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第一回定例会を終えて
二〇一〇年三月三〇日
日本共産党東京都議会議員団
幹事長 吉田 信夫
今議会で日本共産党都議団は、都民生活の苦難が深刻さを増すなかで、くらし、福祉、雇用など切実な都民要求実現のために、全力をあげました。また、焦点となっている都立3小児病院の存続、築地市場の現在地再整備、オリンピックの名によるムダづかいの告発など、都民の利益をまもるために、たたかいぬきました。
一、築地市場の豊洲移転をやめさせるために全力
今議会最大の焦点となった築地市場の豊洲移転問題で、東京ガス工場跡地購入費をはじめ移転関連経費をふくむ市場会計予算を、自民、公明両党と民主党がいっしょになって可決したことは、食の安全を確保するうえで禍根を残す暴挙です。とりわけ、都議選の三大公約の一つとして「築地市場の移転に民主党はNO! 自民党はYES」とマニフェストに書いた民主党が、移転関連経費に賛成したことは、都立3小児病院廃止を容認したことにつづく、都民にたいする背信行為であり、重大な公約違反です。
わが党は、市場会計における築地市場の豊洲新市場移転関連経費一、二八一億円を削除する修正案を提出しました。都議選で「移転ノー」を公約した政党・会派が共同すれば、少なくとも移転用地購入費を削除できたのです。ところが民主党は、わが党の修正案に反対したばかりか、みずからが示した修正案も提出せずに、予算に賛成するという立場をとったのです。その理由としてあげたのは、予算特別委員会における知事の〃執行機関としても、現在地再整備検討の組織を設けていく必要もある〃などという、民主党にたいする答弁と付帯決議です。
民主党は、知事答弁を「方針の大転換」とほめたたえました。しかしわが党が知事に、「現在地再整備は不可能」とするこれまでの方針を大転換したのか、公募などによって都として現在地再整備案をつくり、実現のため力をつくすのか、とただしたのにたいし、知事は答弁に立てず、代わりに答弁に立った市場長は、「豊洲移転が最適」といい、現在地再整備の公募は考えていない、合意形成にむけた市場関係者の意向調査もしないと言ったのです。これで「方針の大転換」などとは言えないことが明らかになりました。このため困惑した民主党の要請にこたえた都側は、すでに質疑が終了している予算特別委員会で異例の知事発言をおこない、市場長発言を訂正しました。しかしそれも、これからの方針については、「今後検討する」というものにすぎなかったのです。民主党は、都が現在地再整備に主体的にとりくむことを「信じている」といっていますが、それで重大な公約違反をごまかすことはできません。
移転予定地である豊洲の土壌の安全確認についても、市場長が「土壌の汚染が環境基準以下になることを指す」としたことをもって〃よし〃としたことも、民主党のこれまでの主張とは相いれません。そもそも都がおこなう土壌汚染対策とは、移転予定地に一万八千本ある杭が汚染物質拡散の通り道になっているかどうかの調査や、地下水管理について必要な調査もおこなわれていないというものです。
都は、土壌汚染対策の「適用実験」なるものをおこなっていますが、実験前の最初のデータをしめさず、処理した結果のデータのみをもって「無害化できることが実証された」との中間報告をおこないました。しかし、これではとうてい信用できないと専門家からも指摘されています。安全確認という以上、本当にすべての地点で、環境確保条例で定めるすべての有害物質が、将来にわたって環境基準以下になることが実証されることが必要です。
付帯決議も、強制力をもつものでないうえ、石原知事のもとではなおさら何の保障ともなりません。なによりも、新銀行東京の設立に際してついた「経営にあたっても十分な健全性を確保する仕組みを構築すること」「経営全般にわたり適切な監視につとめること」とした付帯決議について、石原知事がかつて「十分尊重」と発言したにもかかわらず、この発言が紙くずのように投げすてられたことでも明らかです。
都の答弁も、付帯決議も、豊洲の安全化を保障するものにも、現在地再整備を前にすすめる保障になりえないことは、あまりにも明白です。
だからこそ、市場関係者をはじめ多くの都民が「移転予算を否決してほしかった」「変な形で、かたをつけないで」と、怒りの声をあげているのです。
都民世論に背をむけ、かたくなに豊洲移転をすすめる自民、公明両党はもとより、都議選公約を投げすて、市場移転予算に賛成した民主党は都民からきびしい批判をうけることは、まぬがれません。
日本共産党は、広範な都民、市場関係者と力をあわせ、豊洲移転にきっぱりと終止符を打ち、現在地再整備を実現するために、ひきつづき全力をつくすものです。
二、都立3小児病院は再開を
今議会中に府中の小児総合医療センターが開院し、都立3小児病院の廃止が強行されました。都議会開会中にひきつづき都庁前での都民の座り込みがおこなわれるなど、3小児病院存続の声はやむことがありません。わが党は、3小児病院がなくなれば、地域医療や小児救急に大穴があくことを指摘してきましたが、実際、小児病院の患者が三月に診療を希望したにもかかわらず、予約がとれたのは五月下旬というような事態が相次ぎ、重い障害をもつ患者さんが、行き場を失う事態がうまれています。わが党は、あらためて、小児総合医療センターの診療規模を段階的にひろげながら、3小児病院を再開することは可能であり、その方向こそ、都民の願いにこたえる道であることを強調しました。今後とも、都立3小児病院の再開のために全力をつくすものです。
三、くらし、福祉優先の予算の実現めざし、組み替え案を提出
