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■ 議会での質問  日本共産党東京都議団


本会議 討論  二〇〇四年一〇月七日

古館 和憲(板橋区選出)

全国最悪の福祉切りすて路線をあらため、都民要望に応え高齢者福祉や少子化対策の本格的推進を

 日本共産党都議団を代表して、第二百三号議案、都立葛飾地区総合学科高等学校(仮称)改修工事請負契約ほか二議案に反対する立場から討論をおこないます。
 二百三号議案は、都立高校全体を二百八校から二十八校も削減するという、大幅な統廃合計画の一環であり、都立水元高校、本所工業高校という、東部地域でいずれも貴重な普通科高校と工業高校をそれぞれ廃校にした上で、本所工業跡地に総合高校を新設するものです。
 地域から学校がなくなる水元高校は、今年度応募倍率が一・六九倍と、地元生が身近に通える学校として人気も高く、廃止計画に対して区内過半数の中学校PTA会長が名を連ねるなど、教育関係者はもとより、地元はあげてその見直しを求めています。都議会への請願も現在、継続審査となっており、地元合意が全くされていない統廃合計画に基づく本議案には、とうてい賛成することはできません。
 そもそも、マンション急増などにより都内の人口が計画当初の予想を超えて増加し、中学卒業生で四千五百人余りも予想を上回るとされている中で、学校削減の是非が根本から問われています。都立高校の統廃合計画そのものを再検討することを、つよく求めるものです。
 次に、水道料金改定についてです。今回の提案は全体として料金の値下げ提案であり、賛成です。わが党は、委員会において、基本料金の改定にともない値上げとなる生活保護世帯の従来通りの減免の継続をはしめ、公衆浴場、口座振替ができない世帯などの料金が値上げの引き下げ、負担抑制をもとめる付帯決議を提案しました。理事者がこれらの対策を講じるようつよくもとめておくものです。
 水道事業で最大の問題は、この料金改定の前提となる「東京水道二〇〇四」が、水需要計画と投資計画を従来どおり過大に見込む計画となっているため、構造的に資金が不足する仕組みがつくられ、料金値上げが繰り返される仕掛けとなっていることです。水道局は、あらたな中期事業計画の終了後に、値上げをすることについて、否定しませんでした。わが党は、過大な投資計画は抜本的に見直しし、さらなる料金の引き下げを実現するためにひきつづき力を尽くすものです。
 なお、自民、公明両党が公営企業委員会に提出した付帯決議は、「経営計画に示された企業努力の完全実施」を求めていますが、現在「業務手当て」をめぐって労使が話し合っている最中であることから、わが党は、労使合意の形成こそ重要だとの立場から、この付帯決議には反対しました。
 今定例会でわが党は、石原都政の五年間に、医療費助成や福祉手当などの経済給付的事業や補助金の削減、都立施設廃止などの一方で、知事が「充実する」と約束してきた福祉の基盤整備などは大きく立ち遅れており、「東京の福祉は冬の時代」というべき状況にあることを具体的に指摘しました。そして、福祉予算が、この五年間に、全国に例がない六百六十一億円もの大幅削減となっている事態を打開し、福祉予算を拡充する方向に転換して、高齢者福祉や少子化対策を本格的に推進することを提案しました。
 石原知事は、「このまま福祉予算を減らしつづけてよいというのか」という、わが党の再質問にたいし答弁に立つこともできませんでしたが、福祉予算を拡充し、切実な都民要望にこたえることを改めて強調しておくものです。
 なお、乳幼児医療費助成の所得制限について、公明党が代表質問で、少なくとも三歳未満は撤廃すること、自民党の議員が一般質問で、平等な医療保障の立場から撤廃することを提案したことは重要です。都として所得制限撤廃にふみだすことを、つよく求めるものです。
