2015年第1回定例会文書質問趣意書 3月25日

大島よしえ(足立区選出)

一、 都有地活用について

 舛添知事は、2014年第1回定例議会での、都有地活用に関するわが党の代表質問に、「都有地は都民の負託を受けた貴重な財産であり、都の重要政策に活用していくため、都はこれまでも活用可能な都有地について的確に把握し、福祉インフラ事業で積極的に活用してきた」と答弁しています。
 さらに、都有地に限らず、国有地、民有地等も含めた広範な土地活用策について検討するチームを、関係部局により設置を指示し、今後とも、福祉施設の整備のため、有効な土地活用を進めていくことを表明しました。
 また、都有地、国有地、民有地の新たな活用策を具体化し、都営住宅・公社住宅用地を、10年間で30ヘクタール提供するとしたことは重要です。

Q1 現在、足立区の上沼田アパートの建て替えが進められています。1600戸の大規模な団地の建替えですが、第3期工事でほぼ終了となります。最終の居住者の移転は今年5月中に行われるということですが、この都営住宅の建て替えで、従前戸数と建替え後の戸数はどのように変わるのか伺いたい。

Q2 この地域には、総合病院の誘致や、高齢者、障害者の福祉施設、シルバーピア、認可保育園などをつくってほしいという住民要求があります。この地域の都営住宅の建替えにより創出される用地はどのくらいあるのか。そのうち、福祉インフラ整備に活用可能な候補地として提供できる面積はどの程度あるのか伺います。また、こうした情報提供は、いつ、どのように地元区に提供するのかうかがいます。

二、足立都税事務所の跡地活用について

 貴重な都有地のひとつである足立都税事務所が移転した跡地の活用について伺います。

Q1 足立都税事務所は、2014年5月に、千住地区から西新井地区へと移転しました。移転後の跡地活用について、都としてどのような検討がなされたのか、財務局としての都有地活用についての方針を示していただきたい。また、普通財産に変更した時期についても伺います。

Q2 足立都税事務所のあった千住の地域は、荒川と隅田川に囲まれた地域で、認可保育園が足りず、2015年4月入所希望者のうち、第1次不承認が1485人、その2割程度は千住地域で入所できない待機児童といわれています。また、千住地域の高齢化率は、25.3%で、足立区平均22.9%に比べても高齢化率が高い地域となっています。この地域に特別養護老人ホームは、1か所しかなく、高齢者などが気軽に利用できる集会施設も身近にないため、「歩いて行けるところに集会所がほしい」という要求も高い地域です。こうした貴重な都有地を都民のために活用する考えはないのですか。また、こうした土地の情報提供などは、足立区にいつ、どのように行ったのか伺います。

Q3 現在、足立都税事務所跡地は、隣接する店舗ビル、事務所ビルと一緒に再開発ビルを建設するという再開発計画が進められています。すでに、千住一丁目地区市街地再開発準備組合が設立されていると聞きますが、この準備組合に、東京都も地権者として参加しています。準備組合設立の時期と東京都が準備組合に参加した時期、およびその経緯について伺いたい。

Q4 この再開発を実施するための都市計画として高度利用地区と千住1丁目地区第一種市街地再開発事業が提案されていますが、足立区の都市計画審議会では、まだ決定されていません。ところが、すでに準備組合は、商店街の真ん中に、地上32階、地下1階、高さ120mの超高層ビルを総事業費105億円かけて建築する事業計画をつくり、住民への説明会を行っています。なぜ、都市計画決定前に、準備組合として事業計画をつくり、住民に説明会まですることができるのか。こうした計画づくりに都や区が積極的に関与してきたのではないか、それぞれお答えください。

Q5 この再開発ビルには、店舗と、分譲マンション約180戸が入る計画と聞きました。地元説明会には、およそ200人が参加しましたが、突然知らされた建設計画に参加した住民からは、風害、日照被害、電波障害、工事の時の振動、騒音、建設車両の搬入搬出問題、災害時の不安など、さまざまな疑問や反対の声があがりました。東京都も準備組合の一員として、事業計画づくりに参画していると思いますが、こうした計画をつくるにあたって、住民の声を聞かなかったのですか。こうした地元住民の声について、都はどのように受け止めているのかうかがいます。また、今後、住民の声を聞く必要があると思いますが、都の見解をうかがいます。

Q6 都は、この再開発計画によってどの程度の権利床を得ることになるのですか。得られた権利床について、今後、どのように活用しようとしているのですか。権利床活用に地域住民の要望を取り入れる考えはないか伺います。

以上