(1)経済危機と貧富の格差が深刻化するなかで、都民生活が悪化し、都民のくらし、 福祉、いのちをまもるために、あらゆる手立てをつくすことがもとめられていました。ところが、石原知事の予算案は、部分的には前進はあるものの、教育庁予算をこの十二年間で最低にへらしたのをはじめ、福祉保健局予算の増額の多くは国の事業を予算化したものにすぎないうえ、特別養護老人ホームの整備費補助は大きくへらしていること、都独自の緊急雇用創出事業を廃止するなど、見すごすことのできない問題をかかえています。さらに、税収減といいながら、一�丹豌�円もかける外かく環状道路着手や、八ッ場ダム建設などの浪費的な大型開発がもりこまれ、投資的経費が六年連続で増額され、オリンピック開催準備基金4千億円は、招致が失敗におわったにもかかわらず温存されています。
わが党は、こうした予算案の問題点をあきらかにするとともに、具体的な提案をおこない、後期高齢者医療の保険料や、二十三区国民健康保険料の値上げをしないですむよう手をつくすこと、都として住宅手当や就職支援資金の支給など失業者の実態にあった支援策を打ち出すこと、ものづくりの技術をまもるため、機械のリース代や貸し工場の家賃への支援などの直接補助に踏み切ることなどをもとめました。
(2)わが党は、切実な都民要望の実現にむけ、予算の組み替え案を提出しました。外環道建設予算をはじめ、浪費型の大型開発などを削減し、オリンピック開催準備基金のおよそ4分の1をとりくずすことで、わが党が提案した施策のほか、都立3小児病院の再開をはじめ、75歳以上の医療費無料化、特別養護老人ホーム整備数の倍増、認可保育所の整備促進にむけた用地費助成の創設、都の直接雇用による未就職者支援事業、中小製造業への休業補償、都営住宅の一千戸の新規建設や木造住宅の耐震化助成の大幅拡充とそれによる建設業者の仕事確保、地球温暖化対策に効果があるLED電球の一般家庭むけ買い換え促進事業の創設などをおこなうもので、予算の三・三%程度の組み替えですむものです。この方向こそ、都民の願いにそうものであることを、確信しています。
(3)来年度予算では、小学校一年生、中学校一年生で、ようやく少人数学級への道がひらかれました。わが党と都民が長年、もとめてきたものであり、重要な成果です。高校授業料無料化も四月から開始されることになりました。これらの貴重な成果をさらに前進させるために、ひきつづき全力をつくすものです。
(4)この十一年間、石原知事がすすめてきた都政は、老人福祉費の割合を全国最下位にまで後退させました。また、都立施設の廃止・民営化で都民サービスを後退させ、大量の官製ワーキングプアを生み出してきた一方で、大型開発を優先するという、ゆがんだ財政と都市の構造をつくり上げ、自民党の小泉構造改革を都政において先取りしてきたものにほかならず、この転換こそがもとめられています。
四、オリンピック招致活動のムダづかいを告発
わが党は、五輪招致経費について、当初五十五億円とされていたものが、都民の支持がもりあがらないために、スポーツイベントなどをふくめて二百億円以上にふくれあがったことを指摘してきました。今議会では、招致活動における石原知事自身のムダづかいの実態をあきらかにしました。石原知事は五輪招致のために、この間、都民の税金を一億四千万円も使って五回の海外出張をおこないましたが、条例規定をこえる異常に高いホテル代を払うことが常態化し、なかには最高級のスイートルームで一泊二十四万三千円を支出したこともあります。こんなことは、他県の知事では例がありません。そして、この異常に高い海外出張費を、JTBや近畿日本ツーリストのいいなりに支払うことによって、両者に招致活動への協賛金をおさめさせていた疑惑をあきらかにしました。
都がやるべきことは、二〇二〇年オリンピック再挑戦ではなく、二〇一六年オリンピック招致活動の全容を明らかにすることです。
五、世論の力で青少年健全育成条例の改悪案が継続審査に
子どもを性的対象とする児童ポルノは絶対に容認できません。わが党は、児童ポルノ被害者をひとりも出さない社会をつくるとともに、都民の合意と努力で青少年の心身の健やかな成長を支援することを基本とする立場から、石原知事が今議会に提出した青少年健全育成条例改定案は、表現の自由の委縮につながりかねないこと、都民の自発的な協力を得られにくい状況をつくりだすことなどの重大な問題点をあきらかにし、反対を表明しました。
都民、国民の関心が大きく高まり、各党にメールやファクスや手紙での要請がかつてない規模でよせられ、反対の声が強まるなかで、議案は「継続審査」となりました。
知事は直後の記者会見で、条例案について問われ、「私もちょっとまだ精読していないというか詳細に考えていない」などという驚くべき発言をおこないました。こんな無責任な条例は即刻撤回すべきです。
質疑の中でわが党は、「漫画、アニメ等での青少年の性的描写が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するとする学問的知見にはどのようなものがあるか」とただし、都側から「学問的知見は見いだせていない」との答弁を引き出し、根拠のないことをあきらかにしました。わが党の質疑に対し、たくさんの都民から共感の声がよせられています。わが党は、廃案にむけひきつづき奮闘するものです。
また、ネットカフェ営業者に、利用者の本人確認を義務づける条例は、民主、自民、公明各党の賛成で可決されました。ネットカフェ犯罪防止や摘発は必要です。しかし条例は、利用者の個人情報の閲覧の権限を警察にあたえることで、基本的人権が侵害される危険があることや、ネットカフェ難民が排除される事態を生みかねないことから、わが党は反対しました。
日本共産党は、都民が主人公の都政への転換と、切実な都民要望の実現のために全力をつくすとともに、三か月後にせまった参議院選挙で、わが党が前進することによって、「いまの政治を変えたい」という都民、国民の願いにこたえて、国政のカジを前向きに切りかえる新しい局面をつくりだすために奮闘する決意です。
以 上
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