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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


2003年第4回定例会 文書質問

小松恭子(北多摩第一選出)

市町村に対する定期予防接種費補助等の見直しについて

 都は、2003年6月、第2次財政再建推進プランの策定にむけて発表した「途半ばにある財政再建」において、市町村補助を何度も例示し、最大の見直し対象としていく方向を明らかにした。そして10月に発表した「第2次財政再建推進プラン」では、都の補助率が2分の1をこえる「高率の補助金」、20年、30年と継続している「長期継続補助金」を幅広く見直し対象としていく方針を示している。これが実行されたら、都の補助金が大きな役割を占めている市町村財政と、福祉、保健、医療など市民サービスに深刻な影響を及ぼすことになる。
 すでに都は、「第2次財政再建推進プラン」にもとづく見直しの具体化の第一歩として、2004年度予算編成にむけ、多摩市長会、町村会に対し、28項目に及ぶ補助金の見直しを提示し、市長会、町村会から、きびしい反対の声があがっている。この問題について、以下、文書質問をするので、答弁をお願いしたい。

1、定期予防接種費補助事業について

 日本の予防接種は1948年度から始まり、都では1963年度から、ジフテリア、百日せき、破傷風のいわゆる「3種混合」と、日本脳炎、ポリオ(急性灰白髄炎)の定期予防接種を市町村が無料で実施できるようにするため、都の全額補助がスタートして以来40年間、補助率は2分の1まで段階的に減らしながらも継続されてきたものだ。これを廃止するという都の提案に対し、多摩26市すべてが反対を表明し、都民からは「赤ちゃんの予防接種の補助まで打ち切るのか」と、怒りの声があがっている。
 かつての全額補助から、すでに補助率2分の1まで減らされており、「高率の補助」の見直しにあてはまらないため、今度は「長期継続補助」だという理由を持ち出して廃止しようという、とんでもない話であり、きびしい批判の声があがるのは当然だ。
 40年の長期にわたり補助が継続されてきたのは、それだけ必要性が高い、なくてはならないものであるからにほかならない。しかも、感染症予防のための予防接種の重要性を指摘する声は、専門家のあいだから近年とりわけ高まっており、いま補助を廃止する理由など、どこにもない。

:多摩26市すべてが、そろって反対しているという重い意味を、都はどう受け止めているのか。

:都が1999年に策定した感染症予防施策実施計画(「東京都の感染症の予防のための施策の実施に関する計画」)でも、「感染症の予防については、感染症の発生後に防疫措置を講ずる事後対応の行政だけでなく」「平常時から感染症の発生とそのまん延を防止していくことに重点を置いた事前対応型行政の体制を構築していく」とうたい、「予防接種は、感染症対策の一環として極めて重要なものである」として、「予防接種の推進」を明確に位置づけている。今回の定期予防接種費補助の廃止は、こうした東京都自身の方針に逆行しているのではないか。

 都は、都道府県で定期予防接種の補助を行っているのは東京だけであり、全国的に市町村の全額負担による無料接種が定着していると言うが、日本外来小児科学会が2001年に行った調査によると、香川県では39市町のうち20市町が、5百円から3千円の自己負担を徴収しており、山形県では44市町村のうち23自治体が自己負担を徴収しているなど、必ずしも全国的に無料接種が定着しているとは言えない実態が明らかになっている。
 その中で、東京都が事業概要にも、「対象者が無料で受けられるよう、実施主体である各区市町村に対し補助を行う」と明記し補助を行ってきたことは、むしろ誇るべきことだ。いま、これを廃止した場合、市町村は総額8億円もの負担増となる。市町村では、1997年から母子保健の移管が始まり、2002年度からは全額市町村の負担となった。これによる事務費と人件費のために、東村山市だけで、年間1億1千5百万円もの負担増になっている。「都は補助を廃止しても、市は定期予防接種を廃止するわけにいかない。が、市が全額負担するには、他の補助金カットや事務移譲などもあり、負担が大きすぎる」−−これが、多くの市から共通してあがっている切実な声だ。

