2013年第3回都議会定例会 文書質問趣意書 10月9日

吉田信夫(杉並区選出)

一、「3次元顔形状データベース自動照合システム」について

 警視庁が試験運用している「3次元顔形状データベース自動照合システム」(以下「システム」)に関して、基本的な点について質問します。

Q1、「システム」の試験運用の期間はいつからいつまでですか。

Q2、試験運用に関する各年度ごとの予算額(決算額)はいくらですか。支出事項ごとに示されたい。

Q3、試験運用する「システム」には、照合対象者の3次元顔形状データが登録されますが、登録データはどのような基準で選び出すことになっているのですか。

Q4、警視庁が委託した「テロ対策へ向けた民間カメラの活用に関する調査研究報告書」(以下「研究報告書」)によれば、対象者は「テロリストや指名手配被疑者等」となっていますが、そのとおりですか。そのとおりなら、「テロリスト」「指名手配被疑者」の基準はなにですか。「等」にはなにが含まれるのですか。

Q5、試験運用においてモデル地区の選定はどのように行なわれたのですか。いくつのモデル地区が選定されているのですか。

Q6、モデル地区では、防犯カメラは何台活用されているのですか。民間と公設の防犯カメラはそれぞれ何台ですか。

Q7、試験運用にあたって、防犯カメラ設置者や地元町会・住民などとどのような協議・合意を経ているのですか。

Q8、防犯カメラに撮影され、顔画像が警視庁に送信される市民の肖像権やプライバシーの保護はどのようにはかられているのですか。

Q9、防犯カメラから警視庁のサーバに送信され、登録データとの照合にあてられた顔画像データは、どのような方法で、どれだけの期間保存されるのですか。
 上記の画像はどのように消去され、消去されたことがどのような方法で検証・確認されるのですか。また、上記の画像の情報流出防止措置は、どのように講じられているのですか。

Q10、「システム」に活用されている防犯カメラに撮影された画像の保存、管理、消去はどのようなシステムになっているのですか。上記防犯カメラの画像の保存、管理、消去は、警視庁の責任で行なうのですか、防犯カメラ設置者の責任ですか。

Q11、防犯カメラに取り付けられた「顔認識・顔画像切り出し装置」で切り出された顔画像データの、保存、管理、消去はどのようなシステムになっているのですか。上記装置の顔画像データの、保存、管理、消去は、警視庁の責任で行なうのですか、防犯カメラ設置者の責任ですか。

Q12、「研究報告書」では、「定期的に検証しながら、防犯カメラ設置者や地元の要望・意見を尊重」するとしています。検証はどのように行なわれているのですか、2013年3月頃に第1回目の検証が実施される予定と聞いていましたが、検証は実施されたのですか。また、地元の要望・意見を尊重する手段はどのように講じられているのですか。

Q13、検証結果は、公表されるのですか。

Q14、試験運用開始以降のシステム登録数、照合合致数、検挙・捕そく数はそれぞれいくらですか。

Q15、試験運用はいつまで続けるのですか。試験運用終了後はどうするのですか。

以上ァち回り先となり得る大規模集客施設等から1か所を選定しています。

Q6、モデル地区では、防犯カメラは何台活用されているのですか。民間と公設の防犯カメラはそれぞれ何台ですか。

回答6 民間の防犯カメラ20台に接続しています。民間以外の防犯カメラには接続していません。

Q7、試験運用にあたって、防犯カメラ設置者や地元町会・住民などとどのような協議・合意を経ているのですか。

回答7 本システムの試験運用に先立って、接続先の防犯カメラ設置者と協議を行い、試験運用の協力について了解を得ています。

Q8、防犯カメラに撮影され、顔画像が警視庁に送信される市民の肖像権やプライバシーの保護はどのようにはかられているのですか。

回答8 登録対象者の顔画像データに合致したもの以外は、瞬時に消去され、保存されることはありません。

Q9、防犯カメラから警視庁のサーバに送信され、登録データとの照合にあてられた顔画像データは、どのような方法で、どれだけの期間保存されるのですか。
 上記の画像はどのように消去され、消去されたことがどのような方法で検証・確認されるのですか。また、上記の画像の情報流出防止措置は、どのように講じられているのですか。

回答9 本システムは、登録対象者の顔画像データと合致したもの以外の画像データは瞬時に消去され、保存されることはありません。合致情報については、その保存期間を最大で1週間と定めており、運用上不要になった場合には、1週間を待たずに速やかに消去することとしています。また、「3次元顔形状データベース自動照合システム運用要綱」を制定して厳格に管理運用することにより、画像データの情報流出防止に万全を期しています。

Q10、「システム」に活用されている防犯カメラに撮影された画像の保存、管理、消去はどのようなシステムになっているのですか。上記防犯カメラの画像の保存、管理、消去は、警視庁の責任で行なうのですか、防犯カメラ設置者の責任ですか。

回答10 本システムは、防犯カメラ設置者が管理する防犯カメラの画像データの分岐を受けて、運用しています。したがいまして、分岐を受けて提供された画像データについては、警視庁の責任で管理しています。

Q11、防犯カメラに取り付けられた「顔認識・顔画像切り出し装置」で切り出された顔画像データの、保存、管理、消去はどのようなシステムになっているのですか。上記装置の顔画像データの、保存、管理、消去は、警視庁の責任で行なうのですか、防犯カメラ設置者の責任ですか。

回答11 分岐を受けて提供された画像データから、「顔認識・顔画像切り出し装置」により顔画像データを切り出して登録データと照合し、合致したもの以外の画像データは、瞬時に消去され保存されることはありません。分岐を受けて提供された画像データについては、警視庁の責任で管理しており、「顔認識・顔画像切り出し装置」により切り出した顔画像データについても、警視庁で管理しています。

Q12、「研究報告書」では、「定期的に検証しながら、防犯カメラ設置者や地元の要望・意見を尊重」するとしています。検証はどのように行なわれているのですか、2013年3月頃に第1回目の検証が実施される予定と聞いていましたが、検証は実施されたのですか。また、地元の要望・意見を尊重する手段はどのように講じられているのですか。

回答12 通報する機能を活用した試験運用は、平成24年9月14日から開始し、外部有識者による第1回目の本システムの活用状況の検証を本年3月に実施し、第2回目の検証を9月から10月にかけて実施しました。なお、外部有識者による検証結果を含め、本システムの活用状況を本年4月に東京都公安委員会に対して報告しております。10月には第2回目の報告を実施しました。また、本システムの試験運用は、大規模集客施設等に設置されている防犯カメラ画像の提供を受けていることから、随時防犯カメラ設置者と連絡をとり、その要望・意見を尊重しながら運用しています。

Q13、検証結果は、公表されるのですか。

回答13 本システムの活用状況についての検証結果は、東京都公安委員会に対して報告するものとしています。

Q14、試験運用開始以降のシステム登録数、照合合致数、検挙・捕そく数はそれぞれいくらですか。

回答14 データベースの登録対象者数については、公にすることにより、本システムの捕捉能力や登録対象者に関する情報等が明らかになることから申し上げられませんが、「3次元顔形状デ・一・・タベース自動照合システム運用要綱」で定めた登録基準を満たす者以外は登録していません。照合合致数及び検挙・捕捉数は現在までありません。

Q15、試験運用はいつまで続けるのですか。試験運用終了後はどうするのですか。

回答15 試験運用は、質問事項一の1に対する回答のとおり、平成26年2月28日をもって終了します。なお、試験運用終了後に引き続いての本実施への移行は予定しておりません。

以上