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「東京都長期ビジョン(仮称)」中間報告について
「東京都長期ビジョン(仮称)」中間報告について


2014年9月12日
日本共産党東京都議会議員団
政策調査委員長 清水ひで子


 本日、舛添知事が「東京都長期ビジョン(仮称)」中間報告を発表しました。
 「長期ビジョン」中間報告は、基本的に、石原都政以来の長期ビジョンを継承し、外環道、臨港道路などの幹線道路建設、過大な港湾開発、都心等の拠点機能の充実など大型開発を最優先するものとなっています。特区や国際金融センター構想などで外国企業を呼び込み、大企業に減税すれば、都民や中小企業も潤うという、すでに破綻が証明されているトリクルダウン経済政策に立っています。
 このため、大型開発の多くは2020年度までに一気に完成させる一方、高齢者対策、医療・福祉人材の確保、中小企業支援、若者・女性の就職支援などの施策は不十分であり、テンポも遅いものとなっています。
 そして何よりも重大なことは、都民を苦しめている格差や貧困の広がり、安倍内閣がすすめる消費税増税、医療、介護など社会保障の切り下げなどから都民生活を守る立場が欠けていることです。
 しかし、この中で、不十分とはいえ、都民と共産党都議団が要求してきた認可保育園などの4万人分の増設、特別養護老人ホームの増設、およびこれらの福祉施設整備のための都有地の活用などが盛り込まれたことは重要です。
 「『ここで生まれ、生活し、老後を過ごすことができて良かった』と思ってもらえる都市にする」というなら、外国企業、外国金融資本の呼び込みや大型開発推進を重視する立場から、何よりも、都民のくらし・福祉を充実する政策を中心におく立場に転換することこそ必要です。
また、パブリックコメントの募集期間がわずか2週間と、多くの都民の意見をくみつくすという点で、きわめて不十分であり、延長が必要です。
 日本共産党都議団は、この立場から「長期ビジョン」を大幅に修正し、都民のための施策を拡充させるために全力をつくすものです。


くらし・福祉
 「福祉先進都市の実現」などといいますが、重い負担で都民を苦しめている国民健康保険料(税)や介護保険料の軽減対策などの立場はまったくありません。
 少子高齢化対策も保育園や特養ホームの増設のための対策は一定拡充されたものの、まだ不十分であり、知事が約束している保育士や介護士の待遇改善のための補助などにもふれていません。また、認可保育園の整備目標を明確にすることや特別養護老人ホーム、認知症高齢者・障害者のグループホームなどの整備の年度ごとの達成目標を示すこと、目標達成規模、整備施設の中身についてさらなる改善が必要です。
 住宅困窮者が増大しているにもかかわらず、都営住宅を増やしていく立場を示さないことも重大です。


中小企業・雇用
中小企業対策はこれまでの水準にとどまり、不十分です。とりわけ目新しいものはなく、存亡の危機にさらされている商店街対策はありません。
 都市農業対策はこれまでのビジョンよりも簡略化され、相続税対策など最も切望されている問題に触れられていません。
 雇用対策も新しい拡充施策はなく、高齢者就労施策は後退し、離職者対策もありません。


教育
 習熟度別授業を全小中学校にすると強調し、少人数学級推進、特別支援学校の拡充及び都民の切実な要求である教育費の保護者負担軽減などについては一言も触れられていません。


防災
 これまでと同様「自助、共助」を強調し、木造住宅の耐震化への助成は木造住宅密集地域の一部に限定しており、首都直下地震による住宅の倒壊、火災発生を防ぐという立場が乏しく、もっぱら大型道路建設と再開発中心の防災対策になっています。


都市づくり
 幹線道路建設、大企業のための都心開発及び地域拠点の開発などが中心であり、地域住民の生活の視点に立ち、日常生活の利便を改善していく立場に欠けるものとなっています。


環境
 これまでと同様、再生可能エネルギーによる電力割合を20%に拡大する目標が示されましたが、都民や区市町村と共同した小規模自立分散の地域密着発電への位置づけはほとんどなく、実効ある支援策が明確にされていないことから、またもや「絵に描いた餅」になりかねません。また、原発ゼロをめざすという立場は示されていません。

以上


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