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里親支援の強化に関する申し入れ
東京都知事 石原慎太郎殿

2011年9月20日
日本共産党東京都議会議員団


里親支援の強化に関する申し入れ


 東京都杉並児童相談所が養育家庭に委託していた3歳児が死亡し、養育家庭の里母が傷害致死罪で起訴されました。今回の件については、都としても調査・検証をおこなうことが必要です。同時に、里親の孤立防止、家庭内での養育に困難や問題が生じたばあいの支援などの課題が指摘されており、都として里親支援の抜本的強化にむけ、ただちにふみだすことが求められています。
 虐待をうけた子どもたちは深刻な心の傷をうけており、「試し行動」や愛着障害など、さまざまなかたちで育てづらさがでる場合が少なくありません。里親同士の相互交流など、里親が養育に悩みをかかえたときに孤立をふせぐ支援や、研修による専門性の向上が急がれます。
 東京都はかつて、里親支援のため9か所の児童養護施設に「養育家庭センター」を設置していましたが、2001年度末にすべて廃止しました。児童相談所による支援を強化すると言いましたが、児童相談所には非常勤の担当職員(養育家庭専門員)が1人ずつ配置されただけでした。
 2009年度から、児童相談所に「里親委託等推進員」を配置して、家庭訪問による相談支援などをおこなう「里親支援機関事業」を開始しましたが、都内1か所、推進員1人体制にすぎません。今年度当初予算でようやく3か所にふやしましたが、いまだ具体化されていません。
 一方、国は、児童養護施設や乳児院に里親支援担当職員を配置するほか、児童福祉法に第2種社会福祉事業として位置づけられている児童家庭支援センターの里親支援の役割を重視し、2014年度までに全国120か所(2011年3月末現在82か所)に増設する方向をしめしています。ところが東京都に、児童家庭支援センターは1か所もありません。
 東京の多くの里親のみなさんから、「土日や夜間など、必要な時にすぐ対応してほしい」、「家庭訪問をふやしてほしい」、「長い目で里親子を見守り、里親子の成長に視点をおいた支援ができるようにしてほしい」、「子育てを里親個人にまかせるのでなく、チームで子育てを支援する体制をつくってほしい」、などの切実な要望がよせられています。
 都の対応は、事態の深刻さ・切実さにてらして、大きくたちおくれています。日本共産党都議団は、里親支援を抜本的に強化するよう、つよく要請するものです。



  1. 里親が孤立することのないよう、里親会への支援を強化し、里親同士が経験交流し、悩みを相談できる環境を、都が責任をもって構築すること。

  2. 里親・児童相談所・学校関係者等が顔をあわせて、意見交換し、子育て方針の検討作業ができる「ケース会議」を、半年に1回ていどは開くことができるようにすること。

  3. 児童相談所の里親担当職員(養育家庭専門員)を常勤・複数配置するとともに、「里親支援機関事業」を拡充し、都内全児童相談所で早急に実施すること。

  4. 里親支援の機能をもつ児童家庭支援センターの設置をすすめること。また、児童養護施設および乳児院の里親支援体制を強化し、里親支援担当職員を配置すること。

  5. 里親が、児童養護にたいする専門的知識や技能を十分身につけることができるよう、実習もふくめ、研修を拡充・強化すること。また、短期で委託をうけて経験をつむなど、里親を育てる仕組みをつくること。

  6. 里親の当事者が参加する「里親支援のあり方検討会(仮称)」を都として設置し、短期および中長期の総合的対策を具体化すること。
以 上


全文PDFです。


添付ファイル】 「しんぶん赤旗」(9月21日付)に掲載されましたので、ご参照ください。

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