:予防接種法第24条は、区市町村は「予防接種を受けた者又はその保護者から、政令の定めるところにより、実費を徴収することができる」と定めている。無料接種を原則とすることが明確にされていない。このような不十分な法の下で、都の定期予防接種費補助を廃止した場合、重い財政負担にたえられない市町村では、都内ではせっかく無料で定着している定期予防接種の有料化を促進することにつながる心配があるのではないか。有料化につながる心配は絶対ないと断言できるのか、明確な答弁を求める。

 いま都に求められているのは、定期予防接種費補助の廃止ではなく、拡充だ。
 予防接種法の改定で、風しん、麻しん(はしか)、高齢者のインフルエンザが定期予防接種の対象疾病として追加されているが、いずれも都の補助は対象外だ。
 しかし、たとえば麻しん(はしか)は、予防接種率の向上により根絶をめざす運動が、全国各地で始まっている。国立感染症研究所感染症情報センターは2002年10月に「麻疹の現状と今後の麻疹対策について」を発表。その中で、日本は「ワクチン予防可能疾患として国際的に認識されている一部の感染症に対する対策は、他の先進国のみならず、数多くの途上国にも最近では大きく遅れをとっている。特に麻疹においては、毎年乳幼児を中心とした多数の患者及びそれに伴う重症患者が毎年発生しているのが現状である」と警鐘を鳴らしている。
 同報告では、日本の麻しん患者は年間約10〜20万人と推計され、患者の半数が2歳以下であり、成人麻しんの増加も特徴としてあげている。これに対し、ワクチン2回接種を基本としているアメリカでは、01年の患者数は100人で、死亡は2人にすぎない。患者発生のほとんどは輸入例で、アメリカの場合、その第一位が日本からの輸入となっている。
 麻しんは、重症化する場合が多く死亡率も高い危険な感染症のひとつだが、特効薬がなく、ワクチン接種による予防が唯一の決め手だ。日本の麻しんワクチン接種率は90%こえており、東京の場合も02年度実績で94.8%だが、これは分母が1歳人口、分子が1歳から7歳半までの間に定期予防接種として麻しんワクチンを受けた人数となっているため、正確とは言い難いと言われており、実際の接種率は80%ていどと推計されている。実際に東京においても、2000年に、北区の中学高校一貫校で集団発生、02年には世田谷区内の小、中学校で集団発生の事例が起きており、麻しんワクチン接種のいっそうの推進が緊急の課題となっている。
 またインフルエンザの予防接種は、SARS対策の重要な柱のひとつとして、きわめて重要なものとなっているが、94年の法改定で任意接種になって以来、全国的に接種率が低下し、冬場にインフルエンザの大流行を引き起こす結果となっている。この打開のため、ワクチン接種率を抜本的に引き上げることが急務だ。
 65歳以上の高齢者については、インフルエンザは定期予防接種の対象だが、全国の12政令市が自己負担額1000円に対し、東京23区は2200円だ。また、東京における高齢者インフルエンザの接種率は、02年度実績で30%にとどまっている。

:東京都の定期予防接種費補助の廃止は、ただでさえ「他の先進国のみならず、数多くの途上国にも最近では大きく遅れをとっている」日本の感染症対策と予防接種の立ち遅れをいっそう後退させるものであり、中止すべきだ。

:定期予防接種費補助の廃止どころか、風しん、麻しん、高齢者インフルエンザを対象に加えるとともに、麻しん(はしか)ワクチンの2回接種や、1歳未満での接種、高齢者インフルエンザ自己負担の引き下げあるいは無料化、さらにインフルエンザの合併症にハイリスクな難病患者や小児に対する公費助成など、予防接種推進対策の抜本的拡充こそ必要だと考えるが、答弁を求める。

