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新国立競技場整備への都負担要請に関する申し入れ
文部科学大臣 下村 博文 殿


新国立競技場整備への都負担要請に関する申し入れ


2015年6月2日
日本共産党東京都議会議員団


 文部科学大臣は5月18日に舛添東京都知事と会談し、新国立競技場整備費用の一部を東京都が負担することを求めました。しかし同競技場は国立の施設であり、整備は国の責任で行い、都に負担を求めるべきではありません。競技場本体はもとより周辺整備についても、開発者である国が費用を負担すべきです。
 特に、新国立競技場は神宮外苑地区地区計画にもとづいて整備するものですが、都の「再開発等促進区を定める地区計画運用基準」では、主要な公共施設及び地区施設は「開発者負担で整備すること」と明記されています。また、これまで東京都自身も、本体は全額国負担が基本「原則」、周辺整備費も「原因者である国の責任で行うのが原則」との見解を示してきました。
 文部科学大臣は、都に負担を求める理由として2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催をあげていますが、オリンピック・パラリンピック成功の責任は、開催都市とともに開催国が担うもので、安倍首相もIOC総会で「真新しいスタジアムから、確かな財政措置に至るまで」「確実な実行が確証されたものとなります」と発言しています。
 法的には、国は、独立行政法人日本スポーツ振興センター法を改定し、新国立競技場の整備主体である同法人への地方自治体出資を可能としましたが、一方で、国と地方財政の基本原則を定めた地方財政法は「国は、地方公共団体に対し、その経費を負担させるような措置をしてはならない」と定めています。また、地方公共団体からの寄附は「極力これをつつしむこと」が閣議決定されていることも、重く受け止めるべきです。
 東京都は2020年オリンピック・パラリンピックの10か所の競技会場等の整備を担っており、その整備費の推計は2576億円で、都民1人当たり2万円近い負担になります。選手村などの整備を加えればさらに都の財政負担は増加します。そのうえ新国立競技場整備費の一部まで担わせることは、都財政を圧迫するもので、多数の都民から負担すべきではないとの声が都に寄せられています。
 文部科学省は今になって、費用が増加する、期日に間に合わないなどと、部分的な修正をはかろうとしていますが、キールアーチ構造の巨大施設計画そのものが、整備費の膨張、施工期間の長期化を招いている最大の原因であり、多くの建築家や都民から批判があがっている神宮外苑の歴史的景観を損なう原因ともなっています。小手先の修正でなく、破綻が明らかな従来計画の抜本的再検討こそ緊急に行うべきです。
 また、国立競技場の解体がほぼ終了し、改修して使用することが不可能になった時点で突如、計画の見直しを持ち出した文部科学省の態度に、都民の不信の声が広がっています。
 よって、日本共産党東京都議団は、以下の事項を申し入れるものです。


  1. 新国立競技場整備は、競技場本体はもとより周辺施設についても、開発者責任の原則にたち国の責任で整備すべきであり、都への負担要請は撤回すること。
  2. なぜ国立競技場解体後の今になって計画の変更を言い出したのか、コンペを含む早期の段階からこれまでの検討のすべての経緯を国民、都民に明らかにすること。
  3. 新国立競技場計画について、整備費の最新の積算及び、開閉式遮音膜や可動席を見直した場合の整備費などを、根拠を含めて明らかにすること。また、遮音膜の後付けなどを行った場合の後年度負担、さらに後年度の維持管理費等の収支計画とその根拠など、計画をめぐる情報を全面的に明らかにすること。
  4. 新国立競技場計画は、整備費を抑制し、周辺環境と調和し、都民が納得できる計画となるよう、早急に専門家の参加を得て抜本的な見直しをはかること。

以 上


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