2015年第1回定例会文書質問趣意書 3月25日

尾崎あや子(北多摩第一選出)

アジアヘッドクォーター特区について

 都がアジアヘッドクォーター特区事業を始めて、3年経ちますが、この間の実態についていくつか質問します。
 都が始めたアジアヘッドクォーター特区は、都が「総合特区制度を活用し、アジア地域の業務統括拠点や研究開発拠点のより一層の集積をめざし、東京中心部の5つの地域に外国企業誘致企画計画をすすめる」と説明して始めたものです。

Q1 この事業は、アジアヘッドクォーター特区に関する「外国企業発掘・誘致事業」として委託契約しています。単価契約としながらも、通常の単価契約のように年間を通して複数にわたる物品納入を予定している場合にあらかじめ納入単価を契約するものとはなっていません。単価契約と銘打っていながら、一般の単価契約とは異なる契約形式になっている理由をお示しください。

Q2 その各年度の契約額は、2013年度は契約額約3億4千万円、2014年度は6億2千万円、2015年度は4億5千万円となっています。それぞれの事業の目的、事業費の内訳、事業の違いについてお答えください。

Q3 この事業は3年間とも「企画提案審査会で審査した結果、最も優れている」としてアクセンチュア(株)と契約していますが、アクセンチュア(株)以外の見積もり参加企業は、各年度それぞれ何社でしたか。

Q4 この間の総務委員会資料によれば、その成功報酬は、2014年2月末現在の誘致数7社で112百万円、2015年2月25日現在の誘致数17社分で257百万円、2015年3月12日現在の誘致数19社分で287百万円と、発表されました。
 成功報酬の積算単価が、2年間の間に、また2014年度の契約では同じ年度でも異なることになります。その理由、実際の契約額を、それぞれお示しください。

Q5 東京都の入札経過調書によれば2013年度・平成25年度には2014年・平成16年3月11日に外国企業誘致事業(誘致対象企業からの支援依頼書の取得)に係わる業務委託として、アクセンチュア(株)と798万円で特命随契されることになっています。さらに2014年・平成26年3月20日には、外国企業誘致事業(誘致対象企業からの投資計画書の取得)に係わる業務委託としてアクセンチュア(株)と798万円で特命随契されることになっています。契約額は合わせて1596万円になりますが、この時の都が示した予定価格、その積算根拠、それぞれをお示しください。

Q6 年度末になってのアクセンチュア(株)と、この随意契約をすることにした目的は何ですか。

Q7 都は、この企業の「進出の意志決定」について、都の要綱等どのような手続きによって、その企業として直接、確認をしているのですか。

Q8 都は、その進出企業数について、2013年度・平成25年度11社と説明しますが、都のウェブサイトでは8社を確認できるだけです。この違いは何ですか。

Q9 進出企業30社の「意志決定」した企業の内、何らかの理由で、その後「意志決定」を変更することは、都では想定されていますか。その場合の、成功報酬の支払いについては、どのような条項になっていますか。

Q10 成功報酬を支払うことをきめる時期はいつですか。2013年度、2014年度、2015年度、それぞれどういう規定になっていますか。

Q11 2013年度誘致案件とされている「Skyepharma PLC」「BigSmile Products, LLC」「Zhejiang Longterm Medical Tdchnology Co.,L.L.C.」「Voice Enabling System Tecnology Inc.」「Ikaros Solar nv」、2014年度誘致案件とされている「Connect Worldwide International,Inc.」の計6社は2月13日現在、法務局での法人登記がされていないではありませんか。都は、それでも、それぞれの企業が、外国企業発掘・誘致事業で誘致されたとされていることについて、どのような見解ですか。

Q12 「BigSmile Products, LLC」は、都の誘致事業の支援を受けて会長・社長がインタビューに答えたという形で都のウェブサイト上で紹介されています。その中で、「2014年現在、日本にも拠点を設置した」と言っています。「Voice Enabling System Tecnology Inc.」の代表取締役社長は、「特区内に研究開発拠点を設立することとなった」「Connect Worldwide International,Inc.」は、取締役代表が「現在CWWJpapn 社が拠点を置く港区西新橋」と答えています。
 これらの企業代表者のインタビュー記事については、都はどのようにかかわって、掲載までにいたったのですか。インタビュー記事の内容は問題ないとの認識ですか。それぞれお答えください。

Q13 「Production Resource Group, L.L.C.」の代表取締役社長は、都のウェブサイト上でのインタビュー紹介で「東京進出の目的はオリンピック市場だけではない」「東京で(・・略・・開発などおこなう)予定である」「野心的なプランを米国本社へ提案する際に、東京都の支援が果たした役割は大きかった」など、初めて東京に進出するかのような紹介のされ方がされています。しかし、この企業は、法務省への登記簿によれば、31年前に、すでに日本で法人を設立し、10年前には現在と同じ住所に本店を移転している会社ではありませんか。都は、この企業の代表者へのインタビュー紹介の内容について、どのような認識ですか。

Q14 2014年度には、(株)電通にたいして「アジアヘッドクオーター特区に係わる広報業務の企画・運営委託」という事業を発注していますが、これは、どのような事業ですか。2013年度、2015年度はどうなっていますか。

Q15 この事業の入札には、(株)電通以外に、何社の企業が参加しましたか。それぞれ、お答えください。

 アジアヘッドクォーター特区は、多国籍企業及びその従事者たる外国人のビジネス環境、生活環境を整備することによって、多くの企業が集積する東京にグローバル企業のアジア統括拠点及び研究開発拠点を誘致することを目標とするとしているものです。そのために、2011年に国の指定を受けて、都は、新たにこれらの特区内に進出する外国企業に対し、税制優遇をはじめ、規制緩和や財政・金融支援のメニューを用意しています。また、外国企業が特区内でスムーズにビジネスを展開し、従業員とその家族が安心して生活できるよう、英語でのワンストップ相談窓口を設け、ビジネスから生活に至るまでの支援を行っています。さらに多言語での情報発信や災害に強い高機能オフィスの提供、ビジネス環境・生活環境の整備も進めています。

Q16 アジアヘッドクォーター特区内への企業誘致にかかわり、東京都は、拠点設立補助金要綱、税金の減免要綱、認定要綱と3つの要綱があります。また、法律でも総合特別区域法、アジア拠点化法など特区関連法などがあります。それぞれの手続きにもとづく各区種手続きは何社からありましたか。それぞれについて、お答えください。

Q17 アジアヘッドクォーター特区の5つの特区地域の個別プロジェクトとしている、丸の内のJPタワー、渋谷ヒカリエなど21地区のプロジェクトへの「魅力的な都市空間の実現」として都としての支援は、具体的にはどのようなことがおこなわれてきたのか、確認します。

Q18 アジアヘッドクオーター特区の企業誘致について、特区地域協議会と官民連携ですすめるとしていますが、官民連携で具体的には何がどうすすんできているのか。また、これまでの実績には、どのようなものがあるのでしょうか。お答えください。

以上