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文書質問趣意書

2010年6月14日 
大山とも子(新宿区選出)

保育園の待機児解消について

 緊急の課題である、保育園の待機児解消について、質問します。
 私たちの調査では、認可保育園に申し込みながら入れなかった今年4月1日付の待機児は、急増した昨年をさらに上回り1万7千人に及びます。そのうち認証保育所などを利用した児童を除いても、8千人を超えています。この3年間でほぼ倍増しているのです。
 調査結果をふまえたわが党の申し入れに対し、東京都はあれもやった、これもやったと強調しました。しかし、それでは不十分だから申し入れたのです。確かに都内の認可保育園はようやく増え始めましたが、希望者の急増に追い付いていません。
 しかも、都が5月に発表した保育計画では、今年度から5年間にサービス利用児童を3万5千人増やすとしていますが、肝心の認可保育園を何人分増やすかという目標が示されていません。2008年度から認可保育園を6千5百人分増やす3カ年計画をつくったことが、増設の弾みになったのです。保護者が求めているのは、庭もあり、子どもたちが豊かに育つことができる、質の高い認可保育園です。

 待機児ゼロを早期に実現できるよう、認可保育園増設の速度と規模を抜本的に引き上げるとともに、認可保育園整備の数値目標を明確にすべきですが、いかがですか。

A 東京都保育計画(平成22年度から平成26年度まで)では、5年問で保育サービス利用児童数を3万5千人増やすこととしています。地域における保育サービスの供給体制は、保育の実施主体である区市町村が、認可保育所に限らず、認証保育所、認定こども園、家庭福祉員など、地域の様々な保育資源を活用して確保していくべきと考えています。

 東京で認可保育園を増やすには、土地の確保への支援が必要です。用地費助成を創設し、都有地の半額貸与制度の活用をさらに積極的に進めるとともに、無償貸与に拡充すること。また、活用できる都有地の情報を各区市町村に積極的に提供することを提案するものです。

A 今年度から、認可保育所用地確保のために、定期借地権設定に伴う一時金の一部を助成することにより、認可保育所の整備促進を図ることとしています。また、平成20年3月から「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」の対象施設として認可保育所を加えて、活用できる都有地について区市町村に情報提供を行っており、引き続き、50パーセント減額による貸付けを実施していきます。用地費助成を実施する考えはありません。

 また、利用可能な国有地は東京23区内だけでも600万平方メートル、東京ドーム約130個分もあります。その10分の1を使っただけでも400カ所以上の認可保育園をつくることができます。国有地の活用促進を国に要請することを求めますが、どうですか。

A 平成22年6月18日に閣議決定された「新成長戦略」に、子育て支援施設への未利用国有地の定期借地権を活用した貸付けが盛り込まれ、現在、財務省において検討が進められています。

 都内の認可保育園のうち約6割は公立で、老朽化が進み、手狭なところも少なくありません。その増改築の促進は急務です。このことを都はどう認識していますか。

A 公立保育所の増改築については、設置者である各区市町村が計画的に行うべきと考えます。

 区市町村も公立保育園の整備費と運営費への財政支援を切実に求めています。新宿区議会では全会派一致で公立保育所整備のための土地取得費、建設費、運営費の補助制度の創設を求める意見書が都に提出されました。公立保育園の役割にあらためて光をあてて、この要望にこたえていただきたい。答弁を求めます。

A 公立保育所の運営費及び施設整備費は、既に一般財源化されており、都として新たに補助制度を創設する考えはありません。

 保育園が増えれば保育士需要は高まりますが、賃金・労働条件が厳しいために、人材が定着できず、確保もままならない状況になっています。
 東京都として民間保育所の職員の待遇の実態把握(実態調査)を、認証保育所も含めて行い、公表することが必要です。答弁を求めます。

A 「次世代育成支援のための新たな制度体系」の設計に向けて、厚生労働省において、認可外保育施設を含む保育サービスについての実態調査を現在実施しています。

以上