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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


二〇〇二年第三回都議会定例会  文書質問趣意書

提出者 河野百合恵(江戸川区選出)

一 江戸川区内の都施行区画整理事業について

1 東京都が、江戸川区内で施行している三カ所の区画整理事業のうち、瑞江駅西部地区および篠崎駅東部地区の事業は、一九八〇年代末の事業着手から十数年が経過したにもかかわらず、当初の計画から大きな遅れを生じ、関係住民からつよい不安の声があげられています。
 江戸川区内では、これまで、都営新宿線沿線の一之江駅、瑞江駅、篠崎駅の三駅周辺でいくつかの区画整理事業が平行してすすめられてきましたが、都施行の瑞江駅南部地区および「瑞江一期地区」は、約十年の事業期間で完成し、瑞江駅北部地区および一之江駅西部地区の二つの江戸川区施行事業についても、従前地権者の移転が順調にすすみ、予定の二〇〇八年および二〇〇九年までに、それぞれ事業が終了する見通しとなっています。
 一方、残された二つの事業について、都は一昨年、計画の延長をおこない、瑞江駅西部地区については、完成年度を当初の計画より十年延期して、二〇一四年度に、篠崎駅東部地区についても、十三年延期し、二〇一七年度までに延長され、当初の計画段階からすると、それぞれ、二十年から二十三年もの事業期間を要することになりました。
 このように、事業が長期化するなかで居住者の高齢化がすすむとともに、長期不況と社会保障制度の連続的後退の影響など、関係住民は、将来への不安を募らせています。
 関係住民からは、「隣の地区の区画整理はどんどんすすんでいるのに、同じ時期にはじまった私たちの地区は、どうしてこんなに遅れてしまうのか?」とか、「定年退職になり、いつまで元気でいられるか、わからない、いつになったら移転の時期が来るのか心配でたまらない」などの切実な声が寄せられています。
 施行者の東京都が、責任を持って、事業の見通しを明らかにして、将来の生活設計が立てられるようにして欲しいというのが、関係住民の切なる要望です。
 知事、この関係住民の声に、率直に耳をかたむける必要があるのではありませんか。
 また、なぜ、このふたつの事業だけが、大幅に立ち遅れているのか、理由を明確に説明することが欠かせないと思いますが、あわせて、答弁を求めます。

2 この二つの事業がすすまない原因に、事業費が大幅に削減されてきたことがあげられます。
 この事業を所管している建設局第一区画整理事務所では、もともと百億円前後の一般会計予算が計上され、そのおおくが区画整理事業にあてられてきました。
 ところが、二〇〇〇年度から、同事務所の事業に、臨海副都心開発関連の事業がくわえられることとなり、一般会計予算が七十億円台に削減されるとともに、予算の配分もおおきく変化することとなりました。
 このため、一九九九年度には、六十数億円あった区画整理事業費が翌年の二〇〇〇年度には、約三十億円まで削減され、一方、減額になった分がまるごと、臨海都市基盤関連街路整備費にあてがわれることになったのです。
 また、第一区画整理事務所の総予算としては、百億円前後を維持しているにもかかわらず、臨海開発の特別会計もあわせると、予算の約三分の二が臨海関連予算で占められるという異常な事態となっています。
 今年の区画整理事業の予算は、二十四億円が配分されただけで、瑞江駅西部地区の予算は、二億二千万円、篠崎駅東部地区は七億八千万円にすぎません。
 このため、今年度移転が可能となるのは、両地区あわせても二十六棟ということです。
 移転対象建物は、約千六百戸あり、この予算規模では建物の移転だけで、五十年以上もかかってしまうではありませんか。
 「いまのような状況では、延長した完成予定年度すら守れないのではないか」という住民の心配は当然です。
 一方、江戸川区は、区画整理事業を区の重点政策に位置づけ、区施行の事業に、毎年、それぞれ約三十億円の予算を確保することで、計画通りの完成をめざしているのです。
 都政をめぐる経済情勢はひきつづききびしいものがありますが、問題は、税金の使い方です。都は、臨海副都心開発について、゛税金は使わない"、゛都民に迷惑はかけない"などといってきましたが、現実に破たんが明らかになるなかで、関連街路建設などに都財政を投入することで、延命をはかろうとしています。また、石原知事は、目玉としている「都市再生」で、センターコア内の開発にお金を重点的に投入しようとしていますが、それらの大型開発優先の都政運営のしわ寄せをうけているのが、二つの江戸川区での区画整理事業にほかなりません。
 知事、「都市再生」というのであれば、木造密集地域や地震被害が予想される地域などの整備や、住民密着型のまちづくり再生こそ、いそがれているのではありませんか。
 必要な予算を確保して、区画整理の早期の事業完了をもとめる住民の要望に応えるべきと考えますが、あわせて答弁を求めます。