 高知県は、県民が居住する市町村の区域をこえて、県内どこの医療機関でも予防接種を受けることができる全県統一型の広域予防接種システムを、02年4月からスタートした。費用は、高齢者インフルエンザをのぞいて全額公費負担だ。これは、県が、全市町村、医師会、国民健康保険団体連絡会等といっしょに「県予防接種広域化検討委員会」をつくり、練り上げたものだ。
 大分県も、県内どの市町村の医療機関でも予防接種を受けることができる「全県的な相互乗り入れ」を実施している。
 予防接種の推進は、市町村の努力にまかせるだけでなく、広域的なとりくみが重要であり、都が果たすべき役割は、ますます大きくなっている。

:都においても、関係者と共同の検討委員会を設置し、区市町村をこえた全都的な相互乗り入れの実施に向けた具体化に踏み切るよう提案するが、見解を伺う。

2、健康診査に対する補助について

 東京において、がん検診だけでなく、基本健康診査まで自己負担を導入する自治体が現れている下で、健康診査(胃がん検診・事業実施通知費・精度管理推進費)の補助を廃止するというのも、重大な問題だ。自己負担を導入した自治体では、いずれも有料化した健診(検診)項目の受診率が低下しているのが特徴だ。

:都の補助を廃止した場合、これを市町村が全額負担すれば、1億5千万円をこえる負担増になる。こうした重い財政負担にたえられない市町村では、胃がん検診の有料化につながる心配があるのではないか。有料化につながる心配は絶対ないと断言できるのか、明確な答弁を求める。

:東京の胃がん検診の受診率は、2000年度実績で、全国平均13.1に対し、わずか5.5であり、全都道府県の中で下から数えて2番目だ。一方、東京におけるがんによる死亡は年々増加し、1977年に第1位となった。その中でも、がんの部位別死亡率で見ると、胃がんは男性で第2位、女性では第1位となっている。胃がん検診に対する都の補助金廃止はやめ、受診率向上のために支援を強めることこそ必要だと思うが、見解を伺う。

3、心身障害者(児)通所訓練等事業について

 都は市町村補助削減のひとつとして、心身障害者の小規模作業所運営費の補助率を、3分の2から、2分の1に下げることを提案した。この問題について、以下、何点か伺う。

:そもそも東京の小規模作業所は、法内の通所授産施設整備の致命的な遅れを背景に設置され、都と市町村の補助制度が基盤となって発展してきたものだ。今日では、重度重複障害者や、高次脳機能障害、アルコール依存症など多様な障害者を対象にしており、法内施設をふくめた通所施設全体の7割をしめるに至っている。小規模作業所は、障害者の地域生活をささえる重要な社会資源としての役割をはたしていると思うが、都の認識を伺う。

 小規模作業所の存立をささえているのが、都と市町村の補助金だが、その運営の実態はきびしい。利用者の工賃は、1カ月フルに通所している人でも最高1万円ぐらいで、給食代を引くと6千円ていどになってしまう。そのうえ深刻な不況により、仕事の確保そのものが非常に厳しくなっている。
 そうした中、作業所の職員と利用者は、資金の不足を補うため、バザーや支援コンサート、物品販売など必死の自主的な取り組みの努力を続けている。
 正職員の場合でも平均給与は月20万円前後で、都の補助単価が据え置かれている現状では、昇給の財源はない。重度の利用者が増えており、人手も多く必要だが増員もできず、パートやボランティアに頼らざるをえない。こうした状況の下で職員は、日中にできなかった事務処理や職員会議、行事の準備など、時間外にもちこす仕事が増え、残業にとどまらず土日の勤務が常態化している。

:以上は、多くの施設長や職員が共通して訴えている小規模作業所の実態だ。このような、小規模作業所のきびしい運営の実態を、都はどう認識しているのか。

 第4回定例会のわが党の代表質問に対し、福祉局長は、都の補助率削減の小規模作業所に及ぼす影響について、「今回の見直しは、特別区においては補助率が平成12年度から2分の1となっていることなどを踏まえ、市町村への補助率を現行の3分の1から2分の1とすることを提案したもの」「補助水準を変更するものではなく、小規模作業所の運営に影響を与えることはないと考えております」と答弁した。
 23区との比較では、そもそも財政基盤がまったく違うことに加え、障害者施設は歴史的に多摩地域に多く整備されてきた事情があり、小規模作業所の設置数が比較的多い多摩市町村への補助率削減の影響は、大きなものがあることを見落としてはならない。

