東京都知事 石原慎太郎殿
２０１２年１月２５日
日本共産党東京都議会議員団
２０１２年度東京都予算に対する復活要望書
石原知事が発表した２０１２年度東京都予算原案は、外かく環状道路をはじめ巨大な道路やコンテナバースの建設、八ツ場ダム建設、さらには外国企業を呼び集める巨大開発の推進などを最重視する一方、くらし・福祉、教育、中小企業、放射能対策の予算は、一部に前進はあるものの全体として冷たくおさえられており、防災対策もきわめて不十分です。
日本共産党都議団は、都民のくらし・福祉、防災などを最優先にした予算への抜本的な編成替えを求めるものですが、さしあたって復活財源とされている２００億円については、以下の事項に対し重点的に予算配分することを要望するものです。
【総務局】
１、市町村総合交付金、特別区都市計画交付金、島しょ振興公社貸付金など、区市町村への財政支援を大幅に増額すること。
【生活文化局】
２、私立学校経常費補助をはじめ、私学助成を増額・拡充すること。
�〇篶�特別支援学校等経常費補助は補助率を引き上げること。
�∋篶�通信制高等学校経常費補助は、広域通信制高等学校も対象にすること。
��私立専修学校教育振興費補助率を引き上げること。
�せ篶�専修学校教育環境整備費補助の専修学校評価促進事業、および私立高等学校都内生徒就学促進補助を継続すること。
３、私立高校授業料軽減助成を拡充するとともに、入学金への助成を行うこと。
４、私立幼稚園児保護者負担軽減補助を継続すること。また、私立幼稚園児保護者負担軽減事業費補助を拡充すること。
５、朝鮮学校への私立外国人学校教育運営費補助を予算化すること。
【スポーツ振興局】
６、都民や自主的なスポーツ団体によるスポーツ活動、クラブの育成、大会開催などに対する助成を実施すること。
７、障害者団体が取り組むスポーツ事業や競技大会への助成を実施するなど、障害者スポーツへの支援を増額・拡充すること。
【都市整備局】
８、木造住宅の耐震化を促進するため、助成対象地域を拡大するとともに、助成額を引き上げること。マンションの耐震化促進のため、相談対策や助成の拡充をはかること。遅れている都営住宅の耐震化をさらに促進すること。
９、木造住宅密集地域の整備にあたっては、建替えや共同化、コミュニティー住宅の建設などの支援を強化し、一方的な住民追い出しを行わないこと。木造住宅密集地域の借家人で希望する人に対し、都営住宅や公社住宅を提供すること。
１０、都営住宅の新規建設を再開すること。
１１、東北大震災被災者の都営住宅等への入居、民間住宅借り上げは、期限を区切らず、被災地に戻れる条件が整うまで保障すること。
１２、都として住宅リフォーム助成にふみだすこと。
１３、特別緑地保全地区指定促進事業を増額・拡充すること。
１４、都市農地の保全を促進するため生産緑地を区市町村が買い取る場合の費用に対する財政支援を行うこと。
【環境局】
１５、公園や学校など、都有施設の放射線量の測定とミニホットスポットの除染を速やかに行うこと。土壌などの測定を実施すること。
１６、住宅用太陽光発電の初期投資ゼロへのシステムを早期に実施すること。同時に太陽熱、洋上風力、波力、小水力、木質バイオマスなどの再生可能エネルギー普及促進策を強化すること。
１７、自転車を共同利用する都市型コミュニティサイクル（自転車シェアリング）や、自転車通勤支援を実施すること。
【福祉保健局】
１８、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療保険料を軽減するため、区市町村、広域連合および国保組合への財政支援を抜本的に拡充すること。
１９、福祉保健区市町村包括補助の５事業（医療保険政策、地域福祉推進、高齢社会対策、子ども家庭支援、障害者施策の各区市町村包括補助）を増額すること。
２０、特別養護老人ホーム経営支援事業を増額・拡充するとともに、特別養護老人ホーム整備を促進すること。また、定期借地権の一時金に対する補助を増額・拡充するとともに、用地費助成を再開すること。
２１、療養病床の維持・増設にむけた支援を拡充すること。老人保健施設、認知症高齢者グループホーム、小規模多機能施設など地域密着型サービスの整備予算を増額・拡充すること。
２２、ＮＩＣＵの整備を促進するとともに、周産期連携病院、多摩新生児連携病院を増やすなど、周産期医療、小児救急医療体制を拡充すること。不育症支援を実施すること。
２３、がん検診の無料化や受診率向上に取り組む区市町村を支援するなど、がん医療・予防体制を拡充すること。
２４、看護学校の授業料値上げは撤回し、奨学金制度の充実をはかること。廃止した看護専門学校を再開または新設するなど定員を増やすこと。
２５、都庁における障害者のチャレンジ雇用をはじめ、障害者雇用支援対策を拡充すること。
２６、生活保護世帯に対する熱中症対策としての都の冷房機器設置支援事業を実施すること。
２７、食品をはじめ放射能検査を行うための検査機器、検査体制を拡充すること。また、保育園などの給食食材の放射能検査を支援すること。
２８、都内避難者の孤立防止や総合相談窓口などの支援を拡充するとともに、都民と同様の行政サービスを受けることができるよう支援を強化すること。乳幼児をはじめ、すべての都内避難者について、内部被ばくをふくめた健康診断を定期的に実施すること。
【産業労働局】
２９、「新・元気をだせ！商店街事業」を増額・拡充すること。
３０、「進め！若手商人育成事業」を増額・拡充すること。
３１、「環境対応型商店街活性化事業」、および「小売商業後継者育成・開業支援事業」「買い物弱者支援モデル事業」を増額・拡充すること。
３２、休業補償、借り工場、リース代など固定費に対する直接支援をすすめること。
３３、再生可能エネルギーの技術開発や製品化を支援すること。「医工連携事業」を実施すること。
３４、非正規労働者の正規化、未就職者・失業者の支援など、雇用・就業支援事業を増額・拡充すること。
【建設局】
３５、東部低地帯の河川堤防・護岸の耐震化の規模をさらに増やすこと。
３６、歩道整備予算を増額し、多摩地域をはじめとした歩道整備を促進すること。
３７、自転車レーン・自転車専用道、駐輪場の整備を促進すること。
３８、第２次交差点すいすいプランの予算を増額すること。
３９、無電柱化予算を増額すること。
４０、路面補修の予算を増額すること。
【教育庁】
４１、都として少人数学級を拡大するための計画を策定すること。
４２、公立小中学校の耐震診断・補強助成を、Ｉｓ値０．３以上の施設についても拡充すること。
４３、特別支援学校の重度重複学級を増設すること。肢体不自由校のヘルパー導入にともなう教員の削減をやめること。また、寄宿舎を存続・拡充すること。
４４、都立高校への進学を希望する生徒増に対応できるよう、受け入れ枠を増やすとともに、必要な施設整備を促進すること。
４５、都立学校および区市町村立学校の給食食材の放射能測定を実施し、拡充すること。
以 上
【添付ファイル】 全文PDF
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