2014年第一回定例会文書質問趣意書 3月26日

大島よしえ(足立区議団)

一、都立大島海洋国際高等学校の特色ある教育について

 都立大島海洋国際高等学校は、水産業後継者や遠洋漁業に従事する技術者を育成する学校として設立されたが、その後の社会経済環境などの変化に伴い、「海を通し、世界を知る」という新しいタイプの海洋国際教育を学ぶ全寮制の高等学校として存在している。在校生や卒業生、保護者からもその教育内容は高く評価されている。
 こうした特色ある高等学校教育を充実させるために以下質問する。

Q1 東京都はわが国の排他的経済水域の約38%を占め、大島海洋国際高校は東京都の海洋教育の場として、航海学習、操船実技など実践的な教育を行っていると聞くが、この学校の特色ある教育とはどのようなものか。

Q2 平成25年4月26日に閣議決定された海洋基本計画の中には、「初等中等教育及び高等教育のそれぞれで実施している海洋に関する教育を充実するとともに、それらを体系的につなげる方策を検討する。」とある。都立大島海洋国際高等学校の特色ある教育は、今後も維持継続することが必要と思うが、都の見解を伺いたい。

Q3 都立大島海洋国際高等学校は、実践的な海洋教育として、東京都が所有する実習船「大島丸」を使用した海洋調査や、海外への国際航海学習を行っている。今年度の応募倍率が約2倍にもなる同校の人気と魅力の一つとなっている外国とのかかわりを担う「大島丸」であるが、同船の老朽化を受けて、新船造船を望む声も多くある。国際航海船の維持は、この学校の特色ある教育に不可欠のものと考えるがどうか。
 また、2014年度も引き続き外航船として航海学習が実施できるのか伺いたい。

Q4 「大島丸」は船舶の安全性確保のための規則を定める多国間条約である「海上における人命の安全のための国際条約」(SOLAS条約)の適用を受ける船舶として、国土交通大臣より「船舶保安証書」が交付され、外航船として許可されていると聞く。
 国際航海における船舶の保安を確保するため、都教育委員会は船舶保安統括者、船長及び船舶保安管理者に責任権限を与え、必要な支援をしなければならないと考えるが、所見をうかがう。

Q5 正規職員の船員の退職者が増えるなか、正規の船員ではなく、派遣契約により船員数を補っているとのことだが、船員は生徒の教育活動に大きくかかわっているが、臨時船員(アルバト)・派遣船員で生徒指導に支障はないのか。
 また、正規職員の船員を採用することが必要と考えるが、今後の船員確保について所見を伺いたい。

Q6 海洋科の教員も2名欠員で特任教諭(1年契約)で補っている。海洋科実習助手も専務的非常勤職員(1年契約)で、正規職員が採用されていないと聞く。海という自然相手で、危険が伴う実習が多くある。正規職員の教員、実習助手を配置すべきではないか。

以上 が、所見をうかがう。

A4 都教育委員会は、「大島丸」の安全な運航を確保するため、必要な人員体制を整えるとともに、レーダーの新規交換など適切な維持補修を行っています。

Q5 正規職員の船員の退職者が増えるなか、正規の船員ではなく、派遣契約により船員数を補っているとのことだが、船員は生徒の教育活動に大きくかかわっているが、臨時船員(アルバト)・派遣船員で生徒指導に支障はないのか。
 また、正規職員の船員を採用することが必要と考えるが、今後の船員確保について所見を伺いたい。

A5 実習船「大島丸」に派遣している派遣船員については、業務指揮命令者である船長及び業務指揮命令補助者である一等航海士の指揮命令の下に生徒指導を含む実習業務等に従事しており、生徒指導に支障はありません。今後とも、都立大島海洋国際高等学校の特色ある教育を実施するために必要な船員を適切に確保していきます。

Q6 海洋科の教員も2名欠員で特任教諭(1年契約)で補っている。海洋科実習助手も専務的非常勤職員(1年契約)で、正規職員が採用されていないと聞く。海という自然相手で、危険が伴う実習が多くある。正規職員の教員、実習助手を配置すべきではないか。

A6 都立大島海洋国際高校の教員の欠員については、正規職員と同様の職務内容である期限付任用教員を配置し、また、水産を担当する教員の平成27年度教員採用選考を実施します。都立高校の実習助手については、実習・実験の内容充実のため、外部人材を活用しており、都立大島海洋国際高校には、正規職員として実習助手を1名配置しているほか、小型船舶操縦免許を保有する専務的非常勤職員を2名配置し、適切に対応しています。

以上