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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


予算特別委員会 討論 二〇〇三年三月五日

曽根はじめ(北区選出)

税金の使い方を改め、都民の切実な要望にこたえ、借金をへらす方向を
知事の憲法尊重擁護義務の拒否は、都民の代表たる資格を自ら放棄するもの

 私は、日本共産党都議団を代表して、第一号議案、「平成十五年度東京都一般会計予算」ほか十七議案に反対、予算組み替え動議に賛成の立場から討論を行ないます。
 まず、一般会計予算案についてです。
 最悪の不況にくわえ、小泉内閣の社会保障負担増と不良債権処理の加速策のおしつけが、日本経済、都民のくらしと営業に深刻な打撃を与えているなかで、東京都の来年度予算にもとめられたのは、なにより、こうした事態にくるしむ都民のくらしや雇用、中小企業対策などの緊急の課題にどう応えるかでした。
 この点で、わが党の質疑を通じてあきらかにされたことは、知事の予算原案には、これら切実な都民要望に積極的に応えようとするものではないことでした。
 失業者の支援では、雇用創出交付金事業への都の上乗せによる拡充や、失業者のための生活費の支援などをもとめたのにたいしてこれを拒みました。また、必死に生き残りにつとめている中小企業対策予算は、業者のつよい要望にもかかわらず、この四年間で十三・二%も削減されています。
 また、国の医療制度改悪や社会保障の負担増から都民の生活をまもることについても、なんら手だてを講じようとしないだけでなく、来年度、老人福祉手当の廃止を強行しようとしていることは重大です。
 さらに、東京都は来年度から、公共料金の二年ごと、最高一・五倍の見直しをうちだし、看護学校授業料の大幅引き上げなどを提案したことも、都民の苦しみを理解しないものといわざるを得ないもので、反対するものです。
 また、来年度予算案は、石原知事のこの四年にわたる福祉をはじめとする都民施策の切りすてと、その一方での「都市再生」をはじめとする大型開発に予算を重点的に配分するという逆立ち政治の総決算とも言うべき内容となっています。
 当予算特別委員会での質疑を通じて、石原知事がすすめてきた「財政再建推進プラン」によって、削減された経常経費のうち、実にほぼ半分が福祉予算で占められていることが明らかになりました。
 この削減におおきな比重を占めているのが、シルバーパス、老人医療費助成、老人福祉手当など、いわゆる経済的給付事業であったことは重大です。
 また、来年度予算案では、これらの高齢者福祉をはじめとするきりすてにくわえ、「福祉改革」「医療改革」の名による都立病院の統廃合、都立福祉施設撤退の第一弾としての用賀技能開発学院の廃止などが提案されています。また、保育の分野では、民間営利企業に門戸をひらき、公的責任の縮小をすすめる方向も強められています。
 こうした福祉切りすての結果、福祉費はこの四年間に三百億円以上もへらされることになりました。政令市をかかえる七つの道府県に対して、東京都だけがこの四年間に福祉予算を減らしたこともわが党の調査で明らかにされました。
 教育分野でも、都民や生徒・父母などの合意の無いまま都立高校の統廃合計画を推し進める一方、全国でおおきな流れとなろうとしている三〇人学級の実施や、障害児学校の教室不足や往復三時間を超えるスクールバスなどの切実な改善要望に対しても、応えようとしていません。
 「重点事業」以外の都民施策に対する一律マイナスシーリングによる都民施策の廃止・縮小もすすめられています。
 このように都民にいたみをおしつける一方で、超高層ビルと大型幹線道路中心の「都市再生」にかたよった財政運営がすすめられていることについても、来年度予算の特徴です。都は、投資的経費を抑制したと言い逃れを言いましたが、この点でも、わが党が明らかにしたように、来年度予算案では、投資的経費に首都高速道路公団への貸し付けなどの経常経費に含まれた投資や過去の借金のツケである公債費をあわせたいわゆる投資型経費は予算の四分の一、一兆五千億円を超える規模となっています。
