東京都知事 石原 慎太郎 殿
2011年2月24日
日本共産党東京都議会議員団
朝鮮学校への補助金支給を求める申し入れ
石原知事は昨年12月末に、2010年度の私立外国人学校教育運営費補助について、朝鮮学校への支出を留保しました。そして、補助金を支出するかどうかの判断の基準を記者に問われ、都議会の主導で始めた補助金であることを強調し、「都議会の意向をたださない限り、私は、手をつけません」と述べました。また知事は、拉致問題などがあるもとで朝鮮学校がどんな教育をやっているかわからないから、補助には問題がある旨の発言をくり返しています。
東京都の私立外国人学校教育運営費補助は1995年度から開始され、朝鮮学校をはじめ、中華学校やアメリカンスクールなど27校が対象になっています。これらの外国人学校のカリキュラムは日本の学校に準じ、大学入学資格も認められています。外国人の子どもが教育をうける権利は、子どもが居住する国で保障するのが国際的な原則です。これまで、教育費の負担や進学に際しての制約などの不利益的な取り扱いのあったものが、差別や偏見を1つ1つ乗り越えて現在の地点に到達し、いっそうの拡充が求められているのです。
北朝鮮による日本人拉致問題や韓国領砲撃などは、断じて許されるものではありません。しかし、北朝鮮の無法行為に対する報復まがいのやり方で、日本で生まれ育ち何の責任もない子どもたちの教育を受ける権利を制限することは、筋ちがいです。今回の問題のきっかけとなった国の高等学校就学支援金の支給についても、国連・人種差別条約委員会は、「何人かの政治家が朝鮮学校の排除を提案していること」に「懸念を表明する」としています。
知事が強調する都議会の意向も、今年度の朝鮮学校への補助予算については昨年3月に都議会で可決されており、その後も都議会で執行停止を求めてはいません。
よって日本共産党都議団は、下記の2点を強く申し入れるものです。
記
- 2010年度の運営費補助の対応については、ただちに申請を受け付け執行すること。
- 朝鮮学校にたいし、これまで通り私立外国人学校運営費補助を交付すること。
以 上
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