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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


予算特別委員会 動議提案 二〇〇三年三月五日

渡辺康信(足立区選出)

2003年度予算案にたいする日本共産党の提案
税金の使い方をあらため、都民のくらしと営業、福祉優先の予算に組み替えを
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二〇〇三年度一般会計予算等の編成替えを求める動議の提案理由説明

 私は日本共産党を代表して、ただいま提出いたしました第1号議案 平成15年度東京都一般会計予算、第12号議案 平成15年度東京都都営住宅等事業会計予算、第20号議案 平成15年度東京都臨海都市基盤整備事業会計予算他5議案の編成替えを求める動議について、提案理由の説明を行います。
 都財政は、たしかに厳しい状況にあります。しかし、「都市再生」優先の逆立ちした税金の使い方をあらためれば、経済的給付事業など切りすてられた福祉をもとにもどすことをはじめ、切実な都民要求に応え、しかも、都財政建て直しの道にふみだすことは可能です。
 わが党は、以上の立場から、平成15年度予算案をつぎの4つの柱にもとづいて組み替えることを提案するものです。今回の提案は、都政を都民が求める方向へ転換するうえで、まずこれだけはふみだすべきという、最小限の項目にしぼりこんだものとしました。編成替えの対象も一般会計予算を中心とし、他の会計の編成替えは関連して修正が必要となるものにとどめました。編成替えの規模は、一般会計予算の3.3%程度ですが、都がこの方向にふみだすことは、かならずや都民の願いに応えるものとなると確信するものです。
 以下、予算の編成替えのポイントについて説明させていただきます。
 第1は、不況と社会保障負担増から、くらしと営業を守っていくことであります。知事を本部長に「緊急雇用景気対策本部」を設置し、雇用や仕事確保、中小企業への支援を全庁的に取組みます。とくに、雇用については、国の緊急雇用創出基金事業に都独自の予算をうわづみし、就労環境を整備し、とくに青年の就労支援に全力をつくします。製造業支援の工業集積地域活性化事業を継続発展させ、第2期事業としてスタートさせ、商店街振興についても、商店街お迎えバス事業など商店街に役立つ支援を進めていきます。また、大型公共事業を見直し、都営住宅建設、特別擁護老人ホームの増設、歩道整備、路面補修など、生活密着型公共事業の拡充などで都民要求に応えるとともに、中小企業の仕事確保策としても積極的にすすめます。
 第2に、切り捨てられた福祉を基本的に元に戻すと共に、あらたな切り捨てをやめ、都民の命と健康を守ることです。老人福祉手当は廃止せず、継続させます。同時にシルバーパス、老人医療費助成などの、経済給付的事業は、削減を元にもどします。介護保険の重過ぎる負担を改善し、保険料の減免制度を創設するとともに、利用料の軽減策の拡充をはかります。子育て対策として認可保育予算を倍増し、乳幼児医療費助成の所得制限を撤廃し、多摩格差を解消していきます。都立母子保健院を再開させ、小児夜間救急対応が多くの自治体でも実施できるように支援を強化していきます。
 第3は、教育、環境など解決が迫られている課題です。まず、「子どもを中心にした教育」の推進です。30人学級を計画的にとりくみ、小学1年生から実施に踏み出します。都立高校の改革についても受験競争を激化させるものとして都民の反対もつよく、都民参加で見直しをしていきます。東京の環境は一層悪化し、自動車排気ガス全国測定調査で東京はワーストテンの中に7箇所も入っています。オフィス等開発による住環境や環境破壊を予測するための「都市開発総合アセスメント」、複数の開発計画を対象にした「環境総合アセスメント制度」を創設するなどして、都市の成長管理の方向にふみだします。
 第4は、「都市再生」、臨海副都心開発など不要不急の大型公共事業の見直しです。石原知事は「借金ノー」を公約に掲げながら、大型幹線道路や都市再開発に重点的に予算をつぎこみ、借金はこの4年間で5600億円ふえ、7兆円規模に達しました。大型公共事業の見直しと生活密着型公共事業への転換はさけられません。そのためにも、「先行まちづくりプロジェクト」の推進、「都市再生緊急整備事業」経費などの都市再生推進費を削除します。汐留地区、秋葉原地区、環状2号線地区、北新宿などの都施行区画整理事業及び市街地再開発事業を削除します。臨海副都心関連基盤整備費の削除、及び首都高速道路公団への無利子貸付や国直轄事業負担金などを削除します。
 以上の予算編成替えを行った結果、生み出された一般財源685億を切りすてられた福祉の復活と、福祉・医療の充実、雇用の拡充と中小企業支援など都民施策の充実を図る財源にあて予算の均衡をはかります。
 各委員のみなさんのご賛同をお願いして、提案理由の説明といたします。