:都は、「補助水準を変更するものではなく、小規模作業所の運営に影響を与えることはない」と言うが、都の補助率削減の影響額は7億円をこえる。これを全額市町村が負担することは到底できない、というのが多摩26市の一致した声だ。この声を、どう受け止めているのか。

:また、多摩26市すべてが、一致して補助率削減に反対しているという重い意味を、どう受け止めているのか、伺う。

:わが党の代表質問で指摘したが、東久留米市では年額276万円を上限とした家賃補助、小平市では180万円が上限の家賃補助など、多くの市は独自の努力で小規模作業所の運営費の加算や家賃補助などを行っている。都が補助率削減により、市町村への負担転嫁を行った場合、これらの市独自加算の事業が維持できなくなり、小規模作業所の運営に現実の影響を及ぼすことが絶対ないと言えるのか、明確な答弁を求める。

:また、都として市町村による小規模作業所に対する運営費の独自加算や家賃補助などの実態を、どのように把握しているのか。各市町村の独自施策の状況を明らかにしていただきたい。

 最後に、小規模作業所の整備促進に関連して伺う。

:東京は、これから障害児学校卒業生の急増期を迎え、今後10年間に、生活寮など住まいの場とともに、相当数の小規模作業所をはじめとした通所施設の増設が必要になると関係者により指摘されているが、都の認識はどうか。

:小規模作業所の運営費補助について、都が補助率を削減し市町村に負担転嫁した場合、財政がきびしい市町村は運営費の後年度負担を抑制するため、増設の抑制につながる心配があると考えるが、都の見解を伺う。

 以上、いくつかの角度から見てきたが、小規模作業所の運営の実情、市町村における小規模作業所の位置づけの大きさと財政事情、整備促進の重要性・緊急性など、あらゆる点で、都の補助率削減は、断じて容認できない。撤回を求めて質問を終わる。

以 上

答弁

質問事項
一 市町村に対する定期予防接種費補助等の見直しについて
1 定期予防接種費補助事業について
ア 定期予防接種の都の全額補助を廃止するという都の提案に対し、多摩26市すべてが、そろって反対しているという重い意味を、都はどう受け止めているのか、見解を伺う。

回答
 本補助制度は、都民が積極的に接種を受けることを推進し、定期予防接種を定着させるため、昭和38年に開始したものです。
 制度開始から既に40年余りを経過し区市町村の取組が定着したこと、予防接種法では、定期予防接種を行うために要する費用は区市町村が負担すると定められていることなどから、制度の廃止を提案したものであり、今後とも市町村の理解が得られるよう引き続き協議を行っていきます。

質問事項
一の1のイ 都が策定した感染症予防施策実施計画でも、「予防接種は、感染症対策の一環として極めて重要なものである。」として、「予防接種の推進」を明確に杜置づけている。今回の定期予防接種費補助の廃止は、こうした東京都自身の方針に逆行しているのではないか、見解を伺う。

回答
 予防接種制度は、感染症予防対策の根幹をなすものであり、予防接種法に基づき、区市町村、都道府県、国の役割分担において、それぞれが推進しています。
 定期予防接種の実施主体は区市町村とされており、都道府県は、麻しんなどの感染症の発生動向の情報収集・提供や、健康被害救済制度の適正な執行を図ることとされています。
 都においては、予防接種法や「東京都の感染症の予防のための施策の実施に関する計画」などに基づき、今後とも区市町村と連携して予防接種の推進に努めていきます。

質問事項
一の1のウ 予防接種法は、無料接種を原則とすることが明確にされていない。このような不十分な法の下で、都の定期予防接種費補助を廃止した場合、有料化を促進することにつながる心配があるのではないか。有科化につながる心配は絶対ないと断言できるのか、明確な答弁を求める。

