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2012年第一回定例会 文書質問趣意書 3月29日

大島よしえ(足立区選出)

一、 防災対策について

東日本大震災の教訓等を踏まえ、今後の東京の防災対策の方向性と具体的取組を示す地域防災計画の見直しが、東京都防災会議の中で進められています。この防災会議の中では「被害想定」案を策定するために設置された地震部会が、東日本大震災の実態等を踏まえ、「首都直下地震による東京の被害想定」の見直しを行っています。被害想定は4月にも出され、東京都地域防災計画の修正も今年8月ごろには出されると聞いています。
こうした被害想定や、東京都の地域防災計画を踏まえ、区市町村でもそれぞれの地域防災計画を見直して新たな対策をつくる準備が進められています。 

Q1:2006年に策定されたグニチュード7.3の東京湾北部地震の被害想定では、約399万人の避難者が発生するとしています。今後の見直しで震度7の揺れを想定すると、避難者発生数はより多くなると考えられます。
 足立区でも、第1次避難所として区立小中学校、都立高校、私立学校が指定されていますが、現在の被害想定のもとでの避難者発生予測人数30万人に対して、収容可能人数が15万人程度です。これでは避難所の外に避難者があふれてしまいます。東京都は現在の被害想定のもとでも発生避難者数に対して、避難所の収容人数が不足するという現状を、どう把握しているのか伺います。また、こうした第1次避難所の収容人数の不足を補う避難所確保策について、どのように検討しているのか伺います。

回答1 避難所については、東京都地域防災計画において、設置者である区市町村が確保することとなっています。区域内で不足する場合には、各区市町村が、他の自治体との相互応援など多様な取組により被災者の受入先を確保するほか、都としても必要な支援を行うこととしています。なお、島しょを除く都内全域でみると、平成18年5月の被害想定における避難所生活者数は約260万人ですが、平成22年4月現在、避難所の最大収容人員数は約395万人となっており、避難所生活者数を上同っています。

Q2:都の被害予想では、447万人余の帰宅困難者が発生するとしています。帰宅困難者対策として、東京都では、徒歩による帰宅支援の一環として、全都立学校及び東京武道館を「帰宅支援ステーション」として位置付け、災害時に水道の水、施設内のトイレ及びテレビ、ラジオ等の情報の提供を行うこととしています。
 東日本大震災直後は、足立区内でも各鉄道車両の停車などにより、北千住駅をはじめ、駅前に多くの帰宅困難者によるいわゆる「駅前滞留」が起こりました。足立区でも一次避難所などを開放し、休憩場所として提供しましたが、都心からの帰路には多くの徒歩帰宅者が集中し、食料・水・トイレなどの不足が教訓になりました。
 大災害の発生時には、一次避難所として使用できる施設の不足とともに、支援物資の調達が問題になります。帰宅困難者と地域住民両方に支援対策を講ずる必要がありますが、施設に収容しきれない状況が予想されます。都としてどのように受け入れ、対応しようとしているのか伺います。

同答2 帰宅困難者への対応については、「首都直下地震帰宅困難者等対策協議会」において、国、地方公共団体、民間企業が相互に連携・協働して、帰宅困難時に待機する場所がない人への一時滞在施設の確保や、徒歩帰宅者のための災害時帰宅支援ステーションの拡充など、様々な課題について検討を行っています。今後、都では、この協議会での議論も踏まえ、平成24年3月に公布された東京都帰宅困難者対策条例に基づき、実施計画の策定を進めていくこととしています。

Q3:障害者や、要介護高齢者など災害時要援護者用避難所(第2次避難所)を設けることも必要になります。都の被害予測では、自力脱出困難者は2万2713人と予測していますが、こうした中で、第2次避難所に収容すべき人数は何人と予測しているのですか。また、特養ホームや障害者施設なども第2次避難所として指定されていますが、こうした施設では通常の利用者以上の収容は体制も十分とれず困難も多いということです。今後、第2次避難所をどのように整備していくのか伺います。

回答3 二次避難所に収容すべき災害時要援護者数は、現在の被害想定の中では算定していませんが、災害時要援護者については、区市町村において、要援護者名簿等への登録を希望した方や同意をした方などを把握しています。また、東京都地域防災計画では、区市町村において、二次避難所を確保・運営することとしていますが、都においても、発災時の状況に応じ、都立施設の二次避難所としての活用を調整するなど必要な支援を行うこととしています。

Q4:避難所へ避難する前に、近隣の避難者が一時的に集合して様子を見る場として安全が確保されるスペースを有する学校のグラウンド、神社・仏閣の境内等がいっとき避難場所として指定されています。
 足立区内にある舎人公園、東綾瀬公園、中川公園の3つの都立公園も、いっとき避難場所となっています。都立公園には、総合公園、運動公園、特殊公園、緑地など様々な種別がありますが、種別によって、防災機能の整備に違いがあるのか伺います。

