過去のページ

■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


2004年第1回定例会  文書質問

曽根 はじめ(北区選出)

肢体不自由児養護学校における機能訓練師について

 東京都教育委員会は、肢体不自由児養護学校14校に配置されている、自立活動訓練のための機能訓練師の定数を、非常勤のOT・PTの外部からの導入を理由に削減していく方針を打ち出し、2004年度から順次実施していくとしていますが、保護者、教職員など関係者に大きな不安を与えています。
 肢体不自由児養護学校の自立訓練は、1963年当時から始まった東京都独自の制度で、40年の歴史があります。
 当時は、現在のOT・PTの制度は確立していませんでしたが、文部省の学習指導要領には「体育・機能訓練」として位置づけられ、「機能訓練の時間においては、特別な技能を有する教職員が、学校医の処方に基づき、児童の積極的な参加のもとに、個々の児童の障害の改善を図るように指導をする」とされていました。その後の改定で、「自立活動」に変更され、指導時数や指導者の専任制度が緩和されてきましたが、東京都は、独自の制度を発展・充実させてきました。全国からも、重度障害児の訓練の先進的取り組みとして模範とされてきたものです。
 肢体不自由児養護学校では、通ってくる子どもたちの障害の重度化、重複化が進んでおり、一人ひとりの子どもにとって、障害の程度に応じた機能訓練によって、障害の進行をおさえ、日常生活での自立をめざすことはますます重要になっています。機能訓練を怠れば、身体の麻痺や変形が進み、食事が困難になったり生命の維持さえ危うくなりかねません。
 現在配置されている専任の訓練担当教員は、週2回程度訓練の時間を確保し、担任教諭と協力し一人一人に必要なメニューによる専門訓練を担当するとともに、登下校時の校内移動、給食指導、補助具の製作などに携わり、正規職員としてフル稼働であると同時に、重度・重複障害の実態に適応した教員配置が十分行なわれていない中で、欠かすことのできない役割を果たしています。
 都教委は、機能訓練師定数削減の替わりに、外部から非常勤でOT・PTなどを導入するとしていますが、その役割は、直接子どもたちの訓練を行なうのではなく、担任教員への専門的な指導が基本とされています。
 これでは、いままでどおりの訓練時間や訓練水準の確保、一人ひとりの障害児の系統的・経年的な機能訓練メニューの計画・管理等が、保障されなくなるおそれが強いと言わざるを得ません。
 障害児の保護者や教員など現場関係者は、国による自立活動専門教員の配置を、OT・PTの資格者で上乗せして行うなど、現在の訓練師配置による実績・役割を後退させることなく、その上にOT・PTなど外部も含めた専門家の導入による訓練の水準のさらなる向上を強く要望しています。
 以上の点を踏まえて、私は、貴重な役割を果たしている機能訓練師の削減を行なわないよう強く求めるとともに、その立場から以下、質問するものです。

問1 :肢体不自由校の機能訓練の果たしている役割は、障害児の重度・重複化のもとで、ますます重要と考えますが、基本認識をうかがいます。

問2 :都は、機能訓練師に代えて外部からのOT・PTを非常勤で導入し、担任教員を指導させるとしていますが、この方法では子どもたちへの直接の指導は、これまでの水準を維持・向上できる保障がなくなることは明らかであり、機能訓練師の定数削減を行なわないよう、求めるものですが、見解をうかがいます。

問3 :自立訓練専門教員の配置をふやすよう国に求めるとともに、都として正規職員としてOT・PTの配置を進めるべきとおもいますが、どうですか。

問4 :養護学校などの教員が、在職しながらOT・PTの資格を取れるようにするよう保障と支持が必要ではありませんか。