東京都知事 石原慎太郎殿
2010年10月13日
日本共産党東京都議会議員団
豊洲新市場関連予算の執行中止に関する申し入れ
東京都は近く、築地市場の豊洲新市場予定地の用地購入費など1281億円を執行する方針を固めたと報道されています。
しかし、豊洲移転は都民の食の安心・安全を脅かすものであり、土地購入費1260億円をはじめ、土壌汚染対策の実施設計費、新市場建設の基本設計費など含めた1281億円の予算執行は、断じておこなうべきではありません。
豊洲新市場予定地は、有害物質で広く汚染されたガス工場跡地であり、食の安心・安全を確保するという点で致命的な問題がある上、都の土壌汚染対策がごまかしに満ちたものだからです。
第1に、土壌汚染対策は�ゞ表蠹�中高濃度汚染が広範囲に存在するにもかかわらず、全面的な汚染対策を講じないこと、��調査もせずに有楽町層より深い部分は汚染されていないと断定していること、�Ｃ浪漆紊領�れなどの解明をせずに地下水が管理できるとする、など科学的裏付けを欠いた欠陥対策です。
第2に、汚染対策の有効性を確認するはずの適用実験も、高濃度汚染土壌の処理実験をおこなわず、実験のデータの真偽にも重大な疑惑があるなど、重大な瑕疵があります。
わが党がこうした批判をおこなったのにたいし、知事は、まともにこたえられず、「権威ある専門家」のお墨付きを振りかざすだけでした。しかし、適用実験の「有効性」を確認した技術会議には、土壌汚染対策の専門家らしい専門家はほとんどいません。まさに予算執行は、税金をドブに捨てるようなものです。
いま、都がやるべきことは、豊洲移転の強行ではなく、以下のことです。
− 記 −
- 豊洲移転にかかわるすべての情報を公開し、汚染対策については、環境学会など専門家の検証にゆだねること。
- 都の一般会計負担を含めた財源投入や設計変更をおこない、過大な業者負担をおさえ業者要望に応えれば、必ず関係者の合意はえられます。都の責任で、一日も早く、業者も合意できる、より良い現在地再整備案をつくること。
- 都の責任で、新市場の整備を待たずとも、ただちに、老朽化対策をおこなうことによって築地市場の安全・安心を保障すること。
以上
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