当額増と書いてありますから、幾ら上がるのかまだわからない段階です。
 ところが、右下を見ると、早期開通に向け事業を推進することと、幾らはね上がるのかもわからない段階で、もう了承することを決めてあるんです。
 外環計画ともなれば、まともな分析も判断もなく、幾らかかろうが、幾ら都民の生命と財産が脅かされようが、とにかくつくるしかないという思考停止状態ですよ。これが知事の姿勢です。
 その上、新年度予算案には、この期に及んで東名以南に延伸する調査費予算を計上しているわけです。とんでもないことですよ。
 二月十九日、国と事業者は、都に対して都市計画法上の事業認可延長を申請しました。三月末が認可延長許可の期限です。認可権限を持っているのは小池都知事です。
 そこで、このパネルをごらんください。二〇一四年三月十三日に外環のトンネル工事を事業認可した際、当時の国交大臣と都知事は、NEXCO東日本が工事について地元住民に対し十分な説明を行い、理解と協力が得られるよう努めることが事業認可の条件だとしているんです。
 認可権者の知事に伺います。
 現在、この条件は満たされているんですか。NEXCO東日本が地元住民に対し十分な説明を行い、理解と協力が得られているのか。知事、お答えください。

○上野東京都技監 工事の安全・安心の取り組みは、事業者において適切に対応すべきものでございまして、東京都は適宜、事業者から報告を受けてまいりました。漏気や陥没などの事象があった際にも報告を受けるなど、状況を注視してまいりました。
 今回の陥没事象につきましては、有識者委員会におきまして、外環シールド工事が陥没、空洞の要因とされるとともに、再発防止策の基本方針が示されたことを踏まえ、事業者に対して状況報告を求め、厳重注意をするとともに、適切に対応を行うよう、都市計画法に基づき指導したところでございます。
 住民対応を含め、今後とも、適切な対応をするよう求めてまいります。

○原田委員 知事、答えてくださいよ。事業認可の申請の承認は目前に迫っているんですよ。理解と納得を得られているんですか、住民から。知事、知事でしょうが。

○中島建設局長 今回の事象を踏まえまして、事業者でございますけれども、地元に対しまして住民説明会の開催ですとか、あるいは専用フリーダイヤルの設置、相談窓口の開催、また、二月の末からは、一軒一軒個別訪問を開始して、今回の事象に対するおわびを行いながら、個々の事情、不安や被害の状況の把握に努めております。
 そうしたことによって、理解も進んでいくのかと思ってございます。

○原田委員 これまでの質疑で、小池知事に行政の責任者としての資質があるのか疑問が一層大きくなりましたよ。都民に寄り添う姿勢もありません。都民ファーストの看板はどこ行ったんですか。大型事業がファースト、今までどおりの無駄遣いがファーストで、都民はセカンド、サードじゃありませんか。こういう政治の姿勢が浮き彫りになったと思います。
 外環道工事をとめなければ、住民の不安は払拭できません。再開したら被害は拡大します。JR東日本が進めるリニア新幹線工事も、外環と同じ大深度地下トンネル工事です。同様の事故が起きる可能性があります。
 今ここで立ちどまることが必要です。事業延長を認可しないよう、知事に改めて強く求めておきます。 

 次に、東京都の環境と巨大開発の問題についてお聞きします。
 小池知事は、二つの危機の一つに気候危機を挙げました。
 IPCC一・五度特別報告書は、温室効果ガスの排出削減は二〇三〇年までの十年が鍵であり、その期間を怠れば、手おくれの気候変動が進むと指摘します。
 そこで、都の環境基本計画を見ますと、昨年までに温暖化ガス排出量を二〇〇〇年比二五%削減するとしています。
 東京都の温暖化ガス排出量は、直近で二〇〇〇年度比何%になっているかと申しますと、二〇一八年度速報値で二・八%増加しちゃってるんですね。温室効果ガスは二〇〇〇年度比二五%削減どころか、逆にふえているんです。
 なぜふえているのか。きちんと総括するよう、日本共産党都議団は幾度も求めてきました。
 しかし、その答弁は、いつもキャップ・アンド・トレードや環境報告書制度などを挙げて、十分にやってきたというばかりでした。その一方、目標だけは高くなっていきます。
 知事は、ゼロエミッション東京戦略で、二〇三〇年までに二〇〇〇年度比三〇%削減を掲げ、ことし一月のダボス・アジェンダでは、今度は五〇%削減の目標を掲げてきたわけです。
 知事にお聞きしますが、東京都の温室効果ガスがふえていることへの真剣な総括もなく、あと十年でどうやって五〇%の排出削減を実現するというのか。これらの目標は打ち出しただけなのか、本気で実現する気があるのか、知事に伺います。

