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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団

2000年第1回定例本会議 中途議決に対する討論

池田梅夫(豊島区選出)  2000年3月8日

大型公共事業が大半をしめ、臨海高速鉄道などのふくれあがった工事費を補填する最終補正予算案に反対する

◯百三番(池田梅夫君) 私は、日本共産党東京都議団を代表して、第二百一号議案、平成十一年度東京都一般会計補正予算外五議案に反対する立場から討論を行います。
 今年度最終補正予算案は、景気対策とか経済の活性化などというものの、その内容は、幹線道路建設の用地買収、首都高公団への出資、汐留を初めとする区画整理や市街地再開発など、従来型の公共事業が大半を占めています。中小企業への貸し渋り対策もあるものの、それはごく一部にすぎません。
 このような従来型の大型公共事業が、専ら大手ゼネコンに吸い上げられるだけで、景気対策としてほとんど役立たなかったことは、今日では立証済みであります。雇用確保の面でも、建設省の公共事業着工統計によれば、政府が経済対策の名で公共事業費を膨張させた九〇年代に、就労者は、逆に大幅に減少しています。
 景気対策というなら、何よりも、GDPの六割を占める個人消費と中小企業の設備投資を暖めることであり、福祉、医療の拡充や、公共事業の生活・福祉型への転換こそ進めるべきであります。国に追随し、従来型公共事業を前倒しした補正予算案が、景気対策の名に値しないことは明らかであります。
 しかも、最終補正予算案の財源は、そのほとんどが借金、起債であります。その結果、この最終補正予算案と来年度予算案を合わせると、投資型経費は一兆円に上り、新たな借金も、今年度予算を上回る六千数百億円となるのであります。今後も新たな借金をこの水準で毎年続けると、八年後には、借金残高は十兆円にも達することになります。
 今日の都の財政難の原因は、バブルに踊って大型公共事業を膨張させ、そのために巨額の借金を積み上げてきたことにあります。この借金の元利返済が、バブル前に比べて二倍にも三倍にも膨れ上がっていることが、都のいう、いわゆる財源不足の直接の要因になっていることは、財政当局自身がだれよりもよく自覚しているはずであります。にもかかわらず、借金財政をさらに拡大する最終補正予算案を提案するというのは、まさに危機意識の欠如といわなくてはなりません。
 同時に、重大なことは、最終補正予算案が、臨海高速鉄道、地下鉄十二号線建設など交通関係第三セクターのずさんな事業の穴埋めのために、まともな原因と責任の究明もないまま、一千二百億円にも上る巨額の財政支援を行う内容になっていることであります。
 最終補正予算案は、臨海高速鉄道の工事費がおよそ八百億円、三割近く膨れ上がったとして、都が百五十億円の追加出資を行うとしています。また、地下鉄十二号線についても、同じく工事費が、五割近く約三千億円も膨れ上がった穴埋めに、九百億円をつぎ込むとしています。
 しかし、公共事業の工事費がこのように異常に膨れ上がったというのは、それ自体大問題です。どう処理するかを決める前に、まず、全面的に情報と資料を都民に明らかにした上で、どうしてこんな事態が生まれたのか、その責任はどこにあるのか、徹底的な究明を行うのが先決であります。それもしないで、補正予算に巨額の支援を組み、押し通そうなどというのは、断じて許されるものではありません。
 地下鉄十二号線については、十九の工区のすべてで、それぞれ三回から十二回もの設計変更が繰り返されており、最高で三・三倍にも工事費が膨れ上がっています。正規の入札を経た事業でこんな事態が起きることは常識では考えられないことであり、あってはならないことです。大体、概略設計で入札を行った上、詳細設計は工事業者任せなどというのは驚くべきことです。
 この工事については、知事も昨年の第二回定例会で述べたように、談合の疑惑もあり、我が党も、事前の談合情報や、ほぼ情報どおりに、大手ゼネコンを中心に工区割りが行われ落札されたことなどを、一貫して追及してきました。都の穴埋め計画では、今後も、都がさらなる財政支援を行うことになっています。これらを含め、改めて全容の究明が必要であります。
 臨海高速鉄道についても、この間の我が党の議会での追及によって、工事費が膨れ上がった背景に、JRいいなりの姿勢があることが明らかになりました。JRに委託していた大崎駅付近の工事が、JRの要求で開削工法からシールド工法に変更されたことや、JRの線路の上に広場をつくる工事を臨海高速鉄道が全額負担することにしたことなど、都の姿勢が厳しく問われなくてはなりません。もとより我が党は、これらの線路の公共交通としての役割自体は否定するものではありません。しかし、だからといって、野方図な財政投入は絶対に許されないのであります。
 都は、来年度予算案で、シルバーパスの全面有料化や老人医療費助成の廃止など、かけがえのない福祉は、あれもこれも、ばっさり削ろうとしています。その平年度の影響額は、一千億円にも上るのであります。命と健康の支えを奪わないで、という痛切な都民の声が渦巻いています。
 こうした都民への冷たい仕打ちの一方で、野放図な第三セクターへの支援や、従来型公共事業には巨額の財政投入を行い、借金財政の傷を深くする最終補正予算案は、まさに逆立ちのきわみであります。よって、反対するものであります。
 税金の使い方を、大型公共事業優先から、福祉、暮らし主役に切りかえることを強く求めて、私の討論を終わります。(拍手)