3 瑞江西部地区の減歩の緩和も切実な要望です。
 この地区の平均減歩率は、一九・〇九%とされており、一五・七%の瑞江駅南部地区、一六・九二%同北部地区と比べて、高く設定されています。同じ、公共施行の区画整理なのに、「不公平ではないか」という声は、当然と思いますが、都として減歩率の引き下げに努める考えはないのか、見解を求めます。

4 次に、事業の正確な情報を提供する問題です。
 区画整理事業は、複雑な仕組みであることから、事業をスムーズにすすめるうえで、関係住民への情報の提供を重視し、住民の理解をもとめることは欠かせません。
 かつて、瑞江南部地区では、借地権者が「権利申告」の手続きを知らなかったため、仮換地通知を受け取る段階になって、あわてて施行者や地主と交渉を重ねたということがありました。他の地区でも、店舗を借りている小売店主に区画整理事業のことが知らされず、家主への通知だけになっていたため混乱した、ということもありました。
 問題の二つの都施行の区画整理事業でも、「自分の住んでいる所は、いつ移転の時期がくるのか」ということをはじめ、移転補償や手続きの方法など「わからないことだらけ」というのが、住民の現状です。
 また、地区内に住んでいなくて、工場や店舗を一時借りしている人達に対しての情報提供もきちんとおこなうことも欠かせません。
 施行者である東京都が、区画整理の仕組みや今後の事業スケジュールなどについて具体的に正確な情報を提供することは、住民の不安を少しでも解消していくうえで、きわめて重要です。地区内のすべての住民及び権利者を対象に、正確な情報の周知・徹底につとめることを求めるものです。答弁を求めます。


二〇〇二年第三回都議会定例会  河野百合恵議員の文書質問に対する答弁書

質問事項 一 江戸川区内の都施行区画整理事業について
1 瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区の事業は、一九八〇年代末の事業着手から十数年が経過したにもかかわらず、当初の計画から大きな遅れを生じ、関係住民から強い不安の声があげられている。知事、この関係住民の声に、率直に耳を傾ける必要があるが、所見を伺う。また、大幅に遅れている理由を明確に説明すべきだが、所見を伺う。
回答
 瑞江駅西部地区及び篠崎駅東部地区については、地権者の生活再建に関する要望に対処するため、事業着手以来、減歩緩和のための用地取得を進めるとともに、分散している宅地の集約化など地権者の意向等を換地設計に反映し、事業を進めてきました。
また、まちづくりニュースの発行や土地区画整理審議会への説明などの機会を通じて、事業計画の変更について関係住民への周知徹底を図ってきました。

質問事項
一の2 今年の区画整理事業の予算規模では、建物の移転だけで五十年以上かかる。知事、都市再生というのであれば、木造密集地域や地震被害が予想される地域などの整備や、住民密着型のまちづくり再生こそ、急がれているのではないか。所見を伺う。また、必要な予算を確保して、区画整理の早期の事業完了を求める住民の要望に応えるべきと考えるが、所見を伺う。
回答
 江戸川区内の都施行区画整理事業は、防災性の向上、良好な住環境の形成などを目的として実施してきています。
 厳しい財政環境のもとではありますが、計画的な事業執行を図るため、適切な予算の確保に努め、事業期間内での完了を目指し取り組んでいきます。

質問事項
一の3 瑞江西部地区の減歩率は、瑞江駅南部地区及び北部地区と比べて、高く設定してある。都として、減歩率の引き下げに努める考えはないのか、見解を伺う。
回答
 瑞江駅西部地区は、施行前の公共用地率が低く、道路及び公園の整備により良好な居住環境を確保するため、所定の減歩率となりました。

質問事項
一の4 区画整理の仕組みや今後の事業スケジュールなどについて、具体的に正確な情報を提供することは、住民の不安を解消していくうえで重要である。地区内の全ての住民及び権利者を対象に、正確な情報の周知・徹底に努めることを求めるが、見解を伺う。
回答
 事業の実施に際しては、引き続き、説明会の開催、まちづくりニュースの発行、個別相談の実施などを通じて関係住民への事業内容の周知徹底を図っていきます。