○栗岡環境局長 今、委員からご指摘ございました温室効果ガスの数字の件でございますけれども、確かにCO2の関係はプラス二・八になってございますが、この間、電力のCO2の排出係数が上昇してございまして、この結果、先ほどのような数字になっているわけでございますが、エネルギー消費量で見ますと、二〇一八年度速報値では二〇〇〇年度から二四%の減少となってございまして、着実に省エネは進んでございます。
 今後の見通しについての話でございますが、気候危機の深刻化に鑑みまして、二〇三〇年までの十年間の行動を加速していく必要があることから、都は、二〇三〇年までの温室効果ガス五〇%削減を掲げ、あらゆる主体に行動のチェンジを呼びかけてまいります。
 さらに、多様な観点からの取り組み強化の方向性について、ゼロエミッション東京戦略のアップデートや、環境審議会での議論を通して検討を深め、二〇三〇年カーボンハーフの実現を目指してまいります。

○原田委員 高い目標は結構ですけど、実現までのプロセスが全く見えないわけですよ。
 一昨年、知事が主催した世界大都市サミットで採択されたコミュニケには、二〇三〇年までに新築の建物、二〇五〇年までに全ての既存建物が実質カーボンゼロになるよう、国レベルの規制や事業を求めています。これは重要な提言だったわけです。
 その立場からすれば、知事が進める都内各地の再開発事業についても、環境上の規制を設けてしかるべきだと考えるわけです。
 これまで聞いてきましたけど、気候変動問題で知事が答弁に立たれないというのは本当に残念ですよね。世界の舞台には踊り出るようにして大変立派な宣言をしてくるのに、都議会でこれまでの総括を聞かれると答弁にも立てなくなるというのは不思議です。
 建物単位での最先端の省エネ技術を導入するとか、いろいろ環境局はいうんですけれども、知事が進める国際競争のための巨大再開発、これは全くサステーナブルではありません。
 例えば、二月三日の都市計画審議会にかかった虎ノ門百八十メートルビル、新宿駅西口二百六十メートルビル、大手町三百九十メートルの再開発ビル計画は、気候危機対策の側面から見れば、目を疑うような計画です。
 中でも、大手町D−1街区の三百九十メートルビル巨大開発について、開発前と開発後のCO2排出量はどれくらいになるのか伺います。

○上野東京都技監 大手町地区D−1街区の開発前の建築物からのCO2排出量につきましては、実績値によりますと、年間約一万七千九百トンとなっております。
 開発後につきましては、開発事業者作成の都市計画素案に記されました排出原単位の目標値など、一定の仮定条件をもとに試算をいたしますと、年間約四万五千三百トンと算出されますけれども、現在、開発事業者におきまして、建物への再生可能エネルギー由来の電力の導入に向けまして、関係者と協議を進めているところでございます。

○原田委員 驚きますよね。都内では最高レベルの環境性能を取り入れたビルになるんですよ。けれども、大規模化によって、環境性能は相殺されるどころか、逆に排出量は激増するんです。開発前は約一万八千トンの排出量が、開発後は何と四万五千トンと、二万七千トンふえる。
 この排出量がどれほどの規模のものか、環境局にあらかじめお聞きしてまいりました。
 CO2排出量を森林吸収量で補おうとした場合、農林省が示す基準などはあるか聞いてきたんですけど、林野庁の資料によりますと、樹齢四十年程度の杉人工林が一年間に吸収する二酸化炭素の量は、一ヘクタール当たり約八・八トンと推定されると。
 これをもとに計算しますと、この大手町の三百九十メートルビルのCO2排出量を森林吸収で補おうとした場合、増加した分だけでも、樹齢四十年程度の杉の人工林が三千六十八ヘクタール分、東京ドーム六百五十二個分の森をつくらねばならないことになっちゃうんですね。
 特に問題なのは、こうした巨大開発を、東京都が容積率の緩和をしてあげて進めている立場に立っていることなんです。大手町でいえば、当初九〇〇%だった容積率を一八六〇%まで緩和しました。二倍以上です。道理で三百九十メートルのビルが建つはずなんです。
 さらに、国際競争を掲げる都知事は、このほど区域マスタープランを改定し、都内全域を対象とした大規模開発方針を発表しています。区域マスタープランによって、環状七号線より内側の地域の開発拠点は、今度、三十二カ所から八十五カ所にふえることになるわけです。環七の外側でも、駅ごとの開発を呼びかけるような内容になっていますから、これが気候危機を呼びかける都市のあり方なのかと。
 知事、とうとう一度も発言されませんでした。気候変動危機の打開に向けて本気で行動するなら、都市開発の見直しまで含めた抜本的な政策転換が必要だと訴えて、質疑を終わらせていただきます。(拍手)


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