回答
 予防接種法第24条においては、接種に係る、実費の徴収ができるとされており、住民から自己負担を求めるかどうかについては、実施主体である各区市町村が判断するものです。

質問事項
一の1のエ 都の定期予防接種費補助の廃止は、「他の先進国のみならず、数多くの途上国にも最近では大きく遅れをとっている」日本の感染症対策と予防接種の立ち遅れをいっそう後退させるものであり、中止すべきだ。見解を伺う。

回答
 予防接種制度は、昭和23年に予妨接種法が制定されて以降実施され、感染症予防に大きな役割を果たしており、定着しております。世界的に見ても、わが国では感染症によるり患率、死亡率は極めて低く、感染症対策は高い水準に達しています。
 また、予防接種の重要性、必要性は都内区市町村においても十分に認識されており、本補助事業の廃止が制度の後退につながるものとは考えていません。

質問事項
一の1のオ 定期予防接種費補助の廃止どころか、風しん、麻しん、高齢者インフルエンザを対象に加えるとともに、麻しんワクチンの2回接種や1歳未満での接種、高齢者インフルエンザ自己負担の引下げあるいは無料化、さらにインフルエンザの合併症にハイリスクな難病患者や小児に対する公費助成など、予防接種推進対策の抜本的拡充こそ必要と考えるが、答弁を求める。

回答
 予防接種について、国は、各疾患の流行状況に対応して、最新の科学的知見に基づき、これまでも対象疾患の見直しや接種方法の改善に努めています。こうした状況を踏まえ、今後とも、都と区市町村がそれぞれの役割分担の下、効果的な予防接種対策に取り組んでいきます。

質問事項
一の1のカ 高知県は、県民が居住する市町村の区域を越えて、県内どこの医療機関でも予防接種を受けることができる全県統一型の広域予防接種システムをスタートした。都においても、関係者と共同の検討委員会を設置し、区市町村を越えた全都的な相互乗り入れの実施に向けた具体化に踏み切るよう提案するが、見解を伺う。

回答
 住民が居住区域外でも接種を受けることができる都内全域での広域的なシステムの構築については、都としても、在民の利便性への配慮や区市町村の意向も踏まえ、検討課題としていきます。

質問事項
一の2 健康診査に対する補助について
ア 都の補助を廃止した場合、こうした重い財政負担にたえられない市町村では、胃がん検診の有料化につながる心配があるのではないか。有料化につながる心配はないと断言できるのか。明確な答弁を求める。

回答
 がん検診は、国の指針に基づき、各区市町村が実施しています。受診者から自己負担を求めるかどうかについては、実施主体である各区市町村が判断するものです。

質問事項
一の2のイ 東京の胃がん検診の受診率は、2000年度実績で全国平均13.1に対し、わずか5.5であり、東京におけるがんによる死亡は年々増加し、1977年に第1位となった。胃がん検診に対する都の補助金廃止はやめ受診率向上のための支援を強めることこそ必要だと思うが、見解を伺う。

回答
 胃がんの早朝検診等に対す'る補助については、事業開始から相当年度が経過し、胃がんによる死亡率も減少傾向にあるため、都として一定の事業成果が得られたとの理解に立ち、平成16年度からの廃止を市町村に提案し、現在協議中です。
 現在、国は専門家による検討会を立ち上げ、がん検診のあり方などを検討しており、都としては、その状況も踏まえ、専門的な情報提供や研修事業などにより二市町村への支援を行っていきたいと考えています。

質問事項
一の3 心身障害者(児)通所訓練等事業について
ア 東京の小規模作業所は、法内の通所授産施設整備の致命的な遅れを背景に設置され、今日では、重度重複障害者や、高次脳機能障害、アルコール依存症など多様な障害者を対象にしており、法内施設をふくめた通所施設全体の7割をしめるに至っている。小規模作業所は、障害者の地域生活をささえる重要な社会資源としての役割をはたしていると思うが、都の認識を伺う。