回答4 都市公園の種別は、都市公園法に規定されており、この種別毎に配置及び規模の基準が定められています。一方、建設局が所管する都立公園80公園のうち60公園は、大規模救出・救助活動拠点、ヘリコプター活動拠点候補地等の救援活動拠点として、あるいは避難場所として、地域防災計画において位置付けられており、その役割を果たすことが求められています。これらの防災公園としての整備は、都市公園の種別によるものではなく、災害時にそれぞれの公園が果たすべき機能を発揮できるよう進めています。

Q5:足立区内の3つの都立公園に整備されている防災施設の設置状況が、それぞれ違います。舎人公園では非常用トイレは52基、防災用照明や、応急給水槽は設置されていますが、かまどベンチや、備蓄倉庫はありません。東綾瀬公園には、応急給水槽も、防火用貯水槽もないのです。中川公園には入口表示灯3基と防災用照明11基しかありません。これらの公園によって設置物が異なることについて、防災施設の基準をどのように位置づけて配置しているのか、また、その根拠は何ですか。

回答5 都立公園の防災公園整備においては、それぞれの公園が災害時に果たす役割に応じて、防災施設の整備を進めています。例えば、大規模救出・救助活動拠点となる公園では、救援活動のための大型車両の進入を可能とする入口の改修や園路舗装の強化等を、ヘリコプターの活動拠点となる公園では、ヘリポートとなる広場や車両アクセスの整備等を実施しています。避難場所となる公園では、主要な入口に夜間の停電時にも避難者を誘導する入口表示灯を、園路に段差がある箇所等の注意箇所には防災用照明を設置しています。また、水道の供給が止まっても使用できる防災トイレは、避難想定人口等から、その必要数を整備しています。なお、備蓄倉庫にっいては、地元区市町村からの要望により、設置を許可しています。

Q6:都立公園では、震災対策として避難場所の確保、防災拠点の整備、震災対策への寄与が求められていますが、今後の具体的な整備目標と達成年次についてどう検討しているのですか。また、こうした公園は、いっとき避難場所として整備するということですが、第一次避難所の不足を補うことも考え、避難所の設置もできるよう備蓄倉庫なども含め、防災施設としての強化・拡充を図るべきと思いますが、都の見解をうかがいます。

同答6 建設局が所管する都立公園80公園のうち、防災活動拠点や避難場所等に位置付けられている60公園において、防災トイレやソーラー式公園灯の設置、主要園路の拡幅など、防災公園としての整備を進めてきています。引き続き、着実に防災機能の充実のための整備を進め、「文化の森」再生事業に併せてこれらの整備を行っている上野恩賜公園を除き、平成25年度には、全ての公園で防災公園の整備が完了します。

Q7:東京湾北部を震源地にM7.3の地震が発生すると、都内のエレベーター約14.5万台のうち約9,200台で閉じ込めが発生すると想定されています。東日本大震災の際に、都内で発生した民間建築物のエレベーターの閉じ込め事故は、エレベーター事業者の大部分が会員となっている社団法人日本エレベーター協会の3月12日時点の調査によれば、84件とのことです。民間建築物におけるエレベーターの地震対策としては、P波感知型地震時管制運転装置などの設置が必要です。この装置の設置は、2009年度以降「建築基準法施行令」で義務づけられているため、それ以前のエレベーターについては設置されていないことが推定されるので、都は、既存エレベーターにおける地震時管制運転装置などの設置状況の調査を行うとともに、今回の地震による閉じ込め事故の実態を把握するとのことでした。設置状況調査の結果と実態把握の結果についてうかがいます。

回答7 東日本大震災を受け、都が実施した調査では、都内の民間建築物のエレベーター総数は約14万3千台であり、そのうち、約3割の4万8千台にP波感知型地震時管制運転装置が設置されていました。また、東日本大震災によるエレベーターの閉じ込めは、メーカーの調査によると、都内で65件発生しています。

Q8:これらの調査結果などを活用して、建築物の所有者に対して具体的な改善事例などを周知し、エレベーターの閉じ込め防止対策に取り組むように促すということですが、こうした対策への助成を検討すべきと考えます。どうですか。

同答8 エレベーターについては、建物の所有者等が、その安全性を確保することが基本であり、閉じ込め防止対策に助成を行う考えはありません。

Q9:東京都は、「木密地域不燃化10年プロジェクト」の実施方針を示しました。この中で延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路の整備に取り組むと言いますが、地域住民の合意なくして強行することは許されません。地域コミュニティを大事にし、住民追い出しにならないように、希望する従前居住者が住み続けることができるように、都が従前居住者用住宅として、木造密集地域に新たに都営住宅を建設することを検討すべきと思いますが、見解をうかがいます。

回答9 「木密地域不燃化10年プロジェクト」においては、延焼遮断帯を形成する主要な都市計画道路を対象に特定整備路線を指定し、関係権利者に対し、生活再建等のための特別の支援策を実施していきます。これまで都は、従前居住者の受皿となる共同住宅を建設する地元区に対し、費用の補助を行ってきました。今後とも、こうした必要な支援を行っていきます。なお、従前居住者用住宅として新規に都営住宅を建設することは考えていません。

以上