 このため、都債残高は長期にわたって減らず、三十年後も七兆円を超える規模となり、都民一人あたり五十八万円の借金に苦しめられることになります。
 これは石原知事の「借金財政ノー」の公約にあきらかに反するものであることを申し述べておきます。
 本委員会において、わが党が、他の大都市を含む道府県がすべて福祉予算をふやしているなかで、東京都だけが三百億円以上減額した事実を指摘したのに対して、知事は「当然減だ」などとしながらもこれを否定できませんでした。また、財務局長は、四年間の福祉予算がマイナス六%であったことについて、「これまでの福祉の事業の見直しをしてきたわけです」とその事実を明確に認めるにいたりました。
 保育分野も論議の焦点となりました。
 質疑のなかで、わが党が東京都が認証保育に比重を移そうとしていることを批判したのに対して、福祉局長は、いま、検討している保育園への補助金見直しが、保育料の値上げにつながる可能性認めたことも重大です。
 認証保育所はあくまでも認可保育所の補完の役割にとどまるものであり、高い保育料負担の面でも保育士の不安定雇用による保育の質の面でも、父母からも不安を持たれ、心ある経営者も問題を指摘せざるを得なくなっていることを直視すべきです。
 また、「都市再生」がもたらす、環境、経済、都財政にあたえる深刻な影響もうきぼりとなりました。なかでも看過できないことは、わが党が「都市再生」による超高層ビルの大量供給によって、ビル不況が現実のものとなっていることを、民間のシンクタンクの予測を紹介して質したのにたいして、知事が「事業者に聞いてほしい」と、全く傍観者のような無責任な発言をおこなったことです。また、三環状道路によって、都心での渋滞が解消されないこともあきらかにされました。
 オフィスの大量供給を野放しにすれば温暖化やヒートアイランド現象を防ぎきれないこと、都心で発生する自動車交通も3環状で排除できる交通量の2倍以上になるなど、開発ラッシュを抑え成長管理への転換なしに、東京の環境は守れないことは明らかです。
 今日の深刻な一極集中の弊害を解決するうえで、欧米各都市でも試され済みの都市の成長を管理するという考え方に知事が、たつことをつよくもとめておくものです。
 わが党が提案した来年度予算組み替え動議は、以上の立場を踏まえて、不況から都民のくらしと営業を守るための失業者のための生活支援、若者の就労支援、さらには、きりすてられた福祉の復活・存続、福祉・医療の充実、公立学校での三〇人規模学級導入など子ども中心の教育の推進、ヒートアイランド対策などと環境対策、都市再生関連で不要不急の大型事業、浪費にメスを入れ、生活密着型公共事業の重視などを内容としたものです。一般会計予算の三・三%を組み替え、税金の使い方をあらためれば、都民の切実な要望にこたえ、さらには借金もへらす方向にふみだすことを示したものです。各会派のご賛同をお願いします。
 わが党が、石原知事の九九条の憲法尊重擁護義務について質したのにたいして、知事は「九九条違反で結構」「私はあの憲法を認めません」と驚くべき重大な発言をおこないました。これは、憲法がさだめた知事としての憲法尊重擁護義務を真っ向から拒否するものであり、もし閣僚であれば即刻罷免に値する発言です。国の根本法規を認めず、守らないと宣言したことは、都民の代表たる資格を自ら放棄するものといわざるを得ません。都民の審判をまぬがれないことを申し述べておくものです。
 同時に、アメリカのイラク攻撃を事実上支持する発言、他人の言葉を捻じ曲げて自らの女性蔑視思想を披瀝した発言など、いずれも自治体の長として許されない言動であり、あらためて発言の撤回を要求しておくものです。
 また、本委員会の中で、またもや公明党議員からの、日本共産党にたいするためにする非難・中傷が行なわれました。
 都議会の場で、政策ではなく公党の政治活動を非難したり、知事の答弁を利用するやり方には、議会制民主主義と都民の負託にこたえるべき議会の使命を踏みにじる党略的行為として、かつてわが党以外の議員からも厳しい批判が行なわれ、マスコミも疑問を呈しているものです。議会人として、まさに自らの品位を汚す自殺行為であることを厳しく指摘するものです。
 以上で、日本共産党の討論を終わります。