回答
 通所施設全体のうち、定員数で47%を占める法外の小規模作業所等は、障害者の地域における日中活動の場として、重要な役割を担っていると認識しています。

質問事項
一の3のイ 小規模作業所の利用者の工賃は、1ヵ月フルに通所している人でも最高1万円ぐらいで、不況により、仕事の確保そのものが非常に厳しくなっている。重度の利用者が増えており、人手も多く必要だが増員もできず、職員は、土目の勤務が常態化している。このような、多くの施設長や職員が共通して訴えている小規模作業所のきびしい運営の実態を、都はどう認識しているのか、伺う。

回答
 都は、法外の小規模作業所等に対しても、法内の小規模通所授産施設と同水準の運営費補助を行うなど、これまでも都独自の支援に努めています。
 なお、利用者の工賃は、小規模作業所における箱の組立作業や食品の製造・販売などの事業収益によって賄われるべきものであり、仕事を確保するとともに工賃の増収を図るためには、施設関係者の工夫と努力が求められていると認識しています。

質問事項
一の3のウ 都は、「補助水準を変更するものではなく、小規模作業所の運営に影響を与えることはない」と言うが、都の補助率削減の影響額は7億円をこえる。これを全額市町村が負担すること到底できない、というのが多摩26市の一致した声だ。この声を、どう受け止めているのか。見解を伺う。

回答
 心身障害者(児)に対する通所訓練等の事業は、住民に身近な区市町村が主体となって実施すべきものであり、特別区においては既に平成12年度から補助率が2分の1となっています。これらのことを踏まえ、都は、市町村に対し、平成16年度から現行の3分の2の補助率を2分の1とすることを提案したものです。
 都としては、市町村の理解が得られるよう引き続き協議を行っていきます。

質問事項
一の3のエ 多摩26市すべてが、一致して補助率削減に反対しているという重い意味を、どう受け止めているのか、伺う。

回答
 本事業は住民に身近な区市町村が主体となって実施すべきものであり、かつ、特別区においては既に平成12年度から補助率が2分の1となっていることを踏まえ、都として提案したものであり、市町村の理解が得られるよう引き続き協議を行っていきます。

質問事項
一の3のオ 東久留米市では年額276万円を上限とした家賃補助、小平市では180方円が上限の家賃補助など、多くの市は独自の努力で小規模作業所の運営費の加算や家賃補助などを行っている。都が補助率削減により、市町村への負担転嫁を行った場合、これらの市独自加算の事業が維持できなくなり、小規模作業所の運営に現実の影響を及ぼすことが絶対ないと言えるのか、明確な答弁を求める。

回答
 今回の提案は、補助水準を変更するものではなく、小規模作業所の運営に影響を与えることはないと考えています。

質問事項
一の3のカ 都として市町村による小規模作業所に対する運営費の独自加算や家賃補助などの実態を、どのように把握しているのか。各市町村の独自施策の状況を伺う。

回答
 小規模作業所等に対し、市町村が自らの判断で独自の支援を行っていることは承知していますが、個別具体的な内容については把握していません。

質問事項
一の4 小規模作業所の整備促進について
ア 東京は、これから障害児学校卒業生の急増期を迎え、今後10年間に、生活寮など住まいの場とともに、相当数の小規模作業所をはじめとした通所施設の増設が必要になると関係者により指摘されているが、都の認識を伺う。

回答
 都は、「障害者地域生活支援緊急3か年プラン」による特別助成などにより、障害者の地域における日中活動の場である通所施設等の増設を支援しています。

質問事項
一の4のイ 小規模作業所の運営費補助について、都が補助率を削減し市町村に負担転嫁した場合、財政がきびしい市町村は運営費の後年度負担を抑制するため、増設の抑制につながる心配があると考えるが、都の見解を伺う。

回答
 小規模作業所等は、障害者の地域における日中活動の場であり、区市町村において需要を把握の上、設置されていると認識しています。したがって、今回の見直しが増設の抑制につながるとは考えていません。