 子どもたちを健やかに育てる環境整備がかつてなく重要な課題となっているなかで、三十人学級の実現は、都民の切実な願いです。いまや少人数学級は、四十二道府県がその実施に踏み出し、来年度には新たに佐賀県、石川県が、実施を表明しており、まさに全国の大きな流れになっています。わが党が、実施県では、不登校が減り、「落ち着いて学習ができる」など、その大きな成果が明らかになっていることを示して、東京都としても文部科学省の地方自治体の判断にゆだねるというあたらしい方針を活用し、実施にふみだすことを求めたのに対して、知事はこれを拒みました。知事が、かたくなにこばみつづけることはやめ、都民の願いに素直にこたえるべきことを、かさねて求めておくものです。
 わが党が提出した「三十人学級の実現に関する意見書案」は、国の責任において三十人学級への移行をただちに開始するよう求めるものであり、ゆきとどいた教育をもとめる、おおくの父母、都民、学校関係者のねがいに応えようとするものであり、是非ともご賛同をお願いします。
 「都市再生」について、石原知事の五年が「都市再生」の名もとに、これまでの都市政策を覆して、超高層ビルの都心集中をすすめ、ヒートアイランド現象など東京の環境や都財政をさらに悪化させる方向にふみだすものであることを指摘し、その転換を求めました。しかし知事は、高層ビルの集中は、「大変良いこと」「国際競争力を高めていくために都市開発が不可欠」などと、あらためて多国籍企業のための都市づくりを推進することを表明しました。これは、今夏の異常気象や過去最高の借金に苦しむ都財政の現状を直視することなく、さらなる東京の環境の悪化と都財政破たんをすすめるようというものであり、認められないものです。
 わが党は、成長管理型や修復型のまちづくり、自動車を総量として抑制することなど都市づくりの抜本的転換を求め、海風の利用、廃熱を抑制する空調システム、都市公園の増設や暗渠化された河川の復元などのクールスポットなどを具体的に提案しましたが、この方向にこそ、東京のまちづくりの未来があることを表明するものです。
 今定例会では、議会運営をめぐって重要な問題がありました。
 第一に、行財政改革基本問題特別委員会の廃止であります。
 本委員会は、一九九七年の都議会議員選挙後に、設置されたもので、開会にあたって当時の委員長は、「二一世紀を展望し、時代の変化に柔軟に対応する都政を実現するため、行財政改革の基本事項について」調査・検討することを、委員会の役割と発言されています。
 実際に、青島都政がうちだした「財政健全化計画」について、各会派が議論を尽くし、その実施をとどまらせるうえでおおきな役割を果たしました。
 そして、二一世紀をむかえた今日、本格的な少子高齢化社会への対応、「三位一体改革」をはじめとする地方分権の確立、地方自治の本旨の実現など、本委員会がはたすべき役割はますます重要となっています。また、本委員会は、知事本局、総務局、財務局の都政の官房的役割を果たしている三局を合同して所管する委員会であり、その調査・審議の内容は、横断的であり、他の常任委員会に解消できないものです。よって、同委員会は継続すべきです。
 また、委員長報告は、本来、委員会での質疑の内容を本会議に報告することを目的としているものであり、その内容は、特定の会派の意見にかたよることなく、委員会で議論されたこと、各会派の主張したことを客観的に反映すべきものであります。ところが、まとめられた内容は、この原則がまもられず、都の方針を追随するものとなっており、客観性に欠け、到底容認できないことを申し上げておきます。
 第二に、意見書についてです。
 都議会では、意見書案は、各常任委員会に諮られ、全会一致したものに限って本会議に付議するということが、基本的ルールとして確認されてきました。意見書採択については全会一致を最大限に尊重する都議会のきずきあげてきたルールをまもることを、つよくうったえるものです。
 自民党などから提案される意見書案は、その内容も、都民の願いにこたえるものではありません。たとえば、「道路特定財源の地方譲与税化に反対し、特定財源として堅持することに関する意見書」案については、揮発税などを原資とする特定道路財源が、不要不急の大型道路など浪費的公共事業の温床となっていることから、その改革こそがもとめられているものです。しかるに、意見書案は改革に反対し、同制度を温存することをもとめるものであり、これを多数決で採択するようなことをするなら、都議会の見識が問われることをつよく指摘して、私の討